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「街のデッサン(245)」「インサイト・ツーリズム(内発型観光)」が次代を興す、マイクロ、納税からふるさと観光へ

2021年9月19日(日) 配信

日本平ホテルからの勇壮な景観

 この「街のデッサン」シリーズの数回前に、「旅の絵葉書」について書いた。友人のアトリエで彼女の父親が旅先で購入したという絵葉書をいただいたのであるが、私の故郷・清水のものだった。観光名所の日本平からの風景で、堂々とした富士山と茶畑の下に広がる清水の町と伊豆半島が駿河湾を囲んでいる。子供のころに何度も実際に体感した風景であるが、改めて見入ってしまった。

 世界中の卓越した景観を経験しているが、これ以上に勇壮で壮大な構図を持つパノラマに出会ったことがあるか思いつかない。浦安のディズニーシーに火山の町のモデルがあるが、仮に日本平からの景観全体をテーマパークとして建造したらどのくらいの費用が掛かるのか。いや、いくら投資をしても不可能であろう。

 その号の原稿をコピーして、何人かの清水で一緒に学んだ中学や高校の友人に送ってやった。多くの友人たちが改めて故郷の持つ価値を見直し、その熱い郷土愛に火を付けたようで、誰もがまた清水に帰省し、故郷を再観光し、その良さを評価し、このコロナ禍にあっても未来に向けて勇気を貰いたいものだと、それぞれ思いを伝えてきた。私はそんな返信文を読み返しながら、ポストコロナでは海外に出掛けていくことや、観光地ではインバウンドの再興に期待するのも大切であるが、それ以前に「ふるさと観光」という新しい視点での国内の観光新生の実現性が高いのでは、と考えてもみた。

 故郷という存在の価値の大きなポイントは、私のように東京に出てそのまま故郷を離れてしまった人間にも、家業を継いで住み続けている人間にも、若かりしころに小中高での学びのストックがあることや、故郷の文化や風土の習いを身に付けてきたことである。それらは心深くにたくさんの襞=インサイト(創造や発見、洞察の糧)として、私たち個人の生きる「資本」となっていることだ。

 同級生だった教育学者で明治学院大学教授だった岩辺泰史氏から、私の原稿を読んで中学時代に国語を学んだ中島浩先生の短歌集「ポロシャツを着て」が送られてきた。岩辺と私は中島先生から「文学青年」かぶれになるような影響を受けたが、その本の第1行目の短歌に「若きうちよき師よき友よき読書常に持つべく怠るな子らよ」と詠っている。今、子供たちの「読解力」の欠如が問題視されているが、私は中島先生のお陰でそれを免れたのだ。故郷は、実は未来を俯瞰するインサイトの宝庫だ。それらに出会うインサイト・ツーリズムの可能性を故郷の旧友から示唆された。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

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