test

「津田令子のにっぽん風土記(73)」コロナ禍だからこその役割~ 東京都・巣鴨編 ~

2021年5月21日(金) 配信

「巣鴨はとても住みやすい街」と吉村さんは語る
行政書士 吉村宜真さん

 吉村宜真さんは、江戸時代の中山道で日本橋から出発して最初の休憩所(立場)といわれる巣鴨地蔵通り商店街近くに行政書士事務所(巣鴨地蔵行政書士事務所)を構える。

 
 「おばあちゃんの原宿と親しまれている街だけあって、歩いている方々の年齢層は高いです。治安も良く、穏やかでゆっくりとした空気が流れている感じでとても住みやすい街です」と話す。「とくに理由もなく、池袋で事務所を探していたら『いつの間にか巣鴨に辿り着いた』感じだったのですが、すっかりこの街が気に入ってしまいました」と巣鴨愛をさらりと語る。

 
 進学のために広島から上京。IT系会社の社員などを経て4年前に行政書士になった。

 
 主な仕事の内容は許認可申請などで役所(官公署)に提出する書類作成や代理申請など。取り扱う許認可はかなり多く、例えば建設業や不動産業をはじめ、古物商、飲食店、風俗店等の営業許可申請など幅広い。登録した際に、東京都行政書士会の会長(現日本行政書士会連合会会長)に言われた「地域社会とのつながりを大切にして、地域貢献にも積極的に参加してください」という言葉が心に響いているという。

 
 さらに「街の法律家」である役割を少しでも担いたいという気持ちから、社会貢献につながる活動を積極的に行っておられる。

 
 新型コロナウイルス感染症問題下では、所属している東京都行政書士会豊島支部と豊島区とがいち早く協定を結び、豊島区内の中小事業者の方々の協力金・給付金・支援金などの申請手続きを無料でサポートする試みが昨年5月からスタート。許認可申請の専門家の出番と吉村さんも活動に参加している。

 
 日ごろからさまざまな許認可申請を行っている吉村さんにとって難しいことではなかった。しかし、役所の申請に慣れていない方が多く、とくにオンライン申請となるとパソコンが得意でない方には、申請自体が難しいことを改めて認識したと語る。

 
 「この1年で多くの方々のサポートをさせていただき、皆様から感謝の言葉をいただけたのは一生の思い出になると思います」と振り返る。

 
 「このコロナ過の出来事を旅と定義すれば、その終着地は見えていそうでもあり、まだ見えないように思えます。旅の終着地が遠ければ遠いだけ、その道程で我慢や休憩が必要です。1日も早くコロナが収束して、以前のような日常を取り戻せることを願いましょう」と笑顔でおっしゃる姿が印象に残る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。