test

旧軍港市日本遺産活用推進協議会フォーラム 連携事業の深化へ歴史物語の再構築など課題

2018年12月7日
営業部:後藤 文昭

2018年12月7日(金) 配信

各市の取り組みなどを説明(左から)丁野氏、多々見市長、朝長市長、新原市長、上地市長

旧軍港市日本遺産活用推進協議会は11月2日、東京都内でフォーラムを開いた。パネルディスカッションでは、旧海軍「鎮守府」のまちとして日本遺産認定を受けた神奈川県横須賀市と広島県呉市、長崎県佐世保市、京都府舞鶴市の市長が登壇。「3年間進めてきた連携事業の深化」を柱に意見交換を行った。「資産の一体的な活用」の解決事例も紹介。併せて、「共通の歴史物語の再構築」など、今後の課題も提示した。

4市の市長が登壇した討論会では、今後の連携事業の方向性などを提案した。コーディネーターは東洋大学大学院客員教授の丁野朗氏が務めた。

 日本遺産は多くの遺産が一括で認定されるため、一体的な活用が課題になる。

 横須賀市は、内閣府や国土交通省などと連携し、市内に眠る開国期以降の歴史遺産を整備し、新たな周遊ルートの創出を進めている。今後、第二海堡クルーズの定期航路就航(2019年4月)などを予定する。

 インバウンド対策では、米海軍基地のアメリカ人を対象に市内観光につなげる調査を始めた。上地克明市長は、「調査結果をもとに、人気スポットの英語表記の充実やツアーの造成などをはかるうえで、日本遺産が大きな役割を持つ」と語った。

 呉市の新原芳明市長は、資金面に言及した。「旅館や交通事業者などに融資をすることで、キャッシュフローが生まれるようにしてほしい」とし、「4市共通の資源への投資」を出席していた信用金庫関係者に要請した。

 4市共通の取り組みを進めるにあたり、「グルメ」が1つの核になる。

 多々見良三舞鶴市長は、「グルメが、旧海軍ゆかりの文化を発信するうえで一番訴えやすい。今後も民間事業者と連携し、4市の食文化の発信事業を進めていく」と強調した。旧海軍ゆかりの老舗旅館を改装したレストラン「松栄館」では、「海軍割烹術参考書」のレシピを再現した海軍グルメが味わえると紹介した。

 佐世保市の朝長則男市長は、「各市が単独で行うイベントなどで、他の3市との関係性も紹介することが不可欠。4市共通の歴史ストーリーの再構築も考えたい」とした。連携強化を進めるため、DMCの設立も提案した。

 パネルディスカッションの前には、旧海軍の生みの親と言われる勝海舟の玄孫、高山みな子氏が講演を行った。また、今年度協議会から事業委託を受けている近畿日本ツーリスト首都圏による事業報告も行われた。

協議会は海外への情報発信に注力

 同協議会は今年度、「海外情報発信」を中心に事業を展開している。近畿日本ツーリスト首都圏は、10月21―22日に舞鶴市、10月24―25日に呉市でそれぞれファムトリップを行った。将来の訪日外国人旅行者に向けた情報発信と商品の企画造成につなげたい考えだ。

 参加者は関西と中四国、九州エリア、首都圏在住の欧米豪のブロガーや海外メディア、インバウンド専門旅行会社の社員など。各市が見学してほしい場所と、外国人が見学したい場所を、地元ガイドと英語ガイドの案内で巡った。今後、佐世保市と横須賀市でもファムトリップを行う。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。