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「津田令子のにっぽん風土記(84)」穂高神社式年遷宮祭で活気づく~長野県安曇野市編~

2022年4月17日(日) 配信

前回(2016年)遷宮祭の穂高人形ものがたり「加藤清正の虎退治」の場面
安曇野市観光協会専務理事 白澤 勇一さん

 長野県安曇野市にある穂高神社は、北アルプス連山の麓に広がる扇状地、穂高地区の街中にある。神社では令和初の式年遷宮祭が、今月29日から5月15日まで7年ぶりに開催される。準備に追われ早くもにぎわいを見せるなか、安曇野市観光協会の白澤勇一専務に式年遷宮や見どころについて伺った。

 

 「神様が新しく清らかなお宮にお遷りいただく神事のことで、20年に1度本殿を建て替える大遷宮と7年ごとに祓い清め、御破損修繕を行う小遷宮のしきたりがあります。室町時代から500年以上も昔から継承されてきた伝統の行事です。神社では、遷宮が斎行されるたびに境内の整備が行われ、神社の尊厳が保たれてきました」と白澤さん。

 

 「また、御祭神(ごさいじん)は穂高見命(ほたかみのみこと)ですが、その父神(おやがみ)である綿津見命(わたつみのみこと)は、航海や漁業など海を司る海神(かいしん)なのです」と語る。

 

 山に囲まれたこの地に海の神様が祀られている理由は、安曇野を切り拓いた安曇族は、福岡県博多湾の志賀島(しかのしま)を根拠地として、高い操船技術を持ち漁業を生業とする海人族(かいじんぞく)だったことに由来しているという。

 

 遷宮祭の一番の見どころは、今にも動き出しそうな戦国武将や動物、深い時代考証のもと表情豊かに作られた人形絵巻、「穂高人形ものがたり」だ。「一番難しいのは頭(かしら)の部分で、表情豊かに臨場感を持って表現するためには熟練の技が必要となり、「顔が命」と言われるゆえんとなっています」と白澤さん。今年の「穂高人形ものがたり」の展示は、犀龍と泉小太郎伝説(信濃民話)や一の谷の合戦(源平合戦)など5場面が再現される。

 

 さらに安曇野市や安曇野市観光協会などで組織する「安曇野市観光復興イベント実行委員会」では、クラフト・グルメ・アウトドア・エンタメなど、安曇野の魅力が詰まっている式年遷宮祭タイアップイベント「あづみ野てらす」を開催する。期間中は、穂高駅から明科駅間の無料シャトルバスも運行するので利用したい。

 

 「コロナ禍で沈滞した景気を回復させるために穂高神社式年遷宮祭の期間中、数多くのタイアップイベントを実施して観光誘客と観光消費額の増進をはかり、地域経済の活性化につなげてまいります」と白澤さんは力強く話す。今年の大型連休は、安曇野から目が離せない。

 

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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