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津田令子の「味のある街」「栗渋皮煮」――紅葉館(群馬県・嬬恋村)

2021年12月5日(日) 配信

鹿沢温泉 湯本 紅葉館「栗渋皮煮」1瓶(8個入り)1500円▽群馬県吾妻郡嬬恋村田代681▽☎0279(98)0421。

 「大自然の光と風……。木の香りと静寂さの中に流れるくつろぎの時間を感じていただければ」と、紅葉館の5代目館主小林昭貴さんはおっしゃる。

 

 紅葉館は、上信越高原国立公園の豊かな自然にとけ込む木の香りの優しい宿だ。2013年に、全面リニューアルし歴史と伝統にモダンさが加わり、女性グループなど新たなファンを魅了している。舞い降りるように空に輝く満天の星の夜には、ロマンチックでファンタジーな刻を過ごすことができるのだ。

 

 「玄関前には湯の丸高原を源流とする渓流があり、窓からは山あいの清々しい風景をお楽しみいただけます」と小林さん。源泉掛け流しの最高品質の湯と、料理旅館ならではの美味しい食事も好評を博している。

 

 紅葉館は1869(明治2)年創業。かつての鹿沢温泉には数件の旅館が建ち並んでいたが現在紅葉館のみ。また鹿沢温泉は「雪山賛歌発祥の地」でもある。嬬恋村の説明版によると、1926年1月京都帝国大学の山岳部が鹿沢温泉でスキー合宿され、合宿が終わってから後に第1回南極越冬隊長をされた西堀栄三郎氏、京大カラコルム遠征隊長となった四手井綱彦氏、アフガニスタン遠征隊を勤めた酒戸弥二郎氏、並びに東大スキー部OBで後にチャチャヌプリ遠征隊長をされた渡辺漸の4人が退屈まぎれに「山岳部の歌」を作り上げたものだという。これを記念し「雪山讃歌の碑」を鹿沢温泉に建立した。

 

 毎年この時期、決まって取り寄せているのがこの宿自慢の期間限定「栗渋皮煮」だ。10月に入るとすぐに作製に取りかかり販売をスタートさせる。栗は、長野県小布施産のブランド栗を使い煮込んでから冷蔵庫で味を馴染ませる。8個入りの瓶詰で1500円という価格も魅力の一つ。栗の旨味の向こうに雪化粧した浅間山の風景が見え隠れする1品だ。蓋を開けなければ、2~3カ月は日持ちするのでお節にも使えるのもうれしい。

 

 「静かな山のいで湯と語らいを楽しみ、心からくつろぐ幸せなひと時をお過ごしください」と小林さん。流れる時間すべてが紅葉館のおもてなしだと実感した。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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