花火大会の有料席「プレミアム化」加速 「最上位席」平均4万円超え 「有料席」は4年間で2割高に「価値に見合う価格」の模索続く
調査レポート
2026.07.22
株式会社帝国データバンク
2026年「主要花火大会」有料席導入・価格調査

株式会社帝国データバンクは、全国の主な花火大会における有料観覧席の価格動向について調査・分析を行った。
SUMMARY
国内で夏季に開催される主要な106の花火大会のうち、約8割にあたる84大会で観覧エリアに「有料席」を導入していることが分かった。このうち半数超の45大会で、2026年開催の花火大会における有料席の「値上げ」が判明した。
花火大会の有料席におけるチケット料金をみると、1区画(席)あたりで最も安い「一般席(最安値)」平均は5517円、「プレミアム席(最高値)」平均は4万611円。
[注1] 全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年、2023年調査時点)の106 大会が対象
有料席の範囲は、「個人席」「グループ席」が対象(観覧エリアの入場料を含む)
[注2] 駐車場料金等の別途付帯料金、企業協賛金は集計対象外
[注3] 2020 年~2022 年はコロナ禍による大会中止が多いため対象外
[注4] チケット価格は2026年7月17日時点の最新値。席種の変更や、本年調査以前で価格の変動が判明した場合は遡及して再計算を行っている
花火大会の8割で有料席を導入 5大会は開催なし
国内で夏季に開催される主要な106 の花火大会のうち、約8 割にあたる8 4 大会で観覧エリアに「有料席」を導入していることが分かった。前年( 84 大会)から変動がなかった。このうち半数超の45 大会で、2026 年開催の花火大会における有料席の「値上げ」が判明した。前年(42 大会)から3 大会増加し、有料席の価格を引き上げる傾向が続いた。
なお、調査対象の花火大会のうち、5 大会で202 6 年開催の中止(未定含む)が判明した。会場近隣で大規模な国際競技大会が開かれるなど特殊事情も一部でみられたものの、実行委員会メンバーの高齢化や運営スタッフ不足、警備費などの物価高騰などを背景に開催を取りやめる地方の花火大会が目立つ。

プレミアム席、初の平均4万円超え 一般席との格差7倍
有料席のチケット料金をみると、複数種類が用意された観覧席のうち、1区画(席)あたりで最も安い「一般席(最安値)」平均は5517円だった。前年(5286円)に比べて4.4%・231円増加した。2025年開催時(+2.3%・120円増)から値上げ幅は拡大し、コロナ禍後の2023年以降、4年間で約16%上昇した。最前席や区画当たりの面積を広く確保したテーブル席、ソファ席など、多様な種類の観覧席が導入される「プレミアム席(最高値)」平均は4万611円だった。前年(3万7804円)から2807円・7.4%増と大幅な値上げとなり、集計開始以後で初めて平均4万円台に到達した。また、2023年以降の4年間では約23%上昇した。
この結果、「一般席」と「プレミアム席」の平均価格差は7.36倍となり、前年開催(7.15倍)を上回って過去最大となるなど、一般席と有料席の価格設定で「二極化」戦略を進める大会が増加した。
花火大会では、観覧客の転倒・ケガなど群衆事故対策が求められていることに加え、私有地への無断立ち入りといった開催地住民とのトラブルやテロ対策など、安全確保のために警備強化の必要性が高まっている。ただ、これまで花火大会を支えてきた地元商工会や自治会などのコミュニティは高齢化などで縮小が続き、警備会社やイベント企画会社などに運営を委託せざるを得なくなっており、花火大会全体のコスト押し上げ要因となっている。加えて、人手不足によるスタッフなど人件費の高騰、近時の円安に加え中東情勢の緊迫化に伴う火薬原料の値上がりや調達難、観覧席の椅子やテントなど備品レンタル代でも値上げが続き、運営予算を圧迫する状況が続いていることから、花火大会の開催維持を目的に有料開催へ踏み切るケースが多くみられる。
他方で、2025年から席数の拡充や種別の細分化の動きが強まり、観覧エリアなどへの入場料を数千円に引き下げる一方、最も花火を見やすいロケーションの席種では、ふるさと納税の活用や設備・アメニティの充実、高い競争倍率を背景に価格上限を大幅に引き上げ、1席/1区画あたり5万円以上のプレミアム席を設置する大会が多くみられた。

有料席は4年間で2割高 「価値に見合う価格」の模索続く
値上げの動きが「モノ」から「サービス」へと広がるなか、花火大会でも有料席の導入が急速に進み、近年は有料席の価格帯を引き上げる動きが多くみられるようになった。導入が本格化した2023年以降、特に高額化の動きが顕著で、プレミアム席では10万円を超える価格帯も珍しくない。最安値席では、席種の多様化で価格を引き下げる動きもみられるものの、2023年比で約16%増、プレミアム席では約23%増と、総じてチケット代は大きく値上がりした。
ただ、近時の花火大会では豪華なサービスやプレミアム感を設定した「超高額席」がインバウンド富裕層向けや、特別な日を祝いたいニーズ向けに、「最安値席」が猛暑や混雑、場所取りといった苦労を避けたい若年層やファミリー層向けに販売が好調で、価格帯や観覧シーンに応じた購入層の棲み分けがみられる。近時の物価高を背景に、2026年夏休みの平均予算は5年ぶりに減少し、近場で過ごす傾向が強まるなか(明治安田生命「夏に関するアンケート調査」)、花火大会における有料席は「安近短レジャー」の候補として、販売は堅調な推移が見込まれる。
他方で、打ち上げ数が少なく、パイプ席のみなど一般席でも割高感のある大会や、具体的な付加価値感に乏しい1~2万円前後の価格では売れ残った大会もあり、高額な観覧席に対する受け入れ度合いには差がみられる。物価高による節約志向で消費者の選別眼もシビアになるなか、花火観覧を含めた体験価値に見合う「妥当な価格設定」を探る展開が続くとみられる。
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2026年「主要花火大会」有料席導入・価格調査

株式会社帝国データバンクは、全国の主な花火大会における有料観覧席の価格動向について調査・分析を行った。
SUMMARY
国内で夏季に開催される主要な106の花火大会のうち、約8割にあたる84大会で観覧エリアに「有料席」を導入していることが分かった。このうち半数超の45大会で、2026年開催の花火大会における有料席の「値上げ」が判明した。
花火大会の有料席におけるチケット料金をみると、1区画(席)あたりで最も安い「一般席(最安値)」平均は5517円、「プレミアム席(最高値)」平均は4万611円。
[注1] 全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年、2023年調査時点)の106 大会が対象
有料席の範囲は、「個人席」「グループ席」が対象(観覧エリアの入場料を含む)
[注2] 駐車場料金等の別途付帯料金、企業協賛金は集計対象外
[注3] 2020 年~2022 年はコロナ禍による大会中止が多いため対象外
[注4] チケット価格は2026年7月17日時点の最新値。席種の変更や、本年調査以前で価格の変動が判明した場合は遡及して再計算を行っている
花火大会の8割で有料席を導入 5大会は開催なし
国内で夏季に開催される主要な106 の花火大会のうち、約8 割にあたる8 4 大会で観覧エリアに「有料席」を導入していることが分かった。前年( 84 大会)から変動がなかった。このうち半数超の45 大会で、2026 年開催の花火大会における有料席の「値上げ」が判明した。前年(42 大会)から3 大会増加し、有料席の価格を引き上げる傾向が続いた。
なお、調査対象の花火大会のうち、5 大会で202 6 年開催の中止(未定含む)が判明した。会場近隣で大規模な国際競技大会が開かれるなど特殊事情も一部でみられたものの、実行委員会メンバーの高齢化や運営スタッフ不足、警備費などの物価高騰などを背景に開催を取りやめる地方の花火大会が目立つ。

プレミアム席、初の平均4万円超え 一般席との格差7倍
有料席のチケット料金をみると、複数種類が用意された観覧席のうち、1区画(席)あたりで最も安い「一般席(最安値)」平均は5517円だった。前年(5286円)に比べて4.4%・231円増加した。2025年開催時(+2.3%・120円増)から値上げ幅は拡大し、コロナ禍後の2023年以降、4年間で約16%上昇した。最前席や区画当たりの面積を広く確保したテーブル席、ソファ席など、多様な種類の観覧席が導入される「プレミアム席(最高値)」平均は4万611円だった。前年(3万7804円)から2807円・7.4%増と大幅な値上げとなり、集計開始以後で初めて平均4万円台に到達した。また、2023年以降の4年間では約23%上昇した。
この結果、「一般席」と「プレミアム席」の平均価格差は7.36倍となり、前年開催(7.15倍)を上回って過去最大となるなど、一般席と有料席の価格設定で「二極化」戦略を進める大会が増加した。
花火大会では、観覧客の転倒・ケガなど群衆事故対策が求められていることに加え、私有地への無断立ち入りといった開催地住民とのトラブルやテロ対策など、安全確保のために警備強化の必要性が高まっている。ただ、これまで花火大会を支えてきた地元商工会や自治会などのコミュニティは高齢化などで縮小が続き、警備会社やイベント企画会社などに運営を委託せざるを得なくなっており、花火大会全体のコスト押し上げ要因となっている。加えて、人手不足によるスタッフなど人件費の高騰、近時の円安に加え中東情勢の緊迫化に伴う火薬原料の値上がりや調達難、観覧席の椅子やテントなど備品レンタル代でも値上げが続き、運営予算を圧迫する状況が続いていることから、花火大会の開催維持を目的に有料開催へ踏み切るケースが多くみられる。
他方で、2025年から席数の拡充や種別の細分化の動きが強まり、観覧エリアなどへの入場料を数千円に引き下げる一方、最も花火を見やすいロケーションの席種では、ふるさと納税の活用や設備・アメニティの充実、高い競争倍率を背景に価格上限を大幅に引き上げ、1席/1区画あたり5万円以上のプレミアム席を設置する大会が多くみられた。

有料席は4年間で2割高 「価値に見合う価格」の模索続く
値上げの動きが「モノ」から「サービス」へと広がるなか、花火大会でも有料席の導入が急速に進み、近年は有料席の価格帯を引き上げる動きが多くみられるようになった。導入が本格化した2023年以降、特に高額化の動きが顕著で、プレミアム席では10万円を超える価格帯も珍しくない。最安値席では、席種の多様化で価格を引き下げる動きもみられるものの、2023年比で約16%増、プレミアム席では約23%増と、総じてチケット代は大きく値上がりした。
ただ、近時の花火大会では豪華なサービスやプレミアム感を設定した「超高額席」がインバウンド富裕層向けや、特別な日を祝いたいニーズ向けに、「最安値席」が猛暑や混雑、場所取りといった苦労を避けたい若年層やファミリー層向けに販売が好調で、価格帯や観覧シーンに応じた購入層の棲み分けがみられる。近時の物価高を背景に、2026年夏休みの平均予算は5年ぶりに減少し、近場で過ごす傾向が強まるなか(明治安田生命「夏に関するアンケート調査」)、花火大会における有料席は「安近短レジャー」の候補として、販売は堅調な推移が見込まれる。
他方で、打ち上げ数が少なく、パイプ席のみなど一般席でも割高感のある大会や、具体的な付加価値感に乏しい1~2万円前後の価格では売れ残った大会もあり、高額な観覧席に対する受け入れ度合いには差がみられる。物価高による節約志向で消費者の選別眼もシビアになるなか、花火観覧を含めた体験価値に見合う「妥当な価格設定」を探る展開が続くとみられる。
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