〈旬刊旅行新聞2月1日号コラム〉――能登半島への想い  3―4月に「北陸応援割」による支援も

2024年2月1日(木) 配信

 能登半島には何度訪れたか分からない。

 

 旅行新聞に入社してまだ間もないころに、和倉温泉・加賀屋さんの調理長にインタビュー取材を申し込んだ。料理に対する知識の乏しい私の拙い質問に、百戦錬磨の料理長は懇切丁寧に答えていただいた。

 

 一晩宿泊した帰りに、和倉温泉駅まで客室係の方に送っていただいた。「ありがとうございました」と言おうとすると、客室係の方は改札も一緒にくぐり、電車の車内まで私の荷物を持って席を探してくれた。

 

 電車の出発時刻まで10分ほどあったが、扉が閉まり、電車が動き出すまで客室係の方はホームに立っておられ、お見送りをしていただいた。あれから何十年も経ったが、忘れることができないというのは、心が大きく揺り動かされたからだろう。

 

 その後、能登半島には社員旅行で訪れたこともあった。輪島市で輪島塗の体験もした。

 

 2017年の6月6日には、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の総会が、ゆけむりの宿美湾荘(石川県・和倉温泉)で開かれた。これに合わせて実施された能登半島を巡るエクスーションなどにも参加した。

 

 全旅連会長を3期6年間務め、宿泊業界の発展にご尽力いただいた多田計介前会長のゆけむりの宿美湾荘も、能登半島地震で大きな被害を受けたことに、とても心を痛めている。

 

 

 静かな七尾湾に浮かぶ能登島は、とても風光明媚だ。いつだったか、雨上がりの能登島をドライブしていたときに、道路は濡れていたが空から海にかけて虹が架かり、眩しいほどに輝いていたのが印象的だった。能登島から七尾湾越しに遠くに映る和倉温泉の温泉街は美しい。大好きな風景だ。

 

 能登半島の千里浜なぎさドライブウェイも有名だ。全長約8㌔の砂浜を車やオートバイでも走れることで人気のスポットとなっている。「地の果て感」が漂い、季節によってさまざまな表情を見せてくれる。

 

 学生時代、独りぼっちで悶々とボロアパートでくすぶっていたころ、友人がとても明るい顔で「能登半島に2泊3日の旅行をしてきた」と、千里浜なぎさドライブウェイを、助手席に乗せた彼女と走ってきた写真をさりげなく見せられた日以来、私は能登半島に対する憧れが、ひと際強くなったのだと思う。

 

 

 珠洲市を訪れたとき、道路沿いに民家が続き、いつまでも途切れないことに驚いた。半島の奥に行けば行くほど民家は少なくなると思い込んでいたが、しっかりと人の営みや文化が地域に根付いていることを感じた。

 

 能登半島最先端の禄剛崎は少し高台にある。真冬だったが、私は息を切らしながら登った。荒い息で、汗を拭きながら目に入ってきたのは、緑に囲まれ、ちょこんと佇む、とても可愛らしい白亜の灯台であった。

 

 数年前に輪島を訪れたとき、呑み屋が見つからず、市内の沖縄料理店に入ったことを思い出す。翌朝は輪島の朝市にも行った。商店街でしっくりときた輪島塗のお椀を買い、美味しい海鮮丼もいただいた。そのときに購入したお椀を毎日のように使っており、被災した輪島市の映像を見るたびに、何とも言えない哀しい気持ちになる。

 

 

 3―4月に「北陸応援割」による支援がスタートする。適切な時期に訪れて、能登半島の素晴らしさを再び体感し、伝えていきたい。

(編集長・増田 剛)

 

訪日・在留外国人向け新幹線チケット手配サービス 「JAPAN BULLET TRAIN」始める

2024年1月31日(水) 配信

JAPAN BULLET TRAINイメージ

 ナビタイムジャパン(大西啓介社長、東京都港区)とインバウンドプラットフォーム(王伸社長、東京都港区)は1月31日(水)から、訪日・在留外国人向けに、JR新幹線チケット手配サービス「JAPAN BULLET TRAIN」を始めた。

 訪日・在留外国人向けにさまざまなサービスを提供するインバウンドプラットフォームのWebサイト「JAPAN BULLET TRAIN」を経由して、JRの新幹線チケットを申し込むことで、言語の壁を感じさせることなく、シームレスな申し込みや利用ができる。

 さらに、NAVITIMEジャパンの「Japan Travel by NAVITIME」のWebサイトやアプリからも、同申し込みサイトへ移動が可能。

 取り扱う券種は、全国のJR新幹線、JR在来線(成田エクスプレス、踊り子など)、対象区間の乗車券、自由席・指定的特急券、グリーン券、在来線特急券など。

日本旅行、GSTCに加盟 持続可能な旅行の推進・発展目指す

2024年1月31日(水) 配信 

日本旅行はこのほど、GSTCに加盟した

 日本旅行(小谷野悦光社長)はこのほど、サステナブルツーリズムの国際基準の制定・管理を行うグローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)に加盟した。

 同社はSDGsの達成に貢献するとともに、企業理念の実践・企業ビジョンを実現するため、「人」「風景」「文化」をテーマにした取り組みを行っている。地域と協力し、カーボンオフセットにつながる旅行商品の企画・販売や、SDGsに取り組む企業との共創プログラムの展開などの取り組みを進めている。

 加盟にあたり同社は、「GSTC基準をもとに日本の観光業界におけるサステナブルツーリズムの推進・発展に向け、地域や観光事業者とともに取り組みを進めていく。サステナブルな社会へ、今ツーリズムにできることを考え、お客様、サプライヤー、社員一同で地球環境を含む社会全体の未来に貢献する活動を行う」考え。

3月9日、芝政ワールドに「恐竜の森」がオープン

2024年1月31日(水) 配信

ウォークスルー型のアトラクションが誕生する

 芝政観光開発(福井県坂井市)が運営するテーマパーク「芝政ワールド」に3月9日(土)、日本最大級の恐竜アトラクション「恐竜の森」がオープンする。2万6000平方メートルの広大な森を歩くウォークスルー型のアトラクション。

 恐竜の森は芝政ワールドの中央に位置し、日本海に面した全長約1キロのコースには30種・60体以上の動く恐竜模型を配置。巨大なティラノサウルスや水を飲むステゴサウルス、福井県で化石が発見されたフクイサウルスなどが楽しめる。

 散策中は、カードを使って未知のエネルギー「ディノエネルギー」を収集するミッションも設定。集めた量で恐竜の卵が孵化するという演出で、生まれた恐竜のカードはゲットすることができる。

 恐竜の森の利用料金は1回1人800円。パスポートチケットの場合、1回無料で楽しめる。

 同テーマパークは3月16日(土)に北陸新幹線が延伸し、福井への利便性が大きく向上することから、「この機会に、これまで芝政ワールドにお越しいただいていた皆様はもちろん、より多くのお客様に芝政ワールドの広大な敷地と豊かな自然の中で、福井県の誇る恐竜ブランドを生かしたテーマパークならではのオリジナリティ溢れる恐竜の世界をご体感いただけます」とアピールしている。

世界最大の客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」 船内に8つの街を備える(ロイヤル・カリビアン・インターナショナル)

2024年1月31日(水) 配信

アイコン・オブ・ザ・シーズ イメージ

 ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(マイケル・ベイレイ社長、米国・フロリダ州)は1月27日(土)、世界最大の客船となる「アイコン・オブ・ザ・シーズ」の運航を始めた。全長365㍍、乗客定員は5610人(最大7600人)、乗務員も併せて最大9950人収容可能なクルーズ船。船内は8つ「街」から構成され、ウォーターパークエリアや本物の植物が植えられた公園、40店以上の飲食店などが備えられている。

 洋上最大といわれるウォーターパークエリア「スリルアイランド」では、6つのウォータースライダーを用意した。

 船の目抜き通りである「ロイヤルプロムナード」では、11㍍×29㍍の巨大な窓からオーシャンビューを望むことができ、15店もの飲食店が並ぶ。また、ロイヤルプロムナ―ド内のアイス・アリーナ「アブソリュートゼロ」ではアイススケートショーも行われる。

 「クラウンズエッジ」は、海上49㍍の高さで遊べる洋上アスレチック。大海原を見ながらスリル満点かつ、ハーネスを着けながら安全に楽しむことができる。

 同船は、米国フロリダ州マイアミを母港に、7泊の東・西カリブ海クルーズを通年で運航する。また、すべての航路で、同社が保有するプライベート・アイランド「パーフェクトデイ アットココケイ」のほか、メキシコ・コスメル、セントマーチン島のフィリップスバーグ、ホンジュラス・ロアタンなどの島を訪れる予定だ。

春の秋田大曲花火大会を鑑賞 ジャルパックがツアー販売

2024年1月31日(水) 配信

4月27日の出発

 ジャルパック(平井登社長、東京都品川区)はこのほど、秋田県大仙市で開かれる「大曲の花火―春の章―」を鑑賞するツアーを売り出した。出発日は4月27日(土)で、全国各地から1泊2日または2泊3日で設定している。

 花火大会では競技花火や世界の花火と日本の花火のコラボレーションなど、さまざまな花火が観覧席で鑑賞できる。ツアー特典としてオリジナルトートバッグや軽食・飲み物などが付く。

 ツアーはバスガイド付きの観光バスで秋田県の観光名所を巡る「観光付きコース」と、花火以外は自由に行程を組める「フリーコース」を用意。観光コースは、酒蔵観光と角館の観光を楽しめる。料金はダイナミックパッケージのため空き状況により変動する。予約は先着順で募集定員になり次第、販売を終了する。

トキエア「新潟ー札幌(丘珠)」線、1月31日に初便就航

2024年1月31日(水) 配信

BV101離陸のようす

 トキエア(長谷川政樹社長、新潟県新潟市)は1月31日(水)、15年ぶりとなる独立系新規航空会社として新潟―札幌(丘珠)線(1日2往復)の運航を開始した。

 初便のBV101便は新潟空港を定刻の午前9時30分を7分遅れて出発し、札幌丘珠空港に定刻通り午前11時10分に到着した。

就航セレモニーのようす(前列中央が長谷川政樹社長)

 機材はATR72―600(座席数72席)で、初便の乗客数は71人(搭乗率98・6%)だった。

JNTO、地方誘客強化へ 43道府県の客数がコロナ禍前まで回復せず

2024年1月31日(水) 配信

中山理映子理事

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は1月25日(木)に開いた会見で、2023年1~10月の外国人延べ宿泊者数は、東京都がコロナ禍前の19年同期比40%増となった一方で、大阪府や京都府、沖縄県など43道府県は19年同期を下回ったことから地方誘客を強化する方針を示した。

 エリア別外客数の回復傾向をみると、中国は71%減、台湾が55%、香港は31%減、タイが24%減となった。

 中山理映子理事は「コロナ禍前に需要を牽引していた東アジア市場の回復の遅れが影響している」と理由を説明した。

 これを踏まえ、JNTOは韓国と中国、香港、台湾、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムの10カ国の訪日ライトリーピターを対象に延泊や再訪日、観光施設の予約を促進させるため、OTAのCtripとTrip.com(トリップドットコム)、Expedia(エクスペディア)に特設ページを開設した。

 具体的にエクスペディアでは12月8日~2月末、シンガポール市場向けに沖縄を訴求するため、連泊特典や体験型コンテンツなどの商品を掲載しているページをオープンした。

 トリップドットコムでは1月24日~2月下旬に、タイ市場を対象に鉄道パスや航空便などの商品を掲載。さらに、トップページには銀山温泉(山形県)の写真を載せた。

 各海外市場と日本の訴求地域の組み合わせは、広域DMOの重点市場やJNTO海外事務所の訴求希望エリアを勘案し、オーバーツーリズム対策として、宿泊統計で上位の地域を除外した。

 また、25年の大阪・関西万博の開催を契機に地方へ訪れてもらおうと、JNTOは同万博への関心が高いという万博開催国のドイツやイタリア、中国などを対象に、情報発信や旅行会社などとの共同広告を出稿する方針だ。

 11月にはJNTOが特設ページとプロモーション動画を公開した。10月には在日のグローバルメディアを招請し、北陸や四国を巡るファムツアーを行った。

 中山理事は「メディア露出につながるような仕掛けも展開していき、地方誘客に力を入れたい」と語った。

東濃鉄道が3月に80周年で記念事業 第1弾は記念乗車券発売

2024年1月31日(水) 配信

80周年でさまざまな記念企画実施

 名鉄グループでバス事業などを手掛ける東濃鉄道(今川孝英社長、岐阜県多治見市)は3月1日(金)に80周年を迎えることから、感謝を込めた記念事業を展開する。第1弾として、新旧のバスを並べたデザインを印刷した記念乗車券を同日、100枚限定で売り出す。発売は東濃鉄道多治見駅前店で午前11時から。価格は800円。

 80周年記念バスツアーも企画する。ツアーは「富士山をぐるっと一周!様々な場所から富士山を眺望~石和温泉ホテルふじ宿泊ツアー」。夕食は80周年の記念メニューで、プレート付きのデザートも楽しめる。参加者全員に80周年記念ラベルのミニワインボトルもプレゼントする。出発は多治見駅北口発と東鉄可児車庫発で日程はそれぞれ3~5月の5日間を設定している。代金は1人3万1800~5万3800円。

 また、昨年6月に実施して好評だった笠原鉄道の廃線跡を歩くウォーキングイベントを今年は80周年記念イベントとして行う。4月にモザイクタイルミュージアム前広場で開催の「タイル感謝祭」との同時開催を予定している。

明石海峡大橋登頂体験ツアー 24年度の開催概要発表

2024年1月31日(水) 配信

神戸側主塔(2P)からの神戸側風景

 本州四国連絡高速道路(後藤政郎社長、兵庫県神戸市)は1月31日(水)、同市と淡路島を結ぶ世界最大級の吊橋・明石海峡大橋の登頂体験ツアー「明石海峡大橋ブリッジワールド」の2024年度開催分の概要を発表した。

 4月4日(木)から11月30日(土)と、25年3月1日(土)から30日(日)の木・金・土・日・祝日のうち、同社が指定する日にツアーを実施する。

 4~6月分のツアー参加申し込みを、2月1日(木)午前10時からウェブサイト「JTB BÓKUN」で受け付ける。先着順となる。

 24年度のツアーは3年ぶりに神戸側主塔(2P)で開催する。同市の橋の科学館集合・解散で所要時間は約2時間40分。舞子海上プロムナードを経由し、管理路から高さ300㍍の登頂に上がる。

 料金は平日大人5000円、中学生2500円。休日大人6000円、中学生3000円。中学生の参加は大人の同伴が必要。中学生未満は参加できない。

 各日とも1日2回(午前と午後の部)開催する。各回定員48人。最少催行人員12人に満たない場合はツアーを中止する。

 なお、7~9月開催分は4月1日(月)、10・11月開催分は7月1日(月)からそれぞれ申し込みを受け付ける。