NAA、国際線旅客19年比8割まで回復 韓国など近距離線好調で

2024年3月1日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が2月29日(木)に発表した2024年1月の国際線旅客数は前年同月比46%増の244万5460人となった。19年比では、初めて8割まで回復した。韓国や台湾、香港線など近距離のアジア路線が好調だったことが主な要因。

 国際線旅客数のうち、外国人旅客数は前年同月比59%増の164万4202人。19年同月比で11%増とコロナ禍前を超えた。日本人旅客数は前年同月比70%増の54万166人。19年同月比では52%減だった。

 国内線旅客数は前年同月比18%増の62万9757人。19年同月比6%増と6カ月連続で19年同月を超えた。

 総発着回数は前年同月比23%増の1万9638回。旅客便のうち、国際線は同42%増の1万2611回。国内線は同4%減の4189回だった。

 田村社長は今後の見通しについて「インバウンドは韓国や台湾、タイ、シンガポールなどが好調に推移するだろう」と予測。日本の学生が春休みを迎えるほか、卒業旅行の需要が高まることから、「アウトバウンドは比較的リーズナブルな東アジアやベトナム、フィリピンのセブなどへの利用が伸びる」と見通した。

台湾などコロナ前超 春節中国19年比5%減

 2月1(木)~24日(土)の国際線出国旅客数は前年同期比62%増の88万800人。

 このうち、韓国線は同45%増の19万2700人。19年同期比では40%増。台湾線は前年同期比63%増の11万7800人。19年同期比では15%増だった。

 春節期間中の1日当たりの中国線の出国旅客数は5000人ほどとなった。19年同期比では約5%減だった。

 田村社長は「予想より多く回復した。円安効果もあり免税店などの構内営業の売上は19年比で約3割増加した」と話した。

CO2を90%削減 改造不要の燃料導入

 NAAは3月4日(木)から、車両のゼロカーボン化を推進する一環で、消防車や給水車など4台空港特殊車両に次世代型バイオ燃料「リニューアブルディーゼル(RD)」を導入する実証実験を行う。

 同社ではこれまで、電気自動車や燃料電池車への置き換えを実施してきた。一方で、空港特殊車両については、電気自動車が開発されていない。このため、改造不要で燃料のみを入れ替えることで、従来の軽油と比べて約90%CO2を削減できる同燃料の導入を決めた。

 RDは、廃棄された食用油や植物を原料とし、CO2を大幅に削減できるジェット燃料SAFの製造工程で副産物として生成される。

 実証実験では、車両への影響を確認するほか、供給体制の構築に向けた検証を行う。CO2削減量は年間で約20㌧となる。

 田村社長は「SAFの製造を後押しできるため、導入を決めた。高コストが課題だが、SAF製造量増加で、RDのコストが低減することを期待している」と語った。

4月から新パンダプラン 南紀白浜マリオット×アドベンチャーワールド 

2024年3月1日(金) 配信

Panda Family Museum Room

 南紀白浜マリオットホテル(笹川昭一総支配人、和歌山県・白浜町)はこのほど、アドベンチャーワールドとコラボレーションした特別ルームに宿泊するプラン「Panda Family Museum Stay(パンダファミリーミュージアムステイ)」を売り出した。パンダをモチーフにしたディナーやドリンクが楽しめるほか、アドベンチャーワールド入園券が1日分付く。同プランの宿泊期間は2024年4月13日(土)~25年3月31日(月)までの設定。

 同ホテルから車で約10分のテーマパーク「アドベンチャーワールド」は4頭のジャイアントパンダの家族が暮らしている。両者はこれまでもコラボルームを展開しており、第4弾となる今回は「アドベンチャーワールドの歴代パンダファミリーに出会える」がコンセプト。パンダファミリーの家系図が楽しめるデザインの部屋で、同園で暮らしているパンダのほか、今は中国で暮らすお父さんパンダの「永明(えいめい)」をはじめとする歴代パンダにも出会える。

 室内はパンダの主食である竹を活用した「竹あかり」などを設置するほか、竹製のオリジナルトラベルラゲッジタグを1人1つプレゼントする。

パンダバーガーディナーセット

 プランの夕食は、アドベンチャーワールドのパンダがデザインされた特製バンズを使用したパンダバーガーとオリジナルフローズンヨーグルトドリンクを用意。和歌山県産の「熊野牛」を使用したバーガーやパンダが好きなリンゴを使用したホイップサンドなどが楽しめる。こちらは部屋食となる。

 大人1人(2人1室利用時)で3万3430円(税込)から、小学生が2万7690円から。4歳以上小学生未満の添い寝利用は入園券と朝食代負担で利用できる。

農林水産省、28の農泊インバウンド受入促進重点地域を選出

2024年3月1日(金) 配信

農水省はこのほど、28の「農泊インバウンド受入促進重点地域」を選定した

 農林水産省はこのほど、インバウンドのさらなる受入促進に向け、これまで農泊に取り組んできた地域の中から、28の「農泊インバウンド受入促進重点地域」を選定した。

 この重点地域に対して、①農山漁村振興交付金(農泊推進型)による追加的な受入体制整備の優先支援②海外旅行会社などとの商談会やモニターツアーなどの設定や海外向けプロモーション③観光庁「地域観光新発見事業」について重点地域を勘案した採択④日本政府観光局(JNTO)による海外向けプロモーション──などの支援を実施する考え。

 このほど重点地域に選ばれたのは次の通り。

▽ころもがわ農泊地域協議会(岩手県奥州市)
▽牡鹿半島浜泊推進協議会(宮城県石巻市)
▽仙北市農山村体験推進協議会(秋田県仙北市)
▽大田原グリーン・ツーリズム協議会(栃木県大田原市)
▽秩父地域農泊推進協議会(埼玉県秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町)
▽滑川町農泊推進協議会(埼玉県・滑川町)
▽鎌倉農泊協議会(神奈川県鎌倉市)
▽みのぶ農泊地域連携協議会(山梨県・見延町)
▽南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会(長野県・南木曽町)
▽SAKU酒蔵アグリツーリズム推進協議会(長野県佐久市)
▽函南町農泊推進協議会(静岡県・函南町)
▽寺泊広域まちづくり協議会(新潟県長岡市)
▽アルベルゴディフーゾ新湊を拓く会(富山県射水市)
▽城端地区活性化協議会(富山県南砺市)
▽白峰林泊推進協議会(石川県白山市)
▽田原市農泊推進協議会(愛知県田原市)
▽大紀町地域活性化協議会(三重県・大紀町)
▽相差地域海女文化活性化協議会(三重県鳥羽市)
▽Inaka Tourism推進協議会(三重県津市)
▽南丹市美山エコツーリズム推進協議会(京都府南丹市)
▽明日香交流人口促進協議会(奈良県・明日香村)
▽宇陀市古民家活用地域活性化協議会(奈良県宇陀市)
▽金剛葛城山麓地区農泊事業推進協議会(奈良県御所市)
▽太田川流域農泊振興協議会(和歌山県・那智勝浦町)
▽にし阿波~剣山・吉野川観光圏協議会(徳島県美馬市・三好市・つるぎ町・東みよし市)
▽てしま農泊推進協議会(香川県・土庄町)
▽うきは中山間地区農泊推進協議会(福岡県うきは市)
▽山都農泊協議会(熊本県・山都町)

【特集No.653】「日本秘湯を守る会」50周年座談会 “共生”の理念 次世代へとつなぐ

2024年3月1日(金) 配信

 1975(昭和50)年4月に東京・上野精養軒で33軒の仲間でスタートした「日本秘湯を守る会」(佐藤好億名誉会長、星雅彦会長、144会員)は創立50周年を迎える。3月13日には有楽町朝日ホール(東京都)で、記念式典「つなぐ秘湯 50周年の歩みと新たな挑戦」を開く。これに先立ち、半世紀にわたり会を牽引してきた佐藤名誉会長、星会長に加え、次世代を担っていく代表者らによる座談会を開いた。会の理念「旅人の心に添う 秘湯は人なり」の継承や、“共生”し “つなぐ”ことの意味を語り合った。

【司会=本紙編集長・増田 剛】

 ――日本秘湯を守る会は、「秘湯」という造語を生み出した朝日旅行会の創業者・故岩木一二三氏の提唱により、1975年に温泉宿33軒が集まり、創立されました。50周年を迎えての想いをお願いします。

 佐藤:右肩上がりの高度成長期のスタートから半世紀が経ち、人口減少時代のなかで、我われは50周年を迎えようとしています。
 経済や、社会構造も大きく変わりましたが、それ以上に旅の中身が大きく変わったように感じます。数字をひたすら追い求める旅行商品づくりがあるなかで、「旅に情けを」という感覚で経営している事業者が少ないのが現状です。現在の感覚との違いがあるとすれば、そことどう折り合いをつけていくかが一番難しい課題だと感じています。
 世の中の価値観が大きく変わったこの時代こそ、岩木先生が生きていてほしかったと思っています。
 我われの仲間は山奥の限界集落に住んでいて、温泉なくして地域の中で生きてはこられなかった集団です。ひと山越えたところの仲間との「共生」を最も大切にしながら宿を営んできました。10年前の会員は179軒でしたが、今は144軒です。できれば「旅人の心に添う 秘湯は人なり」という会の理念に沿った100軒程度まで絞られたあとに、50周年を迎えたかったというのが本当の気持ちです。数字を求めるのであれば、ほかにもさまざまな会が存在します。

 :私が日本秘湯を守る会の会長になってから7年目です。各宿のあり様は「百軒百様」であり、共生を目的とした理念が貴くて、岩木先生、佐藤名誉会長がずっと語り継いできた想いに我われが共感しているわけです。そこが魅力で、理念を共有しながら今日まで歩いてくることができました。理念がしっかりとあり、守ることができたから今も会が続いているのだと感じています。
 地域も特性も異なる宿が、共生の理念を実行していくために会として何をしていかなければならないか。勉強の連続で、会員の皆さんにご指導いただきながら運営しています。

 ――それぞれのお宿の紹介と、日本秘湯を守る会に入会されたきっかけを教えてください。

 安部:山形県・大平温泉滝見屋は、山形県を縦断する最上川の「ここから川が始まる」源流にあり、そこまで最後は長い距離を歩いて行かなければならない一軒宿です。
 例年4月下旬から11月上旬までの限られたシーズンの営業で、山岳の宿の代表ではないかと思っています。
 宿は116年目を迎え、私は5代目になります。会とのご縁は、祖父の代に入会させていただきました。
 当時、祖父の元にお茶を飲みに来るおじいちゃんがいました。幼少時に店番をしていた私を見て「お手伝いをして、えらいな」と声を掛けられた記憶が残っています。 
 後々にその方が岩木先生だったと知り、山奥の一軒宿まで目を光らせていただいていたことを感じました。祖父が岩木先生の指針に沿った宿づくりをやっていた形跡をあちこちで見つけることができます。

 君島:渓雲閣は栃木県の標高約1千㍍の奥塩原で、4軒の宿を共同源泉で営んでいます。
 200㍍ほど離れた場所から噴煙が上がっており、温泉宿がある集落に入ってくると硫黄の匂いが漂ってきます。湯量はそれほど多くないので源泉掛け流しの温泉をどうやって守るか、湯守としても大事にしながら17室の宿を営んでいます。 
 宿は温泉街の奥にあり、周りが静かなため、リピーターが多いのも特徴です。乳白色の硫黄泉が素晴らしく、温泉を目的に2泊ほどゆっくりと過ごされるお客様が多くいらっしゃいます。
 料理はせっかく栃木に来て下さったので、地元特産のヤシオマス(ニジマス)や、イワナのお造りなど、地の食材を中心に提供しています。
 入会したのは親の代ですが、宿は350年以上続いており、「何代目ですか」とよく聞かれますが、私自身も分からない状態です。日本秘湯を守る会創立30周年のときに私は学生で横浜にいましたが、会の理念などまだ十分に理解せずに式典会場に出席したのを覚えています。

 高橋:静岡県の西伊豆にある雲見園は、両親の代に入会しました。高校を卒業後、京都に7年間調理の修業をし、それから宿に戻ってきたので、自分にとって日本秘湯を守る会がどのような存在なのか、今勉強している最中です。
 「宿の目の前に海が開けているので、庭や玄関、お風呂、客室を綺麗にするように」と岩木先生がおっしゃっていたと両親から伝えられ、その言葉をいつも意識しています。「旅人の心に寄り添う 秘湯は人なり」という言葉の意味を考えながら、旅人と接し料理に向き合えば、「秘湯」というものの考えに少しは自分なりに近づけるのではないかと、日々学ぶことばかりです。
 当館は5部屋しかなく、家族4人とネパール人の従業員の5人でやっています。女将も若女将もお客様に積極的に話し掛けていますので、従業員の方にも「料理を出す準備はやっておくから、お客様とたくさんお話をしておいで」と常々言っています。
 温泉や料理を目的にお客様が来られますが、これとは別に「女将に会いに来た」とおっしゃっていただくことも多く、リピーターが8割、9割が占める宿なので、旅人と触れ合うということをとても大事にしています。

 ――宿のこだわり、大切にしている部分は。

 :新潟県・栃尾又温泉の自在館に来られる目的は、自分の体調を整えたいという湯治目的が主の宿です。このため、「温泉に入ることを邪魔しない」ということを最も大事にしています。
 子供のころは、1カ月くらい滞在されている湯治客もいて、気づいたら従業員になっていた人もいましたが、今は3日から5日、長くても1週間程度です。若い方は仕事があり週末しか来られないけど、月に2度、3度来館される方もいます。
 以前は一般的な料理でしたが、湯治客は心身を休みに来られ、あまり多くの食事を召し上がらないので、3―4年前から「一汁四菜」というお膳にしています。湯治を目的とした宿泊客が多い平日は8割が1人1部屋という宿です。
 長い時間入ることが栃尾又温泉の古くからの温泉文化ですが、「温泉がぬるくて上がれない」ので必然的に長湯になったのだと思います。長湯の文化を守っていかないとせっかく訪れてくださったお客様に応えるものを一つ失ってしまいます。
 温泉との関係を失うことは我われにとって致命的なので、「温泉とは二人三脚で歩いていく宿」になっていこうと家族と話しています。
 日本秘湯を守る会に入って、山の宿を営み、存続させる意味や、地域の山岳文化、温泉文化の担い手なのだということを、佐藤名誉会長や仲間の話を聞くたびに、とても励みになります。会の理念に沿って、お客様が訪れてくださる目的を勝手に見誤らないように、心掛けています。

 安部:日本秘湯を守る会の会員である限り、何をもって「秘湯」なのかというのは、それぞれの宿が考えるところだと思います。当館の場合、不便過ぎて、お客様に「秘湯過ぎる」と言われるくらい歩かなくては辿り着けない場所にあるため、宿泊していただくことで自分が一皮むけたような気持ちで帰っていただけるように、難しいですが「引き算」のおもてなしを心掛けています。
 地元の生活を感じられる時間、従業員ともお話ができるような距離感を大切にしています。あまり話されたくないお客様や、何か心の触れ合いを求められているお客様もいらっしゃいます。本当に小さな宿なのですが、関係性が深まっていくところを目指しています。厳しい環境の中で宿が自然や温泉を守っていく姿が、お客様を元気にさせる説得力になるのではないかと考えています。
 「一度は来たかった」というお客様がファンだとすると、「何とかこの宿を守ってやらなければならない」と思ってサポーターになっていただける関係性が理想だと思っています。
 一昨年、大きな雪害と2度の豪雨災害に見舞われて、半年営業なのに3回も大きな自然災害に遭いました。さすがに弱気になり、「山を下りようかな」とぼそっと呟いたところ、地元の仲間やお客様にご支援をいただいたのは、地道にやり続けてきたからかなと思いました。……

【全文は、本紙1932号または3月7日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞3月1日号コラム〉――日本秘湯を守る会「創立50周年」  新しい歴史を作っていく力を感じた

2024年3月1日(金) 配信

 本紙1・3面で「日本秘湯を守る会」創立50周年座談会を掲載している。10年前の創立40周年のときも同様の座談会を開いたことを鮮明に記憶している。

 

 昨年末、静岡県・熱海温泉で開催された日本秘湯を守る会の定時社員総会で、佐藤和志さん(秋田県・乳頭温泉郷鶴の湯)から声を掛けられた。

 

 「古い資料を探していたら、旅行新聞さんの記事が出てきてね。とても参考になりました」

 

 その記事がいつの時代なのかはわからなかったが、笑顔で語り掛けていただいた佐藤さんのお話に、私はとてもうれしく、そしてありがたく感じた。

 

 50年という、半世紀にも及ぶ日本秘湯を守る会の長い歴史のどこかで、当事者に感謝されるほど本紙の先輩がしっかりと取材していたことを思い、使命感のようなものを覚えた。

 

 

 20年以上前に、群馬県・法師温泉長寿館を取材した。2月か、3月の冬から春にかけての時期で、長寿館に向かう山々や道路脇には白い雪が積もっていた。乗客のまばらなバスはゆっくりと細い山道を分け入っていく。「本当にこんなところに宿があるのか」と窓の外を眺めながら、なんだか心細くなった。

 

 やがて細い道がカーブして、歴史を刻む木造の宿「長寿館」が現れた。宿の周りにはたくさんの客で賑わっており、宿も、客も太陽の光を浴びて、雪の中で輝いて見えた。

 

 長寿館の岡村興太郎さんは囲炉裏の傍で、緊張気味の私にさまざまな話をしてくれた。それはとても古い時代の話で、長寿館の始まりにまつわるものだった。私は断片的にしか理解できずに、早く録音をしながら正式なインタビューを始めたい素振りを見せたが、岡村さんはすぐに察知して「まあ、まあ、まあ」という感じの表情で、「(そんなに焦らなくても)ゆっくりしていきなさい」と笑顔で言っているようだった。夕食をいただいたあと、岡村さんは大好きなお酒の瓶を持ってきた。2人とも赤い顔になりながら色々なお話をしてくださった。

 

 日本秘湯を守る会という言葉を耳にすると、名誉会長の佐藤好億さん、佐藤和志さん、岡村興太郎さんの3人の顔が瞬時に思い浮かぶ。そして今は、星雅彦会長(新潟県・栃尾又温泉 自在館)へと引き継がれ、「旅人の心に寄り添う」という理念が、さらに若い世代へと継承されていこうとしている。

 

 

 2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の5月に、福島県・二岐温泉大丸あすなろ荘を訪れた。東北は地震と津波により未曾有の被害を受けていた。そして福島県は原発という別の問題も存在していた。

 

 佐藤好億さんは、秘湯の宿が地域に存在することの意味や、ブナの原生林、温泉を守っていくこと、そしてこの国におけるエネルギー問題の深い闇と溝の部分まで語っていただいた。

 

 夕方6時から日付が変わる12時まで6時間にわたる取材後、深夜1人で川沿いの温泉に入っていると、地響きのような轟音と大きな揺れを感じた。まだ東日本大震災の余震が間断なく続いている最中だったのだ。

 

 

 創立50周年座談会には、次世代を担う安部里美さん(山形県・大平温泉滝見屋)、君島永憲さん(栃木県・奥塩原あらゆ温泉渓雲閣)、髙橋大志さん(静岡県・雲見温泉かわいいお宿雲見園)も出席され、新しい歴史を作っていく力を感じた座談会だった。

(編集長・増田 剛)

 

クラブツーリズム、スキマ時間の日帰旅 「ちょこタビ」発売

2024年2月29日(木)配信

ちょっことお出かけ感覚で参加できる短時間日帰りツアー

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)は、スキマ時間にちょこっとお出かけ感覚で参加できる短時間日帰りツアー「ちょこタビ」を3月1日(金)から売り出す。

 出発から帰着まで6時間以内を目安に企画した半日観光バスツアー。従来の日帰りツアーのように、まる1日予定を空ける必要もなく、ゆっくり出発してランチや、夕方出発の夜景を楽しむツアーなどを設定した。平日に仕事をしている人も参加しやすいように週末中心の出発日を用意する。

 ツアーは、「季節のデザート・銀座でアフタヌーンティーと六本木ヒルズ展望台」(出発日6~8月、旅行代金1万5000~1万5500円)、「ガイド同行で渋沢栄一の足跡をたどる!旧古河邸&旧古河庭園 2024年新1万円札の顔!渋沢栄一ゆかりの地めぐり」(同5~8月、同1万円)など。

地域資源活用で活性化を 「嬉野温泉アウトドア共同事業体」設立

2024年2月29日(木) 配信

嬉野温泉観光協会とクロスプロジェクトグループが調印式

 佐賀県嬉野市の嬉野温泉観光協会(山口剛会長)はこのほど、クロスプロジェクトグループ(辻隆グループCEO、長野県・白馬村)と「嬉野温泉アウトドア共同事業体」を設立した。天然資源を活用したコンテンツ開発などを手掛ける同社と連携し、嬉野市の公共施設や公有地、地域資源を活用して観光振興と地域活性化をはかる。

 同事業体は、嬉野市の温泉や自然、お茶などの資源を活用したアウトドアコンテンツやアクティビティの開発・運営を通じて地域の魅力向上を目指す。また、地域DMOと民間事業者の連携による新しい観光振興と地域活性化のモデルとしても期待がかかる。

 具体的な事業として2月19日(月)から、市内の轟の滝公園で「嬉野アウトドアフィールド」の運営を開始した。同施設は嬉野茶を活用したテントサウナやデイキャンプを提供する。

フランス・パリで訪日PRイベント実施 能楽公演で日本の魅力を発信(観光庁)

2024年2月29日(木) 配信 

フランス・パリで行われた訪日観光プロモイベントの能楽公演(観光庁HPより)

 観光庁は現地時間2月22(木)~24日(土)の3日間に掛けて、フランス・パリで能楽公演を中心とした訪日観光プロモーションイベントを開いた。フランスからの訪日観光と消費拡大をさらに推進する目的で、能楽協会と共催で行われた。

 同イベントでは、日本から著名な20人の能楽師が渡仏し、3日間合計で910人の観光事業者、メディア、政財界や一般人に向けて能楽を上演した。能楽師による解説や、能面や装束を間近で見る撮影会などの体験プログラムの提供を行った。

 また、日本文化に造詣が深い現地ジャーナリストのクロード・ルブラン氏が登壇し、日本全国の地域の魅力についてPRした。

読売旅行、「アズ旅 in 沖縄」 キャンペーンツアー発売

2024年2月29日(木) 配信

描き下ろしグッズにかりゆし姿のコラボキャラが登場 ©Yostar

 読売旅行(貞広貴志社長)はこのほど、Yostarが運営するゲームアプリ「アズールレーン」とコラボし、沖縄の各所を巡るコラボスタンプラリーなどを楽しめるツアーを売り出した。1泊2日と2泊3日から選べ、発着空港や宿泊ホテル(11施設)なども選べる個人型商品として展開する。

 対象期間は4月13日(土)~6月17日(月)。ホテルは朝食付き。那覇空港(沖縄県那覇市)到着後から終日フリータイムのため、参加者は自由に沖縄の観光地やグルメ、スタンプラリーなどを楽しめる。

参加者限定ノベルティグッズ(イメージ) ©Yostar

 参加者限定特典に、①トートバッグ②ポストカード10種セット③ルームキーホルダー④ドアノブプレート⑤ハンドタオル⑥ベッドスロー――の計6点のノベルティグッズ付き。グッズは各ホテルのチェックイン時に、フロントで受け取れる。

限定特別仕様コラボルーム(イメージ) ©Yostar

 さらに、ホテルアザット那覇、ホテルアクアチッタナハの2施設では、等身大パネルやデフォルメキャラクターたちが装飾された特別仕様のコラボルームも用意する。同客室は通常客室より1泊1人につき1万円増しで、「ミニ色紙」の特典付き。

 期間中に行われるスタンプラリーは、観光スポットなどに設置された等身大パネルやポスターの2次元コードを読み取る形式。一定数スタンプを集めると限定ノベルティがもらえる。

 旅行代金は1人5万3500円~9万6000円。

鹿児島・瀬戸内市とJALがドローン事業開始 町民向けサービスを実施

2024年2月29日(木) 配信

ドローンの運航イメージ

 鹿児島県・瀬戸内町(鎌田愛人町長)と日本航空(JAL、赤坂祐二社長)は2月29日(木)から、町民向けにドローンを活用したサービスを開始した。平常時は医療関係品や日用品を定期配送し、災害時は孤立集落へ緊急支援物資の輸送を行うなど、島の暮らしを支える。ドローン事業を担うのは両者が昨年11月30日に共同で設立した、奄美アイランドドローン。

 同社は瀬戸内町の2次離島(加計呂麻島、請島、与路島)を含む町域の地理と輸送物資の特性に適応するため、航続距離や積載重量に優れている大型の物流ドローン「FAZER R G2」を使用。JALは運航支援として、目視外遠隔操縦をはじめ、高度なドローン運航管理や安全管理に係るノウハウの提供などで安全・安心な事業遂行を担う。

 また、今回の事業を離島物流ドローンの社会実装モデルと位置づけ、奄美群島全体への拡大も目指していく。