「温泉文化」ユネスコ遺産推進協と全旅連、温泉座談会開く 無形文化遺産登録へ機運醸成

2024年2月2日(金) 配信

座談会のようす

 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会(会長=青柳正規・多摩美術大学理事長、元文化庁長官)と全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(井上善博会長)は1月31日(水)、温泉文化のユネスコ登録へ機運を高めることを目的に、東京都内で座談会「『温泉文化』をユネスコ無形文化遺産に」を開いた。

 旅館 西村屋本館(兵庫県・城崎温泉)社長の西村総⼀郎氏と、名泉鍵湯 奥津荘(岡山県・奥津温泉)社長の鈴木治彦氏、花鳥華やか風月の宿 藤龍館(福島県・湯野上温泉)若女将の星澪氏が登壇。コーディネーターは温泉エッセイストで跡見学園女子大学兼任講師の山崎まゆみ氏が務めた。

 冒頭、山崎氏は2023年の食材の輸出額が、和食が登録された13年比で、約2.3倍だったことから、「登録で、旅館を訪れる訪日外国人客が増える」と語った。

山崎まゆみ氏

 星氏は「藤龍館は江戸時代に街道筋を歩いて訪れた人へ足を休めてもらうため、内湯を設けた。ゆっくり疲れを癒す文化を引き継ぎたい」とし、「宿が協力して魅力を発信することが登録への強みになる」と語った。

星澪氏

 訪日外国人客に温泉文化を感じてもらう工夫を聞かれた鈴木氏は、「訪日外国人客は女将や主人などとの触れ合いを求める人が多い。SNSを見て訪れることが多いなか、温泉文化をアピールするチャンスだ」と話した。

鈴木治彦氏

 西村氏は「日本の人口が減るなか、次世代に引き継ぐため、訪日外国人客に訪れてほしい。温泉文化の登録で、地方の温泉にも訪れてもらえる」と語った。

西村総一郎氏

宮城県×大阪・関西万博、2月6日に機運醸成シンポ(東武トップツアーズ)

2024年2月2日(金) 配信

トークネットホール仙台(宮城県仙台市)で開催する

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は2月6日(火)、大阪・関西万博の機運醸成シンポジウム「東北復興、そして先にある未来へ」を、トークネットホール仙台(宮城県仙台市)で開催する。開催時間は午後2:00~4:00まで。参加無料。

 同シンポジウムは、内閣官房国際博覧会推進本部事務局からの委託を受け、「大阪・関西万博開催に向けた地方における機運醸成イベント実施業務」の一環とするもの。2025年に開催される大阪・関西万博まであと1年余りとなるなか、大阪・関西万博のテーマや理念、具体的なコンテンツを東北で周知をはかるとともに、東日本大震災という逆境から力強く立ち上がる東北の姿を世界に発信するため、「宮城県×大阪・関西万博」について参加者とともに考える。

 対象は、自治体・自治体の観光・商工部門担当者や、DMO・観光協会、観光事業者などのほか、東北復興や大阪・関西万博に関心がある人、教員、学生など。

 冒頭、国際博覧会担当大臣の自見はなこ氏、村井嘉浩宮城県知事が開会のあいさつ。プレゼンテーションでは、大阪・関西万博会場運営プロデューサーの石川勝氏による「大阪・関西万博の運営と万博がもたらす価値について」と、内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長の井上学氏のよる「大阪・関西万博と地域活性化」を行う。

 パネルディスカッションでは、「万博を契機にした東北復興」をテーマに、大阪・関西万博会場運営プロデューサーの石川氏、齋藤正美石巻市長、東北観光推進機構の紺野純一理事長、南三陸ホテル観洋の阿部憲子女将の4氏が登壇する。

 申し込みフォームや詳細は、https://form.run/@expo-symposium-miyagiから。

名鉄観光バス、EVの中型観光バス 初導入で3月から運行へ

2024年2月2日(金) 配信

EV観光バス(イメージ)

 名鉄観光バス(荻本正久社長、愛知県名古屋市)は、電気自動車(EV)タイプの中型観光バス1両を導入し、3月から運行を始める。同社でEVによる観光バスの導入は、今回が初めて。

 車両は、EVモーターズ・ジャパン製のEV観光バスを採用する。全長8850㍉、全幅2490㍉、全高3450㍉。乗車定員は29人で、客席27人(4列シート×6、3列シート×1)、運転席1人、ガイド席1人の座席仕様とする。

 最高速度は時速90㌔、1回の充電で280㌔を走行でき、燃料費で年間約60万円、整備費で年間約70万円のコスト削減を見込む。210㌔㍗の大容量バッテリーと低消費電力システムのインバータ搭載により、災害時の一時的な電源供給としても活用できるという。

 配置先は、名鉄観光バス刈谷営業所(愛知県刈谷市)で、2月に導入する。試運転などを行い、3月以降に自治体行事や一般企業の通勤バス、近距離中心の自社企画ツアーなどで運行予定。

 同社は今後、配置営業所に充電設備を設置する。ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの安全装備搭載やトラブル対応訓練など、乗務員の教習を兼ねた試運転を重ねたうえで、実車運行を開始するとした。

京都府旅行業協会 「被災地に送客を」 新春賀詞交歓会開く

2024年2月2日(金)配信

北澤孝之会長

 京都府旅行業協会(北澤孝之会長)は1月18日、京都市内のホテルで、会員や協定機関などを集め、新春賀詞交歓会を開いた。

 北澤会長は「業界の労働不足や2024年問題が迫っている。旅行業に何ができるか真剣に考え、取り組んでいかなければならない。被災地へ全力で送客することや風評被害に負けない営業力と持続力を結集することに向け、ともに頑張っていこう」と呼び掛けた。

 来賓の西脇隆俊京都府知事は「コロナ禍から活気が戻りつつあるが、自然災害や物価高騰、人手不足と観光業界は厳しい状況にある」と指摘した。また、勇退を表明した門川大作京都市長とのこれまでの連携に触れ、「府市協調で仕事を進めてきた。京都市周辺部の周遊観光や分散対策などに一緒に取り組んできた。引き続き、府市協調で観光政策を進めていきたい」と述べた。

 4期16年務め、2月24日の任期満了で退任する門川市長は「府市協調で特定のところに観光客が集中しない方策を進めてきた。文化庁は全面的に京都に移転し、観光と文化の推進本部が立ち上がった。住民、観光事業者、観光客にとって三方よしを目指していく。今後も府市協調で京都はもとより日本の観光のさらなる飛躍につながる」と話した。

全旅協大阪、オーサカ・ゼンリョ協力会 持続力ある観光を 賀詞交歓会に190人参加

2024年2月2日(金)配信

吉村実会長

 全旅協大阪府旅行業協会(吉村実会長)と受入施設で構成するオーサカ・ゼンリョ協力会(金子博美会長)は1月16日、大阪市内のホテルで合同の賀詞交歓会を開いた。今年は来賓と会員合わせ約190人が参加。会の冒頭では、吉村会長の呼び掛けで、1月1日に発生した能登半島地震の犠牲者に対し、黙祷が行われた。

 吉村会長は「昨年5月に新型コロナが5類に移行し、観光業も少しずつ回復してきたが、一方でオーバーツーリズムや労働力不足といった業界の苦悩を感じる1年でもあった」と昨年を振り返り、「今年はスポーツにおいてスポーツマンシップがあるように、旅行者や観光業に携わるすべての人々が寄り添い合い、心地よい観光のあり方を築いていくためのツーリストシップの構築に取り組みたい。ANTA会員においても、アウトバウンドが得意な会社があれば、インバウンドに取り組む会社もある。それぞれの得意分野を尊重し、交流して持続力のある観光を広めていきたい」と抱負を述べた。

 また、能登半島地震で被災した地域については「1日も早い復興を願うとともに、変わらず営業をしている施設については、我われが率先して送客していこう」と呼び掛けた。

 金子会長は、能登半島地震の発生を受け「私の宿の近くにある比叡山延暦寺の開祖、最澄の言葉に『一隅を照らす』というものがある。これは、それぞれが与えられた立場や役割でできることを精一杯やることが、社会全体を輝かすことになるという意味。この気持ちを持って、今できることに取り組みたい。また、延暦寺では、修行する者に対して『頑張れ』とは言わず『気張りなさい』と声を掛けるという。我われも、あらゆる方面にアンテナを張り巡らせ、細心の注意をはらいながら日々を過ごし、良い1年にしていきたい」と語った。

 来賓で招かれた大阪府府民文化部都市魅力創造局の市政誠局長は「大阪・関西万博まで1年あまり。成功に向け府としても受入環境の整備や国内外の誘客に取り組んでいる。来年4―6月には、JR各社と連携して大阪デスティネーションキャンペーン(DC)を行う。前段として今年4―6月にはプレDCを実施し、大阪の魅力を発信していく。今後は近県とも連携し誘客に取り組んでいきたい」と述べた。

【塩野 俊誉】

休暇村リトリート安曇野 「立春朝搾り」 2月4日から限定で

2024年2月2日(金) 配信

立春朝搾り(2023年)

 長野県安曇野市の穂高温泉郷「休暇村リトリート安曇野ホテル」は2月4日から、1年にたった1日だけ作られる貴重な「立春朝搾り」をホテル内の食事会場「安曇野ダイニング」で限定販売する。今年も1本の「立春朝搾り」を通して大切な人とのつながりを深めるため、穂高神社でお祓いを受けた信州の地酒「信濃錦」の立春朝搾りを用意する。

 2月4日は立春の日。節分の豆まきで邪気を払った翌日、正月のような新たな気持ちで春を迎える大変おめでたい日。2月3日の節分の夜から酒蔵では、一晩中かけて朝搾りの準備を始め、立春の早朝に搾った新鮮な日本酒の生原酒を火入れせずに瓶に詰めたものを「立春朝搾り」と名付けている。

 2024年の立春朝搾りは全国43の蔵元で展開され、長野県は「信濃錦」と「大雪渓」の2つの酒蔵で行われる。蔵元近郊地域でしか飲めない地域限定酒で、新鮮でフルーティな味わいが特徴。

 「立春朝搾り」は、蔵元から運ばれ近隣の神社でお祓いしたあと出荷される。同館で提供する「信濃錦」は、安曇野市内にある「穂高神社」の神主により飲む人の無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願されお祓いを受けて2月4日当日に届けられる。

 この立春朝搾りは日本名門酒会により、1998年から始まった行事の1つで、20年以上も続いており、毎年恒例イベントになる。春の訪れに相応しい清々しく飲み応えのある味わいが楽しめる。
 立春朝搾り「信濃錦」は価格1杯500円。数量限定で無くなり次第終了。宿泊客限定のサービスという。

指宿宣伝隊 砂むし温泉などPR 22年くつろぎスポット誕生

2024年2月2日(金)配信

有村純賴さん(左)と下拂岳人さん

 鹿児島県指宿市の観光宣伝隊が1月17日、本紙関西支社を訪れ、天然砂むし温泉や市内の見どころ、グルメなどを紹介した。

 来社したのは、指宿市観光協会の有村純賴理事(指宿シーサイドホテル社長)と下拂岳人さん、指宿白水館大阪営業所の西野智宏所長の3人。

 指宿といえば、何といっても天然砂むし温泉。2020年には累計入浴者数が1千万人を突破するなど、全国に知られた人気の温泉だ。

 効用も抜群。寝た状態で入るため血液が心臓に還流しやすく、55度前後の高温により血管が拡張され、心機能を高めて全身還流を促進させるといった相乗効果により、通常の温泉の3―4倍の効果があるとされる。ダイエットや美肌効果も高く、女性に好評だ。指宿市観光協会では、天然砂むし温泉と指宿の特産「オクラ」を使った保湿効果抜群のフェイスマスクをセットで楽しめる美容体験プログラムも用意する。

 また、薩摩富士とも称される開聞岳や、干潮時にのみ島に渡る砂の道が現れる神秘的な無人島「知林ヶ島」など、見どころも豊富。市内にある池田湖には、22年秋にカフェや水上デッキ、芝生広場などが併設された新スポット「いけだ湖パクス」が誕生。くつろぎスポットとして人気を集めている。

 グルメでは、冬季限定メニューもそろえた「唐船峡そうめん流し」や、道の駅2階にリニューアルオープンした地元の海の幸が味わえる食事処「海音」など魅力的な店舗がそろう。指宿鰹節と唐揚げがコラボした新ご当地グルメ「いぶから」も注目だ。

 下拂さんは「観光スポットや旬の情報などが満載のご当地アプリ『いぶすきさんぽ』も配信中です。ぜひアプリを活用して指宿散策を楽しんでください」とアピールした。

橿原市 新ご当地グルメ開発 日本チーズ使った26品

2024年2月2日(金)配信

18店舗が参画

 奈良県・橿原市観光協会(中谷昌紀会長)はこのほど、市内に店舗を構える事業者と共同で、チーズを使った新ご当地グルメを開発した。橿原市が日本のチーズのはじまりといわれる「蘇」発祥の地であることにちなんだもの。市内18店舗が参画し、スイーツやピザなど、チーズと奈良県産食材を組み合わせた全26メニューが誕生した。

 「蘇(そ)」は、牛乳を特殊な方法で長時間かけて煮詰めて作る乳製品の一種。橿原市にあった日本で最初の本格的な都、藤原京の時代に「蘇」が最初に作られた記録が残る。当時、牛乳は大変貴重で、栄養価も高かったため、長寿や美容の薬として貴族たちから重宝されたという。平安時代には、藤原道長や紫式部などが食したという記録も残っている。

 新ご当地グルメ「かしはら Hi!チーズグルメ」は、焼いたり溶かしたりと、さまざまにアレンジ可能なチーズと、伝統的な大和野菜をはじめとする奈良県産の野菜や果物、ブランド肉などを掛け合わせ、各店それぞれが創意工夫して開発した。

 1月19日には、市分庁舎(ミグランス)でお披露目会を実施。参加店が、それぞれ開発したメニューのこだわりや特徴をアピールした。

「飲むチーズケーキ」などのスイーツ類も豊富(ご当地グルメサブ)

 メニューは、カラフルなゼリーやクリームチーズ、県ブランドイチゴ「あすかルビー」などを層にして、表面にチーズクリームでアートを施した「飲むチーズケーキ」や、季節の県産野菜とモッツァレラチーズに、パウダー状の蘇をトッピングして高温の窯で焼き上げたピザ、三輪そうめんを鶏がらスープに牛乳、自家製味噌やクリームチーズを入れたスープで味わう新感覚のにゅうめんなど、どれも味はもちろん、見た目や食感などにもこだわった五感で楽しめる一品ばかり。ジャンルもランチやスイーツ、酒のお供など多彩で、あらゆる旅のシチュエーションに対応できる。

 地元ではこれまで、名物と呼べるグルメが少なかったことから、同市では新たな魅力として広くアピールし、観光振興につなげたい考え。

人気ゲームとコラボ観光周遊アプリ誕生

「ストリートファイター」とコラボした観光周遊アプリも登場

 橿原市観光協会は同日、新ご当地グルメの発表にあわせ、人気ゲーム「ストリートファイター」とコラボした新たな観光周遊アプリも発表した。

 橿原市は、同ゲームの制作会社「カプコン」の創業者が同市出身という縁もあり、2022年に同社と「地域活性化に関する包括連携協定」を締結している。今回のアプリ開発はその一環。

 同アプリは、日本国はじまりの地である橿原市を、ストリートファイターのキャラクターとともに楽しむことができる橿原市公式の観光周遊アプリ。市内の観光スポットなどを訪れると、ゲームキャラクターのアートが入手できるほか、手に入れたコンテンツでAR写真も撮影できる。特定の場所やルートを巡らないと入手できないキャラクターがいるなど、ゲーム感覚で散策が楽しめるクエストも用意されている。

 現在、iOS版、アンドロイド版ともに配信中。英語版も用意する。

豊洲市場隣に「豊洲 千客万来」開業、飲食店と温泉施設が併設

2024年2月1日(木)配信 

東京湾を望める露天風呂(男湯)

 東京・豊洲市場(江東区)に隣接する大型観光施設「豊洲 千客万来」が2月1日(木)、開業した。江戸の街並みを再現した飲食店が軒を連ねる食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」と、24時間営業の温浴棟「東京豊洲 万葉俱楽部」の2つで構成。豊洲市場を訪れる国内外の観光客のほか、江東区を中心とする近隣エリアの住民や従事者、豊洲市場関係者などが気軽に利用できる施設を目指す。

2階「豊洲目抜き大通り」

 3つのフロアからなる食楽棟の1階には、豊洲市場で働く人や近隣住民が日常的に利用してもらえるように、手軽にグルメを楽しめる店舗を集約。2階は、江戸時代の活気あふれる市場を再現した「目利き横丁」と「豊洲目抜き大通り」があり、目利き横丁では、仲卸が目利きした新鮮な旬の食材や珍味を、食べ歩きやカウンターで楽しめ、各店舗から食欲をそそる香りが漂う食の賑わいを体感できる。3階は、新鮮な海鮮を楽しめるフロアを特徴として、さまざまなスタイルの寿司屋などが出店する。

360度パノラマで一望できる「展望足湯庭園」

 一方の温浴棟は、万葉俱楽部の11番目のフラッグシップ施設として開業した温浴・宿泊施設。箱根・湯河原の源泉から毎日運ばれる天然温泉に浸かりながら東京湾を望める露天風呂や、海岸線の絶景を360度パノラマで一望できる「展望足湯庭園」が楽しめる。加えて、露天風呂付きのスイートルームなど71の客室も用意する。

 同施設の運営は、全国に総合温浴施設を展開する万葉俱楽部(髙橋理社長、神奈川県小田原市)が担う。年間来場者見込みは食楽棟が年間200万人、温浴棟が年間60万人で、豊洲市場と連携し、地元商店街とも色々とイベントで提携していく考えを示す。

関係者がテープカット

 同日にオープニングセレモニーが行われ、万葉倶楽部の高橋社長は、「名前の通り豊洲エリアに新たな賑わいが生まれ、食と癒しのスポットとして観光客と周辺住民双方に長く愛される施設を、周辺施設の皆様にもご協力いただき目指していく」と抱負を語った。また、来賓として登壇した小池百合子東京都知事は「豊洲市場の場内と場外が一体となり、一層の賑わいが生み出されることを楽しみにしています。そして、地元の皆様からも、そして訪れてくださる皆様からも末永く愛される臨海部の新しい顔として大いに発展していくことを期待しています」と語った。

石山寺境内に「光る君へびわ湖大津大河ドラマ館」をオープン

2024年2月1日(木)配信

大河ドラマ館・外観

 大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会は1月29日(月)、石山寺(滋賀県大津市)境内の明王院に「光る君へびわ湖大津大河ドラマ館」をオープンした。

 NHKで放送している大河ドラマ「光る君へ」のテーマを掘り下げた企画展。紫式部(まひろ)役の吉高由里子さんが実際の撮影で身に着けた衣装や、展示用に複製された小道具、キャストのサイン色紙などを展示。キャスト、スタッフ独自インタビューやメイキング映像を交えた、ここでしか見ることができない映像も4Kシアターで上映する。

 同館の隣世尊院では、平安時代の「恋」を体感できる企画展「源氏物語恋するもののあはれ展」が行われている。色や香り、花をテーマに平安時代の恋を紹介。源氏物語に登場する和歌を現代風に解釈しイラストと共に紹介するなど、平安文化を身近に感じられるような内容となっている。

 同日、オープニングセレモニーが行われた。同協議会の鷲尾龍華副会長(石山寺座主)は、「石山寺は平安時代、貴族や文学者たちが参拝する石山詣でが盛んになり、紫式部もこの寺で参篭している時に琵琶湖に映る月を見て、源氏物語を起筆したという伝説が石山寺縁起絵巻には描かれている。これから約1年間、平安時代さながらに多くの人に石山詣でにお越しいただき豊かな自然や境内の文化財と合わせ、(大河ドラマ館の)展示を通じ、1000年前の人々の思いに耳を傾けてもらいたい」と思いを語った。

 また同協議会の佐藤健司顧問(大津市長)は、(源氏物語・紫式部にゆかりのある)石山寺や三井寺などを拠点としながら、市の豊かな歴史、文化に触れ、市内、県内を周遊していただけるよう関係各所と連携して取り組みを進めていく。また、源氏物語や紫式部のゆかりの地である福井県越前市、京都府宇治市とともに取り組みを発信し、市民間の相互誘客を通じ、放送終了後のレガシーを育てていく」と語った。

 このほか、セレモニーには特別ゲストとして清少納言(桔梗)役の女優、ファーストサマーウイカさんも登壇。「登場人物の多くが藤原姓で(内容が)わかりにくいと思いますが、役者さんで(この時代を)覚えるのも今回の大河ドラマの楽しみ方のひとつ。関係性がわかるとより楽しんでいただけると思います。香りや色味などは体験することで初めて実感できることなので、大河ドラマ館ではそういった展示もお楽しみください」とPRした。