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【イタリア】ベネチアのゴンドラも再開 JATAのアウトバウンド促進協議会「B2Bウェブセミナー」

2020年6月9日
編集部:入江千恵子

2020年6月9日(火) 配信

Webセミナー「イタリア」(画面のスクリーンショット)

 日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)が6月3日(水)に開催した「B2Bオンラインセミナー」で、イタリア政府観光局は各地の現状や交通の状況、旅行者の受け入れ対策などについて説明を行った。

 同観光局の眞井麻紀氏はイタリアの現状ついて、「元気を取り戻してきている」と述べ、「宿泊施設や美術館、飲食店は5月18日(月)から活動を再開している」と報告した。感染防止策には、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を最低1㍍以上確保することや、消毒液の使用、マスクの着用など条件となっている。飲食店などはテーブルの間隔を2㍍以上とし、席数を減らしたりレイアウトを変更することで、対応している。

 ベネチアの観光客向けゴンドラも感染症対策を講じたうえで、6月3日(水)に再開。ゴンドラの消毒を義務付けたほか、船頭は手袋とマスク着用し、乗降時の客への手助けも禁止とする。

 劇場やコンサートホール、映画館などは事前に座席指定をしたうえで、6月15日(月)から営業再開が可能となる。最大来場者数は、屋外イベントは1000人、屋内イベントは200人までに限定する。

 移動制限については、「6月3日(水)から周辺国・地域からの移動が認められた」と語り、欧州連合(EU)加盟国、シェンゲン協定加盟国、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国、アンドラ、モナコ公国、サンマリノ共和国、ヴァチカン市国からの受け入れを始めた。ただ、入国前の14日間にこれらの国・地域以外に滞在していないという条件が課されているという。

航空会社の状況

【アリタリア航空】

 イタリアと日本との直行便について、ローマ・フィウミチーノ空港発・羽田空港行きは7月1日の就航を予定。ローマ・フィウミチーノ空港発・成田空港行きは7月2日の再開を予定している。ミラノ・マルペンサ空港発・成田空港行きは7月1日の再開予定となっている(いずれも最終決定は6月中旬予定)。

【全日本空輸】

 羽田空港とミラノ・マルペンサ空港を結ぶ直行便が4月20日(月)に就航予定だったが、新たな就航時期は未定となっている。

鉄道・国内長距離バスの状況

 イタリアのインフラ運輸省は鉄道の運行について、各方面とも最低1往復を確保することとしている。フレッチャやイタロなどの高速鉄道は、5月18日(月)から段階的に増発している。国内長距離バスは、全面運休にならないよう最低限の運行を保証するとしている。

美術館・博物館への入館方法

 混雑を避けるため、入場チケットはコールセンターやオンラインで事前に購入するとともに、入場の予約時間も設定される。入場時はサーモグラフィによる体温測定で、37.5度以上の熱がある場合は入場不可となる。入口に設置された消毒液で手指の消毒を行うほか、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保が求められる。見学ルートは、流れをスムーズにするための標識の設置が義務付けられている。ガイド付きツアーは当面の間、小グループ、個人レベル向けのみとなる。

各地の状況

【ミラノ】

 美術館や博物館は5月26日(火)から徐々に再開し、ミラノ大聖堂は5月29日(金)から観光客向けに公開されている。レストランやバールの閉店時間に制限はないが、持ち帰りのアルコールは午後7時以降に販売しないよう決められている。

【ベネチア】

 観光客向けのゴンドラが6月3日(水)から運航を再開。感染防止策として、作業員によるゴンドラの消毒が義務付けられているほか、船頭は手袋とマスク着用を必須し、乗降時の客への手助けは禁止となっている。最大乗船人数は6人で、客同士の距離を保つために座席には印のテープを貼ることとする。なお、乗客はマスクの着用なしでも乗船できる。ベネチア市長などは、観光客がコロナ禍前の年間3000万人に回復するまでに「少なくとも1年はかかる」と予測しているという。

【フィレンツェ】

 再開している施設は、ウフィツィ美術館、フィレンツェ大聖堂、アカデミア美術館、フェラガモ物館、ヴェッキオ宮殿、ボーボリ庭園などがある。フィレンツェ郊外では、ピサの斜塔、ヴィンチ村のレオナルド・ダ・ヴィンチの生家、美術館も一般公開を行っている。

【ローマ】

 コロッセオ、ヴァチカン美術館、ボルゲーゼ美術館、カピトリーノ美術館、国立近代美術館、アラパチスなどが一般公開されている。開催を延期していた「ラファエロ1520-1483展」も公開され、8月30日(日)まで開催している。サン・ピエトロ大聖堂は、個人客限定で再開している。

【ナポリ】

 サン・テルモ城、マードレ美術館、ピオ・モンテ・ミゼリコルディア、カポ・ディモンテ美術館などが再開。ポンペイは、15分おきの入場制限を行っている。レストランとバールでは、ビュッフェの禁止、隣のテーブル、イスの距離の保持、14日前までの予約票の保持が必要となる。海水浴のパラソルとビーチベッドは、人の入れ替えごとの消毒を義務化し、間隔を空けることで使用が許可される。

今後のイタリア政府観光局

 旅行会社やツアーオペレーター、イタリアのブランド企業などとの共同プロモーションを予定している。また、オンラインでのワークショップを10月中旬ごろに開催予定だという。眞井氏は「日本人旅行者が1日も早く、イタリアを安心して安全に旅行してもらいたい」と期待を込めた。

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