Vpon JAPAN、台湾人と香港人からみたLPの改善点 オンラインセミナーで紹介
2020年5月11日(月) 配信

インバウンドに特化した広告やデータ提供事業を展開するVpon JAPAN(篠原好孝社長、東京都新宿区)は4月27日(月)、コロナ禍終息後を見据え、オンラインセミナーを行った。
第2弾となる今回のテーマは「○○がヘン!台湾人、香港人目線からみるインバウンド向けLPの改善点とは~反転攻勢プロモーションに向けて今こそ見直しを~」と題し、LP(ランディングページ)制作のポイントや注意点について、「言語編」「内容編」「中国向けLP」に分類して説明した。
インバウンド向けのクリエイティブ(バナー、LP)制作で最も大事なことは「ネイティブ目線で制作すること」とし、広告を見る人の立場で作ることが欠かせないと語った。これらを基に、ネイティブ目線になっていないLPの失敗例と対応策について、台湾人と香港人の視点から意見や要望を述べた。
セミナーの講師は、同社インバウンド広告事業部エグゼクティブシニアマネージャーの長野哲矢氏と、シニアアカウントマネージャーで台湾出身のクロエ・チアン氏、同じくシニアアカウントマネージャーで香港出身のサンディ・チョウ氏の3者が務め、長野氏とチアン氏はそれぞれ日本の自宅から、チョウ氏は香港から3カ所の中継をつないで行われた。
□言語編
失敗例について、1つ目は「ネットの自動翻訳サービスへの依存」を挙げた。このようなLPについて、台湾人や香港人は「繁体字を選んでも簡体字が混ざっている」や、「言語が合っていても言葉のニュアンスが違っていたり、文章が理解できないことがある」と感じているという。チアン氏は「自動翻訳の精度は上がってきているが、頼りきりは危険」と述べた。基本的には、中国が簡体字、台湾と香港が繁体字になる。
2つ目は「簡体字のバナーやLPを台湾人や香港人にみせること」について、チアン氏は「自分がターゲットでないと認識する」と強調。チョウ氏も「自分向けの広告でないと思い、読まない。せっかくの広告なのにクリックされないのはもったいないし、対象者にも失礼」と話した。
□内容編
LPの内容については、現地で知られていない商品を勧めてしまうことも失敗につながるという。一例として、スキー場のリフト券予約のLPを見たチアン氏は「台湾にはスキー場がなく、リフトに乗らないとスキーができないことも知らなかった」と感想を述べた。長野氏は「日本人向けプロモーションKPI(重要業績評価指標)をインバウンドに使うと失敗する」と注意を促した。
□中国向けLP
中国国内で使用されているアプリやサーバーが他地域と異なることから、「別物として作るべき」(長野氏)と強調。中国ではYouTubeをはじめ、インスタグラムやFacebook、ツイッター、グーグルマップなどが使えないため、これらのウェブコンテンツを盛り込んだ広告は「審査に出しても中国側で見られないので、落ちてしまう」と説明した。
また、良く見られる失敗例の1つに「中国人向けにLPを作っても、日本のサーバーにあげている」とし、「これでは中国人ユーザーが閲覧できない。旅ナカの中国人向けも同様。中国現地のサーバーにあげることが必須」とアドバイスした。
□日本の各行政や民間企業の動き
コロナ禍収束後の反転攻勢に向け、日本政府観光局(JNTO)や地方自治体、各DMOなどの行政は、プロモーション開始時期について、すでに再開している事例や、日本の収束次第で早ければ6~7月に始める可能性があるという。
民間企業もすでに再開しているところがあるほか、緊急事態宣言解除後から再開する企業、国際便が再開次第と考えている企業もある。行政、民間企業ともに、プロモーションのターゲットはアジアで、とくに中国、台湾、香港としている。
オーストラリア政府観光局は4月25日時点で、香港向けの旅マエ広告を開始。魅力的な風景写真などを掲載し、すでに訴求広告を行っているという。
Vpon JAPANでは、アジア全域で約1億の旅行者IDを持ち、スマートフォンの位置情報や設定言語、閲覧サイトなどから分析・解析を行っている。広告配信終了後3カ月で実際にプロモーション対象エリアに来訪したかどうかが分かるデータなども提供している。