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観光庁、「第2回 若者のアウトバウンド推進実行会議」開く 若者の海外体験活性化を

2020年2月4日
編集部:入江千恵子

2020年2月4日(火) 配信

会議のようす

 観光庁は2月3日(月)、若者の海外体験を活性化するための「 第2回 若者のアウトバウンド推進実行会議」を開いた。応援プログラムや各団体の取り組みのほか、「ハタチの一歩 -20歳初めての海外体験プロジェクト-」の参加者の報告が行われた。

 同会議は昨年1月、若者のアウトバウンド拡大に向けた現状分析や、課題整理・解決に向けた取り組みなどの検討を行うことを目的に設けられた。外務省、文部科学省など関係省庁や日本旅行業協会(JATA)などの観光関連団体、航空会社などの民間企業、経済界などの関係者約30人で構成される。

奈良和美旅行振興審議官(左端)やJATAの越智良典事務局長(右端)らが出席

 観光庁の奈良和美旅行振興参事官は冒頭、2019年の日本人海外旅行者数が2008万人に達したことに触れ、「昨年、ついに(2000万人を)突破し、大きなエポックメーキングな年になった」と述べた。

 さらなる拡大に向け、若者のアウトバウンド促進は「息長く取り組んでいかなければならない施策」とし、関係者に協力を呼び掛けた。

 政府は17年3月、2020年に日本人海外旅行者数を2000万人とする目標値を設定した「観光立国推進基本計画」の中で、参考指標として若年層(20~29歳)の同年の海外旅行者数350万人(17年比45万人増)を示している。

 目標達成に向け、旅行業界や航空会社、各国の大使館などとともに「若者の海外体験」応援プログラム実施。具体的な取り組みとして、「サポートする」「情報発信する」「提供する」の3つの観点で進める。

 1つ目の「サポートする」は、空港会社などがパスポート取得費用の一部補助や、航空会社が若者に対して割引航空券の設定などをしている。

 2つ目の「情報発信する」は、「若者が海外に行かない理由に、治安や安全を懸念する声が多い」(奈良氏)ことなどを踏まえ、災害時の安否確認などができる観光庁の旅行安全情報共有プラットフォーム「ツアーセーフティーネット」などがある。旅行業界などによる海外留学旅行セミナーなども行われている。

 3つ目の「提供する」は、文科省が実施する官民協働の海外留学支援制度「トビタテ! 留学JAPAN日本代表プログラム」のほか、海外渡航経験のない20歳の若者を無料で海外体験を提供する「ハタチの一歩-20歳 初めての海外体験プロジェクト」を実施している。

 「ハタチの一歩-20歳 初めての海外体験プロジェクト」は昨年、10カ国・地域12コースを対象に参加者を募集したところ、定員220人に対して2427人の応募があった。エントリーシートなどの選考を経て192人が選ばれた。9カ国・地域への11コース(香港への1コース20人は今年2月に延期)がすでに実施され、172人が参加した。

 同プロジェクトを中心となってすすめるJATAの越智良典事務局長は、「航空会社からの無償航空券、観光局からホテルなどの地上手配の提供があり、『旅行代金0円ツアー』となっている」と仕組みを説明。さらに旅行会社は説明会と現地での添乗員派遣など、多くの関係機関の協力があって実現するとした。

 実施されたツアーは、「通常の観光だけでなく、学生交流や企業訪問などを組み込み、大使館で夕食をごちそうになるケースもあり、通常のツアーでは味わえないような内容になった」と報告。

 「(インバウンドとアウトバウントの)大交流時代に若者を応援する企画は今後も継続していくべき。3年間は同じ仕組みでやっていく」と方針を示した。

 今回のプロジェクトで得られた一番の収穫は、「(若者は)感度の高い人たちが多く、機会さえあれば海外旅行に出てもらい、国際交流の担い手になれる人がたくさんいることが分かった」ことだと締めくくった。

「ハタチの一歩」マカオツアーに参加した学生

 マカオツアー参加者のうち、6人の学生が登壇。感想として、「マカオ名物のエッグタルトを体験し、食文化を通して、五感を通して食文化に触れることができた」や、「マカオ大学の学生との交流を通して、語学力の足りなさを実感した」などの声があった。

 さらに、「現代はテレビやインターネット、SNS(交流サイト)を通じて、旅行を疑似体験できるツールが増えている。実際、旅行に行く前に情報収集をし、とても役に立った」と現状を説明。

 そのうえで、「しかし、現地に行かなければ空気感や住む人々の価値観や考え方などは分からないということに改めて気づいた」と海外体験を経ての学びを挙げた。

 学生が考える「魅力的な旅」は、リアルでしか味わえない現地の同世代との交流やボランティア活動を通じて「旅+α」を盛り込んだプランだとした。

 さらに、「文科省や観光庁が推奨ツアーを作り、そのツアーに参加する場合は学校に提出できる休学届を発行する仕組みがあるといい」と提案した。

 会議ではこのほかに、東京国際空港ターミナルや成田国際空港、日本学生観光連盟などからの取り組みも紹介された。ダイヤモンド・ビッグ社の地球の歩き方事業本部・奥健部長は、読者アンケートを基に20歳代の旅の傾向として、女性は情報収集に積極的で常に新しい旅先や楽しみ方を探していると分析した。

 一方、男性は知人の誘いや体験談が旅行に大きく影響すると報告。これらを踏まえ、男性のインフルエンサーや旅モデルなどの仕掛けが必要だと提案した。

 なお、次回の会議の開催は未定。構成員の予定を調整したうえで行われるとした。

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