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「地熱発電の隠された真実」、佐藤好億氏監修

2012年11月11日
編集部

“開示されないデータ”

 「地熱発電の隠された真実」は、日本温泉協会副会長・地熱対策特別委員長、日本秘湯を守る会会長などを務める佐藤好億氏が監修した。サブタイトルは「温泉文化滅亡の危機~温泉地は、地熱発電の工業廃湯を旅人に入浴提供しろというのか~」。

 佐藤氏は40年以上、全国の温泉地を行脚するなかで、地熱開発や地熱発電所が建設された地域で、温泉の枯渇や泉質変容、温度低下などに加えて、樹林の枯死やヒ素流出、地すべり、水蒸気爆発、群発地震などの影響を耳にし、実際に目にしてきた。日本において地熱開発の危険性やデメリットの検証が十分にされていないなかでの「開発ありき」の国や開発業者の姿勢に、本書は「地熱発電が本当に世間一般に流布されているような安心安全なエネルギーなのか?」と問いかける。

 地熱発電所周辺で生じた影響など、さまざまな事例を科学的なデータに基づいて紹介しながら、地熱発電に対する正負両面の理解を深め、見極めたうえでの判断の必要性を訴えている。

 国や開発側が有するデータはほとんどが開示されておらず、開発のメリットのみが情報として流される現状に危機感を覚える。

 温泉旅館の経営者をはじめ、地方自治体の温泉・観光関係者には必読の書である。474ページフルカラーで、1500円(本体1429円+税)。

 問い合わせ・書籍注文=地熱発電と温泉力について学ぶワーキングチーム(代表=岡村興太郎氏) FAX 0248(84)2568、Eメール chinetsu2012@gmail.com まで。 

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