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旅行会社の生き残る道とは――「観光業の総合コーディネーター」、日本旅行・矢嶋氏が講演

2010年1月6日
編集部

 地域科学研究会高等教育情報センターは09年12月10日、東京都千代田区の私学会館アルカディア市ヶ谷で「観光・ツーリズム系の教育・人財ニーズ」をテーマとしてセミナーを開いた。セミナーには、旅行会社を代表して、日本旅行広報室マネージャーの矢嶋敏朗氏が「総合旅行会社『広報室』から~日々感じる地殻変動と総合旅行会社が生き残る道」と題して講演した。

 矢嶋氏は、インターネット予約サイトや航空会社の直販化などの動きを受けて、今後総合旅行会社が生き残る道の一つとして、「従来型の旅行会社から脱皮し、『観光業の総合コーディネーター』役を担うべきではないか」と述べた。

 矢嶋氏は価格競争が激化している現状を紹介し、これまで日本旅行が取り組んだツアーの成功例を幾つかあげた。1人100万円の「日本1周バスの旅」では、マスコミを効果的に利用した話題づくりの手法や、旅行会社が地域とお客との「橋渡し役」となりうる可能性などを語った。また、09年10月、同社は新潟県の魚沼市観光協会と連携し、新日本プロレスの興業を行い、「地域との間で独自の地域振興モデルを築くきかっけとなった」などの成果を報告した。

 そのほか、同社の社員で、年間取扱高が8億円、ファンクラブ会員が2万人にのぼる〝カリスマ添乗員〟平田進也氏の知名度を生かし、広告代理店やPR会社の役割を果たす部署「おもしろ旅企画ヒラタ屋」を新設し、ビール会社や化粧品会社などを巻き込んだツアーやイベントを企画しながら、新たな事業分野を開拓していく姿勢などを説明した。

 矢嶋氏は産と学のさらなる連携の必要性を訴え、「観光学部にはマネジメント系、ホスピタリティ系、地域系などあるが各分野が横断的に産業と連携していただきたい」と産業側からの視点で要望。旅行関連産業を目指す学生には、「さまざまな人たちとの調整が必要な職種であるため、コミュニケーション能力と粘り強さが必要」と語った。

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