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No.450 移住という選択、2人の先駆者訪ね、松本へ

2017年1月21日
編集部

移住という選択
2人の先駆者訪ね、松本へ

 自治体にとって、移住定住の促進は観光活性化と並ぶ重要課題の1つ。観光業を担う人材不足が叫ばれるなか、UJIターンによる人口増加は問題解決に向けた端緒だ。今回、長野県松本市に移住した2人を訪ね、選択の理由や理念を中心に話を聞いた。国際関係論の専門家、山本達也氏と、クラウドファンディングを活用しホテルをオープンした菊地徹氏。住むだけでなく、街の盛り上げにも積極的。山本氏は、“ALPSCITY COFFEE”の取り組みにも力を入れる。インタビューを通じ、城下町である「松本」の魅力にも触れることができた。

【謝 谷楓】

 
 
 
 ――移住することの価値について。

 移住の価値は、“生存可能性”を高めることにあります。

 不安定な中東情勢や英国のEUからの脱退など、世界の変化は目まぐるしく、年を追うごとに混乱の度合いは増しています。理由は、エネルギーを巡る環境の変化にあると考えています。石油に代表されるエネルギーは、文明の根幹を支えているため、連動して世界のようすも変わっていきます。石油の産出や消費が安定していた20世紀、例えば日本の高度成長期(1960年代)には、一度会社に就職してしまえば、良くも悪くも将来を見通すことができました。しかし、なかなかそう上手くいかないのが、それ以降の21世紀なのです。

 エネルギーの産出をはじめ、不確定で混乱の要素が多い時代では、リスクを分散させることが重要となってきます。資産についても、1点投資するのではなく、不確定要素を考慮して米ドルやユーロ、有価証券など、さまざまな形で保有することが賢明な選択です。

 生き方についても同じです。

 私はかつて、シリアのアレッポに住んでいました。当時と異なり、長引く戦争によって今、街は壊滅状態です。経済的制約をはじめアレッポでしか生活できない人は、その状況に甘んじなくてはいけません。

 シリア難民は国際問題となっていますが、“移動できる人”であり続けることは、リスクを分散させます。移住(移動できる人であり続ける)という選択は、“生存可能性”を高めることにつながるのです。

 ――移住先が松本である理由は。

 松本に移住する決め手は、“自然との距離感”でした。松本は、自然が多いだけでなく、都市としての文化も持つ、ちょうど良い規模感を有しています。…

 

※ 詳細は本紙1658号または1月26日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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