表参道に「SHOGUN」テーマの体験型カフェ開業 地域や伝統文化の発信拠点に
2025年4月22日(火) 配信

日本インキュベーションセンター(JIQ、海保学代表理事、東京都千代田区)は4月22日(火)、東京・表参道に「SHOGUN」をテーマにした体験型カフェ「SHOGUN CAFE&EXPERIENCE(ショーグンカフェ&エクスペリエンス)」をオープンした。「平和と地方創生」を主眼に、約260年続いた平和な江戸時代に発展した産業や文化に着目し、地域や伝統文化の情報発信拠点になることを狙う。德川宗家第19代当主の德川家広氏がエグゼクティブフェローを務める施設で、1階は飲食・物販を提供し、2階では伝統文化が体験できる。
JIQは被災地を中心に、地域に根差したローカルビジネスの創出支援や販路開拓に取り組んでいる一般財団法人で、今後はさらに地域産業や文化の発展に貢献していきたい考え。この一環で今回はカフェを開業した。同日開いたメディア向けの内覧会で海保代表理事は、「日本と世界のこれからを考えるきっかけを提供する情報発信拠点、コネクションハブとして機能させていきたい」と意気込みを語った。

カフェでは地域活性化を支援するプロジェクトとして、「献上品」に焦点をあてる。江戸時代の「献上品」文化は各地域のプロモーションに大きな役割を果たしていたが、これを現在版に再定義。「届ける・つなぐ・還す」をコンセプトに、優れた地域産品の紹介や販売、地域や事業者とのコラボレーションメニューなどを展開していく。
第1弾として、オープン時は德川家康が青年期を過ごした静岡県浜松市にフォーカスし、家広氏が浜松を訪れて選別した「浜松茶」と「浜松ブラッドオレンジ」を取り上げる。カフェでの「献上品メニュー」は浜松抹茶(薗田製茶)とスズキ果物農園のブラッドオレンジを使用した、柑橘香るマーマレードもち。
1年間で10地域を取り上げることが目標で、今後は岡山県や宮城県などの地域が予定されている。第2弾は夏ごろになる見込み。

また、伝統文化を次の時代へつないでいく「伝統文化“未来創造”プロジェクト」は江戸時代の武家が学んだ武道や能楽、茶道、書道などの伝統的教養を現代風にアレンジし、「『SHOGUN』の嗜み体験」として提供する。90分(1人1万6500円)で3種類の体験ができる。海保代表理事は、単なる技術の体験ではなく、精神的な「和」の心に触れる体験の提供を目指したいとし、「海外の人だけでなく、日本人にも多く体験してほしい。自身を振り返るきっかけとして行動変化につなげてもらえれば」と語った。
会には德川家広氏も登壇。家広氏はカフェ名に触れ、「将軍」ではあらゆる時代の将軍が対象になるが、ローマ字表記にした場合は德川将軍を指すことなど、歴史的な解説をまじえて紹介した。家広氏は「日本は地域の独自性があり、どこでも面白いものがある。『全国の今のいいものがここにくれば見つかる』ということのお手伝いができれば嬉しい」と語った。
「SHOGUN CAFE&EXPERIENCE」は東京都港区北青山3₋6₋26QCcube北青山36ビル1・2階。カフェは40席で、午前10時~午後7時まで。2階の体験は予約制で、公式インスタグラムから受け付けている。