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〈旬刊旅行新聞3月21日号コラム〉――北陸新幹線福井延伸 北陸応援割とともに復興支援に前進へ

2024年3月21日
編集部:増田 剛

2024年3月21日(木) 配信

 1月1日に能登半島地震が発生し、翌2日に羽田空港で航空機事故が起こり、「2024年の日本は、この先どうなってしまうのだろう」と、年初から悲観的な気分になってしまった。GDPはドイツに抜かれて4位に後退し、間もなくインドにも抜かれてしまうという、衰退ムード漂う幕開けであった。

 

 

 そのなかで、3月16日の北陸新幹線福井延伸は、今年の明るい話題の一つだと春の訪れを待ち望んでいた。

 

 石川県の金沢駅から福井県の敦賀市まで伸びる約125㌔の間には、山代温泉や山中温泉、片山津温泉、あわら温泉など、北陸を代表する温泉地が連ねる。東京駅―敦賀駅は最短3時間8分で、首都圏の人にも物理的、心理的に近づく。

 

 能登半島地震で観光産業も大きな打撃を受けた。政府の観光支援策「北陸応援割」が石川、富山、福井、新潟の4県で3月16日から4月26日まで適用される。

 

 コロナ禍で実施されたGo Toトラベルや、全国旅行支援では現場の混乱が生じたが、今回も支援適用までの期間に宿泊予約のキャンセルが相次いだり、予約申し込みが開始時に集中し、システムで対応できないために大量のダブルブッキングが発生したり、どうも支援策のやり方が上手くないなと思う。

 

 宿泊料金の割引率を大きくしなくても人は訪れる。適用エリアに宿泊すれば、2千円程度のお土産や交通機関、オプショナルツアーにも利用できるクーポンがもらえるなど、広く浅く支援できる仕組みの方がいいと思うのだが、やはり今回も混乱を招いてしまった。

 

 だが、北陸新幹線延伸と北陸応援割によって、多くの人が北陸を訪れて、現地の復興を後押しできたらいいなと思う。あとは、能登半島の一日も早い復旧・復興を願っている。

 

 

 もう一つ、期待しているのは、半導体の受託生産で世界最大手の台湾企業「TSMC」が2月24日、熊本県・菊陽町に新工場を開いたことだ。

 

 菊陽町は熊本空港の北側に位置し、人口は4万3千人余りの小さな町だ。グローバル企業のため、平均収入も周辺の中小企業よりも圧倒的に高く、既に飲食店や商店に経済波及効果が表れている。

 

 福岡空港や熊本空港からTSMCの工場に向かう人の流れが生まれ、九州全体が経済活性化し、景気の底上げにつながる期待が膨らんでいる。

 

 熊本県には黒川温泉や人吉温泉など旅情あふれる温泉地が多く散在する。大分の由布院温泉や別府温泉、福岡の原鶴温泉、鹿児島県の指宿温泉などにも週末に旅行客が訪れることも予想される。

 

 

 観光立国を成長戦略の柱とする日本だが、農業、工業、最先端技術など「ものづくり」分野において、世界最高水準で競うことが国の底力を強くしていくのだと考える。どう考えても観光魅力のないまちで、遮二無二に観光資源を探すよりも、どの分野でもいいから、ものづくりで競争力をつけることができれば、それが観光客ではなくても、人やお金の動きは活発化する。「猫も杓子も観光立市」には大きな疑問を感じる。

 

 

 3月4日には、日経平均株価が初めて4万円を突破した。暗澹たる思いの年初だったが、明るい材料を探して、前進していきたい。

(編集長・増田 剛)

 

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