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奈良県橿原市、「心身共に健康増進を」 静かな環境で伝統建造物巡る旅

2023年11月16日
編集部:木下 裕斗

2023年11月16日(木) 配信

今井町のようす

 ウェルネスツーリズムを推進しようと、奈良県橿原市は10月26(木)~27日(金)、プレスツアーを実施した。市内に集中している観光地を自転車や徒歩で巡ることで体を動かし、人の少ない静かな伝統的建造物などがある観光施設への訪問で心の余裕を感じてもらい、心身ともに健康増進につなげられることをアピールした。

 奈良県の中央に位置する橿原市は、特急で大阪府・難波から約30分、京都から約50分、名古屋から約2時間でアクセスできる。奈良公園や東大寺の最寄り駅近鉄奈良駅からは約40分となる。このうち、難波と名古屋からは後ろの人を気にせずに座席をリクライニングしたり、大型窓を採用するなどして快適性を追求したくつろぎの空間に仕上げた特急車両ひのとりが運行している。

 同市は694年に、都「藤原京」が造営されたほか、江戸時代には伊勢神宮への主要な通りとして伊勢街道が利用されるなど長年栄えてきた。このため、さまざまな歴史遺産が残っている。

 主要駅大和八木駅から、徒歩15分ほどの場所にある今井町は、江戸時代に建てられた町家が約500軒連なる。国と県、市に指定された文化財が計17件存在。このうち、町内の旧米谷住宅は国の重要文化財に指定されている。見学料は無料となっている。

 町内にある地域の農家の野菜を取り入れたランチを提供するcafe たまゆらは2022年8月に、オープンした。生姜焼きや野菜サラダなどを盛り付けるヴィーガンプレートは、ヴィーガン料理を初めて食べる人にも満足してもらうため、大豆ミートを使用している。さらに、お腹も心も満たしてもらおうと、季節のスイーツも用意している。

コーラ作り体験 薬製造経験生かす

 1905年に創業した端壮薬品工業は、クラフトコーラ作り体験を実施している。風邪薬などの製造が主な事業だったが、コロナ禍で健康志向が高まり風邪をひく人が少なくなったことから、さまざまな新事業を試行錯誤してきた。そのなかで、コカ・コーラは頭痛薬として薬局で販売されていたことを知り、スタートした。

 薬を製造してきた経験を生かして、春は花粉症、夏は夏バテ、冬は風邪予防のスパイスを薬剤師などが使用する薬研で調合。その後煮込んで、炭酸水で割ると完成する。

橿原市観光親善大使さらら姫の奥本嵯由美さんにスパイスの調合方法をレクチャーするようす

 コーラ作りの合間には、開発までの過程をユニークに紹介する紙芝居や手品も披露している。体験時間は1時間30分ほど。申し込みはじゃらんで受け付けている。

 また、国の重要文化財で、17世紀前半に建立されたという称念寺では、お茶体験と客殿見学を実施している。お茶をたてるほか、現在は同寺のみで提供している牛や馬をつなぐために町内の多くの家屋に設けられ、町のシンボルマークにも用いられている駒つなぎを模したお菓子を堪能することができる。

郷土料理の飛鳥鍋 「県内でも少数」

 町内の農家のオーベルジュこもれびは、飛鳥地域の郷土料理飛鳥鍋を提供している。鶏がらベースのだし汁に牛乳を加えたスープが特徴。市内で用意する店舗は少数で、中国の王朝唐の使者が伝えたという。

 市は今井町をより魅力的な町にしようと、94年度から電柱の電線の地中化工事を進めている。2020年から29年に掛けて町内の御堂筋で整備。これにより、地区内の地中化率は約81%となる。

日本国のはじまり 694年に都が造営

 藤原京は694年に造営された都。日本で初めて碁盤目状都市区画「条坊制」を採用したほか、体系的な法律「大宝律令」を制定した。このことから、天皇を中心とした中央集権国家が生まれ、日本は自らを「日本」と名乗り始めたという。日本で最初の流通貨幣「和同開珎」を発行していた記録も残っている。

 都を守ろうと、香具山と畝傍山、耳成山の大和三山に囲まれた場所に設けた。このうち、香具山は百人一首にも記されている。

 現在は、野原が広がる。当時を再現するため、一部の門の柱を設けた。また、遺構などを紹介する藤原京資料室も開設している。春に菜の花、夏にキバナコスモスとハナハス、秋にコスモスの花が咲く。

野原に咲くコスモス

1000の提灯展示 県で最も高いビルも

 おふさ観音は来年6月23日まで、「提灯まつり」を開催している。約1200個の提灯を展示。夜間には、ライトアップも実施している。

約1200個の提灯を設置した

 境内の奥にある茶房おふさでは、お茶やアイスを提供。1915(大正4)年に建てられた御殿造りの茶室で、第2次世界大戦中には大阪の子供たちの疎開場所に選ばれた。

 カフェ「グッドモーニング坊城」は、古墳型ピザ作り体験を提供。用意された生地に地元の野菜など好きな具をのせ、石窯で焼く。子供でも楽しめるよう、簡単にできるようなプログラムとした。体験時間は1時間ほど。

さらら姫の奥本さん(左)と光畑瑠夏さんが好きな具をのせられることをアピールした

 今回のプレスツアーではカンデオホテルズ奈良橿原に宿泊。同ホテルは奈良県で最も高いビルで、最上階からは今井町や大和三山などを眺めることができる。

県内で最も高いビルのカンデオホテルズ奈良橿原

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