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スマート事故防止システムで健康管理 データ蓄積し会社を守る(日本健康経営)

2023年2月10日
営業部:後藤 文昭

2023年2月10日(金)配信

松本大成社長

 日本健康経営(松本大成代表、東京都中央区)は、従業員とドライバーの健康への意識を高め、万が一の事故を防ぐ仕組み、「スマート事故防止システム」をリリースした。

 生活習慣を意識することが安全対策につながると考える同社。「運転手の健康状態を日々チェックしデータを残しておくことが、万が一の事故の際に会社を守ることにもつながる」と語る松本代表に話を聞いた。

 ――「スマート事故防止システム」とは。

 「スマート事故防止システム」は従業員とドライバーの健康への意識を高め、万が一の事故を防ぐ仕組みです。

 国土交通省の事業用自動車健康起因事故対策協議会が2020年度にまとめた「健康起因事故発生状況と健康起因事故防止のための取組」をみると、運送業界の「健康状態に起因する事故報告件数」は、13年から19年までの5年間で約2・4倍増加しています。

 また、過去7年間で健康起因事故を起こした運転者1891人のうち心臓疾患、脳疾患、大動脈瘤および解離などの兆候が見られた人が31%を占めています。このうち、死亡した運転者327人の疾病別内訳は、心臓疾患が53%、脳疾患が12%、大動脈瘤および解離が14%を占めていることが分かります。

 運送業界では点呼時の血圧測定やアルコールチェックなど、事故防止に向けたさまざまな取り組みが行われています。一方、死亡事故の原因の約80%を占める血管と血流に関わる疾患に対しては、十分な取り組みができていないのが現状です。

 そこで、医療機器の販売などを行うメディコアジャパン(東京都港区)の「スマートパルス」を使い、精神的・身体的ストレスの情報、自律神経のバランス、血管の健康状態を日常的にモニタリングする仕組み「スマート事故防止システム」を21年にリリースしました。

 ――同システムの特徴は。

 このシステムの重要なポイントは、健康を企業が「管理」するのではなく、従業員自身が「健康への意識を高めること」です。

計測のようす

 測定自体も簡単で、一分間機器に人差し指を挟み、リラックスしている間に測定が終わります。

計測結果イメージ

 1日1回個々が測定したデータはクラウド上に蓄積され、いつでも個人のスマートフォンやタブレットなどを通じ確認することができます。

 このデータの確認を通じ、生活習慣に気を配り、日々の健康管理を行う意識を身に着けてもらうことが、ドライバーの健康増進につながり、事故防止に役立つと考えています。

 これに加え、導入されている企業が必要と判断された際には、禁煙や食生活改善などのセミナーも行います。

 ――同システムを企業が導入するメリットは。

  WILL法律事務所(大阪府大阪市)の清水伸賢弁護士は、「健康起因事故が起こった際に会社が責任を免れるためには、運行供用者責任の免責事由が必要になります。会社としては、自動車の運行に関し注意を怠らなかったことを立証する必要があり、少なくとも従業員の健康状態を把握し、その対策を十分採っていたといえる事情がなければならない」と、会社側の心構えを話されています。

 万が一事故が発生した場合を考えると、従業員の健康状態を日々管理していたことを証明できるデータを蓄積しておくことは、会社を守るためにも重要になると考えます。

 ――システムを利用する際の費用は。
 

 1人当たり税込み8800円。以後、システム管理と運営サポート費用として、月額1万1千円(税込み・100人まで)。スマートパルスは従業員30人毎に1台無償で提供します。
 

 ――導入されている企業では、健康データをどのように管理されていますか。
 

 個人で管理しているケースと、会社で一括管理しているケースの2つがあります。導入している企業では、7割が会社での管理、3割が個人での管理を行っています。
 

 ――松本社長はバス事業社に対しても、同システムの導入を進めていきたいとの考えを示されています。

 バス業界でも、運送業界と同様に運転手の高齢化が課題になっています。また、「健康起因事故発生状況と健康起因事故防止のための取組」の中でも、乗合バスの「健康状態に起因する事故報告件数」が多いことが指摘されています。貸し切りバスも今後、コロナ禍からの需要回復を見据えた場合、毎日従業員の健康管理をしていることを見せることが、他社との差別化につながるのではないかと考えています。

 また観光バスは教育旅行での利用も多いですが、こうした取り組みは保護者や旅行会社の安心感にもつながると考えています。

 ――観光業界では「ヘルスツーリズム」への注目が高まっています。

 例えば、宿泊施設にスマートパルスを設置していただくことで、宿での滞在でストレスがどの程度軽減したかなどを見ていただくことができるので、宿泊施設のプランで利用していただくのもいいかもしれないですね。

 ――ありがとうございました。

 

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日本健康経営
〒104-0061
東京都中央区銀座8丁目14番5号銀座小寺ビル5F
☎03-5809-3938

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