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日本遺産・小松の石文化 工場開放で「ものづくりのまち」PR

2021年12月13日
営業部:鈴木 克範

2021年12月13日(月)配信

高さ50㍍を超す石壁は圧巻(観音下石切り場)

 石川県小松市の「石文化」は2016年4月、「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」として、文化庁から日本遺産認定を受けた。そのストーリーを紐解くと、直径2㍉の碧玉の管玉に1㍉の孔を開けるなど、2300年前から行われてきた加工技術に驚かされる。その技巧は現在にも受け継がれ、九谷焼や繊維、鉄工業などさまざまな産業が盛んだ。今年11月には「日本遺産サミットin小松」開催に合わせ、市内の工場や工房を一般開放する「GEMBAモノヅクリエキスポ」を企画するなど、新しい取り組みも始まっている。石文化を中心に「ものづくりのまち小松」の魅力を紹介する。

【鈴木 克範】

 市内西尾地区にある観音下(かながそ)石切り場は、日本遺産認定を受けた「石文化」を代表する構成文化財だ。ここで採れる黄色みがかった日華石(にっかせき)は建築用石材として重宝され、国会議事堂にも使われている。現在、石切り場としての役目は終えたが、露天掘りによってできた高さ50㍍を超える石壁は圧巻。英国の女性アーティスト、ジュリーブルックさんの作品「上昇」も展示されている。日本遺産サミットではサテライト会場となり、ボランティアガイドによる解説も行われた。

 石川県を代表する伝統工芸・九谷焼も石文化を語るうえで、欠かせない。その原料となる「花坂陶石」は小松市が産地だ。江戸後期に興った「再興九谷」の地・若杉地区の製土所をリニューアルした九谷セラミック・ラボラトリー(通称:CERABO KUTANI)は、ギャラリーや体験工房も加わり、産業観光の拠点として蘇った。採掘した石が、粉砕され陶土になる工程を間近で見学できる。建築家・隈研吾氏設計の建物も必見だ。入館料は一般300円、学生(高校生以下)150円。

 九谷焼の陶土ができるまでを見学したら、色鮮やかな絵付けの現場も訪ねたい。その1つ徳田八十吉陶房は、「GEMBAモノヅクリエキスポ」の工房ツアーでも、満員御礼になるほどの人気だ。ここで創作に取り組むのは陶芸家の四代徳田八十吉さん。父であり人間国宝の三代徳田八十吉氏が生み出した、釉薬の調合による色の濃淡で作品を仕上げる技法「彩釉(さいゆう)」を受け継ぎ、女性ならではの感性を生かした作品を発表している。一方、ユーチューブで「九谷やそちゃんねる」を開設し、動画で九谷の魅力を発信するなど、作家とは別の一面も。「創作の現場を身近に感じてもらいたい」という。

陶房で九谷の魅力を語る四代徳田八十吉さん

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 「GEMBAモノヅクリエキスポ」は市や事業所などでつくる「こまつものづくり未来塾」が、小松ならではの魅力を発信したいと企画した。期間限定だが、「うちの工場、のぞいてみんけ?」と呼び掛け、普段はなかなか見ることのできないモノづくりの現場を公開した。「今回の取り組みを契機に、ものづくりのまち小松の魅力に触れてもらえる仕組みづくりを進めたい」(市観光交流課)という。

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「日本遺産・小松の石文化 工場開放で「ものづくりのまち」PR」への1件のフィードバック

  1. 出雲にも勾玉文化があって、隠岐の島は縄文時代においては黒曜石の採掘の重要拠点だったと聞きます。石川県もいちど行ってみたいと思います。

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