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「提言!これからの日本観光」 “「クラスター」&「ネットワーク」”

2021年11月14日
編集部

2021年11月14日(日) 配信

 秋もたけなわとなった9月末日、長い間続いていたコロナ禍への緊急事態宣言がようやく解除された。しかし、専門家はコロナ完全収束ではなく、一時的な小康状態にすぎず、次の波を極力低くする努力が必要であり、段階的に規制、自粛の緩和を行うことが望ましいとする。そして、今後も長期に渡ってコロナ再蔓延の危険は残り、当分の間、蔓延防止対策を怠ってはならないともいわれている。いわばコロナとの戦いは長期戦に入ったといえよう。

 「観光」は人間の本能に根差すものだけに今後の長期警戒期間においても、「密」防止などに留意した「新しい観光」として速やかに再活性化させる必要がある。コロナ禍では各地で患者が集団感染する「クラスター」が発生し、流行の発火点となった。そして、人流を介して「クラスター」同士がつながり、相乗作用でさらに蔓延が面状に急拡大する現象が見られた。

 「観光」復活にあたっては、この現象を逆手にとって「観光クラスター」(勿論、仮称)設定と、その連携による「観光(資源)ネットワーク」を構築し、資源の相乗効果による充実した面状の「観光」に発展させたい。

 例えば、まず県内にあるさまざまな観光資源のまとまりのある箇所を選び、“こころのふるさと○○(仮称)”などと命名し、「観光クラスター」とする。「クラスター」は「自然景観」、「歴史文化」などの基礎観光資源がそろっていること、加えて産業観光、街道観光などテーマ別観光資源も整っているか、その可能性のある地点が望ましい。観光拠点として交通・観光施設を重点的に整備、県内(地域)の観光情報発信拠点ともする(観光客のためのサービス“窓口”付設も)。

 次に県域内の複数の“こころのふるさと”同士が相互に連携してほかの観光資源も含む観光資源の「ネットワーク」を構築、観光モデルコースの設定、相互送客、情報の交換、共同発信を行い、「全国ネットワーク」へも発展させる。即ち「観光」を全国万遍なく面状に幅広く展開することでより多くの資源の相乗効果に期待し、充実した「観光」の実現を目指す。

 日本は全土が風光に恵まれ、永い歴史と伝統に育まれた国であるだけに、未開発の観光資源が潜在している。「クラスター」と「ネットワーク」の体制で新資源の開発と磨き上げもできる。またテーマ別観光資源は各地のあるものづくりやみちなどを「観光」の視点から新しいストーリーを立てて観光資源化するもので、テーマ別観光資源を「クラスター」で整えようとする場合、ほとんどの国内観光地がその候補となり得る。

 交通・宿泊などのインフラ整備と地域の観光推進への熱意によって、既存の観光地以外にも「観光クラスター“こころのふるさと”」を近代観光の視点からつくりあげ、観光の幅も広げられる。このような観光資源の魅力を再発見する「クラスター」と「ネットワーク」方式による「新しい観光」に期待したい。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

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