NAA 22年2月、旅客数は233%増に 乗継地需要などで改善

2022年3月31日(木) 配信

田村明比古社長。中国などで乗り継ぎの検疫措置が厳しくなり、増加したことを発表した

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が3月24日(木)に発表した2022年2月の航空発着回数は、前年同月比36%増の1万349回、航空旅客数は同233%増の50万5310人と大幅に増えた。中国や香港、台湾などで乗り継ぎの際の検疫措置が厳しくなり、代替地として同空港が選ばれたことことが主な要因。

このうち、国際線は、旅客便発着回数が同147%増の7783回。旅客数は147%増の19万8757人。

 国内線の発着回数は同290%増の2566回。旅客数は同330%増の30万6553人だった。

 田村社長は「昨年2月は国内で緊急事態宣言が発出されており、発着と旅客数が最も少なかった。今年はまん延防止等重点措置が発令されたため、消費者の抵抗感が薄かった」と分析した。

 国際線貨物便は発着回数が同3%減の3497回。貨物量が増加するなか、大型機材で集約して、輸送する航空会社が増えたことで、減った。一方、貨物量は同4%増の19万5021㌧。半導体製造装置や医薬品などが好調だった。

「国際線の予約増」 渡航数回復に期待

 同日に発表した3月1(火)~19日(土)までの国際線発着回数は、前年同期比22%増の2848回。

 出国旅客数は同65%増の4万2800人。19年同期比では95%減と、19年2月同期比96%減から、微増した。

 田村社長は3月14日(月)から1日当たりの入国者数の上限が全国で7千人に引き上げられたことや、留学生の受入再開したことにも触れ、「多くの航空会社から留学生の予約が増加している報告を受けた。国際渡航の回復に期待を寄せている」と話した。

 また、同期における国内線発着回数は同197%増だった。

減免措置を延長 国内線は縮小に

 同社は22年10月まで、航空需要の低迷を受けて20年3月から始めた着陸料の支払猶予や、テナントに対する構内営業料における最低保証額の撤廃措置を延長する。

 なお、「国内線の便数は一定度回復した」として、これまで全額免除されていた国内線定期便の着陸料は4月から、新千歳と関西、福岡、那覇空港の4路線を3分の1に、これ以外を5分の4に、それぞれ減額料を縮小する。

 「今回の措置で難局を乗り切り、航空復活元年にしたい」(田村社長)考えだ。

〈旬刊旅行新聞4月1日号コラム〉新年度がスタート―― 春の明るい旅の話題も増えてきた

2022年3月31日(木) 配信

 4月に入った。新年度はいつも少し気が引き締まる。3月31日と4月1日は、たった1日だけど、空気がガラッと変わる。春は出会いと別れの季節とも言われるが、3月の別れの感傷的な感情も4月にはすべて洗い流され、新しい環境や出会いに心を入れ替える季節である。

 

 3月の後半は、東京でも桜の満開の時期を迎えたが、花冷え、花曇りの日が多く、この原稿を書いている今も、美しい桜をゆっくりと眺めることは、まだできていない。

 

 この数年、コロナ禍で春を迎え、すっきりとした心ではなかったため、桜も社会環境に似たように目に映った。「桜がしっかりと咲き誇った年は明るくなる」と、私は信じている。

 

 まだまだ桜は咲いている。もし、東京で間に合わなければ、東北まで満開に咲き誇る美しい桜を見に行こうと考えている。

 

 

 4月1日から、都道府県内での旅行を国と自治体が支援する「県民割」の対象が、地域ブロックまで拡大される。

 

 地域ブロックの範囲は、「北海道・東北」「関東」「北陸信越・中部」「近畿」「中国・四国」「九州」の6区分となる。利用には、ワクチン接種3回、または検査での陰性証明などの条件がある。

 

 支援の期間は、ゴールデンウイーク直前の4月28日宿泊分(4月29日チェックアウト分)まで。厳しい環境が続いた観光業界には、久しぶりに明るい話題である。

 

 

 もう一つ、朗報がある。バイクの高速道路料金が普通車の半額となるサービスが4月2日からスタートする。これまでは軽自動車と同じ料金だったため、割高感が強かった。11月27日までの土・日・祝日が対象で、平日には適応されない。

 

 「1回の走行が100㌔以上」「ETC限定」「事前の申し込みが必要」など、さまざまな条件も多いが、大きな一歩を踏み出したことは間違いない。

 

 「旅行新聞バイク部」も冬の間は自主トレ中心で本格的な活動は停止しているが、毎年春から始動する。

 

 昨年は4月、浜松市に鰻を食べに行った。帰りには三保の松原から駿河湾越しに勇壮な富士山を眺め、バイク旅の楽しさを満喫した。

 

 8月には東北を巡る「修行」の旅に出た。“ライダーの聖地”蒸ノ湯温泉ふけの湯(阿部剛右社長、秋田県鹿角市)を訪れ、3泊4日の思い出深い旅となった。高速道路の普通車半額サービスは、旅行新聞バイク部にとっても追い風となり、今期も活動の幅を広げ、質を高めていきたい。

 

 

 本紙もさまざま春のイベント情報の話題が増えてきた。今号では「2022となみチューリップフェア」や「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」などをアピールする宣伝隊が本紙関西支社に来社され、詳しい内容は本紙で紹介している。春を感じる話題が増えてくるのは、記者としても楽しい。

 

 また、日本旅行業協会(JATA)は海外企画旅行の再開に向けた準備として、4月3―7日にハワイに視察旅行を実施する。海外旅行がストップして約2年が経つが、海旅復活への足掛かりとなる取り組みがスタートしている。

 

 コロナ禍の間はひたすら国内旅行をしたが、海外旅行も恋しくなってきた。今年中にはバンコク辺りでグルメ旅をしたいなと思う。

 

(編集長・増田 剛)

【特集No.607】リーガロイヤルホテル東京 ロケで収益確保と事業多角化へ

2022年3月31日(木) 配信

 リーガロイヤルホテル東京(中川智子社長〈取材当時〉、東京都新宿区)は1月14日(金)、旅行新聞新社が取材活動などを通じて見聞きした観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2021」のグランプリを受賞した。コロナ禍で営業ができなくなったバーやレストランを撮影用に積極的に貸すだけではなく、ロケ用に独自のガイドラインも作成していることが高く評価された。中川社長をはじめ、縄手典子氏と金子由夢氏にも詳しい話を聞いた。

【木下 裕斗】

新顧客開拓、本業も売上増 休業施設活用し他館とも相互送客

 ロケ誘致は、テレビドラマのほかに、映画やCM、バラエティー番組などを対象に行う。近年は、ネットフリックスなどのインターネット動画配信サービスで放送するドラマ撮影での利用も増えているという。

 リーガロイヤルホテル東京は1994年のオープン当初から、「ホテルの本業のお客に迷惑を掛けないことを前提」に、全6カ所のレストランやバーをはじめ、客室やロビー、結婚式場、車寄せ、廊下、駐車場、エレベーターなどを貸し出してきた。

 中川社長は「希望があれば、制服と名札も貸与した。従業員には急きょ、エキストラとして出演してもらったこともある」と積極的な姿勢を示す。

 同ホテルは豪華なシティホテルをイメージした内装が人気で、これまでTBSテレビ系列で放送された日曜劇場「半沢直樹」や、西武鉄道のCM「2016年秋冬『とびら』篇」などの撮影で使用されてきた。昨年は、約120件を受け入れた。

 開業当時には、多くのシティホテルが関東で営業していたため、「関西を中心に展開していたリーガロイヤルホテルグループの知名度を、テレビなどへの露出によって向上させる」狙いでロケ誘致を始めた。
コロナでも積極誘致宿泊減少分を補う

 同ホテルは新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、不要不急の外出自粛要請などを受けて、需要が激減した。

 宿泊については、19年の平均客室稼働率は約90%だったが、21年には約42%まで落ち込んだ。さらに、東京都などから、夜に酒類の提供を控えるよう求められ、レストランなどの飲食施設を休業。このうち、セラーバーは今年3月22日(火)まで、営業を停止した。

 稼働率の向上のほか、新型コロナウイルスの拡大で全国にある多くのロケ地で受け入れが停止したなかで、「制作サイドから撮影可能な現場を探すことに苦労している」ことを聞いたため、販売促進チームは制作陣へのセールスにより力を入れた。

 こうした結果、20年に約1800万円、21年に約1600万円を売り上げた。

 制作サイドが感染防止のため収録回数を減らしたことで、両年の業績はコロナ禍前の19年の2000万円から、減少したが、「ロケによる売上はホテルの業績に大きく貢献した」(中川社長)と一定の評価をしている。
 さらに、中川社長は「コロナ禍でも貸し出したことで制作サイドとの信頼関係が深まった」と話す。

 さまざまなロケ受け入れに対する配慮もテレビ関係者などに認知され、ホテル名も放送の最後に流れるスタッフロールに掲載されたことで、新しい会社からの利用も増加した。……

【全文は、本紙1866号または4月7日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

【PR】ぐるっと松江堀川めぐり 堀川遊覧船(島根県松江市)

2022年3月31日(木)配信

船からしか見られない景色

 国宝松江城を囲む内堀・外堀を小船で約50分ゆっくりめぐる遊覧船。内堀・外堀は築城当時に造られ今も姿をそのまま残しているのは全国的にも珍しく、また堀をぐるりと一周遊覧できるのも全国でここだけ。
 船上から眺める街並みはどこか懐かしい風景が広がり、水辺の草木や水鳥が四季を演出する。コースの中には17もの橋が架かり、中には屋根を下げないと通過できない低い橋もあり、名物の「屋根下げ」が体験でき、小さなお子様からご年配の方まで楽しめる人気のスポットがある。
 また、1日乗り放題なのも人気の一つで、楽しい船旅のひと時が過ごせる。

〈関西支社を訪問〉チューリップフェアなど 富山県宣伝隊がPR

2022年3月31日(木) 配信

宣伝隊一行

 富山県の春の風物詩「となみチューリップフェア」と「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」の宣伝隊が3月23日、本紙関西支社を訪れた。来社したのは、プリンセスチューリップの西川日葵さんと砺波市観光協会の開田健嗣観光推進係長、砺波市商工観光課の島田宗弥主任、立山黒部貫光・西日本営業所の寒河淳副所長の4人。

 砺波市の砺波チューリップ公園を主会場に4月22日から5月5日まで開かれる「2022となみチューリップフェア」は、国内最大級となる300品種、300万本のチューリップが咲き誇る花の祭典。

 場内では、13品種21万本のチューリップで描く地上絵や、「雪の大谷」をイメージした高さ4㍍、長さ30㍍のチューリップ回廊「花の大谷」など、さまざまな手法で色とりどりのチューリップを展示する。昨年誕生した新チューリップタワーからは、天気が良ければ立山連峰を望むこともできる。

 また、5月1日には、砺波市出身の動画クリエイター「はじめしゃちょー」による特別ステージ、5月5日には、大阪桐蔭高校吹奏楽部による特別演奏会も行う。

 「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」は、世界有数の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」の全線開通に合わせて開かれる、毎年人気の企画。期間は4月15日から6月25日まで。

 高さが20㍍にも迫る雪の壁「雪の大谷」の間を歩くメインイベント「雪の大谷ウォーク」をはじめ、立山連峰を一望できる期間限定の遊歩道「パノラマロード」、かまくら体験など、大自然を満喫できるさまざまなイベントを用意する。今年は積雪量が多く「雪の大谷」も昨年以上の高さになるという。

 西川さんは「『花の大谷』と『雪の大谷』の両方を楽しんで、富山の春を感じてください」とアピールした。

観光を活用した地域経営 事例とノウハウまとめた手引きを公開(運輸総合研究所)

2022年3月30日(水) 配信

観光を活用した持続可能な地域経営の手引き(運輸総研HPから)

 運輸総合研究所(宿利正史会長、運輸総研)は3月30日(水)、「観光を活用した持続可能な地域経営に関する手引き」を発表した。観光を活用した持続可能な地域経営に関する先進的な取り組みを行っている地域に対して調査や分析を行い、観光庁やUNWTO駐日事務所と連携しながら手引きをブラッシュアップした。

 手引き書では、持続可能な地域経営を行うに当たり、50年後100年後も住み続けられる地域であるために、観光を活用して地域の課題を解決する方法について詳しく記載している。

 国内外の先進的な事例の紹介や、11ステップにまで細分化した地域経営のPDCAサイクルの具体的な進め方、取り組みを支援する機関やアドバイザー、資金支援、認証取得、統計関係などの情報提供も行う。

 手引き書の作成にあたり、観光庁とUNWTOが参画し、検討委員会を実施。昨年12月にはシンポジウムや、全国10カ所で地方別ブロックセミナーを開いて、地方自治体やDMOに詳しく聞き取りを行った。

 とくに、地域経営に観光を活用するメリットの例示集や、多様な事例の紹介、課題・取り組みに応じた指標例──などを求める声が多かったとして、手引き書に反映させた。

 今後、経営支援ツールとして役立つエクセルデータを配布する予定。

 手引きのデータは運輸総研のホームページにて、PDF形式で公開している。

ロケツーリズムアワード 受賞地域・企業の実績

2021年3月30日 (水)配信

セルリアンタワー東急ホテル

 第12回ロケーションジャパン大賞の表彰式に先駆け2月17日、今年度最も地域活性化・観光振興をはかった地域・企業を表彰する「ロケツーリズムアワード」が発表された。

 同アワードはロケツーリズム協議会の会員から選出。「観光客の増加率、経済効果」や「取組みを遂行する組織の継続度」などを産官学民・マスコミ関係者などの有識者により審査、決定する。

セルリアンタワー東急ホテル

 セルリアンタワー東急ホテルは2021年、216件のロケを受け入れ、客室、レストラン、宴会場の撮影使用料で約3000万円の年間収益を上げた。今回の受賞に際し評価された映像作品や雑誌の撮影などに使われる「セルリアンタワースイート」の観覧ができる宿泊プランは、これまでに10件以上の利用があり、現在も複数の予約が入っている人気プランだ。

 利用者からは、「ロケ地の中でもスイートルームは見られる機会が滅多にないので、うれしい」などの声が寄せられているという。また見学にとどまらず、宿泊者がアイドルの誕生日に合わせルームサービスでケーキを注文してお祝いをするなど思い思いに楽しんでいる。

 「今後ロケの行われた作品の記者発表会場として宴会場を利用してもらうよう働き掛けるなど、撮影だけでなく制作に携わった人々のホテルへの思い入れをより深いものとし、知名度をより一層高めていきたい」と同ホテルは考えている。

 担当者は、「コロナによる影響が少ないマーケットを模索していたなかで、以前から取り組んでいたロケ撮影の受け入れはコロナ禍でも堅調に推移しており、ホテル全体として強化して取り組みました。地方ロケが難しく、都内での撮影機会が増えたことも追い風となったと思います。これからも戦略的にロケ撮影をブランディングに活用していくことにより、新たな顧客層へのリーチをはかり、ホテルのファンを増やしていくとともに渋谷からロケツーリズムを振興していきたい」と思いを語る。

長崎県島原市

島原市

 昨年4月、市長直轄の「ロケツーリズム班」を立ち上げ、シティプロモーションを強化する長崎県島原市。

 移住・定住者は、2020年度の44人から21年度は54人に増加するなど着実に実績を積み重ねている。

 また、「ロケツーリズム推進事業」への支援を呼び掛ける企業版ふるさと納税には21年度だけで15件、1265万円の寄付が集まった。今回の受賞はこうした成果を上げ数値化していることと、ロケ決定率が86%であることが評価された。

島原市の取り組みはこちら

  

京急 PASMOで利用する新しいおトクなきっぷ5種販売 よこすか満喫きっぷもリニューアル

2022年3月30日(木)配信

券面イメージ(京急全線1日フリーパス)

 京浜急行電鉄はこのほど、PASMOで利用する新しいおトクなきっぷの発売を始めた。

 売り出したのは、京急電鉄で初めて通年発売する「京急全線1日フリーパス」と「京急全線1日フリーパス」、「京急線・京急バス1日フリーパス」、「東京周遊パス(TOKYO DAY TRIP PASS)」、「羽田空港発着 地下鉄1DAYパス」、「みなとみらいきっぷ」の5種。担当者は「この機会に、マイクロツーリズムやビジネスなど用途に合わせ、快適な電車・バスのご移動にぜひご活用ください」とPRする。

追加されるコンテンツ・グルメ イメージ

 また、「よこすか満喫きっぷ」も4月1日(金)からリニューアルする。今回のリニューアルでは、利用エリアの拡大、加盟店舗の追加などを実施。これにあわせ、観光MaaS「三浦COCOON」WEBサイトでスマートフォンで利用できる「デジタルよこすか満喫きっぷ」の販売を開始する。

 よこすか満喫きっぷは、「電車・バスの乗車券」に、ご当地グルメが楽しめる「食べる券」、アクティビティでご利用できる「遊ぶ券」がセットになった”日帰りで手軽に満喫”できるおトクなきっぷで、年間約3万人の利用がある人気のきっぷ。

 今回のリニューアルで鉄道フリー区間は汐入駅~浦賀駅から、同社線横須賀市内全域(追浜駅~浦賀駅、堀ノ内駅~津久井浜駅)に拡大。バスフリー区間には新たに浦賀駅~京急久里浜駅間や久里浜エリアの区間を追加した。

 併せて、猿島ガイドツアーや東京湾フェリー遊覧乗船、久里浜エリアの入浴施設利用、津久井浜観光農園の収穫体験など、体感型のアクティビティや食事施設を充実させた。

デジタルよこすか満喫きっぷ スマートフォン画面イメージ

 デジタルよこすか満喫きっぷは「三浦COCOON」掲載の観光情報や、自宅からのアクセス、観光地での移動手段などマルチモーダル経路検索の機能も活用でき、スマートフォンひとつで快適に横須賀の観光を楽しむことができます。

 なお、リニューアルとデジタル化にあわせ発売額は改定される。

リクルートと箱根町が包括連携協定を締結 地域消費分析プラットフォーム構築を目指す

2022年3月30日(水) 配信

勝俣浩行町長(右)と宮本 賢一郎リクルート 旅行Division Division長

 リクルート(北村吉弘社長、東京都千代田区)と神奈川県・箱根町(勝俣浩行町長)は3月22日(火)、観光DX(デジタルトランスフォーメーション)を目的とした「地域観光消費増加」を、デジタル消費で実現する検証を行う。両者と箱根DMO、町内事業者が連携し、地域消費分析プラットフォームを構築することが目的だ。

 箱根町は全国でも有数の温泉観光地・観光立町であり、繁忙期における観光客の集中化・混雑などの課題を抱えている。この課題を解決するために町はリクルートが提供する業務・経営支援サービス「Air ビジネスツールズ」を地域事業者に設置するための事業化を実施。その後リクルートが自社の保有する宿泊実態統計データなどを提供し、「地域消費分析プラットフォーム構築」を目指す。

 両者が進める「箱根町版観光DXプロジェクト」は、観光消費額増加策に加え、有効な行政支援の立案に生かされる。地域事業者の売上把握が新型コロナウイルス感染症や風水害などの早急な実態の把握に加え、行政支援の容易化や、データ分析から地域消費向上に向けた施策案の計画に生かし、データを基にした観光戦略などに活用する考えだ。

べっぷ海鮮市場が破産手続き開始 負債は約8200万円

2022年3月30日(水) 配信

 べっぷ海鮮市場(松本利惠子社長、大分県別府市)は3月9日、大分地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約8200万円。

 同社は1998(平成10)年8月に設立。別府市の観光ルートである九州横断道路沿いに、海の駅「べっぷ海鮮市場」の屋号で、大分県内外からの観光客や団体客を対象に、海産物や土産品販売を行っていた。レストランも運営し、2010年3月期には年間売上高約2億3300万円を計上していた。

 しかし、20年に入ってからは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、来客数が大幅に減少。休業要請や営業時間の短縮が続くなかで、先行きの見通しが立たなくなり、事業を停止していた。同年11月には本店不動産を売却するなどして、借り入れ負担の軽減に努めたが奏功しなかった。