No.301 ユニバーサル・ウェディング - 「私達もキレイに」-車いすの花嫁

ユニバーサル・ウェディング
「私達もキレイに」-車いすの花嫁

 「車いすでドレスが着られるか?」「車いすで式を挙げられるか?」――。花嫁のそんな不安を拭い、女性が抱く夢を叶えるユニバーサルウェディング。沖縄県宜野座村にある「アムスホテルズ カンナリゾートヴィラ」は2月5日、「車いすの花嫁―ウェディングショー」を行った。イベントに携わる人の思いとともにイベントを追う。「キレイに着飾り、好きな人と幸せになりたい」女性の憧れに障がいは関係ない。

【伊集院 悟】

<夢は健常者と同じ、不安を安心に変える>

 きっかけはホテルに宿泊するお客様との会話のなかだった。「車いすで挙式できるか」「車いすでウェディングドレスを着られるか」「車いすではスムーズに動けないので、時間のない結婚式は不安」。イベントを企画したアムスホテルズ カンナリゾートヴィラ経営企画の金居良子さんは「そんなお客様の声を汲み取り、車いすの方でも安心して結婚式を挙げられ、ウェディングドレスを着られるようにしたい。不安を安心に変え、新郎新婦がストレスなく挙式できるお手伝いができれば」とプロジェクトの経緯を話す。

 

※ 詳細は本紙1451号または日経テレコン21でお読みいただけます。

本質隠す論理が溶解 ― 過疎地の雇用を考える(2/11付)

 今冬の雪は、一つの村や町を埋め尽くすような降りようだ。とくに寒波の襲った日本海側に大雪が降り、北日本では雪崩の被害も出た。豪雪地帯では過疎化が進み、高齢者が屋根によじ登って雪かきをするために、毎年のように転落事故が起きている。日本各地から有志らが雪かきを手伝いに行っているが、人間が持つ小さなシャベルで、コンクリートの壁のような雪かきをしても、とても追いつくようなレベルではない。危機的状況から脱するために、大型の除雪車が何台も必要で、このため地方自治体の除雪経費も大きく嵩んでいる。
大雪のたびに重く考えさせられるのが、過疎化・高齢化の問題だ。農村部では子供の数が年々減少し、その数少ない子供たちはやがて地元を離れ、大都市の魅力に吸い寄せられていく。少子化対策も、コンクリートのように硬直化した社会構造のなかで、思うような成果を上げられない状況にある。このまま過疎地域の自然対応力は弱体化してしまうのだろうか。
東京電力はこのほど、企業向けだけでなく、家庭向け電気料金も値上げの方針を示した。枝野幸男経済産業大臣は東電に対して、値上げの根拠となったデータの提出を求めた。これまで電力会社の実質“言い値”で電気料金が設定されていたが、今度ばかりはそうはいかない、との立場だ。当然のことだが、今まではそうではなかった。何にしても、東京電力のような大企業は、まさにコンクリートのように固い、雪壁みたいな存在だ。個人が異論をぶつけようとしても、ショベル一つで豪雪地帯の雪かきをするような徒労感を覚えるだけだ。だが、分厚く灰色に積もった雪の壁も、春が来れば緑色の地面が現れる。
原発がなくても、何とかなる――という事実が、多くの国民に知れ渡るようになった。そして「東京など大都市に電力を供給するために、過疎地が原発事故の犠牲になった」という、国民同士の対立を煽るような本質を隠す論理も溶解し始めた。
もう、そのような論理のすり替えはいらない。過疎地域の雇用を守るために、大きなリスクと抱き合わせの原発をこれまで通り維持するのか。それとも知恵を絞り、新たな産業と雇用の創出に汗を流すか。簡単ではないが、観光に携わる人間にとっても逃げられない喫緊の問題なのだ。
(編集長・増田 剛)

1万人に5千円相当の特産品【ふくしま】からありがとうCP

福島県は2月1日から3月31日まで「ふくしまからありがとうキャンペーン」を実施しています。

県内宿泊者や福島空港定期便利用者を対象に、抽選で1万人に5千円相当の特産品が当たる「福の恩返しギフト」企画など、来県者へ5つの特典を用意しました。

震災後の風評被害が深刻ななか、福島への来訪が何よりのエールです。これを機会に、実際に訪れて、現実のふくしまを「見て、食べて、知って、感じて」いただければと思います。

福島県下ではこのほか、19歳から22歳までのスキーリフト代無料キャンペーン「雪マジ!ふくしま」(3月31日まで)や、昨秋実施した宝探しイベントの第2弾「コードF-2」(3-5月に実施)なども企画しています。

キャンペーンのご案内ホームページはこちら

3月9日、武蔵野大学ホスピタリティシンポジウム 参加者募集

 注目のホスピタリティ企業と大学の共働教育による、人材育成の挑戦が始まっている。武蔵野大学(東京都西東京市)のホスピタリティ学研究会は3月9日、同大学グリーンホール1階多目的ホールで、「日本の未来を創出するホスピタリティ人材の育成を考える」をテーマに就業力育成シンポジウムを開く。ホテル・旅館の経営者、スタッフなど、広く参加者を募集している。

 開演は午後3時。基調講演はオータパブリケーションズ代表取締役社長の太田進氏が「ダイバーシティ・グローバル化で求められるホスピタリティ・サービス」をテーマに講演。その後、研究会を取りまとめる同大学の洞口光由教授・キャリア開発部長と、マリテーム代表取締役社長の池田里香子氏が成果発表を行う。パネルディスカッションは、ロイヤルパーク汐留タワー代表取締役社長の朝倉博行氏を司会に、八芳園常務の井上義則氏、明神館専務の齋藤忠政氏、マンダリンオリエンタル東京コンシェルジュの角田陽子氏、洞口氏のパネリストを迎え行う。

 申し込みはFAX、Eメールで受け付けている。タイトルを「3月9日シンポジウム申込」とし、氏名、所属、電話番号、Eメール、第2部の情報交換会(午後6時30分開始予定、参加費2千円)への参加・不参加を記入して送付する。

洞口教授は「心に響く人とのふれあいを大切にする日本人の『おもてなし』が求められる時代が来ている。今こそ発想の転換を」と話す。

問い合わせ=武蔵野大学学生支援部キャリア開発課 電話042(468)3196、FAX=042(468)9076、Eメール=career@musashino-u.ac.jp

恒例のビッグひな祭り    徳島県勝浦町で2/19から

徳島に春を呼ぶイベントとして親しまれている「勝浦ビックひなまつり」が2月19日から3月20日まで開かれます。
町おこしと人形文化の伝統保存のため、家庭で飾られなくなったひな人形を全国から集めて供養するとともに約3万体のひな人形を絢爛豪華に展示する恒例の催しで、今年で24回目を数えます。
千葉県勝浦市、和歌山県勝浦町とも連携し、受け入れたひな人形の提供や展示の協力もしています。

平成17年度から現在の会場(人形文化交流館)で開催し、同時に徳島県から勝浦町に移譲された人形浄瑠璃の舞台も設置され、本格的な人形浄瑠璃の上演も可能となりました。
最大の見どころは展示フロアの中央。8メートル、100段にもおよぶ巨大なピラミッド状のひな段が据え付けられ、大小3万体ものひな人形が来場者を迎えます。

◆開催日時
2012年2月19日(日)~3月20日(火・祝)

◆会場
人形文化交流館(勝浦町生名)

◆お問い合わせ先
ビッグひな祭り実行委員会/NPO法人阿波勝浦井戸端塾 電話0885-42-4334

勝浦町の「ビッグひな祭り」紹介ホームページはコチラ

 

3月末に25万回へ、“基幹空港として飛躍を”

NAAの森中小三郎社長
NAAの森中小三郎社長

 成田国際空港の森中小三郎社長は1月18日に開いた業界専門紙記者との意見交換会で、年間発着回数30万回に向け、2012年3月末には25万回に到達することなどに触れ、「日本の基幹空港としてさらなる飛躍を遂げ、国際ネットワークを充実させたい」と話した。

 11年10月には2本の滑走路を同時に使う発着方式をスタートさせ、23万5千回まで許容量を増加。今後、年間発着回数30万回に向け、12年3月末には25万回、13年夏には27万回に到達するという。

 また、年間旅客数について森中社長は「11年度は3千万人を切るぐらいになりそうだが、12年度は3300万人、3400万人と飛躍できるよう、地元の理解を得ながら施設の増強を進めていきたい」と話した。

 現在、日本航空(JAL)が使っていた第2旅客ターミナルを増設し利用しているLCCの受け入れについては、「今後LCCが増えていけば、専用ターミナルの建設も検討する必要がある」とした。「韓国の仁川やシンガポール、香港、上海などアジアの国際空港の競争が激化してきているが、成田も負けないように努力する」と力を込め、締めくくった。

コンベンションに助成、学会、修旅、合宿など-加賀市

  石川県加賀市は、市内での宿泊を伴う学会や修学旅行、合宿などの各種コンベンションに対し、助成金を交付する。

 対象は、市内および近隣市町で実施されるもので、加賀市域を超える規模のもの。市内の宿泊施設を利用し、延べ宿泊者数が概ね50人以上であることが条件となる。市から他の助成を受けているものや、政治・宗教的活動を目的とするもの、国または地方公共団体が主催するものは対象外。ただし同市以外の教育委員会主催の合宿・修学旅行は対象となる。

 助成額は、学会が宿泊1泊あたり700円(上限300万円)。2カ国以上の国外住居者が参加する国際規模の学会は、国外住居者が同3千円、その他が同700円(上限400万円)。学会以外のコンベンションについては、同500円(上限200万円)、国際規模のコンベンションは、国外住居者が同1千円、その他が同500円(上限200万円)となる。

 修学旅行・合宿については、1泊当たりの助成額を、従来の300円から1千円に引き上げ。市公共施設の宿泊者も、1泊当たり一般1千円、高校生500円、中学生以下300円を助成する。

 問い合わせ=加賀市観光交流課 電話:0761(72)7900。

「ドラマ館」「歴史館」オープン、清盛ゆかりの地を発信

清盛(松山ケンイチさん)の等身大ディスプレイ
清盛(松山ケンイチさん)の等身大ディスプレイ

 NHK大河ドラマ「平清盛」の放送に合わせ、ドラマ使用の衣装や小道具を展示する「ドラマ館」と、平安時代の歴史や神戸港の歩みなどを紹介する「歴史館」が1月21日、神戸市内にオープンした。

 ドラマ館は同市中央区のハーバーランドセンタービル内に設置。ドラマ出演者の紹介パネルやサイン色紙などを並べ、大河ドラマの世界観を創出。主演の松山ケンイチさん扮する清盛の等身大ディスプレイや、幻の福原京を再現したジオラマなどが目を引く。ドラマのダイジェストや福原京の解説映像も120インチ大型スクリーンで楽しめる。

 歴史館はドラマ館から一駅離れた中央市場前に整備。遺跡や出土品などの展示を核に、清盛と神戸の関係性を発信するほか、歴史ガイドツアーの拠点としても活用する。屋外に設けたイベント広場では期間中の土・日曜日に、新結成された「神戸・清盛隊」によるパフォーマンスショーも行う。

 入館料は両館セットで前売り、大人600円、小・中学生300円。当日券は大人700円、小・中学生350円。単館入場券も設定する。コンビニやJTB、神戸市内の主な旅行会社で販売する。

 開館時間は午前9時から午後5時まで。来年1月14日までの開館で、入館者数40万人を見込む。

各ツールの使い分けを、新年会でWeb活用法伝授

五十嵐敦氏
五十嵐敦氏

 新潟県旅館組合青年部(高橋五輪夫部長)は1月16日に佐取館(咲花温泉)で2012年度新年会に合わせてセミナーを実施した。にいがた三味の五十嵐敦代表が「これからの旅館のWeb活用法」について講演。ポイントに(1)各ツールの使い分けができているか(2)ユーザーの求める情報が公式サイトに載っているか(3)売りたい価格帯を明確にし、戦略的にサイト構築ができているか――などを挙げた。

 facebookは個人ではコミュニケーションツールだが、ビジネスではメディアであることを強調。「売りたいプランのターゲットを絞り、スモールキワードを効果的に用いてランディングページを充実させることが大切」と話す。

 じゃらんnetや、楽天トラベルのサイトでは、上位2割が総売り上げの8割を占めるという「2・8の法則」を紹介し、該当の地域で上位5位以内に入る重要性を説明。「安い順対応として、素泊まりでもよいので安いプランを用意しておくのも、上位表示への策の1つ」と紹介した。また、じゃらんnet楽天トラベルなどのサイトで順位があがると、宿の公式サイトへも良い影響が出ることを説明し、「宿の売上が落ちているのなら、まずはじゃらんや楽天サイトに力を入れてみるのもよい」と提案。「じゃらん・楽天両方取り組むのは負担が大きければ、どちらかだけでも」とすすめた。

 youtubeでは、予約を取るためのPRよりも、予約者向けに近隣の見所、散策ポイントなどを紹介する「ネットのおもてなしサービス」としての活用をすすめる。その際「最初と最後に旅館の名前を出すことを忘れずに」と助言した。

 公式サイトについては、「ホームページは行動学」とし、ページ滞在時間や直帰率、クリックアナライザーの利用などサイトを細かく分析する重要性を強調。「ページ滞在時間が少なく、直帰率が高いのであれば、検索ワードで入ってきたユーザーの求める情報がサイトに出ていないということ。ページの改善が急務」と語り、「一番売りたい価格帯がサイトのなかで一番魅力的に映っているか」など、売りたいプランや価格帯を明確にした戦略が必要という。

12年は“原点回帰”、LCCで日本の空変わる

JTBの田川博己社長
JTBの田川博己社長

 JTBグループ(田川博己社長)は1月19日、東京・新宿の京王プラザホテルで2012年新春経営講演会を開き、田川社長は2012年のキーワード「原点回帰」を挙げ、「基本に立ち返り当たり前のことをやる。長期的・安定的に収益を上げられる経営体系への改革をすすめる」と語った。

 12年について韓国麗水の博覧会やロンドンオリンピック、スカイツリーオープン、日中国交正常化40周年、LCC3社の国内線就航などを挙げ、「12年は大きな転換点」と強調。とくに、LCC3社の国内線就航については「大きく日本の空が変わる転換点になるだろう」と語った。また、JTB創立100周年を迎えるにあたり、さらなる国内商品力の強化、インバウンドの強化、宿泊商品の強化、着地型商品の強化を訴えた。

 震災後の意識の変化について、ハネムーンや同窓会、被災地への支援ツアーなどのニーズが増えていることを紹介。「局面が急激に変わるときほど、ライバルを寄せつけない仕組みを作り、仕掛けていくことが大切」と話し、「12年は自ら仕掛け、顧客の期待や感動を超える新たな価値を生む」と締めた。

 合わせて行われた第7回JTB交流文化賞の受賞式では、交流文化賞最優秀賞にはNPO法人体験村・たのはたネットワーク(岩手県下閉伊郡田野畑村)の「漁村の暮らし体験が地域を再生する『番屋エコツーリズム』」、優秀賞にはJR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会(愛媛県伊予市)の「何もないけど何かある……。無人駅を、ひとの集まる場所に」、東大阪「モノづくり観光」活性化プロジェクト協議会(大阪府東大阪市)の「若者に伝えたいんや!町工場のおっちゃんが熱く語る『モノづくりの心』」。が選ばれた。交流文化体験賞最優秀賞には大久保達夫さんの「モザンビークの空に浮かんだシャボン玉」、優秀賞には河野友見さんの「ランニング・フォー・コーヒー!」、能勢健生さんの「小さな村のコンサート」が選ばれた。