京都で初の全国大会、来年10月初旬、「みやこめっせ」で(全旅連青年部)

山口敦史部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(山口敦史・第21代青年部長)は9月25日、東京都内で2013年度臨時総会を開き、第22回全国大会の開催地を京都府で開くことを決めた。

 山口部長は冒頭、台風18号の影響で京都・嵐山など近畿地方を中心に水害にあった地域にお見舞いの言葉を述べ、「青年部も災害支援ネットワークを構築し、災害に対して迅速に対応していく必要がある」と語り、このほど災害対策本部を設置した。支援物資の輸送支援や復旧対策支援が円滑に行えるように、青年部長、副部長、各ブロック長、47都道府県の組合青年部への災害時連絡網を構築した。

京都府がプレゼンテーション

 来年秋に開催される全国大会の開催地選定については、今年6月17日から7月9日までの間、開催立候補地を全国から募集したところ、立候補があったのは京都府のみだった。臨時総会に先だって、京都府による15分間のプレゼンテーションを行った。こののち全国47都道府県の支部長による審議の結果、全会一致で京都府の開催を決定した。京都府での青年部全国大会の開催は初めて。

 京都府の青年部(幾世英麿部長)の部員数は59人(女性10人)。当日は水害の影響でプレゼンテーションに参加できないメンバーが多くいるなか、世界における「RYOKAN」、日本における「旅館」を京都から発信していく姿勢や、学べる全国大会「大人の修学旅行」をテーマとし、祇園でのお茶屋遊びなどをエクスカーションに組み込むことなどをアピールした。会場は平安神宮近くの「京都市勧業館 みやこめっせ」で、時期は来年10月初旬を予定している。

久保観光庁長官“実態に即したものに”、固定資産税の見直し要求

 8月末にまとめられた税制改正要望の「ホテル・旅館の建物に係る固定資産評価の見直し」について久保成人観光庁長官は、9月18日の会見で、「実態に即したものに見直し、適正に事業活動ができるようにしてほしい」と、固定資産税見直しの意義を語った。

 現在、ホテル・旅館の固定資産評価基準が下限に達するのは、鉄筋コンクリート造りの場合、百貨店や劇場、娯楽場と同じ区分けで50年とされている。ホテル・旅館は、「不特定多数の人が建物や施設を利用する」(久保長官)事業の特性上、施設・設備の劣化が短期間で進むことから、観光庁では固定資産税の見直しを要望。固定資産税が下限に達する経年数を現在の50年から、公衆浴場の35年の間での見直しが求められる。久保長官は「実態に即した税制に引き下げ、事業者の負担を軽減することで、適正に事業活動ができ、地域経済に貢献できるようにしたい」と話した。

 また、8月の訪日外客数発表を受け、好調だった韓国が前年同月比6・9%増と、伸率が鈍化したことについて、汚染水の報道の影響を報告。「食べ物の安全への懸念が出ている」とし、日本の安全基準の高い食品類の検査方法など、食の安全・安心について、改めて正確な情報発信に努める方針だ。また、韓国当局を通じた旅行会社への情報発信にもより一層力を入れるという。

 2020年のオリンピック・パラリンピックが東京に決まったことについては、「インバウンド推進の強力な追い風」とし、「オールジャパン体制で、高まる日本への注目度を生かした訪日プロモーションをしていきたい」と話した。五輪までに増加が予想される外国人の受け入れについて、宿泊施設の受入環境の整備や案内表示の促進、表記の多言語化などを課題にあげた。

 また、五輪が東京の一極集中化を加速させる懸念について、「開催効果を地方へ波及させる必要がある。東京に来た外国人観光客に地方へも行ってもらう工夫をこれから考えなくてはいけない」と強調した。 

UNWTOと協定締結、アジア・太平洋地区で初(JATA)

菊間会長(左)とリファイ事務局長

 日本旅行業協会(JATA)は9月13日、国連世界観光機関(UNWTO)と包括的パートナーシップ協定を締結し、東京ビッグサイトで開かれたJATA旅博2013の開会式で覚書への調印を行った。観光関連活動を共同展開することで、観光の役割を高めていくことを目指す。UNWTOとのパートナーシップ協定はベルリン(ドイツ)のITBとロンドン(イギリス)のWTMに次ぐもので、アジア・太平洋地区では初の取り組み。

 締結に際し、JATAの菊間潤吾会長は「JATA旅博が、国際会議と展示をともなう旅行の総合イベントとして国際的に認知されていることや、とくにアウトバウンドにおける取り組みは他国にはあまりみられないものであり、双方向でのツーウェイツーリズムへの取り組みが評価されたものと認識している」とあいさつ。「JATAという一業界団体の範疇を超え、日本の観光立国を考えるうえで非常に意義深いもの」と語った。

 また、締結後に開いた会見でUNWTOのタレブ・リファイ事務局長はJATAと協定を締結した理由について「過去10年を振り返ると、アジアの重要性は急成長してきた。そのアジアでも中心的な位置付けにあるのが日本で、近年はアウトバウンド旅客とのバランスを取るためにインバウンドにも力を入れている。そのなかでJATAは真剣に取り組んでおり、素晴らしい業績がある」と語り、「旅博はアジア最大の旅のイベントで、世界でも2位か3位を占めている」と評価した。

 協定締結により、UNWTOは継続的に旅博へ参画し、観光フォーラムでセッションを共催するほか、ベストプラクティスとして東日本大震災後の観光事業復興の取り組み事例の共同編集やUNWTOのアジア・太平洋地区での会合・活動へのJATAの参加、世界観光動向と予測データの共有などを行う。

 なお、期間は2016年12月31日までだが、双方の合意で更新する可能性もある。

No.352 旅館の労務管理(後編) - 就業規則は働き方のルールブック

旅館の労務管理(後編)
就業規則は働き方のルールブック

 本紙で「いい旅館にしよう!」プロジェクトの対談シリーズに登場する工学博士の内藤耕氏(サービス産業革新推進機構代表理事)に、旅館の労務管理についてインタビュー取材を行った。後編の今回は、「就業規則は『働き方のルールブック』である」と内藤氏は語る。経営戦略や戦術の大事なツールとしての認識が必要であり、「経営者は社員と熱い議論を」と強調する。旅館経営者を悩ませる「手待ち時間をどうするか」といった難題にも迫る(3面に続く)。

【増田 剛】

経営戦略や戦術のツールに、経営者は社員と熱い議論を

 【前号の続き】低価格の居酒屋でさえも生ビールや枝豆を頼めばすぐに係が持って来てくれます。客単価2千―3千円の居酒屋が1品出しするフルサービスをしている一方で、2万―3万円の旅館がセルフサービス型のオペレーションをやろうとしている。これでよいのかを経営者はもっと考えなければなりません。

 

※ 詳細は本紙1518号または10月5日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

逃避的な旅 ― 人生を変える人との出会いも

 坂口安吾の自伝的連作集「暗い青春・魔の退屈」の中にある「古都」は、安吾が東京にいることがやりきれなくなって、書きかけの長編小説の束を放り込んだトランク一つで、都落ちさながら、京都・伏見に行く場面から始まる。時はまさに宇垣内閣流産のさなかのことである。安吾は伏見にある弁当屋の2階の一室で丸一年逗留する。暗い部屋で机上の原稿に埃が積もるのを横目でみながら、近所の人たちと酒を飲み、碁を打つだけの日々を過ごす。

 薬物中毒、何度かの自殺未遂を繰り返した太宰治も、処女短編集「晩年」を刊行後、山梨県・甲府で春の日だまりのような新婚生活を過ごす。その後、目まぐるしく人生の歯車が動き出し、東京・三鷹での壮絶な死へと向かっていく。湯村温泉を舞台にした短編「美少女」は、宝石のような人生の静けさ、一瞬だけ与えられたのどかな時間の流れを感じさせる小説だ。

 伊集院静は広告制作会社を辞めた20代後半から30代半ばにかけての7年間、逗子のなぎさホテルに逗留する。支配人の厚情に守られながら、多くの読書をしたり、酒を飲み交わしたりして時を過ごすが、そこでの時間がのちの小説を執筆するうえで役立ったと語っている。

 貴種流離譚の代表格「源氏物語」は、光源氏が須磨に配流される場面がなければ成り立たない。そのくらい重要な位置を占めている。飛ぶ鳥を落とす勢いの光源氏が、政敵の娘・朧月夜との密会が見つかったことをきっかけに都から遠く離れた須磨で謹慎生活を送る。雅びな都を離れ、鄙びた須磨の田舎で絵を描いたり、淋しく海を眺め、催馬楽を歌う日々。明石に移ってから、物語に彩りを与える「明石の君」と出会う。一方、光源氏不在の間、荒れ狂う京都に、再び光源氏の復帰を求める声が高まる。都に戻った光源氏は、我が世の春を謳歌する。

 北野武監督の映画「ソナチネ」も、印象的なシーンが散りばめられている。主人公・たけしが演じるヤクザのボスは、子分を連れ、沖縄に向かう。罠であるのだが、青い海に囲まれた沖縄で、主人公たちは古びた海辺の家に住み、ぽっかりと穴の開いたような時間に砂浜で落とし穴を作ったり、紙相撲を取ったり、まるで子供のように無邪気に戯れる。やがて訪れる凄惨な死の場面と対比的に、あまりに美しいシーンだ。フライデー事件のあと、沖縄・石垣島で謹慎生活を送った時間の結晶のような作品だと思う。

 華々しい世界の住人が、世の中の流れや人間関係と切り離され、無意味に浪費する時間は、甘美である。不遇時代にある人物を、周りの地元の人たちが温かく接する挿話も欠かせない。

 昔も、今も、世の中は生きづらい。自らの意思で、あるいは思わぬ罠や、止むに止まれぬ事情で、“配流”や“左遷”されることも、何人たりとも無縁な世界ではない。腐ることなしに、運命のその場所の生活にどっぷりと浸ることで何かを掴むきっかけとなるかもしれない。そして、その時間が、のちの原動力となる可能性も大きいのだ。人生、良い時もあれば、悪い時もある。人生と旅は似ている。好奇心に溢れ、前向きな旅ばかりではない。心が折れそうなときの逃避的な旅もある。接点となる旅先の土地や人との出会いが、やがて1人の人間の人生を変えたり、一つの小さな物語として結実することもあるのだ。

(編集長・増田 剛) 

<湯西川・川俣・奥鬼怒温泉>浅草で秋の観光PR ”大根ツリ―”も登場 

 栃木県の「湯西川・川俣・奥鬼怒温泉観光協会」は9月26日、東武浅草駅前(東京都台東区)にて秋の観光PRイベントを行った。

 当日は観光パンフレットに合わせて、秋に旬を迎える高原大根1200本も無料配布。隅田川を挟み東京スカイツリーを望む東武浅草駅前には、高原大根で作られた“大根ツリ―”も登場し、観光客や地元住民らでにぎわった。

 湯西川温泉旅館組合の山城晃一理事長(上屋敷平の高房)は、「紅葉が見頃を迎える湯西川・川俣・奥鬼怒温泉エリアにぜひお越しいただければ」とアピールする。

「山梨ジュエリーミュージアム」9月28日オープン

 山梨県の地場産業である宝飾産業を県内外に向けて広く発信する「山梨ジュエリーミュージアム」が9月28日、やまなしプラザ1階(甲府市丸の内)にオープンする。

ミュージアム内では山梨県が世界に誇るジュエリー産業を教育、また美的見地から展示。地元職人によるジュエリーの制作実演、デザイナーなどによる体験事業も予定し、江戸時代から継承される山梨のジュエリーの魅力を発信する。

開館時間は午前10時から午後6時まで(火曜休館)。入館料無料。

なお9月29日には開館を記念して、山梨県出身のプロダクトデザイナー深澤直人氏による記念講演を行う。<

特製バスの運行開始、はとバス1台をラッピング、(株)全旅

出発式のようす

 株式会社全旅(池田孝昭社長)は、はとバス(金子正一郎社長)と連携した、全旅特製のラッピングバス(45席+補助席、ガイド付き)を9月から来年8月末までの1年間運行する。9月1日、出発式を東京都港区の日の出桟橋で行った。

(株)全旅・池田社長

 席上、あいさつに立った池田社長は「はとバスの協力で特別なバスとして運行できるようになった。一般消費者にも㈱全旅のクーポン会員の旅行会社はこんなこともできる、とアピールできるのではないか。業務拡大に利用してほしい」と述べた。また、全国旅行業協会(ANTA)の二階俊博会長も駆けつけ「私が全旅協の会長になって20年。このような試みは初めてだ。中小の旅行会社が大手に太刀打ちするためにはこのような新しい展開を日々していかなければならない。今後もさまざまな企画に期待する」と語った。最後に、はとバスを代表して齊藤博章観光バス事業本部副本部長兼定期観光部長が「当社でもこのようなコラボは初めてで、㈱全旅が進めている地旅にも貢献できると考えている。クーポン会員の方に広く利用していただきたい」と述べた。

ANTA二階会長

 ラッピングバスは全旅クーポン会員のバス手配の利便性と収益向上の支援を目的としたもので、バスの横と後方部分に全旅のロゴマークと「全旅ツアー」「地旅」の文字を掲げる。年間を通じて1台を確保し、バス料金は全旅クーポンで精算できる。申込みは先着順。

 配車場所は都内と横浜。全旅の日野俊英執行役員は「ラッピングバスは顧客へのインパクトがある」と利用を呼び掛けるとともに「9、10月の予約状況も順調。単に都内観光だけではなく、都内観光プラス近県の温泉などの宿泊を絡めた予約が多い」と話す。

 問い合わせ=全旅旅行事業部 電話:03(5250)2033。

乳がんの認識高める、車内でピンクお宿冊子配布(琴平バス)

車内で無料配布をしている
「ピンクリボンのお宿」冊子

 香川県の琴平を起点に四国エリアなどでバス・タクシー事業を展開する琴平バス(コトバス)は現在、高速乗合バスの車内で「ピンクリボンのお宿」冊子を無料配布している。冊子を導入した経緯について西川晋平取締役は、「ピンクリボンのお宿ネットワークの取り組みが1人でも多くの方に伝われば、乳がんに対する社会認識を高めるだけでなく、乳がんの方やご家族、友人も旅に出かけてみようと思う人が増えるかもしれない。その支援が少しでもできればと思い冊子の導入を決めました」と話した。

 

 

琴平バス(コトバス)

 同社の乗合バスは、女性客の隣の席は女性になるように配慮し、女性が1人や奇数グループでも安心して予約ができるシステムを提供している。また、同一予約グループ内に男性もいる場合は、同一グループでの隣席配置が優先されるなど、利用客にとってうれしいサービスが好評を博している。年間利用者数は約5―6万人で、そのうちの7割は女性客だという。

 同社は、四国から東京・名古屋へと毎日高速乗合バスを運行し、7月31日からは香川県内の乗降場所を7カ所から11カ所に増設し、サービス向上に努めている。着地型旅行ツアーも豊富に取りそろえ、四国八十八カ所を巡る「お遍路ツアー」では、14日間で88霊場を巡る全周プランや、1年間をかけて毎月日帰りで霊場を巡るプランなどを用意。バス・タクシー・歩き遍路とさまざまな商品でニーズに応えている。

 西川取締役は、「来年、四国八十八カ所は開創1200年を迎える。とくに首都圏の方の『お遍路』需要は少ないので、この機会に訪れてほしい」と語った。

旅行費増額は22%、14年の海旅先、近場傾向(トリップアドバイザー)

 世界最大の旅行口コミサイト・トリップアドバイザーはこのほど、全世界の宿泊事業者と旅行者を対象にした旅行市場動向調査の結果を発表した。2014年の旅行費用を増額する旅行者は世界平均の39%に対し、日本は22%で、56%が据え置くと回答した。

 調査は13年6―7月に、オンラインで実施。調査回答者は、宿泊事業者1万469人と、オンラインで旅行予約し、過去1年間に1回以上旅行した成人消費者1万9692人。うち、日本人は消費者が1112人で、宿泊事業者が133人。

 日本人旅行者は世界平均と比べて、旅行費用を増額する傾向は低かったが、日本人旅行者の79%が旅行費用捻出のために他の娯楽を犠牲にしてもよいと考えていることが分かった。我慢する娯楽は「夜遊び」が38%、「外食」が36%、「服などのショッピング」が34%、「食料品」が22%、「たばこ」が14%。性別でみると、男性は外出を控え、女性はショッピングを我慢する傾向が強い。また日本は、旅行のために借金をする消費者が世界で最も多く、旅行代金をクレジットカードで支払うという回答者は世界の44%に対し、日本は70%を占めた。

 14年の経済を楽観視する旅行者は世界平均32%に対し、日本は22%。また、14年に旅行回数を増やすと答えた日本人旅行者は短期旅行で9%、長期旅行で12%となった。

 14年に計画中の日本人旅行者の海外旅行先は、アジアが39%と最も人気が高く、近場傾向がうかがえる。一方、15年ではアジアが依然として1位ながら、30%と減少し、欧州が22%(14年は19%)、北米が16%(14年は14%)など、遠方への旅が増加傾向にある。

 日本の宿泊業者への調査では、宿泊客の78%が日本人旅行者で、外国人宿泊客はわずか22%。世界平均である51%と大きく差が開いた。しかし、日本の宿泊事業者の54%がアジア地域の宿泊客の増加を感じており、今後のさらなる増加が予想される。

 日本の宿泊事業者のなかで、来年の事業利益に対して楽観的なのは31%に留まり、世界的な平均値67%を大幅に下回った。料金値上げを計画している日本のホテル経営者は47%。14年の増資の対象は、31%が「スタッフのトレーニング」、30%が「小規模な改築」、29%が「マーケティングと広告」を挙げた。