【発表】37回プロが選ぶ100選

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加賀屋17年ぶり「もてなし」部門1位に返り咲き
旅行新聞新社「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」決定
1月20日(金)京王プラザホテル(新宿)で表彰式開催
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 旅行新聞新社(石井貞徳社長、本社・東京都千代田区)は1月11日発行の「旬刊旅行新聞」と自社ホームページで、第37回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の入選施設を発表しました。今年は「もてなし」部門で加賀屋(石川県 和倉温泉)が第20回(1995年1月発表)以来17年ぶりに1位へ返り咲きを果たしたほか、白玉の湯泉慶・華鳳(新潟県 月岡温泉)が「施設」部門で初の1位を獲得しました。

 加賀屋は総合100選でも32年連続で首位を獲得。その記録をさらに伸ばしました。総合上位入選では、昨年4位の白玉の湯泉慶・華鳳が3位に、同7位の水明館が5位とそれぞれランクアップ。10位のホテル鐘山苑(山梨県 富士山温泉)が新たにトップ10入りを果たしました。

 旅館100選は全国の旅行会社による投票を集計し100選施設を選出するもので、観光業界新春のイベントとして37年の歴史を誇るものです。投票は昨年10月に全国の旅行会社(旅行業登録1種、2種、3種)の本社、支店、営業所など1万7050カ所に、投票案内を掲載した「旬刊旅行新聞」と投票用紙(専用はがき)を直接送り、実施しました。返信いただいた投票はがきを集計し、「もてなし」「料理」「施設」「企画」の部門ごとの100選および、4部門の合計点からなる「総合100選」が決まりました。

 同時に「第32回プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、「第21回優良バス30選」も発表し、観光・食事、土産物の両部門で群馬県・長野原の浅間酒造観光センターが、バス30選では東京都・大田区のはとバスがそれぞれ1位の座を獲得しました。

 ■第37回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(総合トップ10入選施設)

順位        館名                                    県・地区名                           コメント

1            加賀屋                                石川県 和倉温泉                 (32年連続1位)
2            日本の宿古窯                       山形県 かみのやま温泉
3            白玉の湯泉慶・華鳳              新潟県 月岡温泉                 (昨年の4位からランクアップ)
4            稲取銀水荘                          静岡県 稲取温泉
5            水明館    岐阜県                  下呂温泉                             (昨年の7位からランクアップ)
6            草津白根観光ホテル櫻井       群馬県 草津温泉
7            萬国屋    山形県                 あつみ温泉
8            ホテル秀水園                       鹿児島県 指宿温泉
9            指宿白水館                          鹿児島県 指宿温泉
10           ホテル鐘山苑                       山梨県 富士山温泉              (昨年の12位からトップ10入り)

 総合(11位~100位)、部門(もてなし、料理、施設、企画)、観光・食事施設、土産物施設、優良観光バスの各入選施設につきましてはこのホームページのホテル・旅館100選のページに掲載しています。

 なお、表彰式ならびに新春祝賀パーティーは1月20日(金)に新宿の京王プラザホテルで開催いたします。

ザ・フィッシュ(千葉県・浜金谷)にご当地キャラ集合 1月7-9日

 一足早い春が訪れ、絶好の観光シーズンを迎える千葉県は、1月から3月まで、早春の観光キャンペーン「きらきら房総 誰と行く?」を実施します。

さらに、「がんばろう!千葉」キャンペーンでは、1月から、一人ひとりのアイデアと取り組みで千葉を盛り上げる「ちば盛り上げ隊」が新たに発足します。

両キャンペーンのキックオフイベントとして、「~きらきら房総 誰と行く?~」 を1月7日から9日までの3日間、ザ・フィッシュ(千葉県・浜金谷)で開催します。

県内の観光スポットやご当地グルメ、元気いっぱいのマスコットキャラクターなど千葉の魅力が盛りだくさん。参加した皆さんの笑顔がきらきら輝き、元気が湧いてくるイベントです。

■イベントの内容は次の通りです。

名 称 がんばろう!千葉×早春の観光キャンペーン キックオフイベント~きらきら房総 誰と行く?~

主 催 千葉県

日 時 平成24年1月7日(土)~9日(月・祝)11:00~15:00 ※雨天開催

場 所 ザ・フィッシュ(千葉県富津市金谷2288)

主な内容

7日(土) がんばろう!千葉「ちば盛り上げ隊」発足式 ~キャラクター大集合~
地域のPRや盛り上げに頑張っているご当地キャラクターが大集合!
「ちば盛り上げ隊」の特別隊員に任命します。 

8日(日) 新春グルメ大会 ~ちばの恵みを食べ尽くそう~
B-1グランプリin 姫路で7位入賞の「勝浦タンタンメン」と、白いスープが特徴の
袖ヶ浦「ホワイトガウラーメン」が紅白競演。県産米を使った「もちつき大会」など。

9日(月・祝) チーバくんのお誕生日会
1月11日はチーバくんのお誕生日。関東近県のマスコットキャラクターもお祝いに
駆けつけてくれます。

広場のイベント(7日~9日)

ご当地グルメ、物産市、チーバくんグッズの販売、「ちば盛り上げ隊」の受付、観光PRブース など

●7日の「ちば盛り上げ隊」発足式に参加予定のキャラクター(昨年12月8日時点)

※★印:8日(日)も参加、☆印:9日(月・祝)も参加

きみぴょん(君津市)★☆ 
ドラム(栄町)★☆ 
ガウラ(袖ヶ浦市)★
ソーサマン(匝瑳市)★
ダッペエ(館山市)☆
なんぼーくん(安房郡市)☆ 
うなりくん(成田市)
カムロちゃん(佐倉市)
勝浦カッピー(勝浦市)
オッサくん(市原市)
なし坊&かおり(白井市)
一宮いっちゃん(一宮町) 
げんき君(白子町)
千葉県マスコットキャラクター
エビアミーゴ(御宿町) 
鳳神ヤツルギ(木更津市ご当地ヒーロー)
駅長犬(JR 東日本千葉支社)
チーバくん ★☆

●9日の「チーバくんのお誕生日会」に出席予定の関東近県マスコットキャラクター

ハッスル黄門(茨城県) 
とちまるくん(栃木県)
ぐんまちゃん(群馬県)
コバトン(埼玉県)

「平清盛」ドラマ館、呉と宮島に同時オープン

宮島・広島・岩国・呉・廿日市市の首都圏観光宣伝隊

 宮島・広島・岩国・呉・廿日市市の首都圏観光宣伝隊が12月8日、本紙を訪れ、大河ドラマ「平清盛」関連情報、旬を迎える冬の味覚カキのイベント情報などをPRした。訪れたのは、広島観光親善大使の木本知佳さん、宮島観光親善大使の田中智子さん、ミス岩国の水間美香さんら6人。

 広島市では1月3日まで、「ひろしまドリミネーション」を開催している。平和大通りや、広島県庁舎前の交差点エリアなど市内中心部で140万個の電球によるイルミネーションが輝く。「おとぎの国」をメインテーマに、ハートランド、もみじの丘、スタードームなど25の独立した作品が展示される。今年は全体の97・5%はLED電球を使い、節電には十分に配慮した。2月は、カキを味わうイベントが続く。毎年恒例の宮島かき祭りは2月11、12日の開催。浜焼き、土手鍋、雑炊など地元産のカキをたっぷり使った格安料理コーナーが展開される。

 1月8日から放送が始まる大河ドラマ「平清盛」に合わせ、宮島と呉に14日、ドラマ館が同時オープンする。宮島ドラマ館は歴史民俗資料館の一角を使い、清盛と宮島の関係を示す資料や、オリジナル映像、ドラマ出演者が実際に着た衣装や道具などを展示する。入場料は大人が500円、小中高生が250円。

 宮島では土・日・祝日、プロの登録ガイドさんと歩くツアーガイドを実施している。今年は、平清盛ゆかりの場所を巡る1時間30分のコースを新たに設定した。宮島桟橋の観光案内所で当日、申し込むことができる。料金は500円。

 岩国の名勝、5連のアーチが特徴的な錦帯橋は1月下旬まで夜間、黄色のライトで橋の裏面をライトアップ。「黄金の錦帯橋」として昼とは違う景観を楽しめる。約3千本の桜が植えられている吉香公園は3月下旬から4月上旬、桜のシーズンを迎える。満開の桜が並ぶ土手と錦帯橋との対比は絶景という。

 米軍岩国航空基地との共用使用という形で、2012年度の開港を目指し、岩国錦帯橋空港の整備も進められている。岩国―羽田間を1日4往復する。アクセスは岩国駅から車で7分。

被災地に教育旅行、米の大学生24人が訪日

 カリフォルニア州立大学機構をはじめとするカリフォルニアの大学に在籍する学生24人は、テラサキ・ファミリー基金が主催・助成する訪日クリスマス教育旅行に参加し、被災地である宮城県南三陸町、石巻市、仙台市を訪問した。

 日本への教育旅行は、東京以西に限定する傾向が顕著ななか、同基金は「学生たちに、困難から復興しようと尽力する日本の姿を見てほしい」と、今回の被災地訪問を企画。日本政府観光局(JNTO)ロサンゼルス事務所が、旅行手配を担当するYamato Travelを通じ、宮城県の協力を受け、参加学生と保護者へのプレゼンテーションや各地の資料、情報提供を行った。

 参加学生は12月17日から13泊15日の旅程で訪日し、南三陸町、石巻市、仙台市に滞在後、東京、広島、京都を訪問。石巻専修大学坂田学長による震災とその後に関する講義をはじめ、各都市の大学で日本の社会構造、第二次世界大戦と日本の教育構造、仏教と心理学などテーマに沿った講義を受け、学生との交流プログラムに参加した。東京ではトレンド発信地での観光、広島と京都では原爆ドームや金閣寺、清水寺などの見学、和菓子作りや着物ショーの見学など、文化・歴史の象徴的施設への訪問と、日本文化の体験を行った。 

奈良県南部の風評被害地、観光地は安心安全

金峯山寺
金峯山寺

 昨年9月、台風12号により紀伊半島地域で大きな被害が発生したが、被害の無かった観光地や温泉地も風評被害の影響で宿泊客が減少した。昨年11月24―25日に、近畿運輸局が主催した奈良県の現地視察に参加し、風評被害に翻弄された吉野町や洞川(どろがわ)温泉など訪ね、安心安全の観光地を確認した。
【有島 誠】

 最初の目的地は大阪市内からバスで1時間半の吉野町。桜と修験道で有名な吉野山は「紀伊山地の霊場と参詣道」の中核としてユネスコの世界遺産に登録され、年間約100万人の観光客が訪れる。

 山や谷を埋め尽くす桜の木は約3万本。9割が山桜で、4月10日前後の満開をはさみ20―25日間、全山がピンクに染まる。山の下から、上から歩きながら楽しめるのが吉野の桜で、期間中は約40万人の見物客でにぎわうという。

「千と千尋」の世界の洞川温泉街
「千と千尋」の世界の洞川温泉街

 周辺に旅館15軒、民宿7軒の宿泊施設があるが、吉野町の山本茂之観光参事によると「9―10月の予約が3―4割も減少した」という。ただ、現地のようすは以前とまったく変わらず、紅葉の名残が見られるだけだった。

 吉野は南北朝時代に後醍醐天皇から4代にわたり南朝方の拠点となり、後に太閤秀吉が花見を開くなど数々の歴史の舞台に登場する。国宝・金峯山寺の仁王門や蔵王堂、後醍醐天皇、秀吉ゆかりの吉水神社など見どころは多い。

 吉野町から約2時間。天川村の洞川温泉は、温泉街の風景がアニメ「千と千尋」の世界を彷彿とさせる癒しの地。古くから修験道のメッカ・大峰山への登山基地として栄えたところだ。

 山上川に面した温泉街は、提灯を下げた木造旅館20軒余りが両側に建ち並び趣ある風情。ごろごろ水という名水が知られ、各旅館の玄関前に置いた石や木の鉢には、水があふれる。

 温泉街でも10月で約2千人の予約キャンセルが発生したという。温泉街はもちろん、近くの龍泉寺、名水取水場、みたらい渓谷ハイキングコースなど直接の災害はまったくなかった。ただ、日本三大弁財天の天河大弁才天神社だけは、一時社務所付近が水に浸かったが、現在は完全に復旧し、参拝を受け付けている。

 奈良県では今年3月31日まで、南部への「泊りに行こう」キャンペーンを実施。額面1万円が8千円で購入できる宿泊旅行券も販売し応援する。

天河神社で当時のようす説明
天河神社で当時のようす説明

「瀬戸内・松山」構想、対岸の広島県と連携

「瀬戸内・松山」キャンペーンのルート

 愛媛県松山市は、瀬戸内海を挟んだ対岸の広島県と連携した観光戦略「瀬戸内・松山」構想を進めている。

 広島の宮島や呉などと松山を結ぶ高速船を活用し、周遊ルートを設定。同ルートを“瀬戸内海道1号線”と命名し、多島美で知られる瀬戸内海の魅力を新たな切り口で国内外に発信する。

 同市と広島を結ぶ高速船に旅行会社向けの格安料金を設定。「瀬戸内はいくるーず」と名付け、販売手数料の確保や途中下船可能などを盛り込んだ。団体向けには広島・呉―松山のフェリーを使ったバスプランを設定。12メートル未満のバス1台あたり5万円の均一料金にした。通常料金は乗客大人40人の場合、広島―松山で16万1800円、呉―松山で12万3800円。

 4―6月にはJR西日本、JR四国との「瀬戸内・松山」キャンペーンの実施も決定。新幹線の岡山駅から瀬戸大橋線を経由し、松山に至り、そこから高速船で広島へ抜けるルートなどを想定する。キャンペーン期間中、関西、中・四国圏の各駅でポスターを掲示し情報発信するほか、旅行商品の開発も行う。

ハワイアンズ「きづなリゾート」へ、2月8日グランドオープン

フラガールと虹をデザインしたロゴを披露
フラガールと虹をデザインしたロゴを披露

 現在、部分営業しているいわき市のスパリゾートハワイアンズは2月8日、「きづなリゾート」を新コンセプトに、フラガールのメイン舞台となるビーチシアターやプール施設の改修を経てグランドオープンする。40億円を投じて新築した120室500人収容のホテル「モノリス・タワー」も同時開業する。

 運営会社の常磐興産がこのほど発表した。新しいコンセプトは「人と人との結びつき、離れないようつなぎとめる綱(つな)」という意味を込め「きづな」と表現した。グランドオープン後は、人と人とが交流できる「場所」と「時間」を随所で演出する。5つのテーマパークを虹で、温かく迎える心をフラガールで表現したロゴマークも披露した。

 新ホテルの特徴は、22時間ステイ(チェックイン午後1時、アウト午前11時)。住まう「客室」、フレンチポリネシアン「バイキング」、過ごせる「温泉」という3つの柱で滞在中の「きづな」を演出する。

 料理はポリネシアン料理にフランス料理の技法を融合させたバイキングが楽しめる。カウンターで調理するシェフとのコミュニケーションなど「ライブ」感を演出する。

 客室は白を基調とした和洋室(64室)とベッドを置かず就寝前にスタッフが高床のフローリングに「ふとん」を敷くウッド調の洋室(29室)が主体。ロフトのあるファミリータイプやスイートルームも用意した。

 温泉は加水、加温をしない源泉掛け流しの硫黄泉。四角を組み合せ、人がよりどころとする「隅」をたくさん取り入れた「すみの湯」、巻き貝をデザインした「うずの湯」という2つの湯船を楽しめる。

 10月の部分オープン後、宿泊客の収容力は震災前の約5割だが、宿泊客数は前年同期の40%まで回復した。「来館者は徐々に増えてきたと実感している。2014年に震災前の年間来館者(日帰り145万人、宿泊40万)に戻す」(斎藤一彦社長)という。

浅間酒造の櫻井氏ら3人、東京農大経営者大賞を受賞

表彰式で受賞者が登壇
表彰式で受賞者が登壇

 東京農業大学・東京農業大学短期大学部主催の「東京農大経営者フォーラム2011」が11月25日、世田谷キャンパス百周年記念講堂で開催された。2011年度の「東京農大経営者大賞」には川中醤油(広島県)の川中敬三社長、浅間酒造(群馬県)の櫻井芳樹社長、清水牧場(東京都)の清水陸央代表の3人が選ばれ、表彰式と受賞記念講演が行われた。

 東京農大では優れた経営やビジネスで活躍して社会に貢献している約14万人の卒業生を対象に、「東京農大経営者大賞」と「東京農大経営者賞」を贈り、その栄誉を讃える「東京農大経営者フォーラム」を2000年から開催している。今年で12回目。2009年からは経営に関する技能・技術の開発および普及において顕著な功績の認められた卒業生に贈呈する「東京農大経営者技能賞」も新設されたが、今年は該当者なしだった。これまでの受賞者数は今回の受賞者を含め93人になった。

櫻井芳樹社長が受賞記念講演
櫻井芳樹社長が受賞記念講演

 経営者大賞を受賞した浅間酒造(群馬県・長野原町)の櫻井社長は、本業の清酒醸造業経営だけにとどまらず、観光酒蔵の先駆けである浅間酒造観光センターを立ち上げるなど多角的な事業展開に成功し、低迷著しい清酒業界にあって健全な収益を実現していることが高く評価された。

 なお、浅間酒造観光センターは旅行新聞新社主催の「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」で両部門7年連続全国第1位を獲得している優良観光施設としても有名。

 受賞者3人による記念講演のあと、「東日本大震災―被災の実態と復興への経営者の役割」をテーマにしたミニシンポジウムも行われた。

 パネリストには、過去に同経営者大賞を受賞している一ノ蔵(宮城県)の淺見紀夫名誉会長、南部美人(岩手県)の久慈浩介専務、サンバレーグループ(栃木県)の新田恭一郎代表が登壇し、それぞれの被災体験や経営者として震災復興に向けてどのように行動し、社会貢献してきたかなどが発表された。

13%減まで回復、11月の訪日外客数

 日本政府観光局(JNTO)が発表した2011年11月の訪日外客数(推計値)は、55万1900人と、前年同月比13・1%減まで回復。東日本大震災の発生後の4月を底に、順調な回復を見せている。

 各市場の動向をみると、韓国は同32・1%減の13万4千人と、円高の影響が強く回復傾向が停滞。3カ月連続で前年同月比3割台の減少が続いている。

 中国は、震災後初めてのプラスとなる同35・0%増の9万2300人。ただし、10年同月は尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の影響で大きく落ち込んだため、その反動の部分が大きい。

 同じく昨年落ち込みの激しかった香港は、反動により同22・8%増の3万3700人となった。震災後縮小していた定期航空便の回復や新規就航便により座席供給数が増加したことも大きい。

 10月に震災後初めてプラスに転じた台湾は、同3・6%減の8万6200人。円高の影響により再び微減となった。

 そのほかでは、タイは洪水の影響で同39・1%減、シンガポールも原発事故への懸念が強く同47・1%減と大きく落ち込んだ。米国、カナダは前年同月比10%前後のマイナスまで回復し、原発事故への懸念により大きく落ち込んでいたフランス・ドイツも同20%程度のマイナスまで回復してきた。

 なお、出国日本人数は、前年同月比6・5%増の148万8千人で、5カ月連続の増加となった。 

固定資産税減税が決定、調査後15年度から実施(12年度税制改正大綱)

 野田内閣は11年12月10日、2012年度税制改正大綱を閣議決定し、旅館・ホテル業界の長年の悲願であった「固定資産評価の見直し」が盛り込まれ、正式決定した。実施は2015年度の評価替えからの対応となる。

 今回の固定資産評価の見直し決定について、本紙の取材に対し、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の佐藤信幸会長は「長年の悲願が叶い、大変感謝している。経営維持のため経費削減に取り組むなか、固定資産税だけは不当に重く厳しい状況だったが、今回の見直しで助かる旅館は本当に多いと思う」とコメントした。

 日本観光旅館連盟の近兼孝休会長は「民主党観光振興議員連盟ができて2年目で、本当によくやっていただいたと感謝している。15年度に確実に実施されるよう見守りたい」と語った。

 また、15年度評価替えからの実施に関して、国際観光旅館連盟の佐藤義正会長は「システムの組み変えなど準備を考えると妥当。ただ、形だけの見直しではまったく意味がないので、正当な評価となるように望む。評価がどれくらいになるか減税幅に注視し、国観連としても活動していきたい」と話した。

 さらに、観光庁の溝畑宏長官は12月16日に開いた会見で「就任以来取り組んできたことなので、思い入れが強い。観光立国の実現には、旅館の経営基盤の強化が重要な課題なので、今回の見直し決定は大変感謝している」と語った。

 旅館3団体を中心に旅館業界は、建物の改装・改築に膨大な経費を要することや、対応年数と使用実態とのギャップ、建築から何年経過してもその評価額が下がることなく税負担が不当に重いと、固定資産税の見直しを訴えてきた。2011年度税制改正大綱で、次年度以降の検討課題とするG判定になったのを契機に、5月には観光庁で調査。2012年度税制改正要望の2次査定では「要望を認める」とのA判定を受け、2012年度税制改正大綱に盛り込まれた。

 今後は現在実施している実態調査などの結果を踏まえて検討を進め、2015年度からの評価替えとなる。

 2012年度税制改正大綱固定資産評価見直し部分の抜粋は、以下の通り。

 観光立国の観点から重要な役割を果たすホテル・旅館の用に供する家屋に係る固定資産評価の見直しについて、現在実施している実態調査等の結果を踏まえ、家屋類型間の減価状況のバランスも考慮の上、具体的な検討を進め、平成27年度(2015年度)の評価替えにおいて対応します。