「観光革命」地球規模の構造的変化(200)米朝首脳会談と東アジア観光

2018年7月1日(日) 配信

今まで以上に中国、韓国からのインバウンドが必要

 訪日旅行者数は4月末で1051万人に達している。このまま順調に推移すれば、今年中にインバウンド3千万人の実現が確実だ。昨年の訪日旅行者数は2869万人で、そのうち中国から735万人、韓国から714万人で両国だけで全体の5割。とくに韓国からの訪日旅行者は16年に509万人であったが、17年に714万人へと激増している。

 韓国人による訪日激増の背景には中韓関係の変化がある。16年当時の韓国はパク・クネ政権下で中韓蜜月関係が実現され、経済・観光交流が進展した。16年の中韓観光交流は両国合わせて1500万人に達していた。さらに韓国ロッテグループは中国東北で最大の都市・瀋陽で約3千億円の資金を投入して「瀋陽ロッテタウン」の建設に力を入れていた。ロッテワールドを核にして、ショッピングモール、ホテル、コンドミニアムなどの大規模開発を進めていた。

 ところがパク・クネ政権は北朝鮮による核・ミサイル開発に対抗して、米国主導によるTHAAD(高高度防衛ミサイル)システム導入を決定したために中韓蜜月が終わりを告げた。中国は直ちに韓国への団体旅行商品の販売中止を決定し、禁韓令(中国国民による韓国観光の統制)を発した。またロッテが慶尚北道で所有するゴルフ場をTHAAD設置のための用地として提供したことを受けて、中国国内でロッテボイコット運動が生じると共に、瀋陽でのロッテワールド建設工事停止の動きが生じた。

 中韓観光交流に黄信号が灯ったが、17年5月に親北派のムン・ジェイン大統領が就任し、今年6月12日に史上初の米朝首脳会談が開催され、北朝鮮の非核化に向けた第一歩が踏み出された。具体的な非核化への道筋は不透明であるが、ムン政権の下で中韓関係が円滑化し始めており、中韓の経済交流・観光交流の進展が予想されている。

 日本政府は20年にインバウンド4千万人を目指しており、今まで以上に中国、韓国からのインバウンドが必要だ。しかし中国も韓国も観光立国に注力しており、観光客誘致合戦の激化は必至だ。史上初の米朝首脳会談によって北朝鮮の非核化の幕が開いたが、一方で日中韓による観光客誘致合戦の激化を招来するので、今後は東アジア諸国に力点を置いたインバウンド戦略の修正が必要になる。

コラムニスト紹介

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

〈旬刊旅行新聞7月1日号コラム〉変わりゆく買い物のスタイル 旅は永遠に「行く」商品である

2018年6月30日(土)配信 

旅行もスマートフォンで買うのが主流に

 九州の小さな町で生活していた幼いころ、毎日母親と買い物に行くのは、家から歩いて2分ほどの個人商店だった。

 その店は子供たちの駄菓子屋も兼ねていたので、お菓子やアイスクリームなどの種類は豊富にあった。10畳ほどの狭い売り場には、醤油や豆腐、砂糖、塩などのほかに、ノートや鉛筆、洗剤などが必要最低限の品数で売られていた。昭和のノスタルジックな風景である。

 近隣は農家が多い地域だったので、その店ではお米や野菜は扱っていなかった。だが、小さな棚にあんパンや、クリームパンが並んでいたのを思い出す。肉を買うときには、母親の自転車の後ろに乗って、少し離れたスーパーマーケットに行かなければならなかった。魚介類はリヤカーに魚を並べたおじさんが売りに来た。

 小学生になったとき、小さな店の斜め前にスーパーマーケットが開店した。肉も野菜も、薬局も、雑誌もそろっていた。パンコーナーにはあんパンとクリームパン以外にも、美味しい、おしゃれなパンがたくさん陳列されていた。子供も、母親たちも、新しくオープンしたスーパーばかりに行くようになった。小さな駄菓子屋はひっそりと店を畳んだ。

 そういえば、本屋も小さかった。駅の近くにあった棚が5つほどしかない本屋で読みたい本を選んで買っていた。ある時期から急速に大規模店舗が街に増えてきた。同じように広い書店もあちこちに建った。中学生になった私の行動範囲は飛躍的に広がり、大きなスーパーマーケットや書店で自分のほしいものを手に入れる自由を得た。

 あの小さな店の斜め前に建ったスーパーマーケットも数年で店を閉めてしまった。開店当時、驚くほどにぎわっていたのに、より大きなスーパーマーケットが国道沿いにできると、すぐに廃れてしまった。小さな店が大きな店に呑まれ、さらに大きな店に呑まれていく町の変化をまざまざと見せつけられた。

 今は大型ショッピングモールが日本各地に散在している。けれど、大型店舗は買い物に行くだけで疲れるし、ひと通り何でもそろうが、本当に欲しいものは、そこにはない。むしろ、適度な売り場面積で、新鮮な食材が手に入る近場のスーパーマーケットの方が使い勝手がよい。

 最近は、趣味に関するこだわりの逸品や、本、服なども、インターネットで買うことが増えてきた。ネットでの買い物に慣れると、どんな大型店舗であっても選択肢の少なさに不満を覚えてしまう。不思議な感覚だ。

 「幼少時代の方が悩むこともなく、幸せだったのかもしれない」と思うほど、ネット上の商品は無限にある。買い物は店に行く時代から、ネットで購入し運送業者さんに届けてもらう時代へと様変わりしている。とても便利になったが、無限の品から選ぶ手間が増えた。

 買い物のスタイルが急激に変化するなか、「旅行を買う」スタイルも大きく変化している。航空券や宿泊予約は、手元のスマートフォンで簡単にできる。前もって口コミ情報を入手し、周辺の観光や、グルメ情報も詳細に得ることも可能になった。ただ、旅はモノとは違い、買った商品(旅)を自ら動いて体験しに行かねばならない。楽しくもあり、煩わしくもある。旅は永遠に「行く」商品であることが、今後さらに着目されるはずだ。
(編集長・増田 剛)

〈観光最前線〉「虹」テーマに観光CP

2018年6月30日(土) 配信

「虹色の旅」をPRする西川貴教さん

 滋賀県は7月15日から12月24日まで、観光キャンペーン「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」を実施する。県全域を会場とする大型キャンペーンで、220を超える地域観光プログラムなどを通して、歴史や食などの魅力を発信する。

 県出身で滋賀ふるさと観光大使を務める歌手の西川貴教さんをPR役に任命。虹色のヘアや衣装をまとった奇抜なスタイルで、滋賀をPRする動画も話題だ。西川さんがプリントされたラッピング電車「虹たび号」も期間中、近江鉄道で運行する。

 滋賀は琵琶湖をはじめとした豊かな自然、多くの文化財など魅力的な観光資源を持ちながら、観光認知度がそれほど高くない。ラグビーW杯や東京五輪の開催を控え、官民が幅広く連携しながら「滋賀ならではの旅」を打ち出す。

【土橋 孝秀】

民泊施行日、届け出3728件 田村明比古観光庁長官「環境の醸成が必要」

2018年6月29日(金) 配信 

田村長官が報告、6月21日・国土交通省内

 

住宅宿泊事業法(民泊法)が6月15日に施行された。観光庁は6月20日の会見で、施行日時点の民泊届け出数が3728件だったと発表した。1カ月前と比べ約3千件、1週間前からは約1千件も増え、ホストらは急ぎ足で届け出た格好だ。ただ、旺盛な訪日外国人旅行者に十分に対応できる数とは言い難い。田村明比古長官は増加の阻害要因とされる上乗せ規制などに対し「環境の醸成が必要」と語った。
 
 「きちんとしたルールができる前に一気に増えてしまった。住民は民泊全体にグレーなイメージを持っているが、海外からは需要が大きく増えている。これらのギャップが元で、地域によって条例の制定や手続きの上乗せが起きている」と民泊の現状を振り返った。

 今後の方針については優良な民泊サービスの事例を増やしていく考え。田村長官は「一般の人々の理解を深めていくことが、過度な規制の緩和のために必要になってくる。行政も住民の懸念や不安が強いなかで慎重に対応している。今後は環境を醸成し、合理的な規制を促す努力が重要だ」と強調した。

 一方で、簡易宿所と特区民泊の件数も増加している。

 簡宿をみると京都府京都市で2015年度末は696施設、16年度末は1493施設、18年4月は2366施設と急増した。大阪市は特区民泊が別途あるものの、簡易宿所は16年度末が292施設、18年5月末は494施設だった。田村長官は「365日営業できるのは簡易宿所のひとつの利点である」と増加の要因を推測する。

 特区民泊をみると大田区が16年度末で33施設117居室、今年5月9日時点では52施設316居室となった。大阪市は16年度末が48施設95居室、今年4月30日時点が651施設1899居室と大きく伸びた。

 同法の180日規制のほかに、自治体の上乗せ規制を避け、簡宿や特区民泊に流れる動きも強いことがうかがえる。

 なお、6月15日時点で管理業者は871件で仲介業者は46件の申請があった。

量と質、中華系OTAの衝撃 世界標準を日本でも (Ctrip)

2018年6月29日(金) 配信

Ctripグループ事務事業部 副総裁 ビクター・ゼン氏インタビュー

インタビューに応じた吉原氏(左)とゼン(Tseng)氏

中国最大手OTA(オンライン旅行会社)Ctrip(シートリップ)が日本展開を加速させている。グループ事業を統括するビクター・ゼン(Victor Tseng、曾怀亿)氏と、国内マーケティング責任者の吉原聖豪氏に話を聞いた。同社はOTAながら、7千ものリアル店舗を有する。【謝 谷楓】

□ポータルサイトと見間違う予約アプリ

 爆買いは影を潜めたが、訪日中国人旅行者数は未だ増加傾向にある。日本政府観光局(JNTO)の発表によると、5月までの累計来訪者数は約330万人。前年同期と比べ20%以上伸長し、全体の4分の1に及ぶ。インバウンド消費額の指標〈外国人観光客売上・来店動向【速報】〉を見ると1、2月の免税総売上高は前年同月比プラス30%。3月以降は同50%増に迫る勢いが続く。免税カウンターの国・エリア別来店者数のトップも中国人旅行者が占める。事業者にとって、中国人旅行者は依然無視できない存在なのだ。

 消費浴旺盛な中国人旅行者の訪日需要に応えてきたのが、Ctripだ。創業は99年、03年には米国・NASDAQに上場し、時価総額は約2・5兆円。昨年11月に国際ブランド(Trip.com)を立ち上げ、日本を含む13カ国で本格的なグローバル展開を開始。会員数は世界で3億人を超える。

 同社の強みは、提供するスマートフォン端末用予約アプリ(Ctrip)1つで航空券から宿、レンタカー、飲食店、アクティビティまでワンストップで予約手配ができること。口コミ情報も豊富。レビューを読み、日本に行きたいと思い立てばすぐ、予約に進める。

 アプリは総合ポータルサイトと見間違うほど内容が充実している。訪日中国人旅行者の3割が、Ctrip経由とされているが、このアプリを目の当たりにすると頷かざるを得ない。旅行や飲食、SNS(交流サイト)など、さまざまなジャンルのサイトや機能が1つのアプリにまとめられ、ウェブブラウザなどを開く理由が見当たらないのだ。「移民サービス」という海外移住を支援するカテゴリまである。

 高い技術力を持つCtrip。真骨頂はアプリ以外にもあるという。

□7千のリアル店舗を運営

 今回インタビューに応じた、Ctripで各グループ事業を統括するビクター・ゼン(Victor Tseng)副総裁(Corporate Affairs VP)は、こう語る。

 「Ctripは、中国全土で7千のリアル店舗をフランチャイズ展開している。アプリでは、富裕層の多いFIT(個人旅行客)をターゲットに、店舗では一般ユーザー向けのパッケージツアー(団体旅行)販売に注力してきた。スタッフの助言を受け、ユーザー自身が備え付けのタブレット端末で購入する」。

 来店者は、アリペイといったモバイル決済で支払いを済ませることができるため、オンライン会員に登録する必要はない。個人情報を取得し、個人旅行を促すなど、リピーターに育てる施策は行っていないのかという問いに対し、ゼン副総裁はこう応じる。

 「意図的ではない。顧客の需要に基づくサービスの提供を心掛けている。店舗でのみ商品を購入する非会員客についても個人情報を取得できるが、あくまでニーズに応えるためのプロモーションに活用するだけだ」。

訪日中国人旅行者の旅行形態の変化(構成比) 「訪日外国人消費動向調査」(観光庁)をもとに、旬刊旅行新聞編集部が作成した

 実際、中国人旅行者の成長は著しい。14年には6割を占めた団体旅行が17年には4割にまで減り、個人旅行と立場が逆転した【グラフ参照】。7千店という膨大なタッチポイントを持つため、同社は意図せずして旅行者の成長に寄与しているのだろう。

□国内旅行会社とも連携

 7千店を運営できる大規模市場は、サービスの質を磨くためにも有効なようだ。同社は24時間の電話対応を取り入れ、キャンセルからクレーム、緊急時対応までさまざまな要望に応えている。6月18日に発生した大阪府北部の地震でも、キャンセルに伴う返金を一手に引き受けた。

 「中国では近年、EC事業を中心にサービスの質的“レボリューション”が起きている。我われもしっかり対応している。万が一の際、ユーザーはCtripにのみ連絡すれば良い。その結果、大手ホテルチェーンともウィンウィンの関係を築いてきた」とゼン副総裁は自信を見せる。

 サービス面で一番驚かされたのは、アプリ内に埋め込まれたSNSの存在だ。旅ナカで困りごとに遭遇した際に質問を投稿でき、不特定多数のユーザーからアドバイスを得られる。東京にあるこのレストランに行きたいが道に迷ったと入力すれば、即座にレスポンスが来る。チャットが、コンシェルジュ機能も兼ねているのだ。

 高品質なサービス提供は、日本展開でも生かされている。国内のマーケティング事業を統括するCtrip Air Ticketing Japanの吉原聖豪代表(GM)は説明する。

 「14年にサイトを開き、国内ユーザー向けのUI改良に励んできた。仕入れは全国にある6支店が担当。本体傘下のメタサーチ・スカイスキャナーでは、ダイレクトブッキングも可能だ。航空券を中心に価格面で強いが、国内でも24時間の電話対応を実現し、旅ナカのサービス品質を高めている」。

 同社は地方への送客にも注力。ローカル地域の中規模旅行会社と連携し、オリジナルプランを中国に売り込んでいる。本土・リアル店舗で販売する団体商品も供給源はここにある。日本政府観光局(JNTO)と連携した東北エリアへの送客計画も進行中だという。

 同社のグローバル従業員数は3万人。需要把握に呼応した技術開発による世界標準のサービスが、日本市場を席巻する日も遠くない。国内外のOTAにとって大きな脅威となりそうだ。

NAA、東京オリ・パラに向けた基本方針と取り組みまとめる

2018年6月29日(金)  配信

定例会見で概要を説明する松本管理部門長

成田国際空港(NAA)はこのほど、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた基本方針と具体的な取り組みをとりまとめた。NAAは、同大会を成田国際空港のさらなる飛躍、発展のチャンスと捉え、将来を見据えた機能強化やさらなる利便性・快適性向上につなげる。

 基本方針は①安全・安定運用の徹底②選手・関係者の安全確保やスムーズな移動の実現③ユニバーサルデザインの更なる充実④おもてなしの心でのお迎えの――4点。安全・安定運用の徹底では、爆発物の自動検知機能を持ち、3D映像で全方向からモニタ確認が可能なCT(コンピュータ断層撮影)型のX線検査装置を19年度末までに7台導入する。

 選手・関係者の安全確保ではロンドンオリンピック・パラリンピックの成功事例に習い、各国選手団用の臨時専用ターミナルを整備。閉会式翌日に一斉に帰国する選手・関係者の安全確保や、既存ターミナルの混雑緩和をはかる。また、選手村で事前に預かった空港外チェックイン手荷物の保安検査・仕分け・一時保管を行う臨時手荷物集積所も整備する。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会や千葉県が実施主体の大会、都市ボランティアを活用し、空港誘導体制の構築も行う。

 同社はこのほかにも337億円の事業費を使い、ターミナル改装などを実施。組織委員会や空港関係者(航空会社など)との連携を緊密にし、取り組みを進めていく。

夏休みは、四国エリアが人気 楽天トラベルが発表

2018年6月29日(金) 配信

今年の夏休みは、四国が熱い!

今年の夏休みは、四国エリアが人気だ。楽天トラベルがこのほど発表した、国内旅行の「都道府県別人気上昇ランキング」(速報版)によると、徳島県が前年同期と比べ30・9%増とトップの伸び率を記録した。高知県が、22・7%増と次に続く。阿波おどり(徳島市)や「志国高知 幕末維新博」(第二幕、高知県)など、四国エリアのさまざまな催しが注目を集めているようだ。

 徳島市の阿波おどり実行委員会は今年、FacebookとInstagramアカウントを開設し、国内外に対し広く、イベント情報の発信を行っている。6月14日(木)からは、Instagramを利用したフォトコンテスト企画を立ち上げ、徳島の阿波おどりに関連する写真・動画の募集を開始した。実際のおどりのほか、練習風景のようすも募ることで、行政と実行委員会、地域住民が三位一体となった誘致キャンペーンを目指す。

 「志国高知 幕末維新博」第二幕が開幕した高知県は4月、高知市桂浜に「高知県立坂本龍馬記念館」をグランドオープンし、全国から幕末ファンを魅了している。同館に問い合わせたところ、グランドオープンした4月21日(土)から6月28日(木)までの来館者数は5万7393人。前年同期と比べ1・3~1・4倍増加している。「夏休みシーズン、ぜひ多くの方に訪れてほしい」とした。

 国内旅行の「都道府県別人気上昇ランキング」(速報版、楽天トラベル調べ)、トップ5は以下の通り。なお、予約人泊数では、沖縄県がトップとなった。

順位 都道府名 伸び率
1位 徳島県 30・9%
2位 高知県 22・7%
3位 三重県 22・0%
4位 島根県 19・2%
5位 滋賀県 18・6%

トリップアドバイザー「世界のベストビーチ2018」を発表  

2018年6月29日(金) 配信 

古座間味ビーチ

「TripAdvisor(R)」はこのほど、同サイト上に投稿された旅行者の口コミ評価を元に、実際に訪れた旅行者に高く評価されたビーチをランキング化した「トラベラーズチョイス™ 世界のベストビーチ2018」を発表した。今回で6回目となる。

 日本では、沖縄県座間味村(ケラマ諸島)の「古座間味ビーチ」が、昨年の3位から順位を2つ上げ1位に輝いた。那覇市から西へ約40㌔に位置し、ケラマ諸島周辺の海は、「ケラマブルー」とも呼ばれる圧倒的な蒼さが特徴。サンゴ礁が多く群生しているため熱帯魚も多く、ダイビングやシュノーケリングなどを楽しめる。那覇市から高速船で約1時間と近く、旅行の予定に組み込みやすいのも魅力の1つ。沖縄は7つのビーチがランクインした。

 「1㌔以上続く白砂のビーチ。海の透明度、サンゴ、魚の豊富さに驚いた。シュノーケルに最適。アジアのプーケット、バリ、ベトナム、ランカウイ、エルニドなどのリゾートの海よりはるかに美しい」「海の色、魚影、白い砂地、非の打ち所がない素晴らしいビーチです。座間味といえば、ここというくらいの場所です」と絶賛の声が相次いだ。

 2位は「与那覇前浜ビーチ」、 3位には昨年トップだった「ニシ浜ビーチ」がランクインした。順位に変動はあったものの、日本のビーチトップ3の顔ぶれは昨年と同じ。一方で 5~10位まではすべて初登場という波乱の結果となった。

 このほか、18年の世界1位のビーチに輝いたのは、タークス・カイコス諸島にある「グレースベイ」だった。世界各国355のビーチから選ばれた。昨年2位から順位を上げた格好だ。アジア1位のビーチは、世界のベストビーチでも18位にランクインしたインドの「アゴンダビーチ」となった。

※このランキングは、全世界では今年2月に発表している

日本のベストビーチ トップ10

1 位(3) 古座間味ビーチ/沖縄県座間味村(ケラマ諸島)

2 位(2) 与那覇前浜ビーチ/沖縄県宮古島

3 位(1) ニシ浜ビーチ/沖縄県波照間島

4 位(7) 砂山ビーチ/沖縄県宮古島

5 位「初」 阿嘉ビーチ/沖縄県座間味村(ケラマ諸島)

6 位「初」 イダの浜ビーチ/沖縄県西表島

7 位「初」 白浜海岸/静岡県下田市

8 位「初」 白良浜海水浴場/和歌山県白浜町

9 位「初」 古宇利ビーチ/沖縄県今帰仁村

10位「初」 永田いなか浜/鹿児島県屋久島

  (※括弧内は前年度順位。「初」は今年初登場)

世界のベストビーチ トップ10

1 位 グレースベイ/タークス・カイコス諸島(カリブ諸島)

2 位 サンチョ湾ビーチ/ブラジル

3 位 バラデロビーチ/キューバ

4 位 イーグルビーチ/アルバ

5 位 セブンマイルビーチ/ケイマン諸島

6 位 ラ・コンチャ海岸/スペイン

7 位 クリアウォータービーチ/アメリカ

8 位 セブンマイルビーチ/ジャマイカ

9 位 ババロビーチ/ドミニカ共和国

10 位 プラヤ・ノルテ/メキシコ

アジアのベストビーチ トップ10

1 位 アゴンダビーチ/インド

2 位 ホワイトビーチ/フィリピン

3 位 ガパリビーチ/ミャンマー

4 位 ラドハンガービーチ/インド

5 位 プラナンビーチ/タイ

6 位 ベントータビーチ/スリランカ

7 位 ナイハーンビーチ/タイ

8 位 ナクパーンビーチ/フィリピン

9 位 ヌサ ドゥア ビーチ/インドネシア

10 位 ベリガンドゥ・アイランドビーチ/モルディブ

※評価方法…当ランキングは、 2016年11月から2017年10月の1年間に投稿された世界中の旅行者の口コミの評価点(5段階)、投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムで集計したもの

トラベラーズチョイス™ 世界のベストビーチ2018は下記からも閲覧可能

日本:

世界:

アジア:

豊田市の夏の風物詩「小渡夢かけ風鈴」 7月15日~8月31日

2018年6月29日(金) 配信 

風鈴展示

愛知県豊田市北部の小渡町(おどちょう)は2018年7月15日(日)~8月31日(金)の期間、各世帯の軒先に風鈴を吊るすイベント「小渡夢かけ風鈴」を開催する。期間中は撮影会や絵付け体験など、さまざまな催しが予定されている。

 2003年から始まった「小渡夢かけ風鈴」は、各世帯の軒先に風鈴をつるし、約6千個の風鈴が涼しげな音色を奏でる夏の風物詩。風鈴寺(増福寺)で、風鈴の短冊に願い事を書く「風鈴奉納」や「写経体験」、「坐禅体験」が行われるほか、小渡商店街で「風鈴絵付け」や「ゆかたの着付・モデルなりきり撮影会」など、数多くのイベントを開催する。

風鈴絵付け体験

「小渡夢かけ風鈴」内で開催されるイベント一覧

小渡 夢かけ風鈴 オープニングイベント

開催日:7月15日(日)

内容:流しそうめん・屋台・風鈴奉納式・風鈴行列

ゆかた姿でモデルなりきり撮影会

開催日:7月15日(日)

 ※参加希望者は、旭観光協会・あさひ観光案内所まで。

ゆかた着付け

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)

時間:午前10:00~午後3:00

定休日:水曜日、8月13日(月)~8月15日(水)

 ※事前に予約を行えば、定休日もゆかたの着付け可能。

予約先:旭女性の会 貸衣裳/旭支所2階(TEL:0565-68-2153)

 ※予約優先(混み合う場合があるので、予約をおすすめする)

 静寂のとき、風鈴の音色を聴きながら写経体験・坐禅体験

風鈴寺(増幅寺)

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)※臨時で休む場合あり

会場:風鈴寺(増福寺)※予約不要

こけ玉作り

開催日:

 7月21日(土)、7月22日(日)、

 8月4日(土)、8月5日(日)、8月19日(日)、8月25日(土)、8月26日(日)

場所:小渡公民館

時間:午前10:00~随時(所要時間は約1時間)※予約不要

オリジナル風鈴を作ろう! 風鈴絵付け

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)

場所:風鈴通り・さかや

時間:午前8:00~午後5:00(所要時間は約1時間)

 ※1度に体験できるのは10人まで

 ※予約不要

鮎つかみ体験

開催日:7月22日(日)※雨天中止(川の水量が増えるため)

場所:小渡中央広場

時間:午前10:50までに集合

予約先:旭観光協会(TEL:0565-68-3653)※要予約、定員30人

 ※鮎は、つかみ放題。そのうち2匹を塩焼きにして食べることができる。

夏休み工作教室

開催日:7月15日(日)~8月31日(金)

場所:糟谷工房※予約不要

「小渡夢かけ風鈴」概要

イベント名:小渡夢かけ風鈴(おどゆめかけふうりん)

日時:2018年7月15日(日)~8月31日(金)

場所:愛知県豊田市小渡町一帯

料金:イベント毎に異なる

アクセス:東海環状自動車道「豊田環八IC」より約35分

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町の人の目に触れる結婚式を「第7回ふるさとウェディングコンクール」

2018年6月29日(金) 配信

「第7回ふるさとウエディングコンクール」表彰式

近年、結婚式のかたちが多様化している。

 従来の伝統や型にはまらない式が増えるなか、地域の子供たちが結婚装束の新郎新婦を見る機会が減少したと桂由美氏は警鐘を鳴らす。「1960年代くらいまでは、自宅で花嫁支度を整え、家から出発。会場までの道を、近所の人に祝福されながら移動した。今はホテルや式場での結婚式が主流で、町で花嫁姿を目にすることがほとんどなくなった」(桂氏)。

 「地域の子供たちに、結婚式に夢と希望を抱いてほしい」という桂氏の想いに、総務省と観光庁が後援。「ふるさとウェディングコンクール」が始まった。町の人の目に触れる新しい結婚式を募集し、表彰を行っている。

 審査ポイントは①市民参加型結婚式であること、そのための工夫点②地域の良さと、新郎新婦の個性を生かした唯一無二の結婚式であること③単に伝統を再現した結婚式ではなく、新しいアイデア・感覚が盛り込まれた作品であること――。

 7回目となる今年の総務大臣賞には、「藍染大通りストリートウェディング」が選ばれた。東京都からは初めてのグランプリとなる。観光庁長官賞は「日本百名山「月山」の麓で誓う家族の幸せ~にしかわ七夕ウェディング~」となった。6月19日(火)に東京都内で表彰式が開かれ、受賞者2組がプレゼンテーションを行った。

総務大臣賞 「藍染大通りストリートウェディング」

 藍染町は、住民でない人も積極的に町内会に迎え入れており、若い人材の確保に努めている。就職を機に東京の下町・根津に移り住んだ新郎の上田一樹さんは、根津の祭りや行事などの町会活動に参加していた。地元の人と親しくなるにつれて、短い年月でもその地に愛着を感じるようになった。

 「地域住民の交流の場として親しまれてきた『藍染大通り』の路上で結婚式を挙げてみては」。新婦との結婚が決まり、町内会長とのお酒の席で出たアイデアが満を持して実現した。

 根津神社で親族と神前式を行ったあと、提灯の先導で境内をそぞろ歩き、人力車に乗って藍染大通りまで移動。純白のヴァージンロードや黄白の風船で飾り付けられた道には参加者が並んだ。シャボン玉のキットが配布され、退場の際にバブルシャワーで送り出す演出で参加者との一体感を高めた。

 「誰でも参加できる結婚式」というコンセプトを実現するため、多くの観光客でにぎわう「根津・千駄木下町まつり」のイベントとして実施した。スタッフは祭りのはんてんを着て、町をアピール。通りすがりの人が参加しやすいよう、1千円の会費で飲食や人力車体験、子供向けワークショップなどを楽しめるようにした。

 見ず知らずの人も一緒に偶然の出会いを祝福し、オープンで活気のある地域のようすを見てもらうことで、さらに仲間を呼び込むきっかけとなることを目指した。現在新郎新婦は根津で子育て中だという。

観光庁長官賞 「日本百名山『月山』の麓で誓う家族の幸せ~にしかわ七夕ウェディング~」

 夫婦が暮らす山形県西川町の総人口は減少傾向にあり、2040年には1980年比で64%の減少予測が立てられている。全国の地域で過疎化が深刻化するなか、結婚式の力で地域に暮らす魅力を山形から全国に発信したいと、山形ウェディング協議会が同コンクールにエントリーした。

  山形ウェディング協議会は、何らかの理由で結婚式を挙げられなかった人たちのために、「夢婚」として結婚式をプレゼントしている。

 夫婦は入籍から10年間。4人の子供たちと共に、にぎやかな毎日を送っていた。しかし、新郎の阿部道雄さんにはひとつ心残りがあった。「結婚式を挙げていない」。

 両家でお披露目会は行ったが、結婚式を挙げる余裕がなく、結婚指輪も渡さないままだった。

 結婚式を改めて挙げたいと思うようになったタイミングで、山形ウェディング協議会が結婚式をトータルサポートする「夢婚」が目にとまった。妻にも喜んでもらえたらと応募し、当選した。

 挙式は新郎が2017年3月まで勤務していた「弓張平公園オートキャンプ場」の芝生スペースに、1日限りの式場を特設して行った。披露宴は新郎が現在勤務する「道の駅にしかわ月山銘水館」で開いた。隣町の道の駅が休という状況に追い込まれているなか、道の駅の新たな活用方法として、県内で注目を集めた。

 地元の作家が結婚式の主旨に共感し、月山和紙の装飾、山形ふるさと工芸品の月山瑪瑙などを無料で提供。地のワインや町の特産品を料理に使い、地域性を演出した。

 「今は結婚式をしない方が増えているが、結婚式は新しい家族が誕生する人生の節目。今後も『夢婚』を通して、結婚式の素晴らしさを伝えていきたい」。山形ウエディング協議会は、「要望があれば、各市町村でもその土地ならではの結婚式を提案したい」と今後の展望を語った。