「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(6月号)」

2020年6月21日(日)配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 6月に入り、フランスでは新型コロナ感染拡大予防策として3月半ばに発令された外出制限が解除されました。この間、正当な理由なき外出に対する高額の罰金、禁固刑も科すという政府による厳しい規制があった一方、病院ではマスクや予防具の不足が深刻に。とくにマスクの手配の落ち度を隠す、嘘に嘘を重ねた政府に対する国民の不信感は増幅し、現在も厳しい目が向けられています。フランスに比べてコロナ感染による死亡率が圧倒的に低い日本でも、国の政策への評価は低く、安倍政権が苦境に立たされているのはなぜでしょうか。本誌では、そんなコロナ禍の日本を特集しました。文化面では、静かな街をゆくチンドン屋、グルメページではアマビエに注目。旅ページのテーマは、旅行者が避けがちな雨季。梅雨の風物詩や、この季節ならではの観光スポットを紹介しています。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 コロナ禍の日本

観光客がいなくなった奈良の東大寺

 観光立国を目指す日本。かつてはその旅費の高さがネックだったが、近年の努力により今では世界中から観光客を迎える屈指の人気旅行先となった。ところが、新型コロナの影響により今年3月の訪日外国人数は、昨年に比べて9割減、1989年来の最低数を記録。観光を明日の日本を支える経済として定め、今年は4000万人、2030年には6000万人の訪日外国人数を見込んでいた安倍内閣にとって、コロナショックはあまりにも大きな痛手となった。■テンプル大学教授ジェフリー・キングストン氏にインタビュー。海外に比べ感染者数や死亡者数が少ない日本。それでも政府が批判される理由は、オリンピック開催へのこだわりによる対策の遅れか。■NPO自立生活サポートセンター・もやい理事長・大西連氏に、コロナ禍で生活困窮者の暮らしを支える活動について話を聞いた。■プリンストン大学教授シェルドン・ガロン氏が語る日本の危機管理。隣国に比べ感染防止対策が遅れた日本社会では、過去の災害での学びが生かされなかったのか。■コロナは日本人の生活にどんな影響を与えたのか、共に社会学者であるデビット H. スレイター氏と山田昌弘氏に取材した。

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉コロナ感染対策規制緩和

arigatoresto.com

 約2カ月半続いたフランスのロックダウンが6月2日から徐々に解除され始めました。当編集部は当面公共機関を使わずに出社できるスタッフのみ出勤。この機会に今後もテレワークが定着していきそうです。今月半ば過ぎには、さらなる規制緩和が見込まれていますが、すでに外食産業の部分的営業再開で、人々は水を得た魚のよう。首都圏では、しばらくテラスでの営業のみ可。テラスを設けられない店の多くは一時的にテイクアウトサービスで対応しているものの、長期化する営業制限による経済的打撃は計り知れません。そこで3月以降、愛顧の店に「前払い」し、再オープン後にその金額分を利用できるというサービスを提供する民間の支援サイトがいくつか登場しました。本誌の姉妹紙であるパリ発信の日本語新聞が関係企業数社の協賛を得て立ち上げた、日本・韓国料理店を支援する仏語サイトにも、多くの日本食ファンたちが応えました。店が倒産しても返金はなしという条件での投資は、利用者にとっては好きな店への応援の意思表示。各登録店にとって、連客とのつながりを改めて感じられる企画であったことを願います。日本旅行など、国外へのツーリズムはまだしばらく難しそうです。

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

〈旬刊旅行新聞6月21日号コラム〉コロナ禍の生活  生きる営みのしぶとさが美しくもある

2020年6月20日(土) 配信 

生きている限り、人は生活を続ける

 朝目が覚めて、顔を洗い、簡単な食事をする。Yシャツに着替え、マスクを胸のポケットに入れて、駅までの道を歩く。

 
 住宅街の小さな裏道を選んでいるために、あまり人とすれ違わない。だから、マスクは外している。
 
 そうすると、色々な木々や季節の花の匂いがして、自分が生きていることを実感できる。10分も歩くと駅の構内に入る。私はマスクを取り出して、鼻と口を覆う。
 
 朝の通勤電車は少しずつ混み始めているが、新型コロナウイルスの感染が拡大し始める前に比べると、圧倒的に少ない。リモートワークなどをされている人が増えているのだろう。
 
 電車の中は皆、無口のため車内は静かだ。リモートワークが難しい職種や、環境が整備されていない人たちが都心に向かっていく。
 
 会社に着くと、入口で両手をアルコール消毒する。一番早く出社した者が、窓やドアをすべて開け、換気を良くする。
 
 それから、いつものようにパソコンの電源を入れて、メールのチェックや、FAXで届くさまざまな情報を確認する。新聞社には、毎日驚くほどの記者会見や発表会の案内が届く。だが、緊急事態宣言が出されてからは、記者会見の案内は皆無になった。そして、緊急事態宣言が解除された今も、まだほとんどない状態だ。
 
 6月の中旬になって、ようやく会社に来客が増えてきた。
 
 訪れる人は、みんなマスクをしている。数カ月ぶりに会うので、「お元気でしたか?」と声を掛け合う。ひと通り世間話をして、人の移動と交流が制限されている観光業界の今と、未来を予想し合い、「早くコロナが終息してほしい」という“願い”に着地する。
 
 昼食は会社に近い、いつものコンビニエンスストアで弁当を温めてもらい、自分の机で食べる。金銭の受け渡しは手ではなく、一度トレイに置く。どのくらいの効果があるのか、よくわからない。
 
 夕方まで集中して仕事をし、早めに帰宅するようにする。
 
 家に帰ると、お風呂に入って、軽く缶のレモン酎ハイを飲みながら、夕食をとる。お酒の量は随分減ったと思う。安価で美味しいつまみが年々好きになる。高価な食材には、あまり興味はない。それから眠くなれば寝る。
 
 翌朝目が覚めると、前日と同じようなことを繰り返す。 
 
 こうしてコロナ禍の1日を文字にしていくと、つまらない生活のように感じるが、本人はわりと満足している。
 
 新型コロナウイルスの感染が拡大してからも、私の生活自体は激変していない。以前と異なるのは、外出中の大半はマスクをしていること、手洗いをしっかりとするようになったこと、アルコール消毒を小まめにしていることくらいだ。
 
 そしてもう一つ、「旅が思うようにできない」と感じることが大きな違いだ。しかし、それも少しずつ解消されていくだろう。なぜか。旅も仕事と同様に、生活の一部だからだ。
 
 人はどんなに大きなダメージを受けても生きている限り、生活を続ける生き物だ。生活とは良くも悪くも生命維持への繰り返しだ。生きる営みの個々は見苦しくもあるが、そのしぶとさが、美しくもある。旅も立派な生活であるため、再び活動を始める。
(編集長・増田 剛)

北海道のウポポイ(民族共生象徴空間)7月12日開業へ

2020年6月19日(金)配信

ウポポイ「国立アイヌ民族博物館」(2019年9月)

 北海道白老郡白老町の「民族共生象徴空間」(愛称=ウポポイ)はこのほど、2020年7月12日(日)に開業すると発表した。

 新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、2度にわたり開業を見合わせていたが、感染症対策の基本的対処方針や各種ガイドラインに基づく取組みを十分に講じ、オープンする。

「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」7月1日(水)オープン 独自の衛生基準を準備する

2020年6月19日(金) 配信

ヒルトン沖縄瀬底リゾート 外観イメージ

 ヒルトン日本・韓国・ミクロネシア地区(ティモシー・ソーパー代表、東京都新宿区)は7月1日(水)、沖縄県・瀬底島の「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」をオープンする。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、独自の衛生基準「ヒルトン・クリーンステイ」を導入した。

 ヒルトンブランドとしては日本初のビーチリゾートホテルとなる。

 同ホテルは地上9階建て、客室数298室。

 オールデイダイニング「アマハジ」では、地元食材を使った沖縄の伝統料理や、国際的な料理を楽しめる。朝食では地元やんばるの食材を使用したヘルシーメニューを提供する。

 ロビーラウンジ&バー「ハナリ」は、窓際のソファ席から、瀬底の海を見渡せるロケーションが特徴。

 その他の施設では、エグゼクティブラウンジ、屋外プール、スパ、フィットネスセンター、宴会場――などを備える。

 イタリアンレストラン「セマーレ」、ステーキ&シーフード「シスクグリル」、1階屋内プールは10月ごろの営業を予定している。

 那覇空港から車で90分。沖縄美ら海水族館まで車で15分。

客室イメージ
オールデイダイニング「アマハジ」 イメージ

「飛騨あんしんの旅」キャンペーン始まる 自粛が明けて「お目覚め宣言」

2020年6月19日(金) 配信

飛騨お目覚め宣言 イメージ

 岐阜県飛騨市をはじめとした2市1村(高山市、飛騨市、白川村)は6月19日(金)~7月31日(金)まで、「飛騨あんしんの旅」キャンペーンを実施する。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「飛騨はお休み中です」と地域を跨ぐ移動の自粛を呼び掛けていた。緊急事態宣言が解除されたことを受け、「飛騨お目覚め宣言」を新たに発表した。

 飛騨市独自のキャンペーンとして、1泊に付き3000円の割引となる「飛騨市あんしんの宿」の宿泊対象者を、岐阜県民から全国の宿泊者に拡充する。期間は6月19日(金)~9月30日(水)まで。同キャンペーンを利用した先着1万人限定で、市内登録店舗で使える商品券1000円をプレゼントする。

 2市1村共同キャンペーンは、県内3カ所の地域で公営観光施設の無料化や、民間施設の割引を行うもの。飛騨古川まつり会館や、飛騨市美術館などの入館料が無料になる。ノベルティとして、ひだ森のめぐみ(薬草茶試飲、薬草キャンディプレゼント)、レールマウンテンバイクGattan Go!(1グループ1枚、オリジナル手ぬぐいプレゼント)を企画している。

 SNS(交流サイト)投稿キャンペーンも行う。2市1村の思い出を指定ハッシュタグ(#あんしん飛騨 #飛騨高山 #飛騨市 #白川郷)を付けて投稿した人に、根付やオリジナルうちわをプレゼントする。

左から飛騨市、高山市、白川村

ピーチ・アビエーション 7月22日にすべての国内線再開 8月は増便も

2020年6月19日(金) 配信

イメージ

 ピーチ・アビエーション(森健明代表)は7月22日(水)から、すべての国内線で運航を再開する。繁忙期を迎える8月1日(土)からは増便も決定し、新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みも、引き続き実施する。

 1日当たりの便数は、新型コロナ感染拡大前に策定した事業計画通り22路線・約100便。8月1(土)~31日(月)は繁忙期となるため、当初の計画の3270便から3822便に増やすことを決めた。

 国内線の一部路線では、7月21日(火)まで便数を減らして運航する予定。国際線は引き続き運休する。

「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」、海鮮丼のテイクアウトで営業を再開 6月20日から

2020年6月19日(金) 配信

オリジナル海鮮丼「あなたにおまかせ丼」をテイクアウトで販売

 小田原漁港交流促進施設「漁港の駅 TOTOCO小田原」(神奈川県小田原市)の海鮮レストラン「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」は6月20日(土)、営業を再開する。当面の間は従来のビュッフェ形式を休止し、オリジナル海鮮丼をテイクアウトで販売する。

 自分だけのオリジナル海鮮丼を作ることができる「あなたにおまかせ丼」では、刺身は小田原漁港内の魚市場で仕入れた魚をメインに約25種類を用意。丼ぶりの蓋さえ閉まれば、乗せる海鮮の量や種類は自由に決めることができる。丼ぶりは3つのサイズがあり、価格は小型サイズで1590円(税抜)。

店舗概要

店舗名:おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー

場所:漁港の駅 TOTOCO小田原 3階

営業時間:午前10:00~午後5:00(LO 午後4:00)

定休日:無し

席数:無し(テイクアウトでの利用のみ)

「漁港の駅 TOTOCO小田原」概要

所在地:〒250-0021 神奈川県小田原市早川1番地の28 小田原漁港西側エリア

施設設備:地場物産販売コーナー、情報コーナー、イベント広場、食事処、休憩所、眺望テラス、多目的室、トイレ、多目的トイレ、乳幼児施設、駐車場166台(施設内46台、県駐車場120台)

営業時間:午前9:00~午後5:00 ※季節により営業時間が変更になる場合がある。

アクセス:

電車:JR早川駅 徒歩10分

車:西湘バイパス早川ICから2分、小田原厚木道路小田原西ICから4分

秩父鉄道、「専用バスで行く三峯神社散策ツアー」7月平日に

2020年6月19日(金)配信

三峯神社

 秩父鉄道(大谷隆男社長、埼玉県熊谷市)は、夏のバスツアー「専用バスで行く 三峯神社散策ツアー」を、7月の平日5日間に実施する。

 三峯神社の協力のもと、秩父鉄道・秩父駅発着、半日の日帰りバスツアーとして企画した。新型コロナウイルス感染症対策として、専用バスは間隔をあけて座席割を行うほか、乗車口に消毒液の設置、車内の除菌消毒、換気などを徹底する。

 三峯神社は関東屈指のパワースポットとして名高く、標高が高い場所に位置するため、暑い夏の時期でも涼風を感じることができる。参加すると、「三峯神社の悪除けの貼札」も授与される。実施日は2020721(火)、22(水)、29(水)、30(木)、31(金)の各日。参加費は3千円。

 秩父鉄道では、秩父地域内寺社の指定カ所で御朱印をお願いする際、秩父鉄道のきっぷ提示で「オリジナル木札ストラップ」をプレゼントする企画「秩父鉄道で幸せを呼ぶ列車旅 ちちぶ御朱印めぐり」も実施している。

【にっぽん旬旅】~動画で各地の魅力紹介~山形県~

2020年6月19日(金)配信

 今回は山形の四季折々の魅力を、観光にお越しいただいたお客様目線の映像でご案内します。

 【春】 山形の春は、「日本のさくら名所百選」にも選ばれる美しい桜をはじめとした花々や、春から夏にかけて営業される「月山夏スキー」、新緑の美しい「ブナ林」や、気候性地形療法を用いた「クアオルト健康ウォーキング」、山形を代表するフルーツ、さくらんぼのイベントである「日本一さくらんぼ祭り」など、見所がたくさん。

Another Japan: Yamagata 【Spring in Yamagata】~山の向こうのもう一つの日本。山形~<春編

【夏】 ワインや日本酒といったおいしいお酒や、県内唯一の離島のある「飛島」の美しい自然、歴史ある出羽三山神社や山寺といった神社仏閣、「花笠まつり」や「新庄まつり」などのお祭りなどが夏の山形を彩ります。美食美酒や自然、イベントを楽しんだあとは、自慢の温泉にゆっくり浸かって体を癒してくださいね。

Another Japan: Yamagata 【Summer in Yamagata】~山の向こうのもう一つの日本。山形~<夏編

【秋】 山形の秋では、「鳥海ブルーライン」や「最上川舟下り」、「本間美術館」など、各地で錦織りなす紅葉をご覧いただくことができます。ほかにも、クラゲの展示数日本一の「加茂水族館」や艶やかな「酒田舞娘」など、通年で楽しめる観光地では、ここでしか食べることができない名物グルメも登場します。

Another Japan: Yamagata 【Autumn in Yamagata】~山の向こうのもう一つの日本。山形~<秋編

【冬】 山形の冬は、スキーやスノーボートなどのスノーアクティビティや美しい「蔵王の樹氷」、「寒鱈汁」「ジンギスカン」といった温かい名物グルメ、しぼりたての「日本酒」、自慢の雪を使った「やまがた雪フェスティバル」で皆様をおもてなしします。

Another Japan: Yamagata 【Winter in Yamagata】~山の向こうのもう一つの日本。山形~<冬編

【特集No.556】アフターコロナの観光 専門家21人が提言・メッセージ

2020年6月19日(金) 配信

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、観光業界にとって生命線である人の移動や交流が制限された。窮地に立たされながら、それでも未踏の道を模索している。“アフターコロナ”の観光や、人々の価値観がどのように変化するのか――。本紙コラム陣をはじめ、観光業界を代表する総勢21人の専門家・有識者から寄せられた提言や、応援メッセージを掲載する。永久保存版だ。(1・2・3・4面へ続く) 

【編集部】

減収減益モデルへのシフトがカギ高崎経済大学地域政策学部教授 井門 隆夫氏

井門隆夫氏

 アフターコロナはきっと長い持久戦になりますが、あきらめず皆で生き残りましょう。この間、減収増益モデルへとシフトできるかが生き残りのカギとなると思います。これまでの「楽しみたい」というニーズががらりと変わり、「助けてほしい」「強くなりたい」「つながりたい」という心の奥底に眠る消費ニーズを受けとめ、具現化することが観光産業の新しい役割になると思います。変態を遂げた宿が生き残り、繁栄していくことを願い、応援し続けたいと思います。…

 

【全文は、本紙1797号または6月25日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】