JOTC菊間会長「観光復活は世界中の関係者の願い」 Webセミナーに44カ国・地域が参加

2020年6月2日(火) 配信

JOTCの「B2Bオンラインセミナー」(画面のスクリーンショット)

 日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)は5月27日(水)、JATA会員を対象に第1回「B2Bウェブセミナー」を開いた。アウトバンドの復活に向け、全3回のセミナーを開催。44カ国・地域の観光局や機関が新型コロナウイルス感染症に対する現状報告と今後の観光客受け入れ体制、観光素材などについて説明を行う。

 同セミナーは、27日(水)のほか、6月1日(月)と3日(水)に実施。開催に当たり、視聴者500人を募集したところ、告知初日の半日で定員に達し、会員が海外の情報収集について高い関心を持っていることがうかがえる。

 JATA副会長でJOTC会長の菊間潤吾氏は27日のあいさつで、「昨年、海外旅行2000万人を達成し、いよいよという時期にこのような苦境は誰もが予測しなかった」と現状に言及した。そのうえで、「世界はいま確実に動き出している。観光復活は世界中の観光関係者の共通の願い。お客様も観光の再開を待ち望んでいる」と力を込めた。

 また、海外旅行の回復キャンペーンについては「8月(スタート)で準備をしていたが、世界各地の動向や日本の状況からすると、キャンペーンのスタートはもう少しあとと考えている」と述べた。今後の見通しについては「夏過ぎから準備を始められるよう、環境作りを行いたい」との見解を示した。

相鉄、20年度設備投資計画を発表 新型車両6編成の導入など

2020年6月2日(火)配信

相鉄・東急直通線の開業に向けて導入を本格化する新型車両「20000系」

 相鉄グループは5月27日(水)、2020年度に鉄道事業178億円、バス事業8億円の総額187億円の設備投資を実施すると発表した。安全対策とサービス向上のため、新たな設備を導入する。

 鉄道事業の相模鉄道(千原広司社長、横浜市西区)では、全駅へのホームドア設置(22年度末完了予定)に向けた整備工事を進めている。今年度は二俣川、大和、湘南台の3駅に設置する。

昨年11月開業の羽沢横浜国大駅に設置したホームドア

 さらに、22年度下期に開業予定の相鉄・東急直通線向けに開発した新型車両「20000系」を6編成導入。開業に向けた準備を着実に進める。既に導入している1編成に加え、23年度までに全16編成を導入する予定。

 このほか、車両機器や各種保安設備を更新し、さらなる安全性の向上をはかる。統一したデザインコンセプトに基づき、お客との最大の接点となる既存車両や駅舎のリニューアル、待合室の新設なども引き続き行う。

 一方、バス事業の相鉄バス(菅谷雅夫社長、横浜市西区)では、ハイブリッドバス10両を含む大型乗合バス17両を導入。より安全性が高い、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援する「ASV型」の高速バス2台を導入する計画だ。

食と地域と観光で笑顔を 厨房搭載バス生かし「ドライブスルー」企画 札幌市のクールスター

2020年6月2日(火)配信

本格的な厨房を搭載したバス「クルーズキッチン」

 貸切バスを専業とする札幌観光バスのグループ会社・クールスター(福村泰司社長、札幌市)は、厨房設備搭載大型バス「クルーズキッチン」を活用し、期間限定のドライブスルーを行う。「どこにも行けない」「毎日毎食の食事が大変」--そんなストレスを少しでも解消できればと、客足が減少した飲食店や、卸し先が自粛で在庫を抱える生産者とタッグを組み、「食と地域と観光で笑顔を届けたい」と企画した。

 会場は札幌観光バス本社(札幌市清田区)内の特設会場。クールスターが所有する水道・ガス・電気が使える厨房を搭載した大型バスで調理した、期間限定メニューを売り出す。来場者は車に乗ったまま注文や、敷地内の専用スペースに駐車して車内で食事を楽しめるようにする。当日販売するメニューの食材は、同時開催するドライブスルー形式のマルシェで購入できる。

 当日の車両誘導は、現役観光バスドライバーとガイドが行う。待ち時間には、バスや観光地などの質問も歓迎という。

ドライブスルー・マルシェ実施概要

Vegan照り焼きバーガー-カリッカリのフライドポテト付き

日時と出店内容:

1)2020年6月 5日(金)~ 7日(日)

 Holisthic Bio Café Veggy Way(ベジウェイ) ヴィーガン料理

メニュー:

 カラダ喜ぶ♡Vegan照り焼きバーガー カリッカリのフライドポテト付き 1千円

 驚き!の Veganザンギ 500円

 免疫力アップ♪ グリーンスムージー 500円

 カロリー1/5ヘルシー♪ Vegan Soy ソフトクリーム ハスカップソース 500円

2)2020年6月12日(金)~14日(日)

 kerapirka(ケラピリカ) アイヌ料理

3)2020年6月19日(金)~21日(日)

 (予定):osteria EST EST EST(エスト エスト エスト) イタリアン

4)2020年6月26日(金)~28日(日)

 (予定):TATEOKA TAKESHI(タテオカ タケシ) フレンチ

※時間は各日とも午前11:00~午後4:00

※7月以降は、各市町村での出店を計画中。シェフと生産者の繋がりをメニューに再現する

会場:札幌観光バス特設会場(札幌市清田区美しが丘1条9丁目1番1号)

ドライブスルー:

 ドライブスルー導線を設け、人との接触を必要最小限に抑え運営

 購入後、すぐに車内で食べられるよう「車両駐車スペース」を設置

 徒歩購入者向けのイートインスペース(テントとイス)も用意

マルシェ:

 クルーズキッチン横に、マルシェブース設置

 非常事態宣言下において、出荷できず在庫を抱えてしまった食材などを販売

その他:

 観光バス車内換気実演 ※6月5日(金)・6日(土)・7日(日) 3日間のみ実施

 車内の空気が排出されるようすをスモークマシンで実演する

プリンスホテル、各施設で「With コロナ時代」のニーズに対応した新しいサービスを開始 衛生・消毒基準も策定

2020年6月2日 (火)配信

ドライブスルーチェックイン

 プリンスホテル(小山正彦社長、東京都豊島区)はこのほど、衛生・消毒基準「プリンスセーフティーコミットメント」を策定した。

 営業再開にあたり策定し、全ホテル、レジャー施設で運用する「新型コロナウイルス感染症 感染拡大予防ガイドライン」を、利用者向けにわかりやすくまとめたもの。併せて、営業を再開した各施設で「With コロナ時代」のニーズに対応した新しいサービスを開始した。

 衛生・消毒基準は、「衛生管理」と「クレンリネス」、「三密回避」を柱にしている。「三密回避」では、館内のソーシャル・ディスタンスの確保や、 飲食・会合時の余裕を持った定員の設定などの対応を行う。

 「With コロナ時代」のニーズに対応した新しいサービスとして、全ホテルで清掃済客室のドアに一度開けると破れる仕組みの「Safety シール」を貼り付け、「清掃、消毒済であり、その後入室者がいない」ことを示す。

Safetyシール

 また、宴会、婚礼の会場レイアウトは、客同士の間隔、婚礼では隣席との間隔をできるだけ2メートル(最低1メートル)を確保できるように提案する。

 各ホテルのレストランでもさまざまな新サービスを導入している。

 ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町と、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪の一部店舗では、QR コード読み取り式のメニューを導入。伊豆長岡温泉 三養荘では、通常の食事処に加え、一部の客室をレストランの個室として使用する。

変更後の婚礼時の席配置

 このほかに軽井沢プリンスホテルでは、コテージ宿泊客を対象に、「ドライブス
ルーチェックイン」を行っている。宿泊客は車内でチェックイン手続きや検温を済ませ、駐車場からは送迎カートで部屋に向かう。また、事前精算を行うことで、鍵を部屋に置いたままフロントを通らずにチェックアウトすることも可能だ。

スヌーピーミュージアム、6月5日再開 ワークショップは当面中止

2020年6月2日(火) 配信

全長8メートルのスヌーピー

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館していたスヌーピーミュージアム(東京都町田市)が、6月5日(金)に営業を再開する。チケット販売も再開し、臨時休館期間中の日時指定の前売券購入者に対して、チケットの振替予約受付もオンラインで行っている。

 再開にあたり同館は、前売り券の販売数を半減させ、当日券は館内の滞留人数に余裕のある場合のみオンラインで販売。これまで当日券の販売があるときのみ受け付けていた未使用の前売券の日時変更も、オンラインで受け付けることを決めた。

 なお、ぬいぐるみづくりなどが体験できるワークショップは当面の間中止となり、再開時期は未定となっている。

 併せて来館者には、接触型体温計での検温やマスクの着用必須のお願いなど、安心して楽しめるようにするとしている。

東海汽船レストランシップ事業からの撤退 連結子会社東京ヴァンテアンクルーズは解散、清算へ

2020年6月2日(火)配信

ヴァンテアン号

 東海汽船(山﨑潤一社長)は5月29日(金)、取締役会を開きレストランシップ事業からの撤退を決議した。事業撤退日は6月30日(火)。これに伴い同社の連結子会社である東京ヴァンテアンクルーズ(藤間修社長)は解散、清算される予定。

 東京ヴァンテアンクルーズは1988年に設立され、「特別な日は、海の上で。」をテーマにレストラン船「ヴァンテアン」での東京湾クルーズを運航してきた。

 しかし近年、競合の激化に加え、船舶の老朽化による維持整備費用の増加などにより厳しい経営状況だったという。こうした経営状況に新型コロナウイルス感染症の拡大が重なったことから損失が膨らみ、「今後の船舶維持費用などを考慮すると、事業を継続することは困難である」と判断し決定に至った。

 なお、同社は4月8日(水)~5月31日(日)まで、緊急事態宣言を受けて臨時休業となっていたが、今回の決定により6月1日(月)~30日(火)も引き続き終日運休となる。

高知県に新観光スポット「さめうらカヌーテラス」 7月開業

2020年6月2日(火)配信

さめうらカヌーテラス(イメージ)

 高知県土佐町は7月23日(祝・木)、湖の駅さめうらレイクタウンの敷地内に、自然体験型観光拠点「さめうらカヌーテラス」をグランドオープンする。

 土佐町は四国の真ん中に位置し、西日本で最大規模の「四国の水がめ」としても知られる早明浦ダム(さめうら湖)を有している。カヌーテラスでは、カヌーやSUP(サップ=スタンドアップパドルボード)など、湖で楽しめるアクティビティを核とした体験プログラムを提供する。レンタサイクルやアウトドアの発着場所として、観光客、競技者、地域住民らに情報を発信していく。

 湖の絶景を望む「さめうら湖展望テラス」や地域の食材を生かしたスイーツが楽しめるカフェ、世代を超えて利用できるトレーニングルーム、競技カヌー世界チャンピオンが監修した日本初のパドル練習用プールなども利用できる。

【にっぽん旬旅】~動画で各地の魅力紹介~長崎県・佐世保市~

2020年6月2日(火)配信

 長崎県佐世保市は、1889年の旧海軍佐世保鎮守府開庁とともに、当時の国内最先端の技術を投入した大規模な建設が一斉に行われ、日本の近代化が推し進められました。

 造船所や工場施設などの産業基盤を始め、鉄道や道路、水道施設の都市基盤も明治から大正期にかけて整備され、その多くは100年経った今もまちに溶け込んで現存しています。

 2016年には佐世保市と同じく「鎮守府」が置かれた横須賀・呉・舞鶴と共に、近代日本の躍動を体感できる旧軍港四市のストーリー「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」が、文化庁の「日本遺産」に認定されました。

 今回ご案内する日本遺産「鎮守府・佐世保」の動画では、旧佐世保海軍工廠(こうしょう)の施設を受け継いだ佐世保重工業・佐世保造船所の近代化遺産や、軍港防衛のために建設された砲台跡など貴重な遺産を紹介しています。

 ぜひ、「鎮守府・佐世保」動画をご覧頂き、多くの皆様に佐世保市へお越し頂けることを願っています。

□日本遺産「鎮守府・佐世保」

東武トップツアーズ、全事業所の営業再開 一部は臨時体制に

2020年6月2日(火)配信

一部カウンター店舗は臨時の営業体制に

 東武トップツアーズ(坂巻伸昭社長、東京都墨田区)は6月1日(月)、政府の緊急事態宣言と自治体の休業要請の解除を受け、全国の事業所で営業を再開した。事業所の臨時休業や、在宅勤務で対応する一時的な事務所閉鎖の措置について、順次終了するとしている。

 なお、一部カウンター店舗では、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、営業日の限定や営業時間の短縮など、臨時の営業体制を導入する。臨時営業の内容や期間など具体的な措置は、同社ホームページ(支店案内ページ)で随時更新し案内するとしている。

臨時の営業体制となる対象事業所(5月29日現在)

【東京都】

 西新井駅支店、北千住駅支店、東京スカイツリータウンソラマチ支店、浅草駅トラベルサロン、錦糸町駅支店、成増駅支店、上板橋駅支店、池袋駅支店、池袋アップルロード支店

【埼玉県】

 大宮駅支店、東武動物公園駅支店、春日部駅支店、せんげん台駅支店、越谷駅支店、新越谷駅支店、獨協大学前駅支店、獨協大学内サービススポット、草加駅支店、坂戸駅支店、川越支店、ふじみ野駅支店、志木駅支店、和光市駅支店

【千葉県】

 柏駅支店、ららぽーと柏の葉支店、船橋駅支店

【群馬県】

 館林駅支店カウンター

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(113)心に留めるリアルの価値 創客のカギは「感じる力」

2020年6月2日(火) 配信 

 

 私たちの生活や観光ビジネスは、今後どのように変化するのでしょうか。新型コロナウイルスの影響を受け、不要不急の外出自粛が続くなかで、ビジネス環境も大変難しいものになりました。

 お客様が動かないことで、誘客の販促活動すら難しい状況です。収束すれば、以前のようにお客様にご利用いただけると願いたいのですが、ひょっとすると以前のようなビジネスに戻ることはないのかもしれません。

 そんな不安を抱えながら、先日大切な用事で上京しました。飛行機が減便していることもあり、逆に機内はそれなりの人が乗っていました。ただ、羽田空港はこれまでに見たこともないがらんとした風景で、大きなショックを受けました。

 東京の街を行き交う人々は少ないですが、そこには確かな日常がありました。しかし、以前と少し違っていたのは私自身でした。交差点で信号待ちをしているとき、近くに人が立つと何となく不安を感じていたのです。思わず一歩距離をとる自分にショックを感じました。

 「今は仕方がないから、人をそういう風に感じながら生活する」。人と話すのが大好きで、笑顔を見ながら、この人のお役に立てることはないか、と思いながら仕事をしてきました。それが、東京でのわずかな滞在時間の中で自分の変化に驚き、戸惑ってしまいました。

 これを、肌で感じられただけでも東京に行った価値はありました。やはり、人は人と接する機会を無くすと、人らしい生活ができなくなる。目の前にいる人の行動や仕草の変化から、何かを感じ取ろうとすることで五感が鍛えられ、人を想う心が育つのです。

 もちろん、それがすべてではないですが、少なくとも私はそのように感じました。ZOOMなどを使った会議やビジネスが新しいスタイルとなるのかもしれません。バーチャル宴会やバーチャル宿泊、バーチャル観光なども増えて来るのでしょう。

 バーチャルがリアルへの伏線となり、実際にそこへ行ってみたいという人を創造する武器になれば、その効果には成果があるかもしれません。しかし、もっと大切なことは、リアルに逢うからこその価値がそこにあるかどうかです。

 便利になり、気軽に旅行気分を味わえるバーチャルに慣れてきたら、それでもう十分となってしまうかもしれないのです。お客様に来てもらえるうれしさを、私たちはこの厳しい環境下で思い知らされました。だからこそ、次にお逢いする人には、その喜びをおもてなしで、これまで以上に伝えなければならない。リアルに逢える価値を観光ビジネス、おもてなしビジネスに関わる私たちがしっかりと心に留めて。

 
 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。