斉藤国土交通大臣、Go To再開来年1月下旬を念頭に 県民割ブロックなども追加へ

2021年11月22日(月) 配信

斉藤鉄夫大臣。「(すべての事業は)感染が落ち着いていることが、前提となる。状況によっては停止することもある」との考えを示した

 新型コロナウイルスの感染が収まっている状況を受け、斉藤鉄夫国土交通大臣は11月19日(金)、現在実施している県民割について同日付で、隣県への拡大を決めた。また、来年1月8(土)~10日(月)の3連休など適切な時期に、地域ブロック単位での割引も追加し、段階的に緩和していく考え。Go Toトラベルキャンペーンは、1月下旬から2月上旬から再開し、夏の繁忙期前までを想定。斉藤大臣は「観光産業の雇用と事業の継続を維持する」と力を込めた。

 県民割の拡大は、対象となる都道府県知事の同意を得ることを条件に、準備の整った県からスタートする。

 地域ブロックは、同省の地方運輸局が管轄地域として区分けする関東や近畿などをベースとして設定する予定だ。期間は来年3月10日(木)宿泊分まで延長する。

 Go Toは県民割拡大後の感染状況と専門家の意見を踏まえ、再開する。割引率は、低価格帯の宿泊施設への利用を促すため、上限額を前回の1万4000円から1万円に引き下げる。宿泊のみは7000円を限度とする。混雑回避もはかるため、クーポン券は旅行代金の15%から平日が3000円、休日は1000円に変える。ゴールデンウイークは対象から外す。

 「(すべての事業は)感染が落ち着いていることが、前提となる。状況によっては停止することもある」(斉藤大臣)と付け加えた。

 このため、全制度の利用者には、ワクチン接種証明書または陰性証明書の提示を義務付ける。

 斉藤大臣の発表を受けて、観光庁の和田浩一長官は同日の会見で、県民割の具体的な運用について、旅行先または出発地の警戒レベルが3以上となった場合は停止する方針を示した。

和田浩一長官。Go To終了後の急激な需要低下を防ぐため、着地となる各県が旅行需要の回復状況を鑑みて、段階的な割引率の引き下げを可能にすることを話した

 Go Toは、旅行後2週間以内に陽性となった際の報告や、行動履歴の記録を旅行者に求める。

 ゴールデンウイーク以降は、費用は国が負担したうえで、都道府県の事業に変更。Go To終了後の急激な需要低下を防ぐため、着地となる各県が旅行需要の回復状況を鑑みて、段階的に割引率を引き下げる。

 上限は割引率が20%、金額は8000円で、宿泊のみは5000円。クーポンは3000円。

 和田長官は「今後も観光産業から話を聞いて、できる限り対応していきたい」と意気込んだ。

実証で陽性0人 8千人が参加

 観光庁は同日、「ワクチン・検査パッケージ」技術実証の結果を発表した。同実証は、ツアーや宿泊施設を利用するワクチン接種証明書や、陰性証明書を持参した旅行客へのオペレーションや効果を確認するもの。8315人が参加し、旅行後2週間以内に、陽性と疑われる症状を発症した人は0人だった。

 期間中は、9割以上が接種証明書を提示。書類の平均確認時間は、接種歴が18秒。検査証は25秒。

 一方、92・3%が書類の様式が統一された場合、負担が軽減すると回答。また、約3割の宿泊施設で、書類を忘れた利用客がいたとして、「条件を満たさない場合の対応を考える必要がある」(和田長官)と語った。

 運用については「大きな混乱はなかった」と成果を強調した。

 さらに、同実証は緊急事態宣言下でも、接種証や陰性証明書の携帯で、コロナ禍前のように移動できることを証明する目的で実施したことにも振り返り、「今後は県境を跨いだ移動の自粛は求めない」と話した。

訪日モニター年内に JATA管理型造成

 管理型ツアーによる訪日旅行の再開に向けて、観光庁は年内に、訪日外国人観光客を招き、モニターツアーを行う。

 同日現在、日本旅行業協会(JATA)にツアーの造成を依頼している。受け入れる国や人数などは今後、決まる。

 和田長官は「観光目的の入国はモニターツアーによる感染拡大の状況などを鑑みて、判断する」との認識を示した。

 また、JATAの菊間潤吾会長が経営するワールド航空サービスが、雇用調整助成金を不正に受給した疑惑にも触れ、「中間報告が発表されたが、最終報告を待って、必要であれば措置を講じる」と述べた。

「WE ROOM」ビジネス版を発表 リアルとオンラインつなぐ

2021年11月22日(月)配信

対談する八芳園の薮嵜取締役(左)とJTB新宿の坂井氏(右)

 総合プロデュース企業の八芳園(井上義則社長、東京都港区)は11月17日(水)、オンラインイベントプラットフォーム「WE ROOM」を発表した。イベント主催者のライブ配信を視聴しながら、参加者同士及びイベント主催者と参加者による双方向の同時通話を実現。これにより、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリットイベントをサポートする。

 WE ROOMの特徴は、オンライン空間内に仮想テーブルを用意し、席次ごとにグループ分けが可能。加えて、オンライン空間内のテーブルを自由に移動でき、他のグループ参加者とのコミュニケーションができる。また、スクリーンモード機能で、リアル会場とオンライン空間を自由に行き来ができ、一体感を演出できる。

 結婚式のためのオンラインツールとして今年4月に誕生し、さまざまな業界の企業が開催する大規模なイベントやセミナー、集団面接、社内研修などにも導入。今後はウィズコロナ時代の新オンラインプラットフォームとして、より幅広く一般企業にも利用できるように事業規模の拡大をはかっていくとした。

 同日、WE ROOMを活用したメディア向け発表会を開いた。今後のオンラインイベントについて、八芳園の薮嵜正道取締役経営管理部長と、WE ROOMの活用実績があるJTB新宿第一事業部の坂井弘和氏の対談が行われた。

 坂井氏はオフライン開催の課題であった、収容規模の拡大(オンラインによる参加)、来場者の会場までの移動や日程調整などの物理的課題を解消できると指摘。イベント開催の効果分析もしやすくなると伝え、「これからはオンラインとオフラインを目的に応じて掛け合わせたハイブリットが非常に拡大していく」と力を込めた。

JWTC(日本旅行業女性の会)、40周年記念パーティーを開く

2021年11月22日(月) 配信 

日本旅行業女性の会はこのほど40周年を迎えた(日本旅行業女性の会HPより)

 日本旅行業女性の会(JWTC、坂本友理会長、52会員)は11月13日(土)、東京ステーションホテル(東京都千代田区)で40周年記念パーティーを開いた。1980年11月27日に創立した同会は、昨年11月に40周年を迎えた。

 同会では、会員相互の親睦や、専門知識や能力を生かした社会貢献、世界各国の女性旅行関係者との親善などを目的に活動している。

 活動内容として、会員向け勉強会や、関連団体共催の勉強会や交流会、業務・プライベート両面における会員相互の情報交換などを行っている。

 パーティーには、初代会長やOBなど36人が参加した。

 また、吉田正子氏(東京海上日動火災保険常務執行役員)が記念講演で登壇し、「JWTC40周年に想うこと~女性たちを、明日元気にするもの~」をテーマに話した。

 同会は、「ワクチンの接種の広がりにより、人流の再開が見え始めている。旅の新しいカタチとともにJWTCも未来を創造しながら、50周年を目指して今後も活動していく」と決意をあらわにした。

記念講演では東京海上日勤火災保険の吉田正子氏が登壇した

加賀温泉郷 最大級レインアート 雨ならではの魅力創出

2021年11月22日(月)配信

山中座広場前のレインアート

 日本最大級のレインアートが今年秋、石川県の加賀温泉郷(加賀市)に登場し、注目を集めている。降雨時、地面に描いたアートが浮かび上がる。雨が多い北陸地方の気候を生かしたユニークな企画だ。

 レインアートとは、特殊なスプレーによって地面に描かれた絵や文字が、水に濡れることで浮かび上がる作品のこと。

 加賀温泉郷がある北陸地方は「弁当忘れても傘忘れるな」という格言があるほど、1日の天気が変わりやすいエリア。この特性を生かし、山代と山中、片山津の3温泉に「加賀雨紋様~KAGA RAIN ART~」と題して、それぞれの開湯伝説に関わりのある鳥類や、各温泉ゆかりの事象をモチーフにした巨大なレインアートを設けた。旅先で雨が降るとネガティブなイメージを抱きがちだが、雨だからこそ楽しめるコンテンツを提供することで“雨が似合う風情ある地”として加賀温泉郷の新たなイメージを発信する。

 山代温泉では、服部神社境内に、ヤタガラスや九谷焼、あいうえお発祥の地にちなんだ紋様などを描写。山中温泉の山中座広場前には、白鷺や芸妓をはじめ、山中節やこいこい祭りの獅子舞みこしといった地元の伝統芸能。片山津温泉の柴山潟遊歩道では、鴨や柴山潟に打ち上がる花火、雪の科学館にちなんだ雪の結晶などを描いている。

 レインアートは、気象状況や通行量にもよるが、1―2カ月程度は楽しめるという。ただし、雨の日でも降水量や見る角度によっては見えない場合がある。評判が良ければ、来年度以降、設置場所を増やしていくことも検討しているという。

〈観光最前線〉昭和プロレス談義が熱い

2021年11月21日(日)配信

昭和プロレスを語ろう!-(廣済堂新書)

 過日、群馬県の法師温泉長寿館の岡村建新社長にインタビューする機会があった。

 その際に、趣味を訊ねると昭和プロレスにとても造詣が深い。「昭和プロレスで最強のプロレスラーは誰か?」と質問すると、岡村さんは真剣な眼差しで「やはりジャイアント馬場が一番じゃないでしょうか」という答えに感動してしまった。

 私の予想では、たぶんスタン・ハンセンやブルーザー・ブロディといった外国人レスラーの名前が出てくるのかと思いきや、まさかの「王道プロレス=ジャイアント馬場」の名前がいきなり出てきたので少々驚いてしまった。

 これも宿主として「温泉第一」「従業員は家族と同じくらい大切」「なるべく変えないで歴史を大事にしたい」という考え方と相通じるものを感じた次第。

【古沢 克昌】

〈旬刊旅行新聞11月21日号コラム〉ヒガシヘルマンリクガメ―― 黙して語らず生きている姿に「癒し」

2021年11月20日(土) 配信

 
 昨年末に我が家に来たヒガシヘルマンリクガメの亀吉氏は、今や家族にとって無くてはならない存在となった。

 
 今年も新型コロナウイルスの感染拡大が繰り返し、ストレスを強く感じた。通常の年と比べて家で過ごす時間が増え、必然的にリクガメと遊ぶ時間が多くなった。

 
 フローリングのリビングに放しているので、ノコノコと気が向いたら歩き出し、眠くなったらソファや、テーブルの下の隅で眠っている。

 
 好物は温めたカボチャ。バナナも好きだ。タンポポの葉や、キャベツ、レタス、キュウリ、モヤシなども好んで食べる。ミカンやリンゴは、食べるときと食べないときがある。

 
 こんもりとした手のひらサイズの丸い甲羅をさわりながら、私はテレビを観たり、読書したりする。そうすると、気持ち良くて眠くなるのか、下瞼が上がってきて、カメはいつの間にか眠っている。

 
 トイレをした後など、1日に何度も専用のお風呂に入れたり、シャワーを浴びたりしているので、とても清潔である。

 

 
 私はもともと動物が好きで、犬や猫も好きだ。リスも飼っていた時期がある。

 
 カメに比べると、犬や猫の方が知能も高く、感情が豊かなので、その仕草を可愛く思う。

 
 リクガメを飼っていると、「懐くの?」と聞かれることがある。実際はよく分からない。ゴロンと横になっていると、遠くからノコノコと近づいてきて、体を摺り寄せてくることもある。「亀吉!」と喉が痛くなるほど名前を呼んでも、ちっとも反応しないこともある。ほぼ自分の生きたいように生きている。この心の距離感に心地よさを感じることがある。

 
 これが犬や猫との違いだ。犬の場合、飼い主から名前を呼ばれたら、気が向かなくても近づいてきたり、お愛想で尻尾を振ったりする。私も犬を2匹飼っていた経験から分かる。

 
 猫もポーカーフェイスで無視することもあるが、飼い主との“心の駆け引き”が存在する。

 
 だが、私は最近、ペットとの間でも、人間同士のような細かな心の駆け引きすら煩わしく、必要性を感じなくなってきている。

 

 
 高度に複雑化した社会では、気配りや配慮が不可欠である。旅館業などは最たるものの1つだ。また、インターネットやテレビ、SNS(交流サイト)からも情報が過剰に発信され、受け取る側のキャパシティをはるかに超えている。

 
 私は好き好んで、小さいながらメディアの世界の端くれにいるのだけれど、日々刻々とあふれるばかりに押し寄せてくる情報量の処理に疲れ果ててしまうことも時々ある。

 
 そんなときに、私は家に帰って、お風呂に入り、麦焼酎「いいちこ」を氷で割って飲みながら、2億年も変わらぬリクガメの丸く愛らしい甲羅を撫でて、癒しを求めてしまうのだ。

 

 
 これからは天文学的なデータを蓄積したAI(人工知能)との付き合いも本格化する。膨大なデータをベースに、“正論らしきもの”を雄弁に語りだす。

 
 一方で、黙って情報やストレスを吸収してくれる存在が希少価値化するはずだ。

 
 リクガメの亀吉氏はこちらの話を聞いても分からないだろうが、黙して語らず生きている姿に、私は大きな癒しをもらっている。

 

(編集長・増田 剛)

NAA21年度中間連結決算、約90億円の赤字縮小 オリパラや観光需要増加

2021年11月19日(金) 配信

田村明比古社長。「国から支援されている。今後も、安定した運営が可能だ」と説明した

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が11月18日(木)に発表した2021年度中間連結決算(21年4~21年9月)によると、営業損失は216億6800万円(前年同期は306億5100万円の損失)と赤字額を約90億円縮小した。

 東京2020オリンピック・パラリンピックの関係者の利用や、LCC(格安航空会社)による夏季における国内旅行の需要増加に対応する複便などが主な要因。

 営業収益は、前年同期比20・6%増の400億5200万円と2期ぶりの増収となった。

 運用の効率化をはかり、最大限のコスト削減に努めたが、経常損失は220億6300万円(同301億3500万円の損失)、中間純損失は230億100万円(同424億7700万円の損失)。

 21年度通期連結業績予想は、国際的な出入国制限の緩和状況が不透明であることから、5月に発表した見通しを据え置いた。営業収益は前期比11・4%増の800億円と3期ぶりの増収を見込むが、営業損失は620億円、経常損失が660億円、当期純利益は670億円と予想する。

 今後は経営状況改善のため、工事内容を見直すなどしてコストをより削減する。

 田村社長は「(1日当たり3500人の)上限が緩和されるなど明るい兆しも見えているが、各国の感染状況は波があり、需要の予測が難しい。国からは引き続き、支援されている。今後も、安定した運営が可能だ」と説明した。

四国・瀬戸内の観光PR 11月27(土)~28日(日)、大阪市内で物産展開く

2021年11月19日(金) 配信

来社した中井陽一郎主査(左)と森夏子主事

 岡山、広島、山口の瀬戸内3県と徳島、香川、愛媛、高知の四国4県の在阪事務所などは11月27(土)、28日(日)、大阪市中央区の「もりのみやキューズモールBASE」で、「四国・瀬戸内観光物産展~瀬戸内から四国路の旅巡り~」を行う。

 各県・団体がブースを開設し、観光パンフレットの配布や特産品を販売する。各県のキャラクターが勢揃いするステージイベントや体験ワークショップも行い、瀬戸内エリア全域の魅力発信で周遊観光をPRする。各ブースで500円以上購入などを対象に、特産品が当たる抽選会もある。開催時間は両日とも午前10時~午後5時まで。

 物産展を前に17日(水)、山口県大阪事務所の中井陽一郎主査と高知県大阪事務所の森夏子主事が本紙関西支社を訪れ、概要を紹介した。

 中井主査は「エリア全体の魅力を発信し周遊観光に結び付けたい」と話していた。

【特集No.597】ピンクリボンのお宿ネットワーク 10周年迎え、ビジョン語り合う

2021年11月19日(金)配信

 :東日本大震災のあと、旅行新聞新社の石井社長から「ピンクリボンのお宿ネットワークを立ち上げたい。会長になってもらえないか」とお電話をいただいたことを覚えています。ピンクリボンと聞いても初めはピンと来ませんでした。当時は16人に1人が乳がんを患うと聞き、私もいつ乳がんになるかわからない、それならばと思ってお引き受けしたのが始まりです。そこから、あっという間の10年でした。

 リボン宿ネットのセミナーで桜井なおみさん(NPO法人HOPEプロジェクト理事長)の講演をお聞きし、また、患者さんや乳がん治療を受けたお客様の経験談を伺って、皆さん本当につらい思いをしてきたのだなと分かりました。

 加えて、病気になってしまったらなかなか旅館には行けないと考えている女性が多くいることが分かりました。そういう方々に対して、ネットワークを通じてお宿を知ってもらうことが大切だと考えています。

 設立2年目には、盾を作り、加盟している宿に置いていただきました。うちの宿でも、フロントに置いている盾を見たお客様からお声を掛けていただき、さらにお客様ご自身の体験や要望など、詳しいお話を聞かせていただくきっかけになっています。

 リボン宿ネットができたおかげで、どうやったら旅を楽しめるか、温泉で気持ちよく過ごせるかを患者さんと一緒になって考えられるような気がしました。

 松﨑:私自身が乳がんを患った経験がありますので、術後の傷痕を気にして温泉に入るのをためらってしまうお客様が多いだろうなという想いが以前からありました。

 2011年に行われた福岡県での女将サミットで、そういったお客様向けに貸切風呂があったらいいのではという話もさせていただきました。私にとってのピンクリボンは、そこからのスタートだったと思います。

 乳がんの早期発見のため、多くの人に検診を勧める目的でも発足は必要なことでした。これからも啓蒙活動を続けていかなければならないと考えています。

 また、自分が乳がんを経験したと書いたうえで旅館での取り組みを記載していると、お客様から「読みましたよ、大変だったんですね」、「私もそうなんですよ」とお声を掛けていただくことが多かったです。なかなか他人には話しづらいことですし、お客様からこうして言っていただけるのはありがたいと思いました。

 活動を続けることで従業員や、患者さん、患者ではないお客様、それぞれの意識が変わるのはとてもいいことだと感じました。

 西川:リボン宿ネットのお誘いを受けた年の2月に、母親をがんで亡くしたばかりでした。そのとき、ぜひともやりなさいと母が言っているような気がして、当初から監事として携わらせていただいております。

 ひとつ残念だと思うことは、せっかく加盟したにも関わらず、リボン宿ネットから集客が望めないとみて退会されていく宿があることです。

 会員が増えるのは素直にうれしいという反面、入り方が間違ってしまうとあっさり退会していってしまいますよね。

 ネットワークから宿を知ってもらい、「一度利用していただいたから終わり」ではいけません。

 冊子を手にしてお宿を知ってもらい、お宿の良さを知ってもらい、もてなしを受けて「また来よう」とリピーターになってもらう。これが本来あるべき姿だと思います。

 加盟したからには、積極的に「こういうネットワークがあります」、「こういう対応をしているので安心していらっしゃってください」とアピールする義務があると思います。

 これは運営のやり方にも問題があるのかもしれません。ネットワークに加盟するということは、いちスタッフになるということではないかなと考えています。

 果たして現場の人たちは「またこの人に来てもらうんだ」という想いで接客しているでしょうか。リピーターを作ったという実感が、まだ成長途中だと感じます。

 営業ツールの1つとして参加されるのではなく、ほかの加盟している宿もぜひ利用してくださいねと進んで発信できるようになってほしいですね。……

【全文は、本紙1851号または11月26日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

福井県観光連盟 スーパーバイザー設置 新観光コンテンツ創出

2021年11月22日(月)配信

於保孝志氏

 福井県観光連盟は11月1日、2024年春の北陸新幹線福井・敦賀駅開業に向けて、稼ぐ観光地域づくりを加速するため、新たな観光コンテンツを創出する「観光スーパーバイザー」を設置した。

 観光スーパーバイザーは、ブランドアップ担当と、コンテンツ開発を担う人材の計2人を採用した。

 宿泊施設や食の付加価値を創造する「観光ブランドアップ・スーパーバイザー」は、アメリカのサンノゼ州立大学で観光ビジネスを学び、現地の旅行代理店で送客業務を経験後、星野リゾートグループで宿泊施設の総支配人などを務めた於保孝志さんが就任。

松尾章子氏

 先駆的な体験やアクティビティのコンテンツを開発する「観光アクティビティ・スーパーバイザー」には、休暇村協会や外国客船の日本支社勤務などを経て、地域DMOのディスカバー東広島でプロデューサー職を務めた松尾章子さんが着任した。

 それぞれ、県内の宿泊施設や飲食店、観光事業者などを巡回訪問し、新たなメニュー開発のための技術的な指導や助言を行う。