一般日に商品販売、会場は展示棟に集約(JATA旅博)

ロゴマーク(英字)
ロゴマーク(英字)

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、9月12―15日に東京ビッグサイトで開く「JATA旅博2013」の概要を発表した。今年は、一般日に旅行商品を販売するエリア「トラベルバザール」を開設するほか、これまで会議棟と展示棟に分かれていた会場をすべて展示棟に集約する。

 今年度は、正式名称を「JATA国際観光フォーラム・旅博」から「JATA旅博」に改称。英語名もブランド浸透のため「TABIHAKU」を入れたものに変更した。

 開催テーマは「旅で示そう 日本の元気~Japan―Treasure Islands of Tourism and Opportunity~」。日本市場には旅が改めてさまざまな産業や地域に貢献することを示し、海外のパートナーには、日本は市場としてもデスティネーションとしても“宝島”だと訴える。

 プログラムは、国際観光フォーラムで「アジア旅行市場分析」を実施。東アジア地域の観光担当官らを呼び、アジア各国の状況などを報告する。同テーマは、次年度以降も定期開催する予定。

 展示はインバウンド商談会や日本ブースエリアをさらに拡充させ、海外旅行・訪日旅行・国内旅行の三位一体の旅行総合イベントへ発展させる。また、注目は募集型企画旅行の販売が可能な「トラベルバザール」。会員であれば、バザールのみの参加もでき、商品は国内・海外問わず扱うことが可能だ。

 このほか、今回は日本の学生を対象に、ポスターデザインを公募する。応募は4月5日まで。最優秀賞1点はポスター使用のほか、旅行券20万円を贈る。審査員特別賞は3点で旅行券3万円。応募方法や素材はホームページ(http://www.tabihaku.jp/2013/competition.php )から。

 3月5日に開いた会見でJATA旅博推進会議の古木康太郎委員長は、昨年からの違いなど今年の旅博のポイントを示すなかで、「前夜祭を企画している。12日に浜松町の増上寺で行うが、海外からの参加者にも日本の魅力を強調する」と語った。また、昨年12万5989人と過去最高の来場者数を記録したが、「今年は13万人を超えたい」と記録更新を目指すという。

旅館から地域を変える、若手経営者16人が白熱議論

次世代旅館経営者16人が登壇
次世代旅館経営者16人が登壇

 観光庁は3月13日、山形県・天童温泉のほほえみの宿滝の湯で、次世代を担う旅館・ホテルの若手経営者16人と、地域の旅行会社や交通事業者、物販店、土産物店、地元大学、自治体、観光協会などの代表者ら約100人が観光産業の未来について議論する「旅館と地域の明日を創るフリートーキング」を開いた。8つのグループに分かれ、宿での変革への取り組みを発表したり、地域を変えていくアイデアや思いをぶつけ合った。

本保芳明氏
本保芳明氏

 特別講演には初代観光庁長官で、首都大学東京教授の本保芳明氏が講演し、「地域に戻って中核となって活躍してほしい」とエールを送った。

 

 

 

 

 若手旅館・ホテル経営者16人は次の各氏。

 荒川信康(蟹御殿/佐賀県太良嶽温泉)▽井上裕士(ホテル八千代/愛媛県道後温泉)▽岩田一紀(有馬ロイヤルホテル/兵庫県有馬温泉)▽菅野豊臣(萩姫の湯栄楽館、ホテル華の湯/福島県磐梯熱海温泉)▽佐藤太一(日本の宿古窯/山形県かみのやま温泉)▽庄司丈彦(つかさや旅館/山形県湯田川温泉)▽須藤宏介(いきかえりの宿瀧波/山形県赤湯温泉)▽関谷寿宣(寿宝園/山形県小野川温泉)▽鴇田英将(亀山温泉ホテル・千葉県君津市)▽富井智子(松泉閣花月/新潟県越後湯沢温泉)▽原太一郎(流辿別邸観山聴月/宮城県青根温泉)▽星永重(藤龍館/福島県湯野上温泉)▽森田金清(月の栖熱海聚楽ホテル/静岡県熱海温泉)▽山口敦史(ほほえみの宿滝の湯/山形県天童温泉)▽湯本孝之(あぶらや燈千/長野県湯田中温泉)▽横山公大(土佐御苑/高知県高知市)

旅行総支出額20―23万円、東南アの訪日消費動向分析(観光庁)

1149

 観光庁はこのほど、2010―12年の震災直後を除く期間に行った訪日外国人消費動向調査から、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンの主要東南アジア諸国からの訪日外国人消費動向を分析した。これによると、主な東南アジア諸国からの訪日外国人1人当たり旅行総支出額の各国籍平均は20―23万円台で、東アジアの国・地域と比べると、韓国、台湾、香港より高く、中国より低い結果となった。
【伊集院 悟】

 旅行支出をみると、東南アジア諸国の訪日外国人1人当たり旅行総支出額の各国籍平均は、個別手配客に比べて、ツアー利用客の方が旅行総支出額が高い傾向だ。

 ツアー利用者のパッケージツアー代の平均値をみると、東アジアの国・地域より高く、とくにマレーシアとインドネシアからの訪日旅行パッケージツアー代が18万円台と高い。航空便や宿泊などを個別に手配した人の、出発国から日本までの往復運賃の平均値をみると、ツアー代同様に東アジアの国・地域より高く、とくにインドネシアやフィリピンで10万円台と高い。

 パッケージツアーに含まれる滞在費を入れない日本滞在中の「1人当たり旅行中支出額」の各国籍平均は11―12万円台で、韓国、台湾、香港より高く、中国より低い。個別手配客でみると、各国籍平均は12―14万円台。なかでもシンガポールは14・4万円と高い。ツアー利用客の旅行中支出の中心は買物で、東南アジア諸国の各国平均は5―6万円台が多く、とくにフィリピンは9万円台と高い。

 個別手配客の1泊当たりの旅行中支出額をみると、タイ、マレーシア、インドネシアは、平均泊数が20泊前後、1泊当たり7千円ほどとなった。シンガポールは平均泊数が8泊と短いが、1泊当たり2万円近くと高い。フィリピンは平均泊数が長く、1泊当たり4千円と低い。

 訪日外国人旅行消費額をみると、タイは中国、韓国、台湾、米国、香港・オーストラリアに次ぐ7番目で、東南アジアのなかでは最も多い。12年の調査結果から、タイからの訪日観光客の旅行動向と買物支出をみると、訪日観光客は、パッケージ利用客が47%で、個別手配客が53%。ツアー利用客には訪日1回目の人が多く、個別手配客では3回目以上の割合が多い。日本での滞在日数はツアー利用客では5日間が多く、個別手配客では7日間以上の長期滞在が多い。訪問地ではツアー利用客が東京都と山梨県、個別手配客が東京都と大阪府の訪問率が高い。

 タイからの訪日観光客の活動内容をみると、ツアー利用客、個別手配客ともに、日本食の堪能やショッピングが多い。ツアー利用客では、自然・景勝地観光や旅館での宿泊、温泉入浴を体験した人の割合が個別手配客に比べて高い。個別手配客では、テーマパークを訪れた人や、親族・知人訪問をした人の割合がツアー利用客に比べて高い。次回に体験したいことは、ツアー利用客が日本の歴史・伝統文化体験、個別手配客が日本食を食べることが多く、スキー・スノーボードも上位に入った。

 タイからの訪日観光客の買物支出額は平均5万円で、韓国や台湾より高く、中国より低い。また、買物特性をみると、買物支出額が4万円以上の客層では、4万円未満の客層に比べて、服・かばん・靴や、マンガ・DVD・アニメ関連商品の購入率が高く、百貨店・デパートで買い物する人、クレジットカード利用者も多いことが分かった。

「耐震改修促進法」の改正案、宿泊団体が自民党観議連と協議

要望書を読みあげる全旅連の佐藤信幸会長
要望書を読みあげる全旅連の佐藤信幸会長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(佐藤信幸会長)は3月7日、自民党本部で開かれた観光産業振興議員連盟総会で、耐震改修促進法の改正案についての要望書を提出した。地域別で異なる補助金制度は、国が総力をあげて市町村への協力を仰ぐほか、施設名公表の時期については法案に盛り込まないことが確認された。
【内川 久季】

3月7日に開かれた自民党観議連総会
3月7日に開かれた自民党観議連総会

市町村に補助金の協力を、施設名公表の時期明記せず

 同改正案は、2015年末までに耐震診断と診断結果に基づく改修を義務付け、現在の耐震基準を定めた1981(昭和56)年以前に建てられた建築物の耐震化促進が目的だ。対象の建築物は、旅館やホテル、病院、店舗など不特定多数の人が利用する建築物および、学校、老人ホームなどの避難弱者が利用する建築物の大規模施設(学校や保育園以外は5千平方メートル以上)。診断結果に基づく改修指示に従わなかった場合は、施設名が公表される。

 総会には、全旅連47支部長や、日本旅館協会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟の代表者も出席。全旅連の佐藤会長は「業界としては、観光立国を目指す国の方針に沿って外国人の受け入れや、国内旅行の活性化に努力してきた。また、東日本大震災時には被害者の受け入れを525万泊し協力もした。耐震改修促進法の必要性は十分理解するが、改正案の提出はあまりにも性急。1年前から委員会や検討会を開き、業界の情報をヒアリングしながら策定すべき。大型施設が廃業にならないよう配慮してほしい」と訴えた。

 制定された15年末の期限は、05(平成17)年に中央防災会議の地震防災戦略で「耐震化目標を15(平成27)年までに90%」と決議されているため。現在、国土交通省は建築物の耐震化目標がマイナスの状況と発表。南海トラフの巨大地震や首都直下地震の被害を想定した場合、東日本大震災を超える甚大な人的・物的被害が発生することがほぼ確実視されていると報告した。

 改正案の提出理由は、不特定多数の利用者が耐震性を認識しないまま利用し、生命・身体への危険が生じるなど社会的影響がとくに大きいと考え、建築物の耐震化を喫緊の課題と位置付け規制強化をはかるため。

 改正案について自民党議員からは、「期限を15年末とするのは性急すぎる」や「改正案が施行した場合、旅館が廃業する恐れがある」「どこかモデルケースの旅館を作るべき」「施設名公表は社会的制裁。役所の責任逃れではないか」「改修に従わない悪質な施設のみの公表でいい」「緊急時の避難所として旅館の公共性を考え、補助金の見直しをしてはどうか」などの声があがった。また、20年に招致を目指す東京オリンピックが決定する9月まで、「改正案の提出を待ってもいい」との意見もあった。

 国土交通省住宅局の井上俊之局長は、地域ごとに異なる補助金制度について「市町村に補助金の強制はできないが、国が総力をあげ行脚しお願いしていく」と話し、今後はさらに各市町村へ協力を仰ぐ方針を示した。施設名公表に対しては「耐震診断の義務は15年末までと明記してあるが、法案に施設名公表の期限は明記していない」とし、施設名公表の期限は法案に盛り込まないことを確認した。

 自由民主党総務会長の細田博之氏は「市町村にはきちんと助成を頼んでいく。皆さんの意見を集約し、個別に対応していかなくてはならない」と決意を述べた。

 既報の通り、耐震改修促進法の改正案は、2月27日に自民党国土交通部会で了承。3月8日に閣議決定された。

No.335 産学連携セミナー - 学生が新たな観光の可能性語る

産学連携セミナー
学生が新たな観光の可能性語る

 日本観光振興協会と日本学生観光連盟は2月5日、東京都内で「目指せ観光立国 日本!~ツーリズムイノベーション~」をテーマに第9回産学連携オープンセミナーを開き、観光を学ぶ学生を中心に約500人が参加した。今回は学生連盟のアイデアも盛り込み、学生の研究発表や産業界の代表者らが登壇したパネルディスカッションなどを実施。今後の観光産業の革新について議論した。学生目線の新たな観光の可能性などを紹介する。

【飯塚 小牧】

 日本観光振興協会の船山龍二副会長は集まった学生を前に、「ツーリズム産業は日本のリーディング産業になる可能性が非常に高い。基幹産業として経済的にパワーがあるか、雇用を生むかが非常に重要だ」とし、旅行消費額や経済波及効果など他産業と遜色ない数字を示してツーリズム産業の重要性を説いた。

 

※ 詳細は本紙1496号または3月22日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

次世代を担う旅館経営者 ― “新しい波”を感じる

 次世代を担う若手旅館・ホテル経営者16人が3月13日に、山形県・天童温泉のほほえみの宿滝の湯に集まり、「旅館と地域の明日を創るフリートーキング」を実施した。

 これは観光庁の事業で、地域を活性化させるためには、新しい時代を担う若手の旅館・ホテル経営者を育成していかなければならないという視点に立ったものだ。本紙3面でも紹介しているが、参加者たちは熱く、真剣に、自分の宿のこと、そして地域のことを語り合っていた。

 会場となったほほえみの宿滝の湯は、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部の山口敦史次期青年部長の宿。また、2月20日に東京ビッグサイトで開いた第1回旅館甲子園の発起人・横山公大全旅連青年部長、その第1回旅館甲子園でグランプリに輝いた宮城県青根温泉の観山聴月の原太一郎専務も参加し、新しい波を起こしている。

 原さんは、仙台のあるレストランで、スタッフ全員の目がとても輝いていることに感銘を受ける。そして「ともに喜べる仲間、本気のチームがほしいと思った」と振り返り、今では「お酒のつまみは僕たちの働く姿」「思手成し(おもてなし)日本一を目指す」「青根温泉を日本一活力のある温泉地にしたい」と話すまで宿を成長させた。

 この観山聴月の原さん、前回本紙の1面特集でも取り上げた新潟県の越後湯澤HATAGO井仙社長の井口智裕さん、そして「活力朝礼」を実施する高知県高知市の土佐御苑の横山公大さんの宿でもそうだが、経営者とスタッフが一体化するまでの苦労は並大抵のものではない。しかし、経営者の熱い変革の思いが、いつかスタッフの胸に届き、高いレベルで一体感が生まれてきた良い例である。そういえば、宿の紹介をする場合、少し前の世代の経営者は、風光明媚な観光名所や美味しい魚介類、温泉成分の特徴などを述べたあと、宿の特徴を控えめに語り始める人が多かったが、今は宿の理念や、スタッフ・仲間のことを第一に熱く語る経営者が増えているのが特徴だ。

 さまざまなサービスを簡素化した格安の旅館チェーンが一定のニーズを獲得した。一方、有名温泉地でも、歴史的名旅館でもないが、「働くスタッフの魅力と、チームワークのおもてなしで直球勝負しよう」という若手経営者が増えているのは頼もしい。

(編集長・増田 剛) 

第5回「旅の日」川柳、3月25日まで募集(日本旅のペンクラブ)

 日本旅のペンクラブ(代表会員・山本鉱太郎氏)は3月25日(当日消印)まで、第5回「旅の日」川柳を募集している。旅を愛する人から「旅」をテーマにした川柳を広く募り、5月16日の「旅の日」に優秀作品の表彰を行う。協賛は、びわこビジターズビューロー、びわ湖城下町観光協議会(長浜観光協会、彦根観光協会、近江八幡観光物産協会)、東近江市観光協会、日野観光協会、休暇村協会。

 応募内容は、「旅」をテーマとしたウィットに富んだ自作未発表作品。ハガキでの応募のみで、1枚につき作品3点まで、1人1枚のみ。氏名または雅号、住所、性別、年齢、職業、電話番号を明記する。

 応募先は「日本旅のペンクラブ川柳係」〒183―0041 東京都府中市北山町3―3―18 田中宛。

 「旅の日」川柳大賞(1点)には、賞金3万円分+ペア宿泊券、「旅の日」の会招待券が贈られる。また、今年は滋賀県賞(1点)が設けられ、賞金1万円+ペア宿泊券、近江牛が贈られる。優秀賞(5点)は、ペア宿泊券を贈呈。

 5月上旬に大賞、滋賀県賞、優秀賞、入賞約100句をホームページで発表する。選者は全日本川柳協会常任幹事の江畑哲男氏。

 第1回は3787句、第2回は3604句、第3回は4625句、第4回は3945句の応募があった。詳しくはhttp://tabipen.net/

 問い合わせ=電話:03(3940)7580。担当=中元千恵子まで。

食べ歩き、クーポン販売(加賀市)

おやつきっぷ
おやつきっぷ

 石川県の加賀市観光交流機構は今年3月から、山代・山中・片山津の各温泉街や大聖寺など、加賀温泉郷エリアでお得に食べ歩きが楽しめるクーポン「おやつきっぷ」の販売を始めた。利用期間は来年3月末まで。

 クーポンは3枚のチケットが付いて500円。はづちを茶店(山代温泉)のミルクソフトクリームはチケット1枚、片山津バーガーとポテトのセットは3枚と、それぞれ指定枚数のチケットと引き換えに、各店自慢の“おやつ”が味わえる。

 参画店舗は、山代温泉4軒、山中温泉5軒、片山津温泉4軒、大聖寺4軒、橋立3軒。このほか、月うさぎの里や世界のガラス館など、市内観光施設4軒を加えた全24軒で実施する。

 カフェや和菓子屋、洋菓子屋など、ジャンルはさまざまで、おやつも手作りクッキーやパフェ、どら焼き、コーヒーとお菓子のセットなど、バラエティー豊か。なかには精肉屋の揚げたてコロッケや、水産業者の干し甘エビなどもある。

 クーポンは市内の各旅館・ホテルやJR加賀温泉駅構内にある観光案内所「KAGA旅まちネット」で販売する。

 

元気な東北アピール、観光復興向け関西でセミナー(東北観光推進機構)

“元気な東北人”がPR
“元気な東北人”がPR

 東北観光推進機構は2月26日、大阪市内のホテルで旅行会社の担当者らを集め、関西圏観光セミナー・東北の夕べを開いた。南東北を代表する山寺「宝珠山立石寺」(山形県)の清原正田住職による基調講演や、会津若松鶴ヶ城紙芝居弁士による「新島八重物語」の上演、各県の観光従事者による魅力紹介など、「復興へ向けて元気な東北」をアピールした。

 同機構国内事業部の長谷川博樹部長は「東日本大震災から間もなく2年になるが、まだまだ風評被害が続いている。助け合いや絆の風化も懸念される」と現状に危機感を抱きつつ、「今年は1月からNHK大河ドラマ『八重の桜』、4月から東北を舞台にした朝の連続テレビ小説『あまちゃん』放送と、明るい話題がある。また、3月16日からは、秋田新幹線に新型車両『スーパーこまち』が登場。4月からは仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)も始まる。DCは10月に秋田、来年4月に新潟、6月に山形も控えている。この追い風を逃さず、皆さんのご協力を得ながら、東北の観光復興に取り組んでいきたい」と述べた。

 清原住職の基調講演では、比叡山延暦寺第3代座主、慈覚大師円仁が平安時代に開いた中尊寺(岩手県平泉)、毛越寺(同)、瑞巌寺(宮城県松島)、立石寺(山形県山寺)の四寺を巡る旅「四寺廻廊」を紹介。立石寺では今年4月27日から5月31日まで、50年に1度の御本尊薬師如来像御開帳が行われる。清原住職は「四寺を巡りながら温泉、食、風景、文化と東北のさまざま魅力に触れてほしい」と語った。

 “元気な東北人”による各地のPRでは、青森県・八戸広域観光推進協議会で観光コーディネーターを務める木村聡氏が、昨年のB―1グランプリでゴールドグランプリを受賞した「八戸せんべい汁」をはじめ、横丁や朝市など、八戸自慢の食を紹介した。八幡平市観光協会(岩手県)の海藤美香事務局次長は「八幡平の読み方はハチマンタイです。桜と雪の回廊が同時に楽しめる健康と癒しの郷・八幡平へぜひお越しください」とアピールした。

 また、鎧武者とくの一の姿で登場した伊達武将隊(宮城県)は、4月からの仙台・宮城DCや仙台城下での町歩きツアーなどをPR。さらに、秋田県の角館から鷹巣までの約94キロを結ぶ秋田内陸縦貫鉄道の斎藤伸一運輸課長兼営業課長は、カタクリの群生地や阿仁の樹氷など、沿線の見どころやイベント列車を紹介した。

 このほか、会津若松観光公社の新井田信哉観光推進企画グループリーダーは、大河ドラマ「八重の桜」で注目を集める鶴ヶ城天守閣を取り上げ「国内唯一の赤瓦の城を見に来てください」とアピールした。市内では来年1月14日まで、「八重の桜」の世界を紹介する大河ドラマ館も開設されている。

 セミナー後の東北の夕べでは、山形県河北町の「かほく冷たい肉そば」や、青森県八戸市の「八戸せんべい汁」など、ご当地グルメや地酒が振る舞われた。

ネット環境の整備促進を、海外8空港を調査(観光庁)

第3回WGが開かれた
第3回WGが開かれた

 観光庁は2月25日、「第3回空港における訪日外国人旅行者へのサービスのあり方に関するWG」を開いた。海外8空港の調査報告をもとに、スムーズな旅客動線の確保や、インターネット環境の整備促進など、サービス向上を目指していく方針を示した。

 WGでは空港サービスの検討と、取り組み状況の把握のため、アジア4空港(仁川、シンガポール・チャンギ、香港、クアラルンプールLCCT)と、ヨーロッパ4空港(アムステルダム・スキポール、ミュンヘン、チューリッヒ、ロンドン・スタンステッド)の計8空港にインタビューを実施。各空港が考える評価が高いと想定するサービスは「出入国、乗継の迅速化」が最も多く回答された。一方で、「妊婦や障害者、子供連れの利用客向けサービスの充実」や「空港内イベント」などの回答もあった。香港空港では、香港の印象をより良くするため、イミグレーションやセキュリティー従事者に対し、セミナーやトレーニングを実施していることが報告された。

 インターネット環境については、Wi―Fi需要の高さから、アジアでは無料提供する空港が多く、ヨーロッパでは最初の一定時間のみ無料といった形態が大半を占めていた。言語対応については、アジアでは英語、韓国語、中国語、日本語の4カ国語、ヨーロッパでは英語と自国語の対応が多かった。アムステルダム・スキポール空港は、中国人向けの対応として、春節時などの大規模休暇には、案内員を増員。香港は、日本でも導入している(iPadを利用した)自動翻訳など先進的なICTを活用している。

 文化施設は、空港動線上で自国の文化を紹介する建物やスペースの設置が各空港で進んでいる。利用者の特性に応じたサービスは、国籍や宗教を問わずに利用できる礼拝・黙想室の設置が紹介された。

 日本の空港については、今後各空港で求められるサービスを、国際拠点・拠点以外・深夜早朝便就航・LCCの4種類に分けて整理。入国管理局など、入国時の手続きに関する関係省庁との協力も進め、訪日外国人旅行者の利便性向上を目指していく。

 また、成田国際空港(NAA)が2月7日に開設した訪日外国人向けポータルサイト「旅守り:TABIMORI―Travel Amulet―」も紹介された。同サイトは、日本を旅行する外国人に役立つ情報を集約しており、NAAへのアクセス情報、急病時の対話集、緊急時に取るべき行動、日本独特のルール・マナーなどが案内されている。委員からは「ジャパニーズ『ルール』という表記があるが、『エチケット』という表記に変えた方がいい。観光に来ている訪日客は、学ぶという意識は低く、『ルール』と表記されると敬遠される恐れがある。より身近な使い方ができるサイトにしてほしい」との意見も挙がった。