JNTO、北米や欧州から入国制限緩和の見通し 中国など東アジアは遅れも

2021年11月8日(月) 配信

蔵持京治理事。各国で大幅に増加している個人貯蓄について、「観光消費に充てられる。世界で奪い合うことになる」との見通しを示した

 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は10月29日(金)に開いた会見で、入国制限の緩和の見通しについて、「ワクチン接種率の高い北米や欧州のほか、観光客の移動を緩和した東南アジアが早い」との見方を示した。

 訪日最大の市場・中国など、東アジアの国・地域は欧米などと比較して、“ゼロコロナ”を目指す傾向が強く、「時期は遅れる可能性が高い」と予測した。

 理事の蔵持京治氏は、各国で大幅に増加している個人貯蓄にも触れ、「観光消費に充てられる。世界で奪い合うことになる」との見通しを示した。

 イギリスやスペインなどなどがワクチン接種などを条件に、日本への渡航規制を解除したほか、アメリカやタイなどは接種済みの入国者に隔離を免除した潮流も紹介した。そのうえで、「国際観光の再開に遅れないよう、情報の発信を強化する」と述べた。

 これまでの実績として、東京2020オリンピック・パラリンピック期間中に、世界各国の消費者にCMやウェブ広告を流したことや、9~10月に、中国市場に向けて地域産品を紹介したのちに、ネット通販に誘導するオンラインツアーを行った。

 この結果、アメリカの旅行雑誌「コンデ・ナスト・トラベラー」が読者投票で決める「世界で最も魅力的な大都市ランキング」では、東京と大阪、京都が1~3位を独占。さらに、エクスペディアやJNTOによる台湾と香港、シンガポールでの調査では、訪問したい国として日本が1位となったことを報告した。

環境意識が向上 「旅費高騰構わない」

 同日の会見ではエクスペディアの調査で、旅行者の59%が、「環境に優しい旅行で旅費が高騰しても構わない」と回答したことにも触れた。

 JNTOが実施したフランスにおける調査では、約93%が旅行中に「サステナブル(持続可能な観光)を実施している」または「実践したい」と答えた。日本に対する印象として「過剰にプラスチックを消費している」や「割り箸や傘などの使い捨が多い」などの声が上位を占めた。

 これを受け、JNTOは今年度、「地域の環境や文化、経済を守り、育むコンテンツを紹介していく」考えだ。とくに、意識の高いヨーロッパついては、「SDGsに取り組むことが集客につながる」(蔵持理事)との認識を示した。

 一方、JNTO海外事務所長への調査では、中国や香港、タイはSDGsへの関心が比較的低い。また、アメリカは旅行の目的を最優先する人が多いことから、「国ごとの特性に合わせて細やかな情報を提供する」重要性を語った。

「第2のふるさと」需要掘り起こす 第1回有識者会議開く(観光庁)

2021年11月8日(月) 配信

観光庁の和田浩一長官(右側・中央)

 観光庁は10月27日(水)、「第2のふるさとづくりプロジェクト」に関する第1回有識者会議をオンラインで開いた。有識者会議の座長は、東京女子大学現代教養学部国際社会学科の矢ケ崎紀子教授が務める。冒頭のあいさつで観光庁の和田浩一長官は「インバウンドの回復には時間を要すると見られるので、国内観光の需要の掘り起こしが必要」と考えを述べた。

 同プロジェクトでは、新たな国内観光需要として、ふるさとを持たない大都市の若者が田舎にあこがれを持って関わりを求める動きに注目した。

 「何度も地域に通う旅、帰る旅」というスタイルの推進・定着を目指し、地域経済の活性化につなげていく考え。

 和田長官は、「大都市の居住者にとって魅力的な訪問コンテンツを作ることで、特定の地域へ繰り返し訪れるきっかけを作りたい」と力を込めた。

 第2回会議の日程は未定。来年度のモデル事業立ち上げを目指し、予算を獲得する。課題点などをまとめ、年内には中間の取りまとめを行う予定だ。

 

 ◇

 有識者会議のメンバーは次の各氏。

 

井口智裕(雪国観光圏代表理事)

沢登次彦(リクルートじゃらんリサーチセンターセンター長)

中村朋広(クラブツーリズム取締役テーマ旅行本部副本部長)

深谷信介(ノートルダム清心女子大学教授、名古屋大学未来社会創造機構特任教授)

三輪美恵(東日本旅客鉄道執行役員事業創造本部部長)

小浜温泉で11月13日(土)、ONSEN・ガストロノミーウォーキング参加者募集 町の魅力を凝縮してお届け 

2021年11月8日(月) 配信

ガストロノミーポイントからの眺め

 長崎県・小浜温泉で11月13日(土)、ONSEN・ガストロノミーウォーキングが行われる。温泉街の中心部から、情緒豊かな街並みをくぐり、橘湾の海の眺めを望みながら、夕日まで楽しめる同イベント。約9㌔の道のりを、同温泉地自慢のスポットや食を堪能しながらウォーキングする。

浜焼き

 各ガストロノミーポイントでは、海鮮出汁をベースとした小浜ちゃんぽんやワタリガニの味噌汁、こだわりワッフル、地元で人気のアイスソルベなどを用意。スポットでは、1927(昭和2)年に肥前小浜~千々石間に開通した小浜鉄道の跡から望む橘湾の景観が見どころ。

足湯につかりながら小浜ちゃんぽんを夕日とともに

 かつて、湯治場として利用されていた小浜温泉。源泉の温度が105度と高く、豊富な湯量を掛け合わせた熱量は日本一とも言われている。ウォーキング終了後は、1日の疲れを温泉で癒すことができる。

 料金は大人(中学⽣以上)が3500円、⼩⼈(⼩学⽣)が2000円。(ガストロノミー(⾷事・飲み物)、温泉⼊浴券、傷害保険代込み)。

 雲仙市内では、翌14日に雲仙温泉でもウォーキングイベントが、16日には「第1回ナショナルパーク・サミット」も開かれる。地域の食や温泉などの魅力向上と発信する人材の育成を行う人々が各地から集まり、世界に誇れるまちづくりについて議論を交わす。

東京都、需要回復見据え支援 旅行会社などに補助金

2021年11月8日(月) 配信

自社ホームページや直販サイトの構築などのデジタル化が補助の対象となる

 東京都は2022年1月31日(月)まで、東京都内の旅行会社とバス事業者に向けて創設した旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業補助金の申請を受け付けている。緊急事態宣言の解除による旅行需要の回復を見据え、業務の効率化やサービス向上を支援する。

 同補助金は自社ホームページや直販サイトの構築などのデジタル化や、新商品の開発に向けた調査や機械の導入による経営力強化、セミナーやWebラーニングなどの人材育成費、メディアを活用した広告宣伝費が対象。補助金額は、1事業者当たり経費の80%または100万円のいずれか低い額。

 希望者は、都のホームページから申請書類などをダウンロードすることができる。旅行事業者は申請前に、専門家の助言を受ける必要があり、書類提出先は東京都旅行業協会となる。バス事業者は東京都都産業労働局への郵送で申し込むことが可能。

 予算は旅行会社とバス事業者に1億円ずつ用意された。無くなり次第、募集が終了する。

旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業(旅行事業者)|観光|東京都産業労働局
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/tourism/kakusyu/ryokogyosha-keiei/
世界の観光ブランド都市・東京を目指して、戦略的な取り組みを展開しています。
旅行業者等向け経営活力向上緊急支援事業(バス事業者)|観光|東京都産業労働局
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/tourism/kakusyu/bus-r3/
世界の観光ブランド都市・東京を目指して、戦略的な取り組みを展開しています。

HIS、沖縄県・国頭村と人材派遣協定締結 地域活性化や6次産業化など支援

2021年11月8日(月) 配信

(左から)HISの島崎裕介氏、簾藤眞太郎訪日旅行本部長、知花靖村長

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)と沖縄県・国頭村はこのほど、総務省が推進する「地域活性化起業人制度」を活用し、同社から国頭村へ人材を派遣する協定を結んだ。

 国頭村は、2021年7月に世界自然遺産登録された沖縄本島北部「やんばる(山原)」エリアにある最北の村で、多くの自然が残る。

 派遣される同社社員は、地域活性化や東部周遊拠点施設を中心とした6次産業化支援、人材育成などを行う。

 同制度は、3大都市圏に所在する企業などの社員が6カ月以上3年以内の期間、地方自治体で地域独自の魅力や価値の向上、安心・安全につながる業務に従事する。地方自治体と企業が協力して、地方圏へ人の流れを創出する狙い。

LINKED CITY参画企業に迫る③ ホテル起点のまちづくり、対話や議論の場を支援(スマートシティ企画)

2021年11月8日(月) 配信

関係人口を増やし地方創生の実現を目指す

 「LINKED CITY」構想の実現に向けて、アーキネティクス代表の吹田良平氏と十勝シティデザイン創業者の柏尾哲哉氏、スマートシティ企画取締役の石垣祥次郎の3社で、合同会社「LINKED CITY Lab」を立ち上げました。「ホテルアーバニズム(街中ホテルプロジェクト)」や、「ネイバーヘッズ(創造界隈アプリプロジェクト)」などの導入展開を支援しています。

 ホテルアーバニズムは、ホテルを起点にしたさまざまな活動作りや仲間作り、産業作りを行うことで、ホテルが人やアイデアを惹き付け、にぎわうことで街のにぎわいや活力の創出をはかる構想です。

 一方のネイバーヘッズは、議論や対話する相手をマッチングさせるスマートフォンアプリ。同アプリを通じて、共通のアイデアや問題意識を持つ者同士を情報空間上でマッチングさせ、リアルな街での対話や議論につなげるサービスを提供しています。

 これら取り組みにより、地方でも適用できるテクノロジー活用や新しい結合などを促進させ、関係人口を増やすことで、地域課題の解決や新事業などの地方創生の実現を目指します。

企業情報

TEL:0103-6869-5050

参画企業が進めるLINKED CITYの全容

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その7-江島神社&江の島大師 神仏めぐり(神奈川県藤沢市) 光きらめく3女神様参り 健康&開運ウォーキング 

2021年11月8日(月) 配信

 

 太陽の光の中を歩くことは、心身の健康の向上や、ストレスケアに良いセロトニンの分泌を促進するといわれています。北欧の人々は、冬になると白夜の影響で日照時間が少ないため、意欲の低下や、倦怠感を起こしてしまいます。冬季うつ病、季節性情動障害などと呼ばれていて、スウェーデンの人々の9割がなるとのこと。

 
 光線療法という、色の光を浴びることによって、彼らは心身の健康を取り戻しています。コロナ禍前であれば、冬の季節にスウェーデンの人々の約30万人が、海外旅行へ。太陽の光が燦々と輝いている、リゾート地へ行けば、症状を改善してしまうのです。

 

 

 今回ご紹介する、江島神社と江の島大師がある江の島は、晴れた日に歩くと、太陽の光の輝きが神々しいほどの美しさを感じます。

 
 江の島は、弁財天と五頭龍の伝説が残る島。弁財天は、元々インドの水の神様である、サラスヴァティーという神様でしたが、仏教と習合されて弁財天女とされました。海上安全、芸能上達、商売繁盛などの福徳をもたらしてくれるといわれています。

 
 江島神社は、滋賀県の竹生島にある宝厳寺・竹生島神社、広島県の大願寺・厳島神社と並ぶ、日本三大弁財天の1つ。

 

江の島大師

 江島神社に祀られている、ご祭神は3姉妹の女神様。アマテラスオオミカミ様とスサノオノミコト様が高天原で誓約(うけい)という神聖な占いを行ったときに、アマテラスオオミカミ様がスサノオノミコト様の剣を噛み砕いて噴き出した霧の中から生まれたのが、タギツヒメノミコト様、タギリヒメノミコト様、イチキシマヒメノミコト様の3姉妹の女神様。

 
 1182年に鎌倉幕府を開きつつあった源頼朝の藤原秀衡調伏のために、武士であり、真言宗の僧侶でもある文覚が弁財天を勧請し、このことが弁財天信仰としての江の島創建といわれています。江戸時代になると、江戸から近いということから、江の島弁財天詣が盛んになり、観光地として発展しました。

 
 さて、江ノ電・江ノ島駅、湘南モノレール・湘南江の島駅、小田急・片瀬江ノ島駅のいずれかの駅を下車し、澄んだ青々とした海を見渡しながら江の島弁天橋を渡ると、江の島へ到着。

 
 青銅の鳥居をくぐり、お宿や飲食店、土産物屋が立ち並ぶ弁財天仲見世通りを通ると、朱色の鳥居もくぐり、手水舎で心身を清めてから、ご利益スポットが満載という辺津宮にご参拝。辺津宮は、水や航海の神様といわれるタギツヒメノミコト様が祀られています。本殿の向かいには、「銭洗い白龍王」が鎮座。こちらの白龍水の霊水で金銭を洗い、お賽銭箱にその小銭が入れば願いが叶うそうです。

 
 また、本殿横には、琵琶を抱えた妙音弁財天と八臂弁財天が祀られている奉安殿もありますので、そちらもご参拝しましょう。次は辺津宮から歩いて5分ほどで、絶世の美女といわれる、イチキシマヒメノミコト様が祀られている中津宮へご参拝。子孫繁栄や商売繁盛など、ご利益の高いスポット。

 
 中津宮から5~6分程度で、江の島大師へ到着。お不動様に、感謝と祈りをささげてみましょう。こちらから見渡せる、太陽の光を浴びた、海のきらめきが心を潤してくれます。

 

龍宮

 そして、江の島大師から数分程度で、タギリヒメノミコト様を祀る奥津宮へご参拝。3姉妹の1番上のお姉様であり、安らかに海を守る神様。奥津宮の隣にある龍宮は、安産・子育てのご利益があり、岩屋の真上にあたるため江島神社最大の開運スポット。龍宮のご祭神様は、龍王大神様です。北条時政はこちらで子孫繁栄祈願をされました。

 
 江の島は、とても石段が多く、足腰を鍛えるのにも最適ですし、心身の健康ウォーキングと開運もできて、充足感をチャージできます。

 

 

旅人・執筆 石井 亜由美
東洋大学国際観光学部講師、カラーセラピスト。精神性の高い観光研究部会メンバー。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

 

「街のデッサン(247)」岡本太郎の日本文化論が未来的、パリで学んだ民族学の専門性が凄まじい

2021年11月7日(日) 配信

太郎の直感と思弁を埋蔵する著作

 狂気をいつでもはらんでいるような岡本太郎とは、NHKの若者番組で何度か対談した。HNKの第2チャンネルが教育テレビと呼ばれている時代で、確か「若い広場」という番組だった。岡本太郎と若者ら数人が、激動する時代の青年の生き方について議論した。のちの「芸術は爆発だ!」と太郎が叫んでいた印象そのままで、当然私らは彼の迫力に圧倒された。何しろ太郎の見開かれた眼がギラギラと私らを睨み付け、本人だけが爆発して会話にはならなかった。私には常軌を逸したオジサンとしか映らなかったが、あるときにその印象が180度転換した経験をした。

 1990年代、私は沖縄の古い中心都市だったコザが沖縄市となり、その中心商店街のまちづくりを何年間にも渡ってお手伝いすることになった。そのときに琉球の歴史や文化の研究を先行させたが、伊東忠太の「琉球―建築文化―」などをむさぼり読んだ。

 沖縄の本土復帰を記念した海洋博(75~76年)をプロデュースした泉真也先生は、早くから沖縄の島の文化の特異性に目を付けていたから、色々と話を伺った。泉先生は大の沖縄ファン。この小さな島は中国を始めとしたアジア諸国と日本本土の交流拠点のみならず、世界覇権争い時代のイギリス、オランダ、スペインなどの日本へのアプローチの要ともなった島であるから、世界中の文化が交差した。その根底には琉球独自の文化もあるから、世界で最も多様な伝統の織物から陶芸など手工芸品の文化創造風土を生み出した、が泉先生の持論だった。島を歩いて観て、確かに地場産品の豊饒さには感動した。

 その影響を多大に受けて、「世界文化と地場文化のアジマー(十字路)都市」などというまちづくりコンセプトを提出したが、たまたま手にした岡本太郎の著作「沖縄文化論」の本質性と先行性に仰天した。

 沖縄の本土復帰は72年。太郎はまだ軍政下にある59年の年末1月間、沖縄を周遊した。その前年の58年に「日本再発見」という著作を物にしているが、太郎を歓喜させた縄文時代の精華である「縄文土器論」(52年みずゑ)が起爆し、この本は日本の芸術風土の再発見を意図した旅の記録となった。旅の締めくくりは沖縄探訪であったが、太郎には「日本文化の原型としての琉球」が直観としてあった。この沖縄文化論の視点と文章と写真が素晴らしい。バタイユらとパリ大学でオセアニア民族を学んだ学識が噴出している。日本の観光は「文化観光」に向かうのは必至だ。太郎の思弁が未来を先取っている。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

LINKED CITY 参画企業に迫る③ 丹後エリアの資産と出会う場「ATARIYA」(ウエダ本社)

2021年11月7日(日) 配信

ATARIYA

 人を生かした価値創出業として、企業や地域に展開するウエダ本社は、京都府・与謝野町に新たな価値創造の場を整備するプロジェクトを進行しています。

 地域に親しまれ、惜しまれながら3年前に廃業した元料亭「當里家」を、丹後地域の人、技術などの資産と、エリア外にある企業、NPO、クリエイターなどが交差する場「ATARIYA」としてリノベーションし、来年1月11日オープン(予定)致します。

 丹後エリアには、繊維産業を中心として世界に誇れる技術、素材が数多く埋もれています。

 それら資産と出会える丹後のゲートとなる「ATARIYA」を、海の京都(京都北部の5市2町)のワーケーションの場、丹後の資産と結び付く創発の場としていく会員を募集していきます。ぜひ、一緒に丹後エリアを熱く盛り上げていきましょう。

施設から徒歩すぐ(約8分)の阿蘇ベイエリア

企業情報

経営企画室

TEL:075-341-4111(代表)

参画企業が進めるLINKED CITYの全容

津田令子の「味のある街」「噴湯盛り」――奈良偲の里玉翠(静岡県・熱川温泉)

2021年11月6日(土) 配信

熱川温泉 奈良偲の里玉翠「1泊2食」2万7500円~(2人1部屋)▽ 静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本39-1▽☎0557(23)2171。

 
 今年6月、3つの部屋をリニューアルした奥熱川にある「奈良偲(ならしの)の里(さと)玉翠(ぎょくすい)」で提供される名物料理「噴湯盛り~紡(つむぎ)~」が評判を呼んでいる。

 
 同館の姉妹店である玉翠館は、100年以上前の1914(大正3)年に、熱川の海岸線沿い、現在の道灌の湯付近で産声を上げた。その20年後、紆余曲折を経て熱川の坂の上、現在の駅前に移転する。海は伊豆旅行に欠かせない観光の目玉の1つだが、新天地は海岸線から離れ、宿から海を眺めることはできない場所だった。海がないのであれば、温泉と料理にこだわり抜くことを決意したという。

 
 新鮮な海の幸を使用した豪快な伊豆料理の味だけでは、他の宿との違いが出ない。「目と舌で楽しめる料理を」との願いから発案されたのが「噴湯盛り」だ。目でも楽しんでいただけるよう器や演出にもこだわった。

 
 熱川温泉の名物である温泉やぐらをモチーフにしたのが噴湯盛りと名付け意匠登録を行った。時は流れ、玉翠館はこの地区で一番の老舗となった。その姉妹店である奥熱川奈良偲の里玉翠と、伊豆高原大室の杜玉翠でも、伝統ある噴湯盛りをいただけるようになった。創業以来のこだわりである、目と舌で楽しめる料理を形にするため、新たに器作りから始めたという。

 
 「今回の噴湯盛りは、創業の地である、坂に富んだ熱川温泉の地形をイメージしております。そして、先代たちからの料理、温泉への思いを紡ぐという意味も込め、「噴湯盛り~紡(つむぎ)~と命名いたしました」と太田宗志専務はおっしゃる。「あふれ出る湯けむりは、我われにとっては先代たちの思いが、お客様にとっては、料理の中でも温泉地らしさを感じるものであってほしいと切に願っております」。お料理からあふれ出る湯けむりは話題性に富み、「新鮮で温泉地らしさがにじみ出ている」と、お客からも好評だ。

 
 湯守が丁寧に見守る源泉掛け流しの湯舟に浸かれば心が解けてゆくのがわかる。玉翠の木のぬくもりに包まれた客室にある露天風呂と、2つの大浴場で、心地のよい時間を過ごしている。

 

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。