ワクチンの職域接種を呼び掛け 日観振がオンライン総会開く

2021年6月16日(水) 配信

山西健一郎会長

 日本観光振興協会(山西健一郎会長、697会員)は6月11日に東京都内で、2021年度の通常総会を最小限で開き、その模様をオンラインで会員に配信した。山西会長は新型コロナウイルスの感染拡大で観光業界は厳しい状況が続くなか、全国的にワクチン接種が進んできたことに触れ、「明るい兆し」と評価。「観光業界でも職域接種への協力に努める」と述べた。

 コロナ禍を乗り切る取り組みとして、「3月に日本の観光再生宣言を発出し、賛同者を募ってきた。6月4日現在で1800件を超える企業や自治体などの賛同を得ており、観光の重要性をご理解いただいている」と報告した。今後も「旅行者と受け入れ側双方が安心して観光できる環境を整備し、一刻も早く安心して観光ができるよう全力で各種事業を展開していく」と力を込めた。

 今年度は昨年度と同様に①価値創造とイノベーションの追求②基幹産業としての観光への取り組み③観光産業の持続的成長(SDGs)に向けた課題への取り組み④協会職員の働きがい創出に向けた取り組み――の4本柱で事業を進める。

 観光振興に関わる中枢機関の使命として、政策提言の実施を行い、来年度の予算に盛り込んでほしい事項などを政府に提出する。また、ワクチンパスポートへの意見表明や、適切な広報活動などを行い、観光需要の回復に尽力していく。

滋賀ロケーションオフィス 「るろうに剣心×滋賀県」特設サイトを開設中 

2021年6月16日(水) 配信

油日神社 撮影風景

 滋賀ロケーションオフィス(滋賀県大津市)は3月から、「るろうに剣心×滋賀県」特設サイトを開設している。また、ロケ地や道の駅、県内の映画館などでは、B5定型冊子16ページ、フルカラーロケ地&観光ガイドMAPを配布している。

安楽律院 入口

 滋賀県は、「るろうに剣心 最終章 The Beginning」で剣心の運命を大きく左右する重要な回想シーンの舞台となった「油日神社」(甲賀市)や、1作品目のクライマックスシーンが撮影された「安楽律院」(大津市)など、シリーズ全5作品で滋賀県各地がロケ地がとして選ばれている。

 滋賀ロケーションオフィスは、同映画のロケ地の情報を写真や、動画を活用し発信。併せて、県内の観光やグルメ情報も発信し、新型コロナウイルス感染症の収束後の来県につなげることが狙い。同シリーズの監督、大友啓史氏が滋賀県での撮影のウラ話を語るインタビュー動画も掲載している。

スペイン、新指標で安全はかる 5月から日本人も隔離なしで入国可 スペイン政府観光局ハイメ・アレハンドレ局長に聞く

2021年6月16日(水) 配信

ハイメ・アレハンドレ局長。減少傾向にある感染状況を踏まえ、 安心して旅行できることをアピールした

 スペイン政府は5月24日(月)から、日本とイギリスからの入国者について、隔離とPCR検査の陰性証明書なしでの受け入れを始めた。さらに、6月7日(月)からは、ワクチンの接種や新型コロナウイルスの陰性を示す証明書などを持つ全世界の観光客の入国も認めている。新規陽性者数が減少傾向にある現地の受入環境や、第3者機関が感染対策の実施状況を確認することで安心を確保する新たな指標「セーフツーリズム認証」などについて同国政府観光局のハイメ・アレハンドレ局長に聞いた。

【木下 裕斗】

 ――コロナ禍による観光への影響は。

 新型コロナウイルスの拡大で政府は2020年3月14日(日)、国内全土に食料品の買い物や通院など生活に必要な移動のみを認め、従わない人には罰則を科す非常事態宣言を発出しました。このため、コロナ禍以前には年間8300万人以上がスペインを訪れていた観光客数は、同年には前年比約90%減と大きく減少しました。

 政府は規制を段階的に緩和し、21年5月9日(日)に宣言を解除しました。併せて、国内と海外旅行が解禁となりました。

 新規陽性者数は21年6月15日(火)時点で、ピーク時の10%ほどまでに落ち着き、旅行が認められたあとも、減少傾向が続いています。2回ワクチンを接種した人は同日時点で、人口の約27・0%(日本は6月14日(月)時点で同2・03%)です。この状況を踏まえ、国内の観光業界は、旅行需要の獲得により注力しています。

 復興を後押ししようと政府は5月24日(月)に、日本とイギリスからの渡航者に、隔離やPCR検査の陰性証明書なしでの受け入れを再開しました。以前にはオーストラリアやイスラエル、中国などからの来訪者にも同様の措置を講じています。

 6月7日(月)からは、ワクチンの接種やPCR検査の陰性を証明する書類などを提示する全世界の人へ対象を広げました。

 スペイン政府観光局では、プロモーション「You Deserve Spain(ご褒美旅行はスペインへ)」を行っています。過去に旅行した若者や家族、シニアなどにビーチリゾートや観光名所巡り、自然などをアピールします。

 ――受入環境が変化したことはありますか。

 全世界からの入国者は、新型コロナウイルスの流行前と同様に、列車やバスなどでの自由な移動とホテルに宿泊をすることができます。

 なお、拡大防止措置として、一部観光地は入場者数に上限を設けています。一部州では、飲食店の営業時間を午前0時までと定めていますが、アルコールを含めた食事を楽しむことができます。同措置は感染者数の減少に合わせ、緩和傾向にあります。

 ――人流の増加に合わせて、どのような対策を講じていますか。

 政府は国内を移動するすべての人に、マスク着用や手指消毒、うがいなどの対策を呼び掛けています。基本的な内容は日本と同じです。

 観光省の観光品質管理局は今年、観光業に対して、ソーシャルディスタンスの確保や、疑わしい症状がある場合の出社自粛をはじめ、眼鏡や携帯電話などの個人所有物の多頻度消毒、物品共有の回避などを推奨する「新型コロナウイルス感染症拡大防止ガイドライン」を策定しています。

 さらに、同局は拡大防止策への品質・衛生管理認証制度「セーフツーリズム認証」を付与しています。検査・認証会社の「SGS(エスジーエス)」などが認証申請時に、実施状況を確認することで、安心・安全を担保します。

 同認証を受けるには、は会社内に新型コロナウイルス対策を講じる安全衛生管理部門などの設置が定められています。

 このほか、制服や客室の布製品などは60度以上の水で洗うことや、消毒液の希釈割合は漂白剤1に対して50倍で薄めること、手袋にウイルスが付着したことを想定した外し方――など細かい対策も求められます。

 国内では97軒を経営する国営ホテルパラドール(歴史的建造物を改修した宿泊施設など)が同認証を取得し、海外からの宿泊客をもてなしています。

 政府がさまざまな安全対策を講じており、ワクチン接種率も他国と比べて高いことから、日本人に自粛生活からのご褒美として訪れてほしいと思っています。

白馬村グリーンシーズン、6月12日(日)から ゴンドラで八方尾根を満喫

2021年6月16日(水) 配信

長野県・白馬村

 白馬観光開発(荻野正史社長、長野県・白馬村)は6月12日(日)から、八方池にアクセスするゴンドラリフトなどの2021年グリーンシーズンの営業を始めた。

 八方池は、標高2060㍍の高山にあり、白馬三山を鏡のように映し出す「鏡面絶景」が楽しめる。八方尾根は、八方アルペンライン(ゴンドラ・観光リフト)を使い、片道約1時間のトレッキングで初心者でも気軽にアクセスできるのが特徴。軽装備のまま安全に自然と触れ合える。

 八方アルペンラインは6月12日(日)~10月31日(日)まで運行。運行時間は午前8時~午後5時まで、往復大人3000円、小児1850円。

 また、夜のゴンドラリフトに乗って満天の星空を観察する「天空の天体ショー」や「流星群観察会」を、7月から順次開催する。

 天空の天体ショーは7月23(金)~24日(土)、8月1(日)~22日(日)に開催。料金はゴンドラリフト往復料金とガイド料を含め、中学生以上2400円、小学生1600円。

 流星群観察会は、8月11(水)~13日(金)。ゴンドラ往復料金とガイド料、休憩スペース使用料を含め、中学生以上5400円、小学生3900円。

JATA、国内団体旅行のPCR検査活用に係る手引き公開 「新」感染対策モニターツアーの結果報告も

2021年6月15日(火) 配信

会見を行ったJATAの池畑孝治事務局長

 日本旅行業協会(JATA、坂巻伸昭会長)は6月14日(月)、会員の旅行会社が4月に実施した「新」感染対策モニターツアーの報告を行った。ツアーの結果を踏まえ、JATAと全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は、出発前のPCR検査などを導入する際の事務フローや留意点をまとめた「国内団体旅行における民間スクリーニング検査の活用に係る手引き(第1版)」を作成し、同日付で公開した。会員各社に周知することで、新型コロナウイルス陽性者からの感染拡大を防ぐとともに、旅行者にさらなる安心を提供していく。

 同日に開いた会見で、JATAの池畑孝治事務局長は、4月上~下旬に各旅行会社が実施した「新」感染対策モニターツアーの結果報告と、「国内団体旅行における民間スクリーニング検査の活用に係る手引き(第1版)」の説明を行った。

 モニターツアーは、旅行前のPCR検査や、健康チェックシートを活用した体調管理など、4つの感染対策を講じることを条件とした。

 旅行会社8社(クラブツーリズム、JTBメディアリテT―LIFEホールディングス、日本旅行、阪急交通社、名鉄観光サービス、読売旅行、ワールド航空サービス)が実施し、合計154人のお客が参加した。

旅行前のPCR検査 お客の78%が肯定的

 終了後のアンケートでは「PCR検査をツアーに付けたほうが良いか」の問いに、「付けたほうがいい」と回答したお客は78%にのぼり、「特に不要」の9%を大きく上回った。

 また、宿泊施設の60%、食事・土産店の54%が「付けた方がいい」と回答した。バス事業者は「価格次第」が67%と最多だった。

 「旅行検討の際に重視すること」は、お客の73%が「安心安全」と回答した。さらに、今回のモニターツアーで、最も安心感につながった取り組みは「参加者全員が事前にPCR検査を受けていること」だった。

 モニターツアーの実施報告を行った読売旅行の坂元隆社長は、PCR検査について「安心安全のとくに『安全』の部分で効果があるだろう」と述べた。そのうえで「オペレーション上の負荷や検査結果の個人情報の管理、費用の面など、すべてのツアーに付けるのは難しい。当社では高額商品に限定したり、ワクチン接種証明をお客様から提出いただく案もある」との考えを示した。

 また、ワールド航空サービスの松本佳晴社長は、PCR検査導入の効果について語った。「(お客の予約・参加状況に)かなり動きがあった。営業的な効果が認められている」述べた。さらに「サプライヤーの対応が一変した。(参加者の陰性が確認できているのならば)団体の受け入れが可能になった」と報告した。そのうえで「今後のインバウンド、アウトバウンドのツアーの具体的な対策として活かしていけるだろう」と力を込めた。

検査活用の手引き公開 事務フローや留意点なども明記

 これらの結果を踏まえ、JATAとANTAは、「国内団体旅行における民間スクリーニング検査の活用に係る手引き(第1版)」を公開し、団体ツアーにPCR検査などを導入する際の指針を示した。

 手引きでは、民間スクリーニング検査は「PCR検査」「抗原定量検査」「抗原定性検査」の3つに大別されるとし、精度や結果判明までに要する時間など、それぞれの特徴から「PCR検査」と「抗原定量検査」は募集型企画旅行など団体旅行の実施前に、「抗原定性検査」は大型イベントなどへの活用が適していることなどが記されている。

 事務フローには、旅行の参加条件にスクリーニング検査の結果が、陰性または同様の判定であることや、検査実施機関と契約を締結すること、検査結果が旅行会社にも報告されることについて、同意を取ることなどを明記。留意点には、検査方法・機関の明記、検査費用は旅行代金に含み、「無料」と記載しないことなどが書かれ、会員各社が統一した案内ができるようになっている。

 池畑事務局長は、今回の手引き以外にも海外旅行関連の手引きも準備していることを明かし、「昨年から作成を進めている。状況に合わせてアップデートし、再開の日がきたらすぐ出せる準備をしている」と語った。

MaaSは「地域デザイン考えるツール」(JR東日本 高木茂氏・田中壮一氏)

2021年6月15日(火) 配信

 地域住民や旅行者個々の移動ニーズに合わせて、複数の公共交通や移動サービスを組み合わせ、検索・予約・決済などを一括で行う「MaaS」。観光などとの連携により、地域の課題解決につながると期待されている。移動と地域の暮らしの質の向上を考える東日本旅客鉄道(JR東日本)に話を聞いた。

MaaS・Suica推進本部 MaaS事業部門 次長 高木茂氏(右)、同部門 MaaS戦略グループ 課長 田中壮一氏

 高木・我われは「静岡デスティネーションキャンペーン(静岡DC)」で日本初の観光MaaSを展開して以来、毎年各地で実施するDCに連動させるカタチで実証実験を進めています。DCは観光を通じて旅行を促す契機になるので、その際の鉄道利用者の地域での移動の利便性を向上することが狙いです。

 一方で、地方の素晴らしい観光名所の多くが、駅から歩いていくことができない距離にあるのも事実です。こうした状況を踏まえずにいい観光スポットを紹介したり旅行商品に組み込んだりするだけでは、公共交通機関の利用を増やせません。当社には、旅客鉄道輸送と生活サービス事業を担い、人の移動を促すという使命があるので、生活者、観光客双方に地域内の移動の不自由さを感じさせずに、目的地に行きやすくなったと実感してもらうことが大切です。

 田中・当社はこれまで、地域の特性や、そこに暮らす人々のライフスタイルに寄り添い、MaaSの機能と体験をデザインしてきました。これからは、コロナ渦でより深刻化した地域課題を解決するための方策を、地域住民や自治体関係者、事業者と濃密に関わりながら一層考えていく必要があると感じています。

 高木・一方で、システムの構築や人的コストなどの費用負担が、社会実装を実現する際の課題になっています。地域住民にとって生活の利便性向上にもつながるMaaSの実装や維持を交通事業者など1企業が単独で負担し続けるのは、現実的ではないからです。ですから、自治体や地域交通を提供する事業者との協力体制なども考える必要があります。

 こうした課題も踏まえたうえで当社は、観光MaaSの仕組みの中で「消費を促す仕組み」の構築を進めています。今年4月からの東北DCに合わせてスタートした「TOHOKU MaaS」では、オンデマンド交通の乗降ポイントとして設定した飲食店や観光施設など、約200カ所で使用できる電子チケットを販売しています。このチケットを使うことでお得に楽しめるメニューなどを各店舗、施設に用意していただきながら、滞在時間と消費額を伸ばすことが狙いです。

 田中・新型コロナウイルス感染症の流行によって地域課題がより深刻化するなかで、地域住民や行政関係者、事業者らが、自分たちの地域をどう住みやすくするか、経済循環をどう活発にするかを、来訪者とともにデザインし直す際のツールの一つがMaaSだと思っています。費用に関しても、フィンランドなどMaaSの先進国では行政や自治体が中心になり整備を進めていますが、日本は交通事業などを民営化しているので仕組み自体を輸入しても機能しません。関係者が一丸となり、地域経済の活性化策や、観光客の長期滞在の環境整備など、各項目で実績を積み重ねていくことが、日本にMaaSを根付かせるカギです。

神戸「灘五郷」の贅沢日本酒をお届け 7月5日(月)から「利酒師とめぐる日本一の酒処・灘五郷オンラインツアー」開催

2021年6月15日(火)配信

 神戸観光局は2021年7月5日(月)から、「神戸ローカルツアーズ」が企画・実施するオンラインツアーの第3弾、「利酒師とめぐる日本一の酒処・灘五郷オンラインツアー」を開始する。参加者には事前に、異なる酒造メーカーの清酒3種類が届けられる企画だ。

 神戸ローカルツアーズとは、神戸観光局がビートラベル(渡邊華穂社長、神戸市中央区)とH.A.G.S(池端浩美代表、神戸市中央区)の2社と立ち上げた共同事業で、「神戸ニューツーリズムアソシエーション」が企画・実施・販売する、観光コンテンツのプラットフォームだ。現在実施中の「神戸牛オンラインツアー」は200人以上の参加があり、家族や友人との食事だけでなく、会社の懇親会や社員旅行の代替など、幅広いシーンで楽しまれている。

 第3弾となる今回は、日本一の酒処・灘五郷の日本酒をたん能するオンラインツアーを企画した。これまで日本を含め世界約30カ国、1500人以上の旅行客に灘の日本酒巡りツアーを提供してきた、「利酒師」資格を持つガイドが勧める4つの酒蔵を紹介する。観光で訪れても見ることができない酒造りのシーンや造り手の想いなど、日本が世界に誇る灘の日本酒の歴史や背景を、自宅で酒を味わいながら学ぶ事ができる。

 オンラインツアーは予約が入った際に実施する常設型のプラン。7月5日(月)から毎日、午後7~8時15分に実施する。参加費は「日本酒飲み比べ」6900円または9800円コースのほか、「オンラインツアー視聴のみ」(2千円)も受け付ける。予約の締め切りは実施日の1週間前。当日はZoomを利用する。

長崎県島原市などロケツーリズムで成果を蓄積する5地域 多様な資源を磨き上げ、新たな観光コンテンツの開発に挑戦

2021年6月15日(火) 配信

島原市は火山を生かした島原ならではのまちづくりを目指す

 観光庁はこのほど、「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業(第一次)」の支援対象事業を選定した。

 選定された 243事業のなかには、長崎県島原市などロケツーリズムで着実に成果を蓄積する5地域も名を連ねる。それぞれの地域が持つ多様な資源を磨き上げ、新たな観光コンテンツの開発に挑戦。コンテンツ開発には、ロケ地情報の発信に加え、地域活性化の実績もある地域活性プランニングがプロデュースする。

 長崎県島原市は雲仙・普賢岳の大火砕流から30年を迎えるにあたり、災害後に生まれた若い世代の事業者も一体となり、「火山の脅威と恵み」を体感型のコンテンツとして整備する。目指すのは、「災害遺構」と島原半島ユネスコ世界ジオパークの恵みである「湧水」、「食」、「風景」の連携による、「火山を生かした島原ならではのまちづくり」。立ち入り禁止区域を歩く災害遺構でのトレッキングなどを計画している。

 千葉県茂原市は市内で多く産出する「天然ガス」を切り口に「産業観光」を考案する。市民向けに年2回実施している工場見学を観光誘客コンテンツとして発展させる計画で、2月にはモニターツアーの実施も予定している。

 町内に寝具メーカーエアウィーヴの工場がある愛知県・幸田町は、「快眠」をテーマに、「食」も絡めたウェルネスツーリズムを造成する。

湯河原町は「週末のご褒美旅」を構築(写真はふきや旅館の客室)

 高級旅館が多い湯河原町は、20~30代の女性の取り込みへ、「癒し」をテーマに新ブランド「週末のご褒美旅」を構築。情報バラエティ番組に紹介されたスポットなどを組み込んだ、町内周遊プランも提案する。

Z世代をレトロな雰囲気が残る戸倉上山田温泉街へ誘う仕掛けを生み出す千曲市

 長野県千曲市は、Z世代をレトロな雰囲気が残る戸倉上山田温泉街へ誘う仕掛けを生み出す。実施主体を担う信州千曲観光局では女性2~4人のグループを想定し、ツアーを造成。訪れた人にSNS(交流サイト)を通じ、魅力を発信してもらうことも狙いだ。

 観光庁は実証事業を通じ、観光関連事業者や地方公共団体などが連携し、自然や歴史・文化など地域ならではの観光資源を磨き上げる取り組みを支援。新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ観光需要や、地域経済の活性化に向けた域内連携促進の方向性を検証する。

エアトリ、ワクチン接種ツアー 米国3都市で接種可能に

2021年6月15日(火)配信

新型コロナウイルスのワクチン(写真はイメージ)

 エアトリ(柴田裕亮社長兼CFO)は6月から、アメリカでの新型コロナウイルスのワクチン接種サポートツアーを売り出した。一早くワクチン接種を希望する人向けに、アメリカのロサンゼルス、ニューヨーク、ラスベガスの3都市でワクチン接種が可能なサポートツアーを始めた。

 ロサンゼルスのツアーの場合、1回のワクチン接種型となるジョンソン&ジョンソン製のワクチンを接種する。ワクチン接種予約の代行、接種会場への送迎付きのほか、日本語係員による空港~ホテル間の往復専用車送迎や、滞在中は24時間対応の日本語サポートダイヤルを用意する。また、滞在ホテルでの日本入国用のPCR検査と陰性証明書も料金に含まれる。

 料金は1人参加時でロサンゼルスが39万8000円、ニューヨークが47万円、ラスベガスが5万8800円。なお、ラスベガスは3泊の宿泊料と滞在ホテルで行わないPCR検査の料金は含まれない。往復航空券は別途必要。

名門大洋フェリー フェリーきょうと就航 12月大阪―新門司間で

2021年6月15日(火) 配信

5月13日に命名・進水式を実施した

 大阪南港―北九州・新門司港間でフェリーを運航する名門大洋フェリー(野口恭広社長、大阪府大阪市)は5月13日、三菱重工業・下関造船所で建造中の新造船「フェリーきょうと」の命名・進水式を開いた。

 「フェリーきょうと」は、同社が2002年から運航する「フェリーきょうとⅡ」の代替船となるもので、今後、艤装工事や試運転などを行い、今年12月中旬、同航路に就航する予定。

 新造船は、全長195㍍、全幅27・8㍍、総トン数約1万5400㌧と、同社としては歴代最大の船となる。旅客定員は675人。車輌はトラック(12㍍換算)が「フェリーきょうとⅡ」の約1・5倍となる約162台、乗用車は約140台を積載することができる。

 船内デザインでは、日本の情緒を感じさせる「古都のたたずまい」をコンセプトにした。船体の大型化に伴い、広々とした公共スペースや開放感のある展望レストラン、展望浴室、展望ラウンジなどを備える。

 また、個人客のニーズに合わせ、シングルルームとツインルームを増設し、トイレ・シャワー付きのツインルームを新設。ファミリー向けの授乳室やキッズルーム、女性向けのパウダールームも新たに設けた。客室は、すべて抗ウイルス・抗菌加工を施すほか、カーペット敷きの大部屋を廃止し、ベッド化した。

 このほか、旅客甲板に乗用車積載スペースを確保。電気自動車用の充電器を設置し、エレベーターを2基備えるなど、随所で利便性の向上がはかられている。