極上の茶と文化 五感で楽しむイベント 宇治市

2023年9月20日(水) 配信

3種類のプランを用意

 宇治市観光協会(京都府宇治市)は10月18日(水)~21日(土)まで、世界遺産「平等院」をはじめとする、地元の有形・無形の文化を、国内でも有数の高級茶として知られる「宇治茶」とともに五感で楽しむ体験イベント「KYOTO PREMIUM EXPERIENCES」を実施する。

 体験イベントは3種類を用意。「プレミアムプラン」は、平等院にて最上級の文化体験と共に、最高品質のお茶と京都・宇治の食のマリアージュを楽しむプレミアムティーダイニングを提供する。

 通常は非公開となっている「養林庵書院」や国宝「鳳凰堂」の内部を、住職の解説付きで参拝。多数の国宝を収蔵・展示する「ミュージアム鳳翔館」も住職の解説付きで見学する。さらに、雅楽の生演奏とともに、ライトアップされた鳳凰堂を庭園から拝観する。

 その後、特別に用意された茶懐石を堪能し、最後は厳選された高級茶葉を使用した抹茶を野点で味わう。定員は各日20人。料金は1人8万円(税込)。

 「ラグジュアリープラン」は、雅楽の生演奏とともに、ライトアップされた鳳凰堂を庭園から拝観する。「ミュージアム鳳翔館」の見学も可能だ。定員は各日合計760人(各日2部制)。料金は1人3000円。

 また、各日40人限定で、上記内容に加え、平等院への優先入場や、中村藤本店平等院店での最高級呈茶体験がセットになったプランもある。料金は同6000円。

 「ティーマスタープラン」は黄檗山萬福寺で10月21日のみ実施。同寺を拝観し、通常非公開の重要文化財エリアにて、茶商による呈茶体験を楽しむ。定員は88人。料金は1人3000円。

 さらに、40人限定で、呈茶体験に加え、萬福寺の精進料理「普茶料理」を味わうプランもある。料金は1人1万2000円。

 いずれのプランも、英語対応可能なスタッフを配置しており、外国人観光客も参加可能だ。

【特集No.643】㈱全旅 創立50年迎え  会員に寄り添う第2創業期へ

2023年9月20日(水) 配信

 株式会社全旅(中間幹夫社長)は2023年4月、創業50周年を迎えた。バブル崩壊や東日本大震災、新型コロナウイルスの拡大など、さまざまな困難を乗り越えてきた旅行会社に感謝しながら、中間社長は次の50年を「第2の創業期」として位置づける。具体的には、同社を利用する会員の声により寄り添いながら、デジタル化や、地方創生、訪日観光客の受入強化など支援し、会員のさらなる発展に貢献していく姿勢を示す。

【聞き手=本紙社長・石井 貞德、構成=木下 裕斗】

 ――㈱全旅の歴史を教えてください。

 1973年4月、全国旅行業協会(ANTA)の事務受託会社として設立しました。76年にはANTAが、当社の主力事業全旅クーポン会の前身となる全旅協クーポン会を設立。当社が事務局を担いました。

 全旅クーポンは、旅行事業者が旅行客のために手配する、各施設への利用料金を包括して後払いが可能なため、精算業務の負担を軽減できます。

 旅行会社は予約と同時に精算を行うので、受入施設は旅行会社からの未入金や振り込みの遅れへの対応を省けるだけでなく、安心感を与えることも大きなメリットをとなっています。

 全旅クーポンは2023年6月末現在、約3千社の送客会員に利用いただいています。このうち、ANTA会員は約2750社、日本旅行業協会(JATA)の会員は150社ほど。一方、受入施設は約1万1000軒に加盟していただいています。

 さらに、当社ではキャッシュレス決済のシステムを提供しているペイメント事業のほか、会員が造成した着地型旅行商品や、地域の特産品をWebで一般消費者向けに販売する「GOORBY(ゴービー)」の運営、ホームページを制作するIT事業、ホールセラー商品を会員が販売できるように、手配する旅行事業なども展開しています。

 ――旅行業界は多発する自然災害などに加え、コロナ禍で大きな影響を受けています。

 旅行業界はコロナ禍で、絶望の淵に追い込まれました。これまでも、リーマン・ショックや東日本大震災などの影響を大きく受けてきました。

 しかし、会員の皆様はその都度立ち上がって、会社を維持してきました。私自身、鹿児島県で経営する旅行会社の事業継続に苦労した身としても、大変敬服しています。

 ㈱全旅が50年間、事業を継続できたのは、会員の皆様のお陰だと思っています。

 コーポレートロゴには「支え合いともに未来へ」と併記しています。我われが会員を支え、会員から当社のサービスの利用によって支えてもらう「支え合いの精神」で未来へ挑んでいき、互いに成長することを目指し、事業を展開してきました。

 さらに、会員の悩みや意見を聞き、事業展開や事業内容に反映させることを徹底してきました。

 私が㈱全旅社長に就任した15年ごろは、会員から「社長を出せ」など、ひどいクレームを頻繁に受けるような会社でした。今では、そのような苦情は極端に少ない状況を保っています。社員も会員の支援に邁進している成果でもあります。

 こうした結果、22年度の全旅クーポンの売上高は、……

【全文は、本紙1913号または9月27日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

最上峡社長・鈴木氏が県産業賞 山形県産業の発展に貢献

2023年9月20日(水) 配信

鈴木富士雄氏

 山形県の産業界と行政の代表者らでつくる同県産業賞委員会(委員長=吉村美栄子知事)は9月1日、今年度の「山形県産業賞」を最上峡芭蕉ライン観光(戸沢村)社長の鈴木富士雄氏ら、2個人2団体に贈ることを決めた。贈呈式は11月11日、山形市内で行われる。

 同賞は、県内で産業の発展に貢献し、顕著な功績を挙げた個人・団体を、年に1度顕彰するもの。1972(昭和47)年度に創設され、これまで108人、69団体に贈られている。

 鈴木氏は最上峡芭蕉ライン観光および最上川交通の社長として、最上地区の観光物産業界、交通業界の中核的な役割を担い、全県の観光物産や、交通業界の振興に貢献した。山形DC(2014年開催)やインバウンド誘致における尽力、「プロが選ぶ水上観光船30選」(旅行新聞新社主催)で過去6回開催中、4回1位に選ばれるなどの快挙が認められた。

 鈴木氏は「(受賞は)舟下りスタッフの現場力のたまもの。今後も高付加価値商品の提案などを通じて、山形県の観光を盛り上げていきたい」という。

東急×西鉄ホテルズ 定額宿泊サービスで提携 オフピーク送客に強み

2023年9月20日(水) 配信

ツギツギの川元一峰代表(左)と西鉄ホテルズの加藤正幸副社長

 東急(堀江正博社長、東京都渋谷区)と西鉄ホテルズ(豊福辰也社長、福岡県福岡市)は9月7日、定額料金で宿泊施設を利用できるサービスに関する業務提携を福岡市内のホテルで発表した。

 東急が運営する、定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」は、会員登録した個人、法人向けに北海道から沖縄までのホテル・旅館など、期間内自由に宿泊できるプランを販売しており、西鉄ホテルズの18施設が加わり、宿泊対象施設が全国127に拡大した。

定額料金で宿泊できる西鉄グランドホテルの客室

 ツギツギは、東急の社内ベンチャー事業として、2021年4月から実証実験を開始し、今年5月から正式事業化した。会員数は現在3万人で、年2万人ペースで拡大し、27年度に10万人を目指す。宿泊施設数も1千施設に拡大予定だ。

 新型コロナウイルスの影響などで、ライフスタイルは多様化し、観光を兼ねたリモートワークやホテルステイ、複数拠点での生活など、日常の延長としての宿泊需要は拡大している。

 一方、宿泊業界では低価格化による稼働優先から、客室の平均販売単価の引き上げや、1室当たりの収益向上など課題を抱える。

 同社では、「オフピーク送客」を最大の強みに、日から木の平日宿泊割合を高め、予約リードタイムを短かくして、直前期送客を打ち出す。

 個人向け宿泊プランは、30日間で2泊(2万3980円)、5泊(5万5800円)など4種類を販売。同伴者1人無料やAIコンシェルジュ対応、ピーチ航空券の回数無制限の割引クーポン付与など特典もつく。

 西鉄ホテルズの加藤正幸副社長は「ビジネス利用の取り込みと、オフピーク送客で補完したい」と期待を述べた。

【有島 誠】

月刊「旅行読売」リニューアル1周年 ロゴ刷新やプレゼントCPも

2023年9月19日(火)配信

新しいロゴデザイン

 旅行読売出版社(坂元隆社長、東京都中央区)が発刊する月刊「旅行読売」は、11月号(9月28日発売)でリニューアルから1年を迎える。これを記念して、会社のロゴデザインを刷新するとともに、リニューアル1周年記念のプレゼントキャンペーンを9月28日(木)~10月27日(金)まで実施する。

 同社の新しいロゴデザインは、明るく爽やかなグリーンの扉を背景に、「+」をあしらった「旅」の文字を中心に据え、旅行ジャーナリズムで挑戦を続ける会社の姿勢を示したもの。会社名もスタイリッシュな書体に一新した。

 プレゼントCPでは、神奈川・小涌谷温泉「箱根ホテル小涌園」の宿泊券2組4人、カタログギフト「47CLUBリンベル〈路〉」10人、同社ロゴ入りオリジナルエコバッグ50人などが抽選で当たる。応募方法はWebまたはハガキから。

 あわせて、9月28日(木)~11月30日(水)までに新規・継続申し込みを行った定期購読者を対象に、QUOカード(1000円分)が抽選で100人当たる定期購読CPも実施する。

成田空港活用協議会、高校生に体験型教室開催へ 人手不足で「空港の仕事へ関心を」

2023年9月19日(火) 配信

体験型航空教室のチラシ

 航空業界で人手が不足するなか、高校生に空港のさまざまな仕事への関心を持ってもらおうと、成田空港活用協議会は11月4日(土)と11日(土)、グリーンポート・エージェンシー(GPA)、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)と協力し、体験型航空教室を開く。

 このうち、4日(土)は、制限エリア内をバスで巡りながら、グランドハンリングの業務について紹介。その後、アナウンス体験やANAグループのスタッフとの座談会を実施する。11日(土)はグランドハンリングの業務紹介をはじめ、出発機のお見送り体験や整備工場の見学などを行い、JALグループのスタッフとの座談会を開く。募集人数は各日80人。

 同協議会は「将来の就職活動にもつながる貴重な経験となるため、普段空港になじみのない人も、応募してほしい」と呼び掛けている。

せとうちバイクフェスタ2023in与島 10月29日(日)に開催

2023年9月19日(火) 配信

せとうちバイクフェスタ2023in与島 イベントチラシ

 本州四国連絡高速道路(JB本四高速、後藤政郎社長、兵庫県神戸市)は10月29日(日)、瀬戸中央自動車道と与島パーキングエリアの第2駐車場で「せとうちバイクフェスタ2023in与島」を開く。バイク試乗会や体験イベント、香川県交通機動隊による白バイのデモンストレーションなどを用意した。

 ステージイベントでは、綾歌火天狗太鼓保存会による太鼓の演奏や、高校生ギタリスト・シンガーの馬場美夕氏によるライブ、インフルエンサーのRuriko氏とキャンパーライダー・モデルのカナイメグ氏によるトークイベントなどを予定している。

 ブースエリアでは、香川県や坂出市、NEXCO西日本、JB本四高速の観光PRブースのほか、飲食ブースを設ける。

 同イベントは、10月29日(日)の午前9時~午後4時まで。入場無料。

ANAグループが「こどもまんなか応援サポーター」宣言

2023年9月19日(火) 配信

片野坂社長と(右から3人目)と小倉將信前内閣府特命担当大臣(中央)

 ANAホールディングス(片野坂真哉社長)は9月19日(火)の「育休を考える日」に、「こどもまんなか応援サポーター」となることを宣言した。明るい未来ある社会づくりや、子連れ客も安心して利用できるサービスの提供、社員が働きやすい環境の整備を進めていく。

 同社は将来を担う子供たちが健やかで、幸せに成長できる社会の実現に向け、こども家庭庁が掲げる「こどもまんなか宣言」の趣旨に賛同。9月7日には、小倉將信前内閣府特命担当大臣と片野坂社長が「男性の育児参画・少子化・ジェンダーギャップ」に関する対談を行った。このようすは社員にもオンラインで配信し、ANAグループ全体で育児や育休について考える機会を創出した。

 同グループでは、空港や機内のサービスとしてベビーカー貸出や事前改札サービス、搭乗支援教室、見学ツアーなど小さい子連れ客への対応を行っている。また、社員の働く環境づくりとして、多様なライフプランや働き方を支援する制度の拡充や企業内保育園、家族が楽しめる「ANAグループ感謝祭」の開催などを実施している。 

 今後は「こどもまんなか応援サポーター」として、社会、顧客、社員のためのさらなる取り組みの充実と機運醸成に努めていくという。なお、同サポーターとは子供たちのために何がもっともよいことかを常に考え、「こどもまんなか宣言」に賛同し、自らもアクションに取り組んでいる個人、企業・団体、自治体のこと。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(152)お客様を知りたい想いから接客は生まれる 「こなす」よりも「知る」

2023年9月18日(月) 配信

 

 初めて訪れた東京のレストランで、テーブル担当スタッフに「あちらのビル群が丸の内ですか」と尋ねました。「そうです。あの高いビルが○○です。その横にある青い光のビルが○○です。高いビルの間にあるのは、東京駅です」。そのときの会話は、大きな感動の時間になりました。

 目を凝らすと、間違いなく東京駅が見えました。皇居の暗い樹々の向こうに、オレンジ色の光に照らされた東京駅を見つけたときの感動は、忘れることができません。私がそれほど感動した理由は、東京駅を設計した辰野金吾氏が書いた「東京、はじまる」という小説を、読み終えたばかりだったこともあります。

 また、東京駅に隣接する東京ステーションホテルは、私の大好きなホテルのひとつです。最近は宿泊する機会も減っていますが、打ち合わせで利用するときは、スタッフがいつも素敵な笑顔で迎えて、気に掛けてくれます。本当に感謝しかありません。東京駅を眺めながら、ホテルスタッフの笑顔が目に浮かび、思わず感動の声を上げてしまいました。

 そのレストランでは、私が到着してからのスタッフの落ち着いた接客が、カッコよくスマートで、店の威厳と格式を感じさせました。そうした雰囲気は、食事機会の内容やご一緒する人たちに、好まれて使われるレストランだろうと想像できます。フレンドリーな雰囲気が好きな私には、正直、ここは合わない店だと感じていたのですが、スタッフとの会話で、一瞬にして心を掴まれたのです。

 これまで、「これが私たちの流儀」とばかりにその店のやり方を押し付けるような接客も経験してきました。今回は初めての利用なので、店側は私のことを知りません。初めは迎え入れから飲み物のオーダーなど、雰囲気から探るように接客が始められました。

 気軽に質問をするような雰囲気を持っていない店だと思っていたのです。しかし、何気なく顔を上げて店内全体に目をやった時、担当スタッフと目が合ったのです。

 そして「今すぐに伺います」といったように笑顔で手を上げて、テーブルにやって来てくれたのです。そして「いかがなさいましたか」と、初めの感じとは少し違った、フレンドリーな笑顔で声を掛けてくれました。私を見ていてくれたといううれしさを感じて、これが冒頭の会話へつながっていったのです。

 接客する人にとっては、初めてのお客様とは怖いものです。苦情がこないように教えられた接客を、上手くこなすことに思考が行きがちです。しかし、そのレストランスタッフはそれ以上に私を知ろうと考えて、私に注意を向けてくれたのです。お客様を知りたいと興味を持つことが接客の第一歩なのです。

 
 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「提言!これからの日本観光」 “ヘッドマーク”

2023年9月17(日) 配信 

 JRの前身旧国鉄(日本国有鉄道)では1978(昭和53)年から、全特急急行列車の前頭部に場合によっては列車後尾にその列車の種別と沿線の景観などを象徴するイラスト入りの“ヘッドマーク”を掲げることとなった。このマークは好評で当時、缶ビールやネクタイ、風呂敷などのデザインにも導入され、ちょっとしたヘッドマークブームを巻き起こしたことを当時の国鉄の担当者として懐かしく思い出す。

 一方、千葉県に「いすみ鉄道」という第3セクター経営の鉄道(旧国鉄木原線)がある。この会社は社長を公募し、そのアイデアを活かしたユニークな誘客をすることで知られている。

 最近就任した古竹孝一氏は、四国のタクシー会社の社長を務めた知見を活かし、かつて四国の旧国鉄(現JR四国)の急行列車前頭部の“ヘッドマーク”が好評だったことを思い出し、JR四国との相互送客などの連携を始めたのを機に、四国から800㌔離れた房総のいすみ鉄道の大原~上総中野間で路線に急行「四国」号と銘打った観光列車の運行を始めた。四国からの観光客誘致も目指して話題となっている。

 この列車の前頭部に、かつてJR四国各線に使用した丸形の“ヘッドマーク”を掲げて運行したので、多くの“撮り鉄”の方々が訪れた由である。鉄道会社が提携して、それぞれの沿線の方々を相互に送客することは珍しいことではなく、観光路線ではその例も多い。

 しかし、それを象徴する方法としてそれぞれのヘッドマークを借用・交換し列車名もそれに因んだものとしたのは初めての試みで、多くの“撮り鉄”の方々の関心の的となったり、実際このマークは観光客の誘致にも効果があったことが報告されている。
 鉄道車両は車両に詳しい“鉄道マニア”の方々はともかく、一般のお客様にとっては移動の手段に過ぎず、車両の型式や塗色などにも関心を持つ方は少ない。

 しかし“ヘッドマーク”を付けたため、写真撮影の対象となり、旅の思い出が残せること、また列車の性格が明示できるため、案内面での効果も大きく、最近の観光列車はほとんど何らかの“ヘッドマーク”を取り付けている。また、鉄道会社が交換して施策を展開したり、協力して誘客したりする場合の象徴ともなるなどマークの果たす役割も大きい。

 近年整備された特急列車などの“ヘッドマーク”は、案内効果のほかに優れたデザインを得た場合、大きい宣伝効果もあることが分かり、急速にほとんどの優等列車に普及した。

 ちなみに列車のイラスト入りの“ヘッドマーク”の始まりは昭和初期の旧国鉄東京~下関間の特急“富士”で当初はイラスト入りのテールマークのみであったが、戦後の49(昭和24)年ごろの復活後、間もなく機関車にも“ヘッドマーク”を取り付けたのが始まりで、これから数えても既に70年の歴史を持つに至っている。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏