世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」をオンラインで デジタルヘリテージセンター公開 メタバース利用した交流も

2024年5月27日(月)配信

メタバースコミュニティワールド入口

 岐阜県白川村と富山県南砺市は2024年5月27日、世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の魅力をオンライン上で体験できる「デジタルヘリテージセンター」を公開した。世界遺産としての価値や歴史、産業などの情報を集約するとともに、インターネット上の仮想空間「メタバース」を利用した交流体験も提供する。

 「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は95年にユネスコ世界文化遺産に登録されたが、これまで現地に価値や情報を発信する世界遺産センター機能がなく、待望の開設となった。「疑似的に博物館を訪れた体験を提供したい」(白川村)という。

 目玉のメタバースコンテンツは、NTTコミュニケーションズが技術支援を行い、Relic(北嶋貴朗社長、東京都渋谷区)が提供する「MetaMe(メタミー)」を採用した。仮想空間で分身キャラクター「アバター」を操作し、白川郷荻町をモデルにした合掌集落内の散策や、音声通話・チャットを利用した他の参加者とのコミュニケーションを楽しめる。教育旅行の事前・事後学習、リアルイベントを行う前に主催者・参加者が交流する場としての活用を視野に入れている。

 このほか閲覧コンテンツでは、白川郷・五箇山の歴史的な成り立ちや合掌造りが生み出された産業的な背景、合掌造りの構造や白川郷と五箇山の違いなどにスポットをあて、その魅力を紹介している。

ハイアットが温泉旅館事業に参入 2026年以降に由布・屋久島・箱根で開業目指す

2024年5月27日(月) 配信

(左から)Atona執行役員COO渡部賢氏、KirakuCEO・Atona共同代表サンドバーグ弘ウィリアム氏、ハイアットアジアパシフィックグループプレジデント デービッド・ユデル氏、同成長戦略・オペレーション担当プレジデント スティーブン・ホー氏、日本ハイアット社長・Atona共同代表坂村政彦氏

 ハイアットが温泉旅館事業参入へ――。ハイアットホテルズコーポレーション(マーク・ポプラメジアン社長兼最高経営責任者、米国イリノイ州)は5月27日(月)、2026年度以降に同社初となるラグジュアリー温泉旅館ブランド「吾汝 ATONA」の開業を目指すと発表した。同社関連企業とKiraku(サンドバーグ弘ウィリアム代表取締役CEO=Atona共同代表、京都府京都市)の合弁事業で、両社が設立したAtonaが運営を手掛ける。施設は第1号店として、由布(大分県)、屋久島(鹿児島県)、箱根(神奈川県)にオープンする計画だ。

 同日に開いた会見で、日本ハイアット社長でAtona共同代表の坂村政彦氏は同社はラグジュアリー市場のリーダーであると前置きしたうえで、「外資系ホテルチェーンが手掛けてこなかった旅館というユニークな宿泊施設で、革新的なホスピタリティのスタンダードを作っていきたい」と意気込んだ。「Atonaのブランドをアジアのリゾートの中核に、また将来的には同社の世界のポートフォリオのなかで需要なブランドに育てていきたい」と展望した。

 旅館事業参入には昨今の日本人気や、観光地の地方分散化、オーバーツーリズム対策などすべてが後押しになっているとし、「Atonaを通して、まだ知られていない日本の魅力や旅館の滞在体験を世界中のお客様に知っていただくきっかけにしたい。日本の美しき旅館文化とハイアットの持つ現代的な心地よさ融合させていく」と語った。

 運営会社、Atona執行役員COOの渡部賢氏はメインターゲットを「国内外の世界中を旅する旅慣れたグローバルトラベラー」とし、彼らが求めているその土地やその瞬間でしか味わえない体験を「和の心」で提供してもてなすという。今回のプロジェクトにあたっては、開発段階から運営チームが関わっていることが特徴とし、「実際に現場で運営する我われが開発の初期段階から強く関与することで、施設環境が整い、心地よい空間を作り上げられる」とした。

 2026年以降の開業を目指す施設は、1施設当たり30~50室のスモールラグジュアリーで、温泉やダイニング、ウェルネス、文化体験などを提供する。客室単価は10万円代前半の想定。2024年5月に同ブランドに特化した旅館の開発・改修案件へ集中投資を行う不動産ファンドを約100億円でファーストクローズした。出資者はKirakuとハイアットの関連会社、竹中工務店。今後は全国複数の温泉地で展開を検討しており、最終的なファンドの目標額は200億円を掲げる。

神戸空港ーUSJ直結バス、神戸ベイシェラトン経由で運行開始(みなと観光バス)

2024年5月27日(月) 配信

ホテル玄関前でウッディとウィニーが初便を見送り

 みなと観光バス(松本浩之社長、兵庫県神戸市)は5月24日(金)、神戸空港とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪府大阪市)を直行で結ぶリムジンバスの運行を始めた。途中、神戸・六甲アイランドにある神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズに停車する。

 空港とUSJを約50分で結ぶ。空港―ホテル、ホテル―USJはそれぞれ同25分。空港発ホテル経由USJ行きを1日11便、USJ発空港行き同8便、ホテル発空港行き同14便、USJ発ホテル行き同1便をそれぞれ設定した。

 料金は空港―USJが大人900円、子供450円。空港―ホテルが大人500円、子供250円。ホテル―USJが大人700円、子供350円。

 運行開始日に同ホテルで記者発表会とテープカットセレモニーが行われ、同社の松本社長と同ホテルの木下学社長、関西エアポート神戸の山谷佳之社長、神戸観光局の中西理香子専務理事、ユー・エス・ジェイの金澤亮シニアヴァイスプレジデントが出席した。

 松本社長は「神戸空港の2025年国際チャーター便の就航、30年ごろの完全国際化を見据え、空港から2次交通として安全安心の運行を行っていく。神戸の観光を盛り上げていきたい」と話し、バスの利用については国内客7~8割、海外客2~3割を想定しているとした。6月中旬には車内にクレジットカードのタッチ決済を導入するという。

みなと観光バスの松本浩之社長

 神戸市内唯一のUSJパートナーホテルである同ホテルの木下社長は「開業以来、ファミリーに優しいホテルとしての役割を担ってきた。今回USJとさらに結びつきが強くなったことで、ファミリールームの拡充を計画している。バスを利用すれば快適に座って、大きな荷物はホテルに置いてパークに直行できる。空港からUSJ、ホテル、神戸の街を観光するという流れをつくっていきたい」と意気込みを述べた。

神戸ベイシェラトンホテル&タワーズの木下学社長

 テープカットにはUSJキャラクター、ウッディ・ウッドペッカーとウィニーが登場し、初便運行開始を華やかに盛り上げた。

川口駅東口案内所を移転してリニューアル 国際興業バス

2024年5月27日(月) 配信

川口駅東口案内所 外観

 国際興業(南正人社長、東京都中央区)は5月21日(火)、「国際興業バス川口駅東口案内所」を移転し、リニューアルオープンした。これまで川口駅東口地下駐輪場内で営業してきたが、今回、川口駅東口第三工区再開発ビル(旧そごう川口店)の1階に移転した。

 1970年から約53年、地下で営業してきたが、利便性を考えて地上での営業に切り替えた。リニューアルに伴い、従来の定期券販売などのほかに「国際興業バスまつり」で好評だった、国際興業バスグッズやガチャガチャ設置によるオリジナルキーホルダーの販売を行っている。

 案内所内には、1976年当時の川口駅東口周辺のようすを記録した写真も展示。同社は「ぜひこの機会に川口駅東口案内所にお立ち寄りください」と呼び掛けている。

「飛鳥Ⅱ」最後の世界一周クルーズ103日間 6月14日(金)午前10時30分販売スタート

2024年5月27日(月) 配信

 郵船クルーズ(遠藤弘之社長、神奈川県横浜市)は、同社が運航する客船「飛鳥Ⅱ」(5万444 ㌧)による「2025年世界一周クルーズ」の実施を発表した。

 飛鳥クルーズ通算24回目となる「2025年世界一周クルーズ」は、「飛鳥Ⅱ」での最後の世界一周クルーズとなり、今後は25年就航予定の「飛鳥Ⅲ」へと 引き継がれる。

 同クルーズは3月31日に横浜、4月1日に 神戸を出港。シンガポールからインド洋を横断して、アフリカ大陸・喜望峰を回り、アフリカ、ヨーロッパ、大西洋を渡って、北米、カリブ海、中南米、そして太平洋を経て、7月11日に横浜、翌12日に神戸に帰港する横浜発着、神戸発着各103日間の日程。

  「南北を大きく移動し雄大な自然と魅力的な歴史、豊かな文化に出会える壮大な航路」(郵船クルーズ)で、人気の寄港地や初寄港地を含め12カ国18港を巡る。

 ケープタウン(南アフリカ)、ルーアン(フランス)、ニューヨーク(米国)、ホノルル(米国)での1泊停泊や、初寄港地のマサトラン(メキシコ)も含まれ、フランス・セーヌ川クルーズや自由の女神像、パナマ運河など船上からの絶景を堪能できる。

 さらに、「飛鳥Ⅱ」を離れ、陸路や空路で世界の見どころを訪れる充実のランドツアー(定員制・別料金)も設定する。「世界三大瀑布と称されるビクトリアフォールズ、ナイアガラの滝、イグアスの滝を訪れるランド ツアーは、滝の迫力を間近に感じることができる絶好の機会」(同社)。 

 このほか、スイスの名峰やペルーのマチュピチュ、アイスランド・グリーンランドをはじめとした世界遺産を訪れるランドツアーなど多彩なコースを予定している。

 航海中は、ヴァイオリニストの千住真理子さんをはじめ、実力派エンターテイナーによる華麗なステージ、知的好奇心を刺激する講座、寄港地にちなんだイベントを豊富に用意。また、「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」 のオーナーシェフ・落合務氏によるスペシャルディナーや、各地域の料理が並ぶプールサイドでのデッキディナーなど、バラエティ豊かなお食事も楽しめる。

 「103 日間の航海を彩る充実したエンターテインメントや美食の数々は、多くのお客様と世界一周クルーズを行ってきた「飛鳥Ⅱ」だからこそできる特別な体験」(同社)とアピールする。  

 旅行代金は「ワールド特別旅行代金」「早期全額支払旅行代金」と、早めの予約がお得なプランを設定。販売は、6月14日(金)午前10時30分からスタート。スケジュールの詳細は飛鳥クルーズホームページ(https://www.asukacruise.co.jp/ ) 参照。

ハッピーターントレインの運行を開始 亀田製菓×京急「幸せ運ぶ黄色い電車」

2024年5月27日(月) 配信

5月29日の「幸福の日」にちなむ

 亀田製菓(髙木政紀社長COO、新潟県新潟市)は5月27日(月)から、京浜急行電鉄(川俣幸宏社長、神奈川県横浜市)の電車をハッピーターン仕様にジャックしたフルラッピング車両「ハッピーターントレイン」の運行を開始した。ジャックするのは“HAPPYになる電車”がコンセプトの「京急イエローハッピートレイン」。5月29日の「幸福の日」にちなんで実施する。

 亀田製菓のハッピーターンは1976年、第1次オイルショックの影響で不景気のなか、「幸せ(ハッピー)がお客様に戻って来る(ターン)ように」という願いを込めて誕生した。一方、京急の「京急イエローハッピートレイン」は2014年から「沿線に幸せを運ぶ電車」として運行を開始し、「幸せの黄色い電車」と呼ばれている。この両社の「お客様を幸せにしたい」という想いが一致していることから、今回ハッピートレインの運行を行うことになった。

「ハッピーターントレイン」内装ラッピングのようす

 外装は「ハッピーターン」と「ハッピーターンスパイス」の商品パッケージや、マスコットキャラクターの「ターン王子」のデザインなどを装飾した。内装は、SNSで実施した「ハッピーみーっけ!キャンペーン」で募集した何気ない日常のハッピーエピソードを採用。さらに、「巨大ハッピーターン」の中吊り広告を掲出するなど、幸せな世界観に包まれるよう意識したという。

 ハッピートレインの運行は8月18日(日)まで。運行エリアは大師線を除く京急線~都心方面で浅草線と京成線、北総線に乗り入れる。

電子書籍「町田観光ガイドブック」発行 ペーパーバックで印刷も可能

2024年5月26日(日) 配信

町田観光ガイドブック

 町田市観光コンベンション協会(清水行雄会長、東京都町田市)はこのほど、2011年に発行し、増刷も重ねた人気のガイドブック「町田観光ガイドブック」を改版し、電子書籍として発行、さらにペーパーバック版の販売も始めた。

 同書は、町田市内を16のテーマとエリアに分けて、地図とおすすめスポット、コラムなどで紹介している。

 改版にあたっては、10年の間にオープンした町田薬師池公園四季彩の杜西園や、南町田グランベリーパークなど新たな観光スポットをはじめ、ショッピングや食事ができる施設の情報、文化やスポーツなど、既存本にはなかったコンテンツを追加した。

 「あえて散策ルートは入れず、スポットを巡る数や順番は自由。四季ごとに見える景色も変わるので、自分でコースを作って、何度でも巡って楽しんでいただける1冊」(同コンベンション協会)としている。

 カラー144㌻、amazon.co.jpで販売。電子書籍1800円、ペーパーバック版2200円(仕上がりA5判)。

六本木ヒルズで「花とゆめ」展を開催中 創刊50周年記念で作家74人の原画200点集結

2024年5月25日(土) 配信

アニバーサリーケーキタワー

 名作から連載中の作品のマンガ原画が一同に会する展覧会「創刊50周年記念 花とゆめ展」が5月24日(金)から、東京・六本木ヒルズの東京シティビューで開かれている。白泉社、産経新聞社の主催。

 同展は「パーティー」をテーマに総勢74人の作家による約200点のマンガの原画が展示されている。開催を前に行ったトークショーで「花とゆめ」元編集長で現編集部長の高田英之氏は見どころについて、「歴代の名作の原画が一堂に集うのは今回が初めてでは。編集部ですでに見たことのある原稿のはずなのに、額装されると改めて生の原稿の持つ力ってすごい、と思わされる」と語った。

 また、現編集長の長谷川貴広氏は「みなさん本当に魂を込めて描かれているものばかり」とし、「普遍的な名作ばかりなので、自分が知らない時代の作品も読んでもらえたら」とアピールした。

展覧会会場内のようす

 会場のエントランスには歴代名作バナーとともに、巨大なアニバーサリーケーキタワーが配置され、キャラクターの等身大パネルやコミックスの表紙に入り込めるフォトスポットも用意する。

 作家や作品の知られざるエピソードを編集部員がこっそり語る「編集部の小窓」や、漫画家・草凪みずほ氏、福山リョウコ氏のデスクを再現したコーナーも設ける。展示室の最後には黄金の「パタリロ」像が鎮座し、名言満載の「パタリロ!おみくじ」を引くことができる。

 会期は6月30日(日)まで。開館時間は午前10時~午後10時まで。入館料は日時指定券で、平日は一般が2200円、土・日・祝日は2400円。

28年に「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産登録へ 全国推進協議会が初の総会開く

2024年5月24日(金) 配信

青柳正規会長

 昨年4月に設立した「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会」(会長=青柳正規・元文化庁長官、110会員)は5月24日(金)、東京都内で初の総会を開いた。2026年の国内候補決定、28年にユネスコ無形文化遺産登録を目指す。

 また、全国的な機運を高めるために25年の年初までに100万筆の署名を集め、賛同者の輪を広げていくことを確認した。

 青柳会長は「火山の国である我が国は、温泉という素晴らしい恵みをもたらされている。世界的にも日本の温泉文化ほど洗練され、充実しているものはないと思っている」と述べた。この完成度が高い温泉文化がユネスコ無形文化遺産に登録されるには、「全国からの支援が大変に重要。100万筆を上回る賛同者を得て、それを力に登録を目指していきたい」と意気込んだ。

(左から)全旅連・亀岡勇紀専務理事、日本旅館協会・大西雅之会長、山本一太群馬県知事、青柳正規会長、全旅連・井上善博会長、全旅連・塚島英太青年部長

 署名活動は、全国の旅館で宿泊客をターゲットに展開している。100万筆の署名が達成すると、内閣総理大臣にも要望する予定。

 現在、登録を応援する知事の会(会長=平井伸治・鳥取県知事)には37道県が参画し、登録推進議員連盟(衛藤征士郎会長)には自民党91人、公明党36人の計127人が参画している。

「温泉文化大使」100人任命へ

 さらに今年度は、影響力の大きい温泉関係団体のリーダーなどを「温泉文化大使」として100人を目途に任命していき、あらゆる場面で温泉文化の価値や魅力をPRしてもらう考えだ。

ロケツーリズム協議会、今年度初会合開く 「聖地巡礼の仕組み生む」

2024年5月24日(金) 配信

22の地域と56人の制作者などが集まった

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長、東京都港区)は5月23日(木)、渋谷キューズ(東京都渋谷区)で今年度初の会合を開いた。

 藤崎会長は「国内外に向けた聖地を増やしながら、聖地巡礼の仕組みが生まれるよう取り組んでいく」と今年度の抱負を述べた。

藤崎慎一会長

 会合では、22の地域と56人の制作者によるマッチング大会が開かれた。ロケ地を探す制作者と、地域の魅力的なロケ地候補をPRしたい受入担当者が意見を交換。岐阜県飛騨市の都竹淳也市長や静岡県下田市の松木正一郎市長など7人の首長も先頭に立ち、ロケを誘致した。

都竹淳也市長(写真中央)もロケを誘致した

 マッチング大会を終えて、松木市長は「下田は海で有名だが、制作者に街もあることを知ってもらえた。交流をはかることで、将来的な(ロケ誘致の)可能性も生まれるだろう」と感想を述べた。

 都竹市長は「観光誘客は制作者との関係を築くなかで効果が表れる。マッチング大会で魅力的な作品制作ための関係構築が、地域の発展につながると考えている」と話した。