ピンクリボンのお宿ネットワーク ― 観光と医療をつなげよう

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)の鼎談企画を、3月31日付のタブロイド版「第24回全国女将サミット2013福島特集」で紹介している。同ネットワーク副会長の池山紀之氏と、乳房再建の第一人者でもある市立四日市病院形成外科部長の武石明精氏、総合病院土浦協同病院の乳がん看護認定看護師の関知子氏が医療現場から観た観光業界への期待や課題について語っている。本紙4月21日号で、同鼎談を拡大版として紹介する予定だ。

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」は昨年7月に発足して1年にも満たないが、初年度事業として、昨年12月に会員施設の旅館・ホテルの情報を紹介した冊子を10万部作成した。現時点で会員施設や、全国の主要550病院、冊子を要望する個人の方々などに約5万部が配布されている。

 武石先生は、乳房を再建される患者さんに手渡しで冊子を差し上げている。乳がん患者さんは、「医療に関すること」以外の質問を病院の医師に相談しづらいなか、武石先生は旅館の情報が載っている冊子を自ら手渡している。現在の医療の役割が患者さんの傷や病気を治すことだけでなく、以前のように温泉旅行に行ったり、スポーツができるようになるまでの心身のケアの必要性、つまり、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)を重視する医師の信念によるものだ。武石先生の病院では冊子は「あっという間になくなってしまう」という。ネットワークの事務局を務める旅行新聞新社に「冊子をどんどん送ってほしい」と要望された。

 乳がん看護認定看護師の関氏は「患者さんへの退院指導の際に冊子を渡すようになって以来『本当に自分は温泉に行ってもいいんだな』と笑顔になる患者さんが増えた」と話す。「もっと、お宿のネットワークが広がるといいですね」と医療現場からの声を伝えていただいた。

 課題もある。ネットワークに加盟する宿は、経営者だけでなく、スタッフ全員が意識を共有することが大切である。

 ピンクリボンのお宿ネットワークは、全国の医師や看護師、医療関連企業とのつながりが強み。旅館単館での講習会や、温泉地が一体となったセミナーも可能である。観光業界と医療の現場との情報共有をもっと深めよう。

【編集長・増田 剛】

【3/30&31】千葉の富津で「アースディ」イベント開催 

 東京で、そして世界でおしゃれな環境イベントとして広まりつつあるアースディ。

千葉県富津市の金谷地区では、その趣旨を『鋸山(のこぎりやま)の保全』というテーマ一本に絞り、地域住民や企業と共同で地元密着した、そして継続できる(鋸山バウム基金も始まりました)地に足の着いたアースディを目指しています。

鋸山のエコガイド&コンサートツアー、害獣のイノシシのふるまいなどのイベントのほか、また、地域の恩恵というつながりで、海山の食育ライブキッチンや地元素材を使ったバウムクーヘンの野焼きなど、食の体験イベントも盛りだくさん。出展ブースもあります。

【名称】EARTH DAY KANAYA 2013
【場所】ザ・フィッシュ(千葉県富津市金谷2288)駐車場
    その他 鋸山百尺観音前など
【日時・時間】3月30日(土)・31日(日)11時~15時

詳しくはホームページをご覧ください。
ウェブサイト:http://www.thefish.co.jp/topics/earthday/index.html

経営基盤の改善を、経営フォーラムに300人(JATA)

JATA菊間会長
JATA菊間会長

 日本旅行業協会(JATA)は2月26日、東京都内のホテルで「JATA経営フォーラム2013」を開き、会員約300人が出席した。あいさつに立った菊間潤吾会長は「経営改革をしていかなければ観光での経済活性化の中核的な立場を担うことはできない」と旅行業の経営基盤の改善を強調した。

 菊間会長は「昨年、東北復興支援プロジェクトを実施し、会員など1千人で東北を周ったが、現地で感じたのは観光に対する多大な期待。応えるべき我われ旅行業はもっとしっかりとしなければならないと再認識した」とし、収益性の低さなどの問題に業界あげて取り組む必要性を訴えた。

 

 また、来賓の井手憲文観光庁長官は今回のフォーラムのテーマ「グローバル視点で強くなる!~新たな価値創造に向けて~」に触れ、「まさに今の旅行産業にとって重要なキーワード。観光庁としても、観光産業を強くするという視点が欠けていたと反省している」と語った。

大塚陸毅氏
大塚陸毅氏

 フォーラムは、東日本旅客鉄道(JR東日本)相談役で日本経済団体連合会副会長・観光委員長の大塚陸毅氏が「観光は物見遊山か」と題して特別講演。また、2007年以来の旅行業経営分析を日本交通公社観光文化事業部の黒須宏志主任研究員が行った。その後、4つのテーマ別に分科会を開いた。

 そのなかで、大塚氏は「産・官・学」の3面から観光を取り巻く現状の問題点を指摘。「産」は低い収益性や弱い経営力、産業としての誇りの欠如をあげ、「学」はグローバル化・地域性追求への遅れをあげた。さらに、予算が少ないことなど国家戦略の遅れも問題視した。大塚氏は「まだ観光は『物見遊山』と認識されている。観光立国といわれ10年が経つが存在感が薄く、成長産業として認知されていない」とし、「産官学が連携し、観光の持つポテンシャルを最大限発揮する必要がある」と語った。

 最後に、旅行産業に必要なこととして「意識改革」「新しい価値・需要の創造」「人材の育成」の3点を示し、「働く人が自覚と誇りを持ってほしい。利益率が低くても高くても『この仕事は重要な国家戦略だ』という強い意識を持ち、産業自体が外向きになる必要がある」と呼び掛けた。

旅フェア募集開始、11月8―10日、池袋で(日観振協)

 日本観光振興協会はこのほど、11月8―10日に東京・池袋サンシャインシティで「旅フェア日本2013」を開くことを発表し、出展の募集を開始した。

 昨年から「旅のアミューズメントパーク」をコンセプトに、参加型・交流型のプログラムを盛り込んだ。多くの来場者に「地域」や「旅」により深い興味を持ってもらい、国内旅行を楽しむきっかけを見つけてもらうことを目指す。

 全国各地の観光情報を提供するほか、ご当地キャラクターやアイドルなどのPRも行う。サテライト会場には、ふるさとアンテナショップや鉄道駅などが参加し、地域ならではの特産品を紹介。

 出展者がテーマを選んで出展する「テーマエリア」も設定。13年のテーマは「東北・北陸」「伝統工芸」「スポーツ アクティブ」「スキー・スノーボード」「家族旅行 温泉」「食」の6つ。同じコンセプトブースの集合体で、来場者への効果的なプロモーションを狙う。

 来場者やメディアに人気の高い「体験型ブース」の出展は、事務局がWebサイトやフェイスブックで優先的に情報発信を行うなど、さまざまな優遇がある。

 出展の申し込みは、8月9日まで。1コマあたり2万円の割引がある早期出展の申し込みは5月31日まで。出展予定数に達した場合、出展申し込み締め切り以前でも申込を締め切る場合あり。

 問い合わせ=旅フェア日本2013運営事務局(JTBコミュニケーションズ内) 電話:03(5434)8296。

新石垣空港が開港、国内外の誘客促進へ 、東京直行便も

空港の外観
空港の外観

2000メートルの滑走路
2000メートルの滑走路

 沖縄県・石垣島(石垣市)に3月7日、新石垣空港(愛称=南(ぱい)ぬ島空港)が開港した。

 石垣市の中心部から約15キロ北東に離れた島東部に新設された新空港は、旧空港より500メートル長い2千メートルの滑走路を備え、中型ジェット機の就航が可能になった。国際線ターミナルも備え、“日本最南端の国際空港”として、国内外からの誘客に力を入れる。

初便就航セレモニー(ANA)
初便就航セレモニー(ANA)

 開港当日、午前6時30分から行われた開港セレモニーで、中山義隆市長は「八重山郡民30年あまりの夢が実現した。新空港は2千メートルの滑走路を備え、中型ジェット機が就航でき、本土からの直行便増便が期待できる。観光や農林水産業に与えるインパクトは大きい」と述べ、開港を宣言。

 午前8時過ぎには、新空港到着第1便となった日本トランスオーシャン航空(JTA)のジンベエジェットが那覇から到着。消防車両による放水シャワーで歓迎を受けると、ターミナル内の旅行客や関係者から大きな拍手が沸き起こった。

 JTA、全日本空輸(ANA)の初便就航セレモニーもそれぞれ行われた。

 JTAの佐藤学社長は「待望の新空港が開港した。JTAは沖縄の翼として46年目に入った。これからも地元の皆様とともに歩んでいく航空会社であり続けたい」と話し、ANAの内薗幸一執行役員は「現在、名古屋中部と関西空港で直行便を就航しているが、3月31日から東京羽田の直行便も加える。ボーイング767の中型機を投入し、コンテナ輸送も使えることから、石垣牛や海産物などが東京に直送できるようになる」と話した。

 夜には、市内の新栄公園で開港記念イベントを実施。地元出身のミュージシャン、BEGINときいやま商店、夏川りみさんが参加し、開港PRソング「おかえり南ぬ島」などを熱唱。島民らが歌に合わせて踊り、開港を祝った。

 翌日8日には、新石垣空港のPR大使に就任したお笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史さんが空港に登場。岡村さんは「番組ロケで訪れてから石垣島の大ファン。毎年のように来ている。テレビなどで石垣島をPRしていきたい」と意気込んだ。

LCC利用者7%、ピーチは満足度9割に(じゃらんリサーチ)

 じゃらんリサーチセンターはこのほど、国内線のLCC(ローコストキャリア)に関する調査を実施。これによると、直近1年間の飛行機利用者(旅行、帰省)のうち、LCC利用者は7%だった。

 利用者の出現率は、男女ともに20代の若年層は1割を超え、男性20代は15%、女性20代は10%だった。居住地別の利用率は、LCC就航の最初のエリアである「関西」、次いで「九州・沖縄」の順で高かった。

 LCC各社の評価は、「ピーチ・アビエーション」が満足度9割でトップ。3社中、最下位の「エアアジア・ジャパン」も満足度は7割で、全体的に評価が高かった。

 ターゲット層に重なる「若者向け」イメージは「ピーチ・アビエーション」が36%と最も高く、認知率は76%で、LCC各社のなかでは一歩抜きにでた評価となった。

 利用者の今後のLCC利用意向は96%に達し、非利用者でも63%と高かった。男性20代は利用意向が9割以上。「ピーチ・アビエーション」が就航を予定している東北では、「積極的に利用したい」が34%、利用意向は86%と他エリアよりも高い結果となった。

 LCC利用者に「LCCがなければ何の交通機関を利用していたか」の問いには「既存の航空会社」との回答が68・9%、新幹線が12・1%、旅行・帰省しなかったが9・1%だった。また、「利用していた航空会社からLCCに乗り換えるようになった」は71%で、既存航空会社との競合が起きている。

 LCC利用で「得をした」との意識は高く、「浮いたお金」の7割(交通費を除く)を旅行市場で使う意向が推測され、「現地滞在の買い物や食事で少し贅沢した」が41%だった。

1・6%減の1億598人泊、12年10月―12月の宿泊旅行(観光庁)

 観光庁はこのほど、宿泊旅行統計調査(2012年10月―12月)の2012年第4四半期の調査結果(暫定値)をまとめた。当期の延べ宿泊者数は前年同期比1・6%減の1億598万人泊となった。このうち外国人は同6・1%増の595万人泊だった。外国人延べ宿泊数は、28都道府県で前年同期比よりは回復したが、前々年同期比の水準までに回復したのは、15都道府県に留まった。

 国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数の1位は台湾で、同28・9%増の91万人泊。2位は韓国で、同25・7%増の75万人泊。3位は米国で同7・3%増の59万人泊となり、上位3カ国・地域で全体の4割を占めた。また、伸び率はタイが同54・1%増、マレーシアが同51・0%増と大幅に拡大した。一方で、中国は同52・4%減だった。

 全国平均の客室稼働率は54・9%で、旅館が35・2%、リゾートホテルが48・8%、ビジネスホテル68・8%、シティホテルが73・7%、会社・団体の宿泊所が27・7%となった。同一施設における1人あたりの平均宿泊数は同0・7%減の1・30泊だった。 

一般日に商品販売、会場は展示棟に集約(JATA旅博)

ロゴマーク(英字)
ロゴマーク(英字)

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、9月12―15日に東京ビッグサイトで開く「JATA旅博2013」の概要を発表した。今年は、一般日に旅行商品を販売するエリア「トラベルバザール」を開設するほか、これまで会議棟と展示棟に分かれていた会場をすべて展示棟に集約する。

 今年度は、正式名称を「JATA国際観光フォーラム・旅博」から「JATA旅博」に改称。英語名もブランド浸透のため「TABIHAKU」を入れたものに変更した。

 開催テーマは「旅で示そう 日本の元気~Japan―Treasure Islands of Tourism and Opportunity~」。日本市場には旅が改めてさまざまな産業や地域に貢献することを示し、海外のパートナーには、日本は市場としてもデスティネーションとしても“宝島”だと訴える。

 プログラムは、国際観光フォーラムで「アジア旅行市場分析」を実施。東アジア地域の観光担当官らを呼び、アジア各国の状況などを報告する。同テーマは、次年度以降も定期開催する予定。

 展示はインバウンド商談会や日本ブースエリアをさらに拡充させ、海外旅行・訪日旅行・国内旅行の三位一体の旅行総合イベントへ発展させる。また、注目は募集型企画旅行の販売が可能な「トラベルバザール」。会員であれば、バザールのみの参加もでき、商品は国内・海外問わず扱うことが可能だ。

 このほか、今回は日本の学生を対象に、ポスターデザインを公募する。応募は4月5日まで。最優秀賞1点はポスター使用のほか、旅行券20万円を贈る。審査員特別賞は3点で旅行券3万円。応募方法や素材はホームページ(http://www.tabihaku.jp/2013/competition.php )から。

 3月5日に開いた会見でJATA旅博推進会議の古木康太郎委員長は、昨年からの違いなど今年の旅博のポイントを示すなかで、「前夜祭を企画している。12日に浜松町の増上寺で行うが、海外からの参加者にも日本の魅力を強調する」と語った。また、昨年12万5989人と過去最高の来場者数を記録したが、「今年は13万人を超えたい」と記録更新を目指すという。

旅館から地域を変える、若手経営者16人が白熱議論

次世代旅館経営者16人が登壇
次世代旅館経営者16人が登壇

 観光庁は3月13日、山形県・天童温泉のほほえみの宿滝の湯で、次世代を担う旅館・ホテルの若手経営者16人と、地域の旅行会社や交通事業者、物販店、土産物店、地元大学、自治体、観光協会などの代表者ら約100人が観光産業の未来について議論する「旅館と地域の明日を創るフリートーキング」を開いた。8つのグループに分かれ、宿での変革への取り組みを発表したり、地域を変えていくアイデアや思いをぶつけ合った。

本保芳明氏
本保芳明氏

 特別講演には初代観光庁長官で、首都大学東京教授の本保芳明氏が講演し、「地域に戻って中核となって活躍してほしい」とエールを送った。

 

 

 

 

 若手旅館・ホテル経営者16人は次の各氏。

 荒川信康(蟹御殿/佐賀県太良嶽温泉)▽井上裕士(ホテル八千代/愛媛県道後温泉)▽岩田一紀(有馬ロイヤルホテル/兵庫県有馬温泉)▽菅野豊臣(萩姫の湯栄楽館、ホテル華の湯/福島県磐梯熱海温泉)▽佐藤太一(日本の宿古窯/山形県かみのやま温泉)▽庄司丈彦(つかさや旅館/山形県湯田川温泉)▽須藤宏介(いきかえりの宿瀧波/山形県赤湯温泉)▽関谷寿宣(寿宝園/山形県小野川温泉)▽鴇田英将(亀山温泉ホテル・千葉県君津市)▽富井智子(松泉閣花月/新潟県越後湯沢温泉)▽原太一郎(流辿別邸観山聴月/宮城県青根温泉)▽星永重(藤龍館/福島県湯野上温泉)▽森田金清(月の栖熱海聚楽ホテル/静岡県熱海温泉)▽山口敦史(ほほえみの宿滝の湯/山形県天童温泉)▽湯本孝之(あぶらや燈千/長野県湯田中温泉)▽横山公大(土佐御苑/高知県高知市)

旅行総支出額20―23万円、東南アの訪日消費動向分析(観光庁)

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 観光庁はこのほど、2010―12年の震災直後を除く期間に行った訪日外国人消費動向調査から、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンの主要東南アジア諸国からの訪日外国人消費動向を分析した。これによると、主な東南アジア諸国からの訪日外国人1人当たり旅行総支出額の各国籍平均は20―23万円台で、東アジアの国・地域と比べると、韓国、台湾、香港より高く、中国より低い結果となった。
【伊集院 悟】

 旅行支出をみると、東南アジア諸国の訪日外国人1人当たり旅行総支出額の各国籍平均は、個別手配客に比べて、ツアー利用客の方が旅行総支出額が高い傾向だ。

 ツアー利用者のパッケージツアー代の平均値をみると、東アジアの国・地域より高く、とくにマレーシアとインドネシアからの訪日旅行パッケージツアー代が18万円台と高い。航空便や宿泊などを個別に手配した人の、出発国から日本までの往復運賃の平均値をみると、ツアー代同様に東アジアの国・地域より高く、とくにインドネシアやフィリピンで10万円台と高い。

 パッケージツアーに含まれる滞在費を入れない日本滞在中の「1人当たり旅行中支出額」の各国籍平均は11―12万円台で、韓国、台湾、香港より高く、中国より低い。個別手配客でみると、各国籍平均は12―14万円台。なかでもシンガポールは14・4万円と高い。ツアー利用客の旅行中支出の中心は買物で、東南アジア諸国の各国平均は5―6万円台が多く、とくにフィリピンは9万円台と高い。

 個別手配客の1泊当たりの旅行中支出額をみると、タイ、マレーシア、インドネシアは、平均泊数が20泊前後、1泊当たり7千円ほどとなった。シンガポールは平均泊数が8泊と短いが、1泊当たり2万円近くと高い。フィリピンは平均泊数が長く、1泊当たり4千円と低い。

 訪日外国人旅行消費額をみると、タイは中国、韓国、台湾、米国、香港・オーストラリアに次ぐ7番目で、東南アジアのなかでは最も多い。12年の調査結果から、タイからの訪日観光客の旅行動向と買物支出をみると、訪日観光客は、パッケージ利用客が47%で、個別手配客が53%。ツアー利用客には訪日1回目の人が多く、個別手配客では3回目以上の割合が多い。日本での滞在日数はツアー利用客では5日間が多く、個別手配客では7日間以上の長期滞在が多い。訪問地ではツアー利用客が東京都と山梨県、個別手配客が東京都と大阪府の訪問率が高い。

 タイからの訪日観光客の活動内容をみると、ツアー利用客、個別手配客ともに、日本食の堪能やショッピングが多い。ツアー利用客では、自然・景勝地観光や旅館での宿泊、温泉入浴を体験した人の割合が個別手配客に比べて高い。個別手配客では、テーマパークを訪れた人や、親族・知人訪問をした人の割合がツアー利用客に比べて高い。次回に体験したいことは、ツアー利用客が日本の歴史・伝統文化体験、個別手配客が日本食を食べることが多く、スキー・スノーボードも上位に入った。

 タイからの訪日観光客の買物支出額は平均5万円で、韓国や台湾より高く、中国より低い。また、買物特性をみると、買物支出額が4万円以上の客層では、4万円未満の客層に比べて、服・かばん・靴や、マンガ・DVD・アニメ関連商品の購入率が高く、百貨店・デパートで買い物する人、クレジットカード利用者も多いことが分かった。