ヨーロッパ観光事情 まち歩きの楽しみ 旅行作家 秋山秀一〈著〉

2018年4月7日(土) 配信

 旅行作家の秋山秀一氏は、海外への旅はこれまで200回を超え、訪れた国と地域は80カ所以上という〝旅人〟。「ぼくには、旅がある。旅があるから、何があっても、大丈夫」と言い切る。「ずっと、旅をしてきて、書いたり、しゃべったりしてきた。ありがたいことだ」――秋山氏を知る人なら、この言葉が自身のすべてを言い表していることがわかるはずだ。

 秋山氏がこのほど著した「ヨーロッパ観光事情まち歩きの楽しみ」(新典社、定価1500円+税)は、旅先のまちを歩きながら、心を動かされたものを写真に撮り、その時の感動をそのまま記録したもの。リスボン、プラハ、ブダペスト、ベネチア、トレド……など、珠玉のヨーロッパ24都市に絞った構成となっている。一行目を読み始めると、気づかぬうちに旅の世界に惹き込まれる。実際に裏路地を歩き、カフェで見知らぬ人が行き交うのを眺めている感覚になるから、不思議だ。映画や文学を愛する秋山氏のさりげない雑学と、歴史的な知識を織り交ぜた〝秋山節〟も心地いい。「旅に誘う力」を十分に感じることができる1冊だ。

【増田 剛】

「味のある街」「サービス定食」――自由軒(岐阜県・養老町)

2018年4月7日(土) 配信

サービス定食 780円(税込)▽自由軒▽岐阜県養老郡養老町高田967-1▽電話:0584(32)0302。

 岐阜県・養老町には、親孝行の青年が滝の水をすくうと酒に変わっていたという話の伝わる「養老の滝」がある。奈良時代の717年、この話を聞いた元正天皇が元号を「養老」と改め、滝の名前を授けたとされる。昨年は「養老改元1300年祭」として、ウォーキングやコンサート、町民が地域の魅力を伝える体験型プログラムを集めた「養老まるごと玉手箱」など、さまざまなイベントが行われていた。ほかに、養老公園内にある「養老天命反転地」も有名だ。世界的なアーティスト、荒川修作さんのアート作品で最近は「インスタ映え」するとして若い世代にも人気がある。

 このまちにある食事処が自由軒だ。住宅街の中の店に入ると、野球のサインボールがずらりと並ぶのに驚く。壁には色紙も貼ってある。実はこの店から徒歩10分ほどのところには、野球バットやゴルフクラブなどを製造する「ミズノテクニクス」の養老工場がある。ここにバットを依頼しに来る野球選手が多く立ち寄る店なのだ。全国のプロ野球選手や、イチロー、松井秀喜らメジャーリーガーも訪れている。メニューもボリュームのあるものが多い。店内には食べ盛りの中高生のいる家族連れもいた。とくに人気なのは「トンテキ定食」だ。豚のステーキにデミグラスソースがかかっている。肉の量は250グラムとたっぷり。「トンテキ定食3/5」もあり、その名のとおり肉の量は5分の3の150グラムだが、それでもなかなかのボリュームだ。「トンテキ丼」もある。こうしたメニュー名、そして「トンテキ丼攻略法」などが手書きで壁に貼られているのが、レトロというだけではなく、温かい雰囲気をつくっている。

 今回は日替りのサービス定食をいただいた。この日出てきた、鶏などの天ぷらはボリューム満点だ。また、どて煮もついてきた。赤味噌で煮込む、東海地方ではよく食べられるメニューだが、牛すじ肉や糸こんにゃくが柔らかく、味がよく染みている。どこか懐かしい味だ。

 帰り際にはお店の皆さんが明るく見送ってくれた。お腹も心も満たされて、また来たくなる店だ。

 

コラムニスト紹介

トラベルキャスター 津田令子氏

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「観光危機管理ハンドブック」~観光客と観光ビジネスを災害から守る

2018年4月6日(金) 配信 

観光危機管理の第一人者・髙松正人氏が著した「観光危機管理ハンドブック」

災害や危機から観光客や観光関連産業をいかにして守るか――。

 観光危機管理の第一人者である髙松正人氏(JTB総合研究所常務)が自身の実践と経験に基づいて、丁寧に解説した「観光危機管理ハンドブック:観光客と観光ビジネスを災害から守る」が朝倉書店から発刊された。本書は観光業界に身を置き、安全の問題に関心を持つ人にとって有用な知識が豊富に収録されている。

 観光危機管理の基本となる要素は「減災(Reduction)」「危機への備え(Readiness)」「危機への対応(Response)」「危機からの復興(Recovery)」のRで始まる4つの英語で表記される。髙松氏は「観光危機管理の4R」と呼び、「4つのRは相互につながっているだけでなく、危機の経験を経て循環しながらレベルアップしていく循環モデル」と定義する。

 沖縄県が東日本大震災をきっかけに着手した「観光危機管理」の取り組みや、気仙沼観光復興戦略づくり、世界レベルでの観光危機管理の現状なども紹介している。

 巻末には観光地域と、観光関連事業者用にそれぞれ「観光危機管理のためのチェックリスト」も備えている。「地域防災計画には、観光客や旅行者への対応に関する記載があるか?」や、危機からの復興時には「観光復興プロモーションにおける優先市場と実施スケジュールを決定」など、4つのRに分けて設問している。 

 災害や危機は他人ごとではない。ぜひ確認してほしい。定価(本体3400円+税)。

 問い合わせ=TEL03(3260)0141。

 

地域の魅力的なマップを募集中!4月30日まで

2018年4月6日(金) 配信NPO法人学生ネットワークWANは4月30日(月・祝日)まで、全国街歩きマップコンテスト「マップで応募!第2回地方創生大賞」の募集を受け付けている。同コンテストは、地域に眠る魅力的なマップを取り上げることで、より多くの人がその地域へ訪れるきっかけになるなど、地域の魅力発信と認知度向上を目的に実施する。

 WANは「学生の力で地方にきっかけを創る」を掲げる。全国各地には、伝統的な街並みや歴史がある建物、地域の特産物を使ったグルメなど、さまざまな魅力がつまった街歩きマップがあるが、街歩きマップは「その地域に行きたい」と思わない限り人の目に触れず、地域外の人にはその土地の魅力が伝わらないと指摘。「本コンテストを通し、地域に眠る素敵なマップを『これから観光する人へ、知らない地域を知ってもらう情報源』として改めて発信することで、より多くの人がその地域を訪れるきっかけを作りたい」とする。

 今後は国内にとどまらず、「海外の方に魅力を伝えるマップに授与される賞や、最優秀賞に選ばれたマップの多言語化など、日本の地域の魅力を世界に広めることのできるような活動にも取り組み、観光立国の実現に寄与します」と意気込む。

開催概要

応募期間:4月1日(日)~4月30日(月)

応募方法:公式サイトより専用フォームより申し込み

応募条件:2つの条件を満たす日本国内の地域を舞台にした街歩きマップ。

(1)イラストまたは写真+文章で地域の魅力を表現していること
(2)マップの中に観光スポットが含まれていること

賞金:・最優秀賞(1作品)    :5万円
    ・優秀賞 (1作品)    :3万円
    ・インスタグラム賞(1作品):3万円

審査員:

中村 好明氏(社団法人JIF インバウンド連合会 理事長/日本インバウンド教育協会 理事/ ハリウッド大学院大学 客員教授/神戸山手大学 客員教授 日本ホスピタリティ推進協会 グローバル戦略委員長 全国免税店協会 副会長/みんなの外国語検定協会理事)

道越 万由子氏(SNSマーケティング・インバウンドマーケティングプロデューサー株式会社BEYOND代表取締役/社団法人JIF インバウンド連合会 理事 / 茨城県 公式PR広報アドバイザー)

大澤 眞志氏(株式会社トッパントラベルサービス 取締役 MICE事業部長)

主催:NPO法人学生ネットワークWAN

共催:日本インバウンド連合会(JIF)

協賛:全日本空輸株式会社、株会社東京ニュース通信社、株式会社トッパントラベルサービス、株式会社JTB総合研究所

後援(予定、申請中を含む):観光庁、一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会、イノベーションズアイ 協力:ビジップ株式会社

第2回バスキャラ選手権 エントリー受付を開始

2018年4月6日(金) 配信 

結果発表は5月半ば

高速バス・夜行バスの旅を応援するメディア「バスとりっぷ」を運営するLCL(村上公浩代表、東京都中央区)は2018年4月4日(水)から、全国のバス事業者のキャラクターナンバーワンを決める「第2回バスキャラ選手権」のエントリー受付を始めた。

 昨年に続き2回目で、1回目は西東京バスの「にしちゅん」がグランプリに輝いた。今年は枠を広げ、「バス」を運行する事業者のキャラクターであれば参加できる。応募はバス事業者からだけでなく、一般からも推薦を受け付けている。

 エントリー期間は4月11日まで。投票期間は4月25~5月9日間で、結果発表は5月15日を予定している。

「第2回バスキャラ選手権」開催概要ページ

「クルーズスタイル2018横浜」2日間開催 横浜大さん橋ホール

2018年4月6日(金) 配信

クルーズをもっと身近に感じられる企画を多数用意 入場無料

4月14日(土)と15日(日)の2日間、横浜港大さん橋ホール(神奈川県横浜市)で船旅の祭典「クルーズスタイル2018横浜」が開かれる。第3回目の今回は、海外旅行視点の体験型を目指した。クルーズトークショーの数々や客船の食をイメージしたレストランゾーン、豊富な展示など、クルーズをもっと身近に感じられる企画を多数用意した。以下、イベントの見どころの一部を紹介する。

 初日の14日は、一夜限りのエンターテイメントバー「クルーズスタイルナイト」を開催。「無料で楽しめる大パノラマ夜景10選」(2018年3月31日発行『NIKKEIプラス1』)で第1位に輝いた横浜港大さん橋からの美しい夜景を、阿部志緒さんが奏でるバイオリンとオーケストラのライブ演奏とともに満喫できる。軽食とアルコール飲料も売られ、ロマンチックな大人の時間を楽しめる。

横浜港大さん橋からの美しい夜景

 また、イベント開催中の2日間、大さん橋には美食の船ともよばれる「セレブリティ・ミレニアム」が接岸中。同船のシェフがステーキをデモンストレーション調理し、来場者に試食を提供する。

 さらに、「クルーズスタイル倶楽部」会員向けのポイントプログラムを開始。対象のクルーズ旅行を購入してポイントを貯めると、賞品と交換できる。なお、対象のクルーズ旅行は出展ブースやホームページで紹介される。

イベント概要

1. 開催日時
2018年4月14日(土) 午前10時~午後6時、

          午後6~8時「クルーズスタイルナイト」開催

2018年4月15日(日) 午前10時~午後5時

2. 開催場所
横浜港大さん橋ホール
(横浜市中区海外通1-1-4 横浜港大さん橋国際客船ターミナル2階)

交通 ・みなとみらい線「日本大通り駅」下車、3番出口から徒歩約7分
        ・横浜市営地下鉄/JR「関内駅」下車徒歩約15分
        ・市営バス「日本大通り駅県庁前」下車徒歩約5分
        ・市営バス「大さん橋」下車徒歩約3分
        ・横浜観光スポット周遊バスあかいくつ「大さん橋国際客船ターミナル」下車徒歩すぐ。

3. 入場料
   無料

4. 参加客船
飛鳥Ⅱ 、MSCクルーズ 、クリスタル・クルーズ、ゲンティンクルーズライン 、シードリームヨットクラブ、 シルバーシー・クルーズ、セレブリティ 、 ディズニー・クルーズ 、ぱしふぃっく びいなす、 ポナン 、ロアール・アムンセン
その他 旅行会社が出展。
         

ダイナミックパッケージに、秋田県の農泊体験 (ジャルパック×百戦錬磨)

2018年4月6日(金) 配信

ジャルパックが、農泊体験のできるダイナミックパッケージを売り出した

ジャルパックはこのほど、農泊プランのダイナミックパッケージ商品を売り出した。合法民泊を推進する百戦錬磨とのタイアップ企画で、秋田県仙北市で農作業体験を行うことができる。

 農作業では野菜の収穫や、山菜採り、苗植えを体験でき、収穫した食材を使った食事も楽しめる。販売期間は5月7日(月)~10月31日(水)。体験内容と宿泊可能日は、泊まる農泊施設(全4施設)によって異なる。好みの宿を選んだうえで、搭乗機や日程を選べる仕組みとなっている。選択できる施設は以下の通り。予約などは公式ウェブサイトより受け付ける。

「農家の宿 星雪館」

体験内容:

野菜収穫、山菜採り(6月より)、きりたんぽづくり

宿泊不可日:なし

「民宿 甚吉」

体験内容:

野菜種まき・田植え(5月のみ)、野菜収穫、山菜採り(6月まで)、きりたんぽづくり

宿泊不可日:

5月8日~10日・13日~17日・19日・20日・22日・23日・26日・27日、6月9日・10日・12日・13日・30日、7月1日・4日・18日~21日・28日~30日、8月11日~20日、9月28日~30日、10月21日・22日 (2018年3月27日現在)

「農家民宿 荷葉の里 喜四郎」

体験内容:

苗植え(6月まで)、野菜収穫(7月より)、餅づくり

宿泊可能日:

毎月土曜・日曜、8月1日~9日(ただし、8月11日・12日・25日・26日、9月8日・9日は除く) (2018年3月27日現在)

「農家民宿 かまど」

体験内容:

野菜種まき・田植え(5月のみ)、野菜収穫、ピザ・お菓子づくり

宿泊不可日:

5月8日~10日・13日~17日・19日・20日・22日・23日・26日・27日、7月4日・18日~20日、8月12日・13日、9月15日~10月15日・21日・22日 (2018年3月27日現在)

「ぎふ清流里山公園」が4月8日開園 岐阜・美濃加茂市

2018年4月6日(金) 配信 

入場門前(イメージパース)

岐阜県美濃加茂市にある県営の平成記念公園「日本昭和村」が2018年4月8日(日)、新たなコンセプトで生まれ変わり、「ぎふ清流里山公園」として開園する。リニューアルに伴って入園料は無料となる。

 「ぎふ清流里山公園」のコンセプトは、“人と自然が共生する里山の暮らしと文化に親しむ”。地元の特産品を集めた道の駅や温浴施設、県内のグルメが各所で楽しめる飲食店舗など、20種類ほどの体験可能な施設を設置する。足湯コーナーやドッグランのほか、円形スクリーンの中で360度の3D映像が楽しめるシアターなどを新たに整備した。

菜の花畑

 受託運営企業は、総合サービス企業のシダックスグループの事業子会社で、公共施設の運営や学校給食、自治体業務などを行う、シダックス大新東ヒューマンサービス(関口昌太朗社長、東京都新宿区、SDH)。SDHが代表を務める団体・ぎふ清流里山公園みらい創造グループを通じて、岐阜県営(古田肇県知事)の都市公園「ぎふ清流里山公園」の指定管理者として受託運営を開始した。

 SDHは全国約30カ所(2018年3月現在)で、道の駅や宿泊・温浴施設、観光施設の受託運営を行っている。そのノウハウを活かし、岐阜県と地元自治体や地域と協力しながら、岐阜県の自然や歴史、伝統、文化を発信し、“地域をつなぐ”公園づくりを目指している。

「ぎふ清流里山公園」に新設する各施設

360°3Dシアター(イメージ)

新たに整備した施設

・里山カフェ/里山テラス

・朝市マルシェ

・足湯コーナー/夕涼みテラス

・360°3Dシアター

・インモーション(※体重移動で簡単に乗りこなせる次世代乗り物)

・屋内型キッズスペース

・ドッグラン

2018年度に整備予定の施設

・大型遊具施設「大樹の遊具」(秋ごろ予定)

・樹上型アスレチック(冬頃一部設置予定)

施設概要

正式名称:ぎふ清流里山公園

住所:岐阜県美濃加茂市山之上町2292番地1

敷地面積:約107・7㌶

受託運営期間:2018年4月1日(日)~2025年3月31日(月)

受託運営グループ:ぎふ清流里山公園みらい創造グループ

受託運営構成(協力)企業:

 代表:シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社

 構成:株式会社みのかもファーマーズ倶楽部

 協力:大和リース株式会社

tel0574-23-0066

道内7空港一括民営化へ、実施方針決まる 運用開始は20年から

2018年4月6日(金) 配信

4月5日(木)、国土交通省内で合同説明会が行われた

国土交通省は3月29日(木)、北海道内7空港(新千歳・稚内・釧路・函館・旭川・帯広・女満別)の一括運営委託の実施方針を発表した。2020年から7空港ビル施設事業を一括で開始。同年6月以降、順次空港運営事業の移行を開始。事業期間は30年間で、不可抗力などによる延長を含め最長で35年。優先交渉権者の選定は来年7月に予定されている。

 国と北海道、旭川市、帯広市で構成する4管理者は、1つの特定目的会社(SPC)に7空港すべてを一体的に運営委託する。ただし実施契約は管理者ごとに締結。黒字空港による赤字補填とならないよう、地方3空港(旭川・帯広・女満別)は一定の公的負担が受けられる。このため応募者は北海道と旭川市、帯広市に対し、現状の赤字をどの程度削減できるかの提案を行う必要がある。また国に対しては、国管理4空港(新千歳、函館、釧路、稚内)の運営権対価を提案する。

 優先交渉権者は、道内航空ネットワークの充実強化や、北海道の広域観光の振興などに関する事業提案が課される。ただし、広域観光振興の主体は、自治体や観光事業者などが担う。SPCは関係者との連携の推進役となり、空港運営以外でのリスクを負わないようにする。

旅行系メタサーチ、「検索機能」に注目

2018年4月5日(水) 配信

複数の航空会社やOTAを比較し、最安値を見つけるのに便利なメタサーチに注目が集まっている

1つのサイトを訪れるだけで、複数の航空会社やOTA(オンライン旅行会社)を比較し、最安値を見つけることができる。さまざまなサービスに対する満足度を可視化する「オリコン顧客満足度ランキング」はこのほど、格安航空券比較サイト、いわゆるメタサーチサイトのランキング・比較結果を発表した。ランキングの結果については、オリコン社に詳細があるためそちらを見てほしい。本紙が注目したのは、ユーザーが比較する際、「検索機能」を重要視している点だ。

 オリコン社による今回の調査では、サービスを利用する際に重要視した項目を5つ(「検索機能」「サイトの見やすさ」「検索結果」「比較のしやすさ」「問い合わせのしやすさ」)に分類。「検索機能」が、最も重要視した項目となった。

 実際に利用してみると分かるのだが、出発地(日)と到着地(日)を入れて検索をするというただそれだけのことだが、これが意外と奥深い。「検索機能」で上位となった2つのサービスの「アプリ」を例に、検索機能を比較してみた。各々の検索条件を、「羽田空港←→台湾桃園国際空港、大人1人、エコノミー、4月12日(木)~4月22日(金)」に統一した。

 スカイスキャナーでは、必要事項入力後の操作が不要。いわゆる「検索ボタン」が省かれている。人数や座席クラス、ソートなどの選択は、一度結果が表示されたあとに行う仕組みとなっている。トラベルコでは、必要事項入力後に「検索ボタン」を押す前に、人数や座席クラス、直行便か否かの条件の選択が可能となっている。

 どちらが便利かはユーザーの属性や目的によって異なるだろう。気ままに1人旅を楽しみたい独身ユーザーにとってはスカイスキャナーが便利かもしれない。最安値のエアチケット情報を最短距離で知ることができるからだ。一方、家族連れ旅行での利用なら、検索前に人数指定を行えるトラベルコの方が使い勝手が良いかもしれない。

 一度結果が表示されたあとの絞り込み検索でも違いがある。スカイスキャナーでは「乗継」「所要時間」「時刻」「航空会社」「空港」「モバイルサイト」「複数都市への航空券予約」と7区分が表示される。トラベルコは「乗継回数」「出発/到着時間」「航空会社」「空港(〈乗継空港を指定〉を含む)」「価格」「支払方法」「復路変更」「」乗継時間」「便名」「予約サイト」とより細かい10区分を用意する。ここもどちらが良く悪いではなく、サービスに対する理念の違いが良く出ている。

 スカイスキャナーでは、「モバイルサイト」という項目から、モバイル対応の予約サイトのみを指定できるようになっている。検索はモバイル、実際の予約はPCでというユーザーもいるなか、モバイルだけで済ませたいという人にとっては使い勝手の良い機能かもしれない。トラベルコでは、「支払方法」の絞り込みが可能だ。コンビニ払いのほか、リアルエージェントのカウンターで支払いたいというニーズにも応える仕様となっている。

 なお、結果が表示されるまでの時間には、両社で違いがあった。本記事は「検索機能」に的を絞ったものとなっているため、気になる方は双方のアプリを試してみてほしい。