ロケツーリズム協議会 withコロナ時代の地域活性事例を報告 映像制作者と自治体が率直に意見交換

2020年10月5日(月)配信

西伊豆町の星野町長(左)が取り組みを報告

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)は2020年9月24日(木)、リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)で今年度3回目のセミナーを開き、自治体や映像制作者ら70人が参加した。

 withコロナの時代、「今こそ経済の復興!観光の回復!」を掲げ、映画やドラマのロケ地となった実績を観光資源として活用し、地域の活性化へつなげることを目指している。第1部の事例発表では、自粛期間中に取り組みを進めた地域が、どのような成果を挙げつつあるのかを発表。第2部のグループワーキングでは、ロケ誘致に係るノウハウを学んだほか、自治体・映像製作者双方が率直に意見交換し、新たなマッチングの可能性を探った。

 事例発表では「緊急事態宣言下にあってもオンラインでロケ情報を制作者と共有」(愛知県幸田町)や「ロケ誘致をきっかけに市民が街に愛着を持つようになった」(神奈川県綾瀬市)など、会員の近況を紹介。静岡県西伊豆町からは星野淨晋町長が会場に駆けつけ、人命を最優先するなか、いち早く約3億円の財源を充て宿泊・飲食業者らに休業要請を行った経緯や、緊急事態宣言解除後は一転、ロケ誘致をはじめ観光面で攻めに転じたことを報告した。同町では9月、映画「たぶん」(20年晩秋公開予定)のロケハンツアーも行われた。制作者側からは「ロケハン中、各施設での撮影可否や貸切について即答してもらい、大変助かった」など、高い評価も得ている。

 分科会のうち「地域とのマッチング」をテーマとした部屋では、自治体・制作者双方が参加し、それぞれの立場や意思決定の仕組みについて理解を深めた。制作者側からは、誘致に係る費用補助について、映画と情報番組での考えの違いが伝えられたほか、「ロケハンに同行いただく地元の人が、その地の魅力を分かっていないこともある」などの声も挙がった。  

 今回の会合は、オンライン参加も募り、全国各地から約40人が参加した。藤崎会長は、「協議会は映像制作者と地域のマッチングの場。リアルに対面して生まれる事例も多くある中、11月のセミナーは、より大勢に足を運んでもらいたい」と呼びかける。

リーガロイヤルホテル東京でロケ地ツアーも

ドラマの1シーンを再現

 同日、会場となったリーガロイヤルホテル東京で、ロケ地ツアーも開かれた。ドラマ「半沢直樹」で、堺雅人さんと及川光博さん出演シーンの撮影が行われた「セラーバー」では、実際の撮影風景を再現して「なりきり写真」を撮影するなど、参参加者からも好評だった。一般向けには、クラブツーリズムが、ランチ付きでリーガロイヤルホテル東京のロケ地見学ツアーも企画している。

 「セラーバー」はコロナ禍で現在休業中だが、それを逆手にとり「撮影時間が制約されない空間」(同ホテル繩手典子販売促進チーフ)としてPR。撮影の問い合わせも絶えないという。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(117)お客様と呼んで3流 名前を呼んで2流 一流とは? ○○さんで関係深める

2020年10月5日(月) 配信

 

 当社内で、お客様を「客」と言う企業が少なくない、という話が出ました。これでは、「おもてなしの想い」は育たないと感じました。クライアント企業には「社内でも『お客様』と当たり前に言えるようにしましょう」と話をしています。

 1月にある企業を訪問したとき、新年度ポスターのスローガンを見て驚きました。そこには「お客様を、お客様と当たり前のように呼べる会社になろう!」とあったのです。その年には、「新しいおもてなしの目標」を企業スタッフたちと話し合いました。すると、翌年には「お客様と呼ぶことを卒業して、○○さんとお名前で呼べる会社になろう!」とスローガンが変わっていたのです。以来、その企業の「おもてなし力」は、地域のお客様から高い評価もらえるようになったのです。

 年2回のセミナーで、「お客様を、お客様と呼べて3流。〇〇様とお名前を呼べて2流。では、一流の企業に必要な呼び方とは。答えは〇〇さんです」とお話しすると、参加した高級レストラン経営者から、「お客様を〇〇さんとは、私どもでは呼べません」と、ご意見が出ました。場の雰囲気や客層もあり、さん付けでは失礼なこともあります。しかし、私は「おもてなし力を高めて、〇〇さんと呼んでも失礼にならない関係性を築くことが大切です」と、あえて申し上げたのです。

 ホテル・リッツ・カールトン東京で、私を「西川さん」と呼ぶスタッフがいます。初めのころは、「西川様」でしたが、何泊目かにスタッフへ「私はいつになったら、リッツ・カールトン東京の本当のお客様になれるのかなぁ」と問い掛けました。

 「『様』と呼ばれると隔たりを感じる。親近感をもって、『さん』と呼んでもらえればうれしいね」と話したのです。すると、そのスタッフは親しみを込めて「西川さん」と呼ぶようになり、リッツ・カールトン東京が我が家のように感じることができるようになったのです。

 お客様をどのようにお呼びするかは、おもてなし力を高めて行く目標にもなります。常に「様」と呼ばれ、それが当たり前の人には、「〇〇様」が心地よいかもしれません。しかし、「様」と呼ぶことで高級店である印象を保つことはできません。お客様との関係性を深めて行くことが、おもてなしでリピーターを創造することにつながるのです。

 「丈次さん」と呼んで下さるクライアント企業やお店がたくさんあります。

 呼び慣れていない方にとっては、照れくさい呼び方かもしれませんが、私にとっては最幸にうれしい響きで、特別な企業であり、お店になっていったのです。

 
 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

「街のデッサン(234)」「hope to トラベル」で旅人と観光地を幸せに 旅への憧れと喜びが観光事業の起点

2020年10月4日(日) 配信

鎌倉小町通りにも若者のにぎわいが

 若い時分から髪を長くしていたので、調髪は妻の懇意にしているヘアサロンにお世話になっている。サロンの美容師の先生は旅好きで、たっての願いは80歳を超えた高齢の実母をパリ観光に連れていくことだった。それは母親が長年憧れていたことで、先年、先生のご亭主(車イス担当)も巻き込んで、3人でのパリ滞在を敢行した。3人ともパリは初めてで、妻が見所や地下鉄の乗り方などをアドバイスして、宿はアパルトマンホテルに泊まる旅を成功裏に完遂させた。

 母親は長年の想いが叶い、ご亭主は義母を押して石畳の街路や地下鉄を乗り継ぎ懸命に観光地巡りを頑張り、パリの人々は彼の姿に感銘して大いにサポートしてくれたらしい。ご亭主の株は上がり、誇り高い気分で帰国された。

 そんな経緯もあってか、私が調髪に行くたびに話は旅のことになる。コロナ渦中の旅の話になり、「Go toトラベルキャンペーン」が始まった時期には、「昔から八甲田山の麓にある鄙びた温泉宿に行きたかったから、キャンペーンを利用していこうかしら」とカットしながら語っていた。私は「Go toキャンペーン」の評判にいまいちの感を持っていたが、心の中に秘めている旅への期待や、想いを喚起させる役割を持つのではと思った。彼女にとって残念だったのは、東京が外されて鄙びた宿の夢が実現できなかったことだ。

 このキャンペーンの問題点は、コロナ蔓延で疲弊する観光地や、観光関連の中小企業の事業者を経済的に支える思惑も無論大切であるが、肝心のお客様であるトラベラー(旅人)の旅への深い愛着や願望を支える仕組みに至らなかった点にあると思う。要するに観光経済を救う経済感覚はあっても、旅の持つ人間価値への思いやりが不在なのである。それはいわば「観光思想」の欠如でもあろう。

 80歳を超えた高齢の母親にも若いころからの旅への情熱があった。美容師の先生もカットの手を止めたときに、「鄙びた温泉」が頭を過る。ご亭主には、旅が家族の紐帯をさらに強くするという、確信にも近い「旅の思想」があるのだ。

 それらの想いを顕在化させ、実現をサポートしていく優しい思想が、結果的に観光地にお客を集め、喜ばれ、お金を落してもらう観光地経済の復興につながる。それはGo toという命令的な口調ではなく、私には「hope toトラベル(幸せな旅をしたい)」という旅人(顧客)の心根と、観光地で受け入れる人々の慈愛が共創して創り上げる観光産業こそ、未来的に思えるのである。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

津田令子の「味のある街」「ひと本 栗饅頭」――石田屋(東京都板橋区)

2020年10月3日(土) 配信

石田屋「ひと本 栗饅頭」1個160円▽東京都板橋区上板橋2-32-16▽☎03(3933)3305。

 東武東上線「上板橋駅」南口から、上板橋南口商店街を南へ2分ほど行った右手に、老舗の「石田屋」はある。和菓子も洋菓子もおいてあるのが特徴だ。朝8時を過ぎると、細長い行列ができることも多い、人気の店である。

 
 「手みやげ」というのは、人様にお会いするときに、ちょっとしたプレゼントをするという世界共通の習慣で、人間関係を円滑にするためにとっても便利なツールのひとつではないだろうか。人々が、それぞれ趣向を凝らしてセレクトする光景が好きな私は、「この人は、どれを選ぶだろうか、誰に贈るのだろうか」と想像をめぐらせ店内で観察したりしながら、手みやげ選びの参考にしたりもする。

 
 ということを考えながら、今日も列の後ろについた。あと5人ほどで店の中に入れそうだ。今回は、和菓子好きの友人宅に招かれたので、あまり相手に負担にならないようなおすすめの逸品を買い求めに来たわけだ。ゲットするものは、すでに「ひと本 栗饅頭」6個入りと決めている。その品は、一粒栗を、ザラメ糖を使って練った白餡と柔らかな生地で包んで焼き上げ、羊羹をかけたもので、店の一番人気商品なのだ。

 
 石田屋のロゴの入った包装紙を取り除き、化粧箱が現れたときのよろこびを味わったあと、ふたを開ける。一つひとつ丁寧に包装された例のものが行儀よく並んでいる。薄紙を剝ぐように本体を取り出す。そこまではできるだけ優しく、かつスピーディに行う。一連の儀式を終え、栗饅頭を食べる準備が完了する。さっと手に取り一気にそのまま口へ押し込む。

 
 石田屋の創業は1950(昭和25)年。「できるだけ多くのお客様に満足いただけるよう、良い素材を選び、シンプルながらも丁寧なお菓子作りを」というのがモットーだ。工場直売の利点を生かし、保存料や添加物に頼らずに、材料が本来持っている味を提供できるよう心掛けてきたという。友人からの、「いつものを、お願いね」という実に厚かましいお願いが妙にうれしい。私のお菓子選びにぬかりはないと実感できる瞬間だから。

 

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(227) 菅義偉政権と観光立国

2020年10月3日(土) 配信

 9月16日(水)召集の臨時国会で菅義偉自民党総裁が第99代首相に指名され、菅政権が正式に誕生した。ここで菅政権による観光立国政策の今後について予測を試みたい。

 菅首相は安倍政権の継承を主張している。第2次安倍政権が発足した2012年のインバウンドは836万人であったが、15年に1974万人、17年に2869万人、19年に3188万人と激増している。とくに16年に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」では20年にインバウンド4千万人、消費額4兆円、30年にインバウンド6千万人、消費額15兆円、という数値目標を掲げた。

 コロナ禍の発生以前にはインバウンドを軸にした観光立国政策は成功を収めていた。しかし安倍首相の悲願は「憲法改正」であり、「観光立国」にはさほど熱意を注いでいなかった。コロナ禍以前に観光立国政策が成功を収めたのは、観光族議員を主導する自民党の二階俊博幹事長と政府の菅官房長官の功績が大であった。二階幹事長と菅長官とが絶妙の両輪として最大限に機能した結果、観光立国が大幅に進展した。

 コロナ禍発生後の「Go Toキャンペーン」でも、二階幹事長と菅長官の政治力が存分に発揮され、コロナ禍で苦境にあえぐ観光業、旅行業、宿泊業、イベント業、飲食業などの救済に貢献している。このたびの菅政権の誕生においても、二階幹事長は真っ先に菅氏を支援し、菅政権樹立の実質的な立役者となった。二階・菅コンビの紐帯が強固である限り、菅政権の観光立国政策は盤石なかたちでの進展が期待されている。すでに菅首相は観光を成長戦略の柱として重視することを表明している。

 しかし「Go Toトラベル」や「Go Toイート」キャンペーンを見る限りでは、JTBや「ぐるなび」などの特定企業の優遇が顕著であり、地方創生に本当に貢献できるかどうか定かではない。観光が地方創生に貢献するためには、日本各地で「民産官学の協働」による地域資源の持続可能な活用に基づく地域主導型観光の振興が必要不可欠である。菅首相はあくまでも「30年にインバウンド6千万人」達成を目指しているが、コロナ禍の世界的な収束は容易ではない。今後の菅政権による観光立国政策の行方に注視していきたい。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

JTB、内部通報制度認証を取得 健全で持続可能な企業へ

2020年10月2日(金) 配信

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 JTB(山北栄二郎社長)は9月11日(金)、JTBグループの内部通報制度「JTB GROUPCODE HOTLINE」が、消費者庁所管の「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」に登録された。旅行業で初、全国では77社目となる。社会からより信頼され、健全で持続可能な経営を実現する企業を目指す。

 同社はこれまでも、不正行為や違法行為などの内部通報制度を強化してきた。今回、制度のさらなる実効性や透明性の向上をはかるため、内部通報制度認証の登録に至った。

 また、社員の「JTBグループ行動規範」の徹底、コンプライアンス意識を持った責任ある行動を通じて、社会の期待に応えていく。

 「JTB GROUPCODE HOTLINE」は、法令違反や社内規定違反、ハラスメントに関する通報をJTBグループ会社の役員及び従業員(家族含む)から受け付ける内部通報窓口。通報者が不利益を被らないよう体制を整備するとともに、社内外に多言語対応可能な窓口を設置し、システム上で24時間365日(電話は午後9時まで)受け付けている。

JR西日本、新快速に50周年記念ヘッドマークシールを掲示

2020年10月2日(金) 配信

JR西日本の新快速は50周年を迎えた

 西日本旅客鉄道(JR西日本)はこのほど、1970年10月1日に京都~西明石駅間を結ぶ新快速が運行を開始して50周年を迎えたことを記念して、記念ヘッドマークシールを掲出した新快速の運行を始めた。また、50周年記念のドキュメンタリームービー「まちと、みらいと、みなさんと。新快速50周年」も特設サイトで公開した。

 223系に50周年を記念した特別なヘッドマークシールを掲出し、約半年間限定で運行する。今回ヘッドマークシールを掲出したのは1日に上下4本ある「Aシート」の編成だ。

「Aシート」の内装

 「Aシート」は、2019年から導入された有料座席サービスで、12両編成の9号車に設定されている。座席には、リクライニング機能やテーブル、コンセントを備え、無料Wi-Fiサービスや荷物スペースも提供する。運行時刻は、JRおでかけネット内「Aシート」案内ページで確認できる。

フィンランド大使館、パビリオン公開 両国の関係強化はかる

2020年10月2日(金)配信

「メッツァ・パビリオン」の外観(Petri Asikainen for Business Finland)

 フィンランドを体感できる「メッツァ・パビリオン」が10月6日(火)、東京都港区にある駐日フィンランド大使館敷地内で正式にオープンする。同大使館はこれに先立ち9月29日(火)、フィンランド・ヘルシンキと中継を結びプレス発表会を開いた。

 メッツァ・パビリオンの「メッツァ」は、フィンランド語で「森」という意味。木造建築の同施設は、サステナビリティ、自然、テクノロジーを主なテーマとする。フィンランドのデザインや建築、テクノロジーを融合させた初の試みを盛り込み、2021年12月までの15カ月間の会期中、企業イベントや文化的なイベントを開催する。

 日本のパートナー企業とのコラボレーションや、日本とフィンランドのビジネス強化をはかるプラットフォームを目指す。21年夏に延期した東京オリンピック・パラリンピックの期間中は、オリンピックチームのナショナルパートナーハウスとして稼働するという。

ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使

 ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使は「東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、フィンランドの存在感を高める特別なものを作りたい考えから始まった。結果的にフィンランドのプロモーションとして、日本だけでなくアジア地域で最大のものとなった」と明言。あわせて会期中は、フィンランドの技術やノウハウ、サービス、製品を披露し、パートナーシップを構築する数百のイベントが企画されていると伝えた。

 「本プロジェクトの場所として東京が選ばれたのは偶然ではない。日本とフィンランドの関係は本当に良好で温かく、デザインや質の尊重、持続可能性、自然への親近感など、両国には多くの共通した感性や国民性がある。こうした要素は今後パビリオンで皆さんに触れていただけることだろう」(オルパナ大使)。

 なお、メッツァ・パビリオンは企業がイベント会場として使用するほか、一般も来場できる。10~12月にオープンハウスイベントを予定し、10月中旬からフィンランドの魅力を紹介するセミナーやウェビナー、展覧会などを順次予定。また、11月の3連休にフィンランドのスポーツ「モルック」を体験するイベントも企画しているとした。

【大分市】東京・日本橋と大阪・梅田に加工食品の「セレクトショップ」 民間店舗に常設販売棚オープン

2020年10月2日(金)配信

大分市コーナー(日本百貨店にほんばし總本店)

 大分市は2020年9月1日(火)、東京・日本橋と大阪・梅田で、市が誇るの魅力的な加工食品を販売する常設販売棚「大分市コーナー」をオープンした。大分の海、山、大地の幸を使用した加工品や郷土菓子など、多彩な商品を取りそろえ、来店者を迎えている。

 東京・日本橋の「大分市コーナー」は、19年9月に東京日本橋に開業した商業施設「コレド室町テラス」内の「日本百貨店にほんばし總本店」で展開している。東京のど真ん中で、日本全国より選りすぐりの商品を集め、作り手と使い手が出会う場として注目を集める店舗だ。今回は「セレクトショップ」形態で、常設販売棚2台を設けた。営業時間は午前10時~午後9時。

 大阪・梅田では、19年11月に開業した複合商業施設「LINKS UMEDA」内にオープンした店舗「ニッポンスタンダード LINKS UMEDA」に常設販売棚1台を設置した。同店は、日本全国からさまざまな「Made in Japan」を発掘・発信することに力を入れている。営業時間は午前9時半~午後10時。

 「大分市コーナー」で販売するのは大分市ブランド認証加工品「Oita Birth」をはじめ、市内のメーカーが手掛けるイチ押しの逸品。3カ月に1度ほど、商品を入れ替え、大分市の魅力を発信している。

JTBパブリッシング、兵庫県洲本市と包括連携協定締結 まちづくり分野で

2020年10月2日(金) 配信

締結式のようす。竹内通弘市長(左)と今井敏行社長が出席した。(JTBパブリッシング提供)

 旅行情報誌「るるぶ」の編集・発行などを行うJTBパブリッシングは9月29日(火)、兵庫県洲本市とプロモーション及びまちづくり分野に関する「包括連携協定」の締結式を開いた。両者の関係を強化し、特産品の価値向上などを軸とした地域振興・活性化をはかる。

 締結式は、同日に東京・新宿にオープンした「るるぶキッチンビルヂング」と洲本市をオンラインで結び、JTBパブリッシングの今井敏行社長と洲本市の竹内通弘市長が出席した。

 協定締結による主な連携の範囲は、「ブランド力・知名度の向上」「首都圏におけるふるさと納税及び特産品の販路拡大」「新たな特産品の開発」「道の駅のプロデュース」「移住定住・企業誘致の促進」。新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要低迷対策も行う。期間は2020年9月29日(火)から3年間。

 また、「るるぶキッチンビルヂング」(東京都新宿区)の1階にある「酒処 何方此方(どちこち)」には、特設コーナー「SUMOTO STAND」を開設。洲本市の特産品や飲食メニューを来年3月まで提供している。

 メニューは「淡路島ベジタブルクラブのレタスサワー」や「淡路牛と成井さんちの完熟たまねぎの肉豆腐」、「淡路島・洲本のいかなご釘煮ブルスケッタなど、地元の食材を活かした料理が楽しめる。

 「るるぶキッチンビルヂング」は3階建てのビル丸ごと1棟を使い、全国の魅力を発信している。2・3階には、各地の特産肉を味わえる「にくたびと」が10月中旬にオープン予定で、食を通じて“旅のきっかけ”を創出していく。

 1階は「るるぶ」編集者が厳選した200アイテム以上の産品購入が可能なほか、それらをつまみに酒を楽しむこともできる。