斉藤国交相、大阪・夢洲IR計画を認定 開業は2029年秋以降

2023年4月18日(火) 配信

国交省はこのほど、大阪府・夢洲地区の区域整備計画を認定した

 斉藤鉄夫国土交通大臣は4月14日(金)、大阪府(吉村洋文知事)と大阪IR(エドワード・バウワーズ代表、高橋豊典代表)が申請した大阪府・夢洲地区のIR(統合型リゾート)区域整備計画を認定した。

 「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備計画」は、大阪・関西の持続的な経済成長のエンジンとなる、世界最高水準の成長型IRを目指す計画。

 コンセプトは「結びの水都」とし、大阪が育んだ伝統や文化、精神を継承した施設とコンテンツを提供する。

 施設規模は、総延床面積が約77万平方㍍。カジノ施設は約6・5万平方㍍で、総延床施設の3%以内を占める。1~6号施設はMICE施設や展示場、魅力増進施設、宿泊施設、バスターミナル、フェリーターミナル、エンターテイメント施設、飲食・物販・サービス施設──などの施設で構成する。

 MICE施設は複数の会議室を備え、最大規模の国際会議室では、6000人以上を収容できる。

 宿泊施設では、MGM大阪、MGM大阪ヴィラ、MUSUBIホテルを建設する。総客室数は約2500室を整備し、全客室のうち約20%以上をスイートルームとし、富裕層の需要にも対応する。

 目標来訪者数は、開業3年目で2000万人、35年目で2500万人。

 収支計画として、年間売上はゲーミングで約4200億円、ノンゲーミングで約1000億円とし、併せて約5200億円とした。

 開業は2029年秋以降を予定する。

最上級スイートとアメニティルーム完成  山形県・かみのやま温泉 日本の宿古窯

2023年4月18日(火)配信

最上級スイート客室の露天風呂

 山形県・かみのやま温泉の日本の宿古窯に2023年3月17日(金)、最上級スイート客室とアメニティルームがオープンした。

 6人定員のスイートは、屋外デッキに設置した露天風呂に加え、セルフロウリュが可能なプライベートサウナ、85㌅テレビでVOD(動画配信サービス)を楽しめるシアタールームも備えた最上級の客室だ。広さは87平方㍍で、シモンズ社製のセミダブルベッドを配した寝室、バーカウンター、ワークデスクを完備したリビングがあり、ファミリー層の宿泊やワーケーションでのニーズに応えていく。

 館内に新設したアメニティルームでは、浴衣や歯ブラシ、乳液などのアメニティグッズを自由に持ち出すことができる。宿泊客にアメニティの持参を促すと同時に、必要な時に必要なものを提供することで、使い捨てゴミの量を減らし、環境問題への関心も促す。

「海旅本格回復への決起集会」 4年ぶり総会開く(アウトバウンド促進協議会)

2023年4月18日(火) 配信

酒井淳会長

 日本旅行業協会(JATA)が事務局を務めるアウトバウンド促進協議会(JOTC、酒井淳会長)は4月14日(金)、羽田空港第3ターミナル内TIAT SKY HALLで2023年度総会を開いた。4年ぶりに開かれた総会で、酒井会長は、「海外旅行の本格的回復の第一歩として、決起集会のつもりで開催している」と力を込めた。

 酒井会長は同協議会が進める「JATA海外旅行推進プロジェクト」についても触れ、「今年は間違いなく海外旅行復活に向けた初年度になると期待している。このPJが復活のきっかけになれば」と語った。

 23年度に取り組む活動として、①加盟団体の協力を基にウェビナーを定期開催②海外旅行プロモーション実施③方面別部会の開催と加盟団体と連携したファムツアーの実施④2国間協議体需要喚起活動⑤テーマ別部会での課題抽出と解決に向けた取り組みの実施──の5項目を挙げた。

 来賓あいさつには観光庁の池光崇審議官が登壇し、「インバウンドとアウトバウンドは両輪で進めるべきもの」との考えを示した。アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージの内容を紹介し、業界団体との連携と活発な意見交換を求めた。

池光崇審議官

 その後、テーマ別・地域別に設けている7部会の代表が今年度の活動方針を発表した。

 このなかで、海外教育旅行部会(福田叙久部会長=ATI相談役)は、今年度の活動方針である3本柱を挙げた。

 1つ目は、海外旅行に適している国・地域を学校関係者に広くアピールする。2つ目は、海外旅行を売れる人材を育てるためのブラッシュアップセミナーを開催する。3つ目は、公立高校における海外修学旅行の費用緩和についての案をとりまとめて提言する。

 総会後に開かれた懇親会には、各国政府観光局や在日大使館、航空会社、航空会社、ツアーオペレーター、観光関連団体などの業界関係者が集まった。JATAの髙橋広行会長は観光庁が国民に対して海外旅行を呼び掛けたことへ謝辞を述べ、「旅行会社と航空会社、販売サイドと供給サイドが大同団結することが大切。双方の自助努力と協力関係に基づき、海外旅行復活を実現していきたい」と呼び掛けた。

祝「笹巻」100年フード認定 庄内観光物産館(山形県鶴岡市)が通販限定の記念セット販売

2023年4月18日(火) 配信

店舗スタッフが笹巻と一緒に楽しんでもらいたい品を厳選

 山形県鶴岡市の「庄内観光物産館」は、庄内の伝統和スイーツ「笹巻(ささまき)」が文化庁「100年フード」に認定されたことを記念して、「笹巻」と庄内の逸品を詰め合わせたオリジナルセットを2023年5月6日(土)まで通信販売する。

 「笹巻」は、端午の節句などに食べられる山形県庄内地方の行事食で、笹の葉でもち米を包み込み、じっくりと煮込んで作られる。端午の節句といえば「かしわもち」や「ちまき」が一般的だが、山形県の日本海側では、もちもちとした食感が特徴の和スイーツ「笹巻」が各家庭で親しまれてきた。一般的なちまきと違い、青きな粉(青大豆で作られたきな粉)や黒みつをかけて楽しむ、甘い郷土のおやつだ。地域の行事食として愛されてきた笹巻は、長年伝統を守り続けてきた郷土の味として、2022年に文化庁の「100年フード」にも認定された。

 今回販売するのは、100年フード「笹巻」と郷土菓子「からからせんべい」や「あつみかぶ柿酢漬」など庄内名物漬物をセットにした商品。作り手への負担を最小限に、また手作りのおいしさをそのままに届けるために「完全受注生産」にするなど、販売方法も工夫した。購入は庄内観光物産館「楽天市場店」「Yahoo店」で。

サービス連合2023春闘、賃金と労働環境軸に 「経営厳しいが労使で真摯に協議」

2023年4月17日(月) 配信

後藤常康会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(後藤常康会長)は4月17日(月)、2023春季生活闘争の中間報告を行った。後藤会長は観光業界全体で人手が不足していることに触れたうえで、「大変厳しい経営環境のなかでも、経営側と各組合は働く人のために、真摯に協議に尽くしてくれている」と語った。

 今季は4月14日(金)時点で145組合中、58組合が妥結した。このうち、ベースアップを含めた賃金の引き上げで合意したのは49組合。さらに、多くの組合が休日の増加や労働時間の短縮などの労働環境の改善を引き出した。定年の延長を協議した組合も目立っているという。

 後藤会長は「これまでの結果は交渉中の加盟組合にとって後押しとなる。サービス連合全体として前を向いている」と認識を示した。

 今後については、空港における保安検査員の不足を受けて国土交通省が有識者会議をスタートしたことから、「行政からも観光産業の人手不足の解消を検討してもらえるよう訴えていく」とした。

日本語版「ミシュランガイド公式アプリ」登場 1つのツールで予約・検索も可能に

2023年4月17日(月) 配信

(左から)本城征二執行役員、須藤元社長、鳥海高太朗氏

 日本ミシュランタイヤ(須藤元社長、東京都新宿区)は4月17日(月)、東京都内で会見を開き、新サービス「日本語版のミシュランガイド公式アプリ」を発表した。無料アプリをダウンロードすれば、世界37カ国からレストラン約1万6200軒、120カ国からホテル約6000軒のミシュランガイドセレクションを検索、予約が可能となる。

 施設の情報や調査員のコメントなども掲載されており、須藤社長は「モバイルアプリで最新情報を携え、ミシュランガイドの新たな活用を始めてほしい」とし、「身近なレストランから旅行先の素晴らしい体験まで1つのツールで紹介できる」と力を込めた。

 ミシュランガイド公式アプリは2021年10月から英語圏などで始動。日本版は4月14日から利用可能。なお、日本のレストランの予約機能は順次スタートする予定だ。

 ミシュランガイド事業部ブランドライセンス事業部執行役員の本城征二氏は「ユーザの皆様のグルメや旅の体験をよりシンプルに、スピーディーに実現できる。ファンを増やしていきたい」とデジタル化の利点を説明。一方で、「書籍も根強い人気がある。発行は継続していく」との考えを示した。

 ゲストとして登壇した航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、自身の体験を交えながら「食は美味しければ何度でも行きたくなる。旅行のなかで食はとても重要」と語り、世界中の美味しい店が集まる東京や日本の各地へ、円安を追い風に外国人旅行者が訪れる状況などを説明した。

【書籍紹介】「とっておきの温泉宿」 和田美代子〈著〉

2023年4月17日(月)配信

 フリーライターの和田美代子氏はこのほど、月刊「たべもの通信」で連載している「とっておきの温泉宿」から、27軒を選びまとめた書籍、「とっておきの温泉宿」(たべもの通信社発行、合同出版発売)を発刊した。

 連載ではこれまで、「謙虚さと誇りをもって湯を守る人がいる」「いまも湯治ができる」など、独自の目線で全国約40軒の温泉宿を訪れ、紹介してきた。今回はその中から「家族経営で、土地の温かさが伝わってくる宿を中心にセレクト」し、最新情報を加えた。

 定価は1650円(税込)。A5判、120ページ。Amazonや楽天ブックス、全国の書店で発売している。

「津田令子のにっぽん風土記(96)」おおたかの森で過ごす至福の時間~流山おおたかの森編~

2023年4月16日(日) 配信

国営アルプス安曇野公園(安曇野市)
NPO法人ふるさとオンリーワンのまちWeb担当 剱持優子さん

 今、首都圏近郊で最も人気のある場所の1つが、千葉県流山市おおたかの森だ。おおたかの森とは「流山おおたかの森駅」から見て西方にあるおよそ50㌶の森林「市野谷の森」のことで、かつて絶滅危惧種に指定されていたオオタカが生息することから駅名の一部に採用されたという。

 

 流山おおたかの森から車で10分弱の三輪野山に居を構えている剱持優子さんに、おおたかの森周辺の魅力について伺った。

 

 剱持さんは「お洒落なだけでなく森の中にいるようで、どこにいても心地よいんです」と絶賛する。千葉県民のみならず、近郊に住む若い層からの支持も高く、住みやすさでは常に上位にランキングされているのだ。

 

 NPO法人ふるさとオンリーワンのまちで公式ホームページや、動画の撮影などWebを担当している剱持さん。

 

 先日NPOの仲間と訪れた長野県安曇野市では、「朝の美しさや、ふつふつと湧き出る豊富な湧水、さらには雪をかぶった北アルプスの眺めに感動した」という。それらをフェイスブックやインスタグラムにアップするのも剱持さんの仕事だ。

 

 話をおおたかの森に戻そう。普段は携帯電話の販売やスタートアップ時の説明など、朝から晩までお客様へのサービスを行っている剱持さん。ハードな生活の中で見つけたベストな休日の過ごし方が、流山おおたかの森で過ごすことだという。

 

 2005年のつくばエクスプレス開業に合わせて誕生したこの街は、首都圏の駅に貼り出されたポスターのキャッチコピー「母になるなら、流山市。」でも話題になった。

 

 街づくりのテーマは「都心から一番近い森のまち」。駅周辺には商業施設やクリニック、市役所の出張所などの生活利便施設を集結させる一方で、周囲に広がる住宅地は地域固有の緑を活かすなど自然を維持・活用しながら整備されている。

 

 「流山おおたかの森S・Cなどの商業施設が続々と誕生し、生活利便性がさらに向上しました。愛犬と過ごせるカフェもあるのもうれしいですね」。

 

 さらに駅周辺を楽しく快適に回遊できるよう、雰囲気の異なるさまざまな沿道を作り幅員や照明、舗装がそれぞれ異なる工夫もなされている。「駅周辺に踏切が少ないので渋滞の心配が少ないこともありがたいですよ」と話す。「明日は、お休みなので愛犬モナを連れて、おおたかの森のスタバでのんびりしようと思っています」と涼しい横顔が印象に残る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

静岡で家康の足跡巡る 手習いの間や立ち上がり石も

2023年4月15日(土) 配信

昨秋の台風で被災したが復旧工事も完了した(清見寺庭園)

 静岡県観光協会は3月16、17の両日、「徳川家康公ゆかりの地をめぐるプレスツアー“春”」を開いた。県では、NHK大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機に、誘客や周遊促進に力を入れている。今回は家康が人生の約3分の1を過ごした静岡市内を中心に、主な見どころを紹介する。

 徳川家康が接ぎ木したと伝わる「臥龍梅」のある清見寺(静岡市)は、奈良時代創建の古刹。幼少期、今川家の人質として駿府に送られた家康は、ここで今川義元の軍師を務めた禅僧・太原雪斎から教育を受けた。大方丈には「家康公手習いの間」の遺構も残されている。後に、将軍職を秀忠に譲った後も度々足を運び、国の名勝に指定されている庭園を築く際は、自ら指揮をとったという。

 家康ゆかりの日常品を多く収蔵することから、その嗜好をうかがい知ることのできる久能山東照宮博物館(静岡市)。4月17日からは、家康が関ケ原の戦いで使用したという、国の重要文化財「竹駕篭」を特別展示する。銃弾跡や、その簡素な作りに注目したい。一方、人気の国重要文化財「金陀美具足(家康が着用した甲冑)」は、東京都内で行われるNHK大河ドラマ特別展(三井記念美術館)で展示されるため、春季は見られなくなるので要注意。

駿府城跡と静岡の街並みが融合する景観を(葵船)

 駿府城の堀を運航する葵船(静岡市)は、21年春に登場した静岡市の新しい観光コンテンツだ。土・日・祝日のみの通年運航だが、貸し切り利用時は平日も対応する。西側の石垣を高く築き、守りを手厚くしたようすや、石に刻まれた大名や職人たちの目印・刻印などを見ることができる。1周1・6㌔、約30分の遊覧だ。

 遠江國一宮小國神社(周智郡森町)に残る古文書には、家康の重要な祈願所だったことが記されている。家康は1572(元亀3)年、同社へ参拝。その後の長篠の戦い・関ケ原の戦いで勝利をおさめ、天下統一を実現した。境内には家康が腰をかけ休憩したとされる「家康公の立ち上がり石」もあり、大願成就の加護を受けようと多くの人が訪れる。現在進められている「令和のお屋根替え」も佳境を迎え、新しく生まれ変わった拝殿などを見ることができる。

【鈴木 克範】

菊池夕奈氏(ホテル四季の館 那須)が最優秀賞に 日本ハウス・ホテル&リゾートの「第22回料理コンテスト」 

2023年4月14日(金) 配信
 
菊池夕奈氏と同氏考案のメニュー

 日本ハウス・ホテル&リゾート(山栄共靖社長、東京都千代田区)は4月13日、「ホテル森の風 箱根仙石原」(神奈川県・箱根町)で「第22回料理コンテスト」を開かれ、同社社長と外部審査員4人による審査により菊池夕奈氏(ホテル四季の館 那須)の「桜海老香る那須御養卵のエッグベネディクト」が最優秀賞に選ばれた。

 チーズやベーコンで那須野畜産を、地元の農家から届く野菜で那須の大地の恵みを表現した一皿。調理長はじめ々調理場で働く皆さんにたくさん力をもらいこの場に立つことができた。これからも感謝の気持ちを持ち続け、努めていく」と喜びを表現した。

 料理の魅力向上を目的に年2回開催されている同コンテストの今回のテーマは、「地元卵を使用した、地産地消をアピールする料理」。同グループが運営する7施設から46人のエントリーがあり、原価250円以内という条件のもと料理を考案。各施設の総料理長による予選を経て、5人が本選に進んだ。

5人の調理スタッフ、関係者ら

 山栄社長は本選進んだ5人のうち3人が20代であることに触れ、「若くてもできるんだという思いを目の当たりにし、自身をもらった。今日は、社員ひとり一人のさらなる成長のスタートのきっかけとなった」とコンテストを総括した。

 優秀賞以下各賞の受賞者は次の通り

優秀賞:蜂木宥哉氏(ホテル四季の館 箱根芦ノ湖)

特別賞:中田宏明氏(ホテル東日本宇都宮)

アイディア賞:川崎哲一氏(ホテル四季の館 那須)▽中嶋絵梨氏(ホテル東日本宇都宮)