台湾・花蓮の震災復興へ、全旅連の義援金250万円手渡す(中華民国観光産業国際行銷協会 徐銀樹栄誉理事長)

2025年3月7日(金)配信 

徐銀樹栄誉理事長(左から2番目)が全旅連からの義援金を花蓮県政府に手渡した

 台湾・花蓮県で昨年4月3日に発生した「0403花蓮地震」から約1年が経った現在も、各界からの温かい支援が続々と寄せられている――。3月5日(水)、中華民国観光産業国際行銷協会の徐銀樹栄誉理事長(前中華民国旅館商業同業組合全国連合会理事長)が花蓮県政府を訪問。被災者への救済と花蓮の震災復興に「一万分の一」の気持ちを表明し、日本の全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が集めた義援金250万円を手渡した。

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の井上善博会長は「2011年3月11日の東日本大震災後、台湾から東日本復興支援として250億円の義援金が寄せられ、日台の友好関係が非常に深いことが示された」と述べた。昨年の花蓮地震後には、日本全国の旅館・ホテルが各都道府県に設置された募金所への寄付を呼び掛け、昨年末に総額250万円の寄付金を受け取ったと紹介。そして徐銀樹栄誉理事長に被災者支援のため、花蓮県政府に寄付するよう依頼し、東日本大震災後に台湾が日本に寄付した250億円の「一万分の一」の感謝の意を表した。

 徐榛蔚県長の代理として出席した顏新章副県長は「花蓮が危機に見舞われるたび、日本はいつも台湾への関心と支援の手を差し伸べてくれる」と述べた。花蓮の震災復興のために重要な資源を提供した日本の全旅連の募金活動に感謝の意を表するとともに、これらの善行は「台湾と日本の深い友情、そして災害に直面した国際社会の団結と相互支援の精神を十分に示している」と話した。

 花蓮県政府は観光業の回復を加速し、海外市場を拡大させるため、積極的に国際マーケティングを計画している。香港に続き、今年3月9日(日)に福岡県福岡市のソラリア西鉄ホテル福岡で「花蓮観光プロモーションマッチング会議」を開催する。同行する代表団には、花蓮県観光協会や観光民宿協会なども含まれ、同会議を通じて、日本の観光事業者が花蓮を再認識し、より深く特色のある旅程を作り出すことで、さらに多くの国際協力の機会が創出されることを期待している。県政府は今回の日台交流を機に、義援金に対する感謝の気持ちを伝え、台湾と日本の深く長い友好関係を示す予定である。

【PR】シンガポール、2030年までに持続可能な観光とMICE産業を強化

2025年3月7日(金) 配信

2030年までに持続可能な観光とMICE産業を強化

 シンガポールは、観光業の発展と環境保護を両立させる持続可能な戦略を進めています。2030年を目標に、観光地やMICE産業のサステナビリティを強化する取り組みが国内外から注目を集めています。当記事では、その内容について詳しく紹介していきます。

シンガポールの持続可能な観光戦略

 シンガポールは、観光業の発展と環境保護の両立を目指し、積極的な取り組みを進めています。その中核を担うのが「シンガポール・グリーンプラン2030」です。この計画では、都市型サステナブルツーリズムの推進を通じて炭素排出量の削減や資源の効率的な活用を目指しています。シンガポール観光局(STB)は、観光施設や事業者がグローバルサステナブルツーリズム協議会(GSTC)の認証を取得するための支援を行い、持続可能性の高い観光地づくりを進めています。

 具体的な事例として、セントーサ島では太陽光パネルの設置や廃棄物削減などの取り組みが注目されています。

 島内の46カ所の施設屋上に太陽光パネルを導入し、さらなる再生可能エネルギーの利用を計画。また、廃棄物管理システムを構築し、プラスチック廃棄物を道路舗装材に再利用する試みも行われています。

 さらに、訪問者が持続可能な選択を楽しめるよう、カーボンフットプリント削減方法や環境に配慮したアクティビティを提案するプログラムやキャンペーンを展開しています。これにより、旅行中に地元文化を体験しながら、環境に優しい観光が実現可能です。

 シンガポールの観光産業は、国内総生産(GDP)の約5.5%を占め、2023年には約3兆円規模に回復しました。これを支える新たな取り組みとして、観光産業への3億シンガポールドルの投資が決定されました。

 この投資により、新たな観光施設の開発や従業員のスキル向上が進められています。その一例として、2025年にセントーサ島に完成予定の「シンガポール・オーシーナリウム」という大規模な海洋施設が挙げられます。

 こうした取り組みの背景には、都市型観光地としてのシンガポールの独自性を保ちながら、環境や地域社会への影響を最小限に抑えるという明確なビジョンがあります。

 GSTC認証取得の努力は観光事業者だけでなく地域全体に広がり、シンガポール全土で持続可能性が推進されています。シンガポールの持続可能な観光戦略は、都市型観光地が直面する課題に対するモデルケースとして国際的にも注目されています。2030年に向けて、観光地としてのさらなる発展と環境保護の両立が期待されています。

MICE産業におけるサステナビリティの推進

 シンガポールは、MICE産業の持続可能性を高めるため、2022年に「MICEサステナビリティ・ロードマップ」を発表しました。このロードマップは、シンガポール・グリーンプラン2030や国連の持続可能な開発目標(SDGs)に基づいており、観光業全体のサステナビリティ向上を目指しています。

 MICEサステナビリティ・ロードマップでは、廃棄物削減、炭素排出量の管理、ネットゼロの達成に向けた具体的な目標が設定されています。2023年から廃棄物や炭素排出量の追跡を開始し、2025年までに主要なMICE会場が国内外の持続可能性認証を取得することを目指しています。

 さらに、2050年までにネットゼロを達成するという長期目標も掲げられています。これらの取り組みを支えるため、シンガポール政府観光局(STB)とシンガポール・アソシエーション・オブ・コンベンション・アンド・エキシビション・オーガナイザー・アンド・サプライヤー(SACEOS)は「MICEサステナビリティ委員会」を設立しました。

 この委員会は、業界全体で持続可能性基準を導入し、補助金プログラムを活用してMICE企業の生産性や競争力を向上させる取り組みを推進しています。STBは、環境意識の高まりに伴い、サステナビリティを重視する旅行者やイベント参加者が増えていると指摘しています。

 このため、シンガポールは環境への責任を果たすビジネスイベントの開催地として注目を集めています。

 SACEOSは、MICE業界がロードマップに沿った持続可能な目標を達成するための指針を提供しています。このロードマップは、業界関係者が具体的なマイルストーンを設けながら、持続可能な取り組みを実現するための重要な基盤となっています。

 これらの取り組みにより、シンガポールは責任あるビジネスイベントの開催地としての地位をさらに確立し、環境負荷を抑えた持続可能なMICE産業の発展を目指しています。ロードマップは、シンガポール全体のサステナビリティ目標への貢献を強化しつつ、MICE産業の競争力を保つ明確な方向性を示しています。

観光地における先進的な環境対策

 シンガポールは、観光地での環境負荷軽減に向けた先進的な取り組みを行っています。

 例えば、IR施設であるマリーナベイ・サンズでは、屋上にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーを活用しています。また、エネルギー効率を高めるインテリジェントビル管理システムを導入し、エネルギー消費や水使用量の削減を実現。施設全体で効率的な運営を行っています。客室には、エネルギー効率の高いルームコントロールユニットを採用し、快適性を保ちながら消費を抑える工夫もされています。さらに、広々としたカジノフロアでもこれらの取り組みが行われており、環境に配慮しながらプレーヤーが楽しめる空間が提供されています。ここでは、人気ゲームのテキサスホールデムの戦略を学びながらカジノ遊びが楽しめるなど、環境対策とエンターテインメントの両立が実現されているのが特長です。

 また、テキサスホールデムはエルドアStakeといったオンラインプラットフォームでも人気の高いゲームです。一方、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイでは、太陽光発電や雨水の再利用システム、バイオマス発電施設などを活用し、持続可能な水とエネルギー循環を実現しています。

 これらの施設は、単なる観光地としてだけでなく、環境教育の場としても機能し、生物多様性や気候変動に関する学びを提供しています。

 シンガポールのこうした取り組みは、観光業の持続可能性を高めるだけでなく、世界的な環境保護にも良い影響を与えています。都市全体でエコツーリズムを推進するシンガポールの姿勢は、他国にも影響を与え、観光地の新しい基準を形成し続けていくでしょう。

福岡城が竹あかりやデジタル技術で幻想的に 3月7日から「光のナイトウォーク」開催

2025年3月7日(金) 配信

イベントイメージ

 イベント制作会社のランハンシャ(下田栄一CEO、福岡県福岡市)は3月7日(金)から、福岡県福岡市の福岡城で入場無料のデジタルナイトイベント「光のナイトウォークin福岡城・鴻臚館~竹花玄夜と舞~」を開く。竹あかりや舞など、日本の伝統文化と、プロジェクションマッピング、ホログラムなどの最新デジタル技術を融合させ、幻想的な空間を創り上げる。

 昨年末に実施した、松ノ木坂から本丸への園路における竹あかりやプロジェクションマッピングなどの演出をバージョンアップする。新たに下之橋御門や旧母里太兵衛邸長屋門のライトアップ、飲食ブースの増設・充実もはかり、食事をしながら彩られた天守閣が楽しめる。

 期間は、3月下旬から開催予定の「福岡城さくらまつり」開始の数日前まで。毎夜午後7~10時まで点灯を行う。場所は本丸・二の丸エリア。

博物館明治村「メイジ珈琲時館」、開村60周年記念でオープン

2025年3月7日(金) 配信

メイジ珈琲時館(室内)

 博物館明治村(愛知県犬山市)は3月18日(火)、明治時代に日本で広まった珈琲や喫茶店文化をテーマにした飲食店「メイジ珈琲時館(こーひーじかん)」をオープンする。運営会社は名鉄インプレス(名古屋市)。同日の開村60周年を記念し、村内の工部省品川硝子製造所内で午後1時から営業を開始する。

 同店舗の特色である煉瓦造りのノスタルジックな雰囲気を生かし、ステンドグラスや型板ガラスを使った店内装飾を施すほか、1899(明治39)年創業の廣田硝子製造のガラス食器を使用して商品を提供する。さらに、同社が製造するガラス製品の展示も行う。

コナ珈琲(ハワイ珈琲)などを提供する

 店内では、周辺建造物にちなんだハワイ産やブラジル産のコーヒーを中心に、「あいすくりんソーダ(琥珀糖付き)」「ビー玉ポンチ」などのレトロな喫茶メニューも提供する。

(左)あいすくりんソーダ(琥珀糖付き)、(右)ビー玉ポンチ

 営業時間は、平日が午前10時30分から(ラストオーダー午後4時)、休日が午前10時から(同午後4時30分)。休村日を除き定休日なし。

九州産交リテールと⻄⽇本⾼速道路サービスHD、北熊本SA下り線リニューアル 熊本の土産や食事を提供

2025年3月7日(金) 配信

建物の外観(左)とくまもと旬彩館

 九州産交リテール(松原靖社長、熊本県熊本市)と、⻄⽇本⾼速道路サービス・ホールディングス(川村健⼀社長、大阪府⼤阪市)は3月27日(木)、九州自動⾞道の北熊本サービスエリア下り線(熊本県熊本市)をリニューアルオープンする。

 同サービスエリアは、1971年に開業した九州⾃動⾞道において最古のサービスエリア。今回が初めてとなる改装で、 ⼟産店くまもと旬彩館のほか、熊本の食材にこだわり季節感溢れた食事を提供するフードコートやテイクアウトコーナーなどを設ける。

 具体的にくまもと旬彩館では、「お菓⼦の香梅」直営店のみで販売している同県の土産を数量限定で販売。同商品は、100層に折り込んだバター風味豊かなパイ生地と濃厚なチョコレート餡を用いてる。フードコートでは、県の名物だご汁や、高菜飯、馬肉のホルモン煮込みがそろった熊本名物だご汁⾼菜飯セットのほか、熊本県産あか牛を使用した焼肉丼を提供する。

手塚治虫「火の鳥」展、3月7日~5月25日まで開催 約400点の直筆原稿を間近で鑑賞

2025年3月7日(金) 配信

会場入口の手塚治虫「火の鳥」展キービジュアル

 手塚治虫「火の鳥」の展覧会「手塚治虫『火の鳥』展―火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴―」が、3月7日~5月25日まで、東京・東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される。会期中無休。

 数々の名作を生みだした手塚治虫が、みずからのライフワークと宣言したマンガ「火の鳥」は、その血を飲んだものは永遠の命を得るという伝説の鳥〝火の鳥〟を追い求める人々の葛藤を描く一大傑作長編。過去と未来を交互に描きながら、「生と死」「輪廻転生」といった哲学的なテーマを縦横無尽に表現した本作の壮大な世界観は「火の鳥」の連載開始から70年が経過した今もなお人々の心をとらえてやまない。

 本展の企画には、生物学者の福岡伸一氏が携わり、30年以上の長きにわたって執筆された壮大な叙事詩を読み解く。原画を中心に、映像、関連資料、そして「火の鳥」の世界感を表現したグラフィック等、計約800点の展示を通して、新たな生命論の視点から「火の鳥」の物語構造を読み解き、手塚治虫が生涯をかけて表現し続けた「生命とはなにか」という問いの答えを探求する。

プロローグ「火の鳥・輪廻シアター」のようす

 展示会場は、プロローグから始まり、3章立てで構成。エントランスは「火の鳥」の世界感を表現するシアタールーム。第1章「生命のセンス・オブ・ワンダー」は作品の時間軸で、紀元前から西暦3000年を超える未来まで、物語の舞台は邪馬台国から果ては宇宙のかなたまで、作品舞台の時代背景とともに年表形式で辿る。第2章「読む!永遠の生命の物語」は主要12編(「黎明期」から「太陽編」まで)の貴重な原稿を多数展示、第3章「未完を読み解く」手塚治虫はいったいどのようにして物語を完結する予定だったのか。「火の鳥」最大の謎に、福岡氏が1つの答えを導き出す。現代美術家・横尾忠則氏が描いた作品「火の鳥」も特別展示。

第2章展示室

 開館時間は、午前10時~午後10時(最終入館午後9時)。入館料は平日が一般2300円、高校・大学生1700円、4歳~中学生800円、65歳以上2000円。土・日・休日は一般2500円、高校・大学生1800円、4歳~中学生900円、65歳以上2200円。

 主催は東京シティビュー。企画監修は福岡伸一、企画協力は手塚プロダクション、朝日出版社、後援はJ-WAVE、WOWOW。(※手塚治虫の「塚」は旧字体が正式表記)ⓒTezuka Productions

ハイグレード貸切バス「SPACIA X NIKKO CRUISER」25年10月運行開始へ

2025年3月7日(金) 配信

2025年10月運行開始

 東武鉄道は2025年10月から、スペーシアⅩと日光エリアの各スポットをつなぐハイグレード貸切バス「SPACIA X NIKKO CRUISER」の運行を開始する。

 車両はスペーシアⅩのデザインコンセプトを受け継いだデザイン。座席数はスペーシアⅩのコックピットスイートや、コンパートメントなどの貸切利用にも対応できる18席を配置。

国内線ファーストクラスと同等の座面幅

 グループ旅行や少人数の団体利用などを想定し、3列シートや国内線ファーストクラスと同様の座面幅を確保。ゆったりとした快適な移動を実現する。

 同社は「日光エリアにおける上質な2次交通の充実をはかることで、魅力的な日光エリアの観光スポットや、体験コンテンツ、ハイエンドな当社グループの宿泊施設などをつなぐ『高付加価値な旅行パッケージ』の造成が可能となる」とし、日光エリアの経済活性化やブランドイメージの向上を目指す考えだ。

【きたゆざわ森のソラニワ】春季営業再開「ムササビ」 ロングジップライン無料CPも

2025年3月7日(金) 配信

「ムササビ」のジップラインが1回無料に

 野口観光マネジメント(野口和秀社長、北海道登別市)が運営する宿泊施設「きたゆざわ森のソラニワ」(猪股貴美恵執行役員支配人、北海道伊達市北湯沢温泉)は、冬季休業期間を経て、ホテルの裏の森にある野外アドベンチャーパーク「ムササビ」が約5カ月ぶりに再開すると発表した。

 4月の宿泊利用促進へ、公式ホームページから宿泊予約するとロングジップラインが無料となるキャンペーンを展開している。

 期間は4月5(土)~30日(水)まで。小学生から大人まで1人1回限り。天候不良などでジップライン体験ができない場合は、館内利用券(1室1000円分)に変更する。

レストランと宿の複合施設 3月19日「那須パラダイスヴィレッジ」が開業

2025年3月7日(金) 配信

那須パラダイスヴィレッジ外観

 飲食店事業を展開するグローバルダイニング(長谷川耕造社長、東京都港区)は3月19日(水)、栃木県那須塩原市に宿泊施設を備えたレストラン複合施設「那須パラダイスヴィレッジ」を開業する。1階のフードホールには12店舗のレストランが入居し、2階には「ホテル パラディソ」が開業する。

 同施設は同社が訪れる人々に「非日常の体験」を提供しようと、構想10年を経て開業する。新たな価値や挑戦を育むインキュベーター拠点を目指す。

 1階には居酒屋タイプの飲食店「権八(GONPACHI)」や、イタリアンレストラン「CAFE La Boheme(カフェ ラ・ボエム)」など12店を予定。全店舗オープンキッチンで、ライブ感ある調理風景を間近に楽しめる。

客室の一例

 2階の宿泊施設は全37部屋で、ドミトリーからラグジュアリールームまで幅広く用意する。

 夜にはライトアップされるほか、中庭に焚火台を設置し、施設全体が幻想的な雰囲気に包まれる。

 所在地は栃木県那須塩原市鹿野崎字戸屋109-7。黒磯板室インターすぐで、那須ガーデンアウトレットに隣接しているため観光拠点として便利な立地という。

阪急交通社、世界お茶まつり2025前に講座 静岡茶の歴史や魅力を発信

2025年3月7日(金) 配信

講座のようす

 阪急交通社(酒井淳社長、大阪府大阪市)は、静岡茶の歴史や魅力などを座学で学び、お茶の総合博覧会「世界お茶まつり2025」開催中の静岡県を訪れるツアー企画を展開している。3月6日(木)には、阪急たびコト塾東京(港区)で講座を開いた。

 同祭はお茶の総合博覧会として、01年から「世界お茶まつり」を3年に1度実施されてきた。今回で9回目を迎える。

 ツアーでは、普段入れない静岡茶市場で、取引のようすやお茶の見極め方を見学するほか、こだわりの抽出体験や、茶畑での新茶摘み体験、ツアー限定のお茶フレンチの夕食などを楽しむ。5月8日(木)、9日(金)、15日(木)に1泊2日の行程で催行される。講座に未参加の人も申し込むことができる。

 同講座の冒頭、静岡県お茶振興課の大石哲也課長代理は「見て、聞いて、学び、味わいながら、静岡茶の魅力を知り、静岡県へ来訪してほしい」と呼び掛けた。

大石哲也課長代理

 講座の第1部では、帝京大学経済学部講師で、ふじのくに茶の都の粟倉大輔客員研究員が講師として、登壇した。

 日本茶は室町時代から飲まれており、1859年にはアメリカやカナダなどへの輸出が始まった。

 静岡では戦前に総生産量の約6~7割を外国へ販売していた。現在は県内の清水港からの輸出量が全国で最多となっている。県内のお茶は富士や清水、牧之原、川根、掛川などで栽培されている。産地によって香味や色の濃さなどが違うという。

 第2部では、つちや農園(静岡県・川根本町)の土屋和明氏が登壇。自身の生産する川根茶が、1947年から毎年行われている全国茶品評会で農林水産大臣賞や産地賞などを受賞したことを説明した。寒暖差が激しいことから、「香り高く、おいしい」とアピールした。

土屋和明氏

 一方、茶葉は傾斜地で育てているため、「収穫に大型農機を使えず、人が刈っている。地域では高齢化が進み、産業として続けることが難しくなってきている」とした。

 こうしたなか、「多くの人がお茶について知り、楽しんでもらうことで、生産の継続に向けたチャンスを感じる」と、産地への訪問が茶畑の維持に対するモチベーション向上にもつながっていることを説明した。

 最後に、静岡県お茶振興課の三浦佑太主事がツアーの内容を説明し、申し込みを促した。