全国共通のデジタル観光統計オープンデータ 日観振、お試し版の提供開始

2023年10月12日(木) 配信

 

 日本観光振興協会(山西健一郎会長)は10月12日(木)から、デジタル技術を用いて観光来訪者数を集計する「デジタル観光統計オープンデータ」のお試し版の提供を開始した。基準を全国共通化し、誰でも無償で利用できるデータを提供することで、持続可能な観光地経営を支援するのが狙い。

 このデータは、ブログウォッチャー(酒田理人社長、東京都中央区)が保有する、事前に利用承諾を得た携帯端末から得た月間3000万アクティブユーザーの位置情報を活用し、全国の都道府県・市町村の観光来訪者数を月別に集計したもの。今後は毎月、前月のデータを公開するという。

 お試し版は、日観振のデジタル観光統計整備検討委員会が作成したガイドラインをもとに、ブログウォッチャーが設定した全国10万カ所の観光地点を訪れた人を集計。これに都道府県がこれまで実施してきた統計に合わせて観光地点の変更・追加をすることで実態に即したものとなることから、これを受けて「確定版」とする想定。今後、各地域に作業を呼び掛けていき、確定版の公開については来年1月以降を予定する。

高野山宿坊協会 中央案内所リニューアルオープン 観光・参拝役立つ機能を取り揃えた複合型の観光情報拠点に

2023年10月12日(木) 配信

高野町の平野嘉也町⻑ら関係者がテープカット

 高野山宿坊協会(山階清隆理事長、和歌山県高野町)は10月4日、「高野山宿坊協会 中央案内所」をリニューアルオープンした。

 宿坊予約や観光案内機能に加え、文化や歴史、自然をより深く体験できるアクティビティ情報を集約。DMC高野山の協力のもと、観光・参拝に役立つ機能を取りそろえた複合型の観光情報拠点として生まれ変わらせた。

 リニューアル伴い情報や窓口が分散していた体験アクティビティを、高野山体験プラットフォーム「もっと高野山」として集約。阿字観(瞑想)や授戒など従来の高野山の文化・自然体験に加え、レンタル装束や護摩行など新たな体験も追加した。これらの予約は窓口や館内タブレット、宿坊協会のWebサイトから検索、予約できる。

 このほか館内には、4Kデジタルサイネージに高野山の文化遺産や伝統文化などのビジュアルを一括表示する「デジタル万華鏡」や、高野山の伝統的な森林を保護・活用する「高野山寺領森林組合」による自然ワークショップコーナー、伝統のお茶が楽しめる「ふれあい茶房」、高野山や和歌山県のお土産を販売するショップも新設。散策を補助する高野山GPS ガイド端末も貸し出す。

高野山中央案内所・1階

 ピーク時には約80万人の宿坊宿泊客がおり「一大宿泊参拝地」と言われていた高野山は、宿泊客が⻑期的に減少したことで平均滞在時間が短い「日帰り観光地」となり、観光消費額が縮小している。

 今回のリニューアルは、こうした課題を解決するために金剛峯寺や宿坊寺院、高野町、高野町観光協会、高野町商工会、紀陽銀行らが協同で推進してきた「三大ハブ拠点構想」の一環として行われた。高野山内を奥の院・中央・⻄⽅にエリア分けし、個々の特徴を生かした周遊環境を整備による体験情報の集約と滞在時間の増加が目的。

 2022年8月に⻄⽅エリアの拠点として「高野山デジタルミュージアム」を新設、23年4月に奥の院エリアの拠点として「新中の橋会館」のリニューアルを実施した。今回のリニューアルにより施設の整備は完了となり、今後は3拠点の連携を強化。来訪客の周遊を促すことで、高野山の観光消費額の増加に取り組んでいく。

JTB、熱海市と連携協定 交流・関係人口拡大に向けて

2023年10月12日(木) 配信

熱海市の交流人口や関係人口の拡大を推進する

 JTB(山北栄二郎社長)は10月10日(火)、静岡県熱海市(齊藤栄市長)と交流人口や関係人口の拡大に向けた包括連携協定を結んだ。これまで観光促進に向けた事業連携を行ってきた両者が、コロナ禍以降の旅行需要の最大化に向けた新たな課題解決のため、今回の協定締結に至った。

 今回の協定により、コロナ禍以降での旅行需要の最大化で交流人口や関係人口の拡大、平日や閑散期の新たな需要創出による観光・宿泊施設の稼働率の平準化をはかる。さらに「意外と熱海」のリブランディング、両者間の利点を生かした連携強化で地域課題の解決、持続可能な観光地経営の実現を目的としている。

 具体的には、ビジネス利用、インバウンド、教育旅行の受入促進を進めるほか、旅行需要拡大への取り組み、中央省庁公募事業に対して両者で連携した取り組みを行っていく。そして、国内外のステークホルダーに向けた地域の魅力発信、リピーターやロイヤルカスタマーづくりのためのプロモーション活動、食や地域物産などの地域ブランドづくりに取り組む。

 「意外と熱海」のリブランディングでは、事業計画の策定や実行、新たなターゲットへのプロモーションを展開。このほか、観光DXの推進に向けた環境整備、観光人材の育成、富士箱根伊豆エリアの広域観光の魅力創出、周辺観光地の回遊性向上のための2次交通や新たなモビリティの整備にも取り組む方針だ。

 なお、協定期間は2029年3月31日(土)まで。

愛犬と一緒に芦ノ湖遊覧 10月21(土)、22日(日)「ワンちゃん専用クルーズ」

2023年10月12日(木) 配信

ワンちゃん専用クルーズ イメージ

 小田急グループの箱根観光船(長峯昭彦社長、神奈川県小田原市)が運営する「箱根海賊船」は10月21(土)21日(日)、愛犬と共に湖上遊覧ができる「ワンちゃん専用クルーズ」を運航する。

 「ワンちゃん専用クルーズ」では、現在も愛犬と乗船できる箱根海賊船において、ケージ不要・リードを装着した状態での乗船を可能にした専用便を運航する。犬種は問わず、大型犬も乗船できる。

 乗船料金は、大人2800円、子供1660円。愛犬は無料。すべて税込み。

 チケットは体験予約サイト「アソビュー」で販売している。

 また、ペッツオーライ(小早川斉CEO、東京都中央区)が提供するペットとのお出かけを支援するアプリ「Wan!Pass(ワンパス)」で乗船手続きを行うと、オリジナルアクリルバッヂをプレゼントする。

 同アプリの特徴として、①愛犬と同伴可能な施設がすぐに見つかる②「狂犬病予防注射済み証」「ワクチン予防接種証明書」をアプリに登録でき、施設訪問時の手続きがワンタッチで完結する③ドッグトレーナーがしつけレベルを認定する仕組み「Wan!Passしつけ認定」を通して、通常では愛犬と共に入ることができなかった施設に、認定を持った人のみ入場可能──など。

四国から3地域選出 世界の持続可能な観光地トップ100

2023年10月12日(木) 配信

四国ツーリズム創造機構の記者会見のようす

 持続可能な観光地の国際的な認証団体「グリーン・デスティネーションズ」(本部オランダ)は10月9日(月)、「世界の持続可能な観光地Top100」の2023年版を発表し、日本から10地域を選出した。

 10地域は、北海道弟子屈町▽岩手県釜石市▽神奈川県箱根町▽長野県小布施町▽京都府宮津市▽香川県丸亀市▽徳島県三好市▽愛媛県大洲市▽熊本県小国町▽鹿児島県与論町。

 このうち、四国からエリア別最多の3地域入った。四国ツーリズム創造機構(半井真司代表理事)は同月10日(火)に、香川県高松市内で記者会見を開き受賞を報告した。同機構は自治体などと連携し「四国『持続可能な観光』推進ネットワーク」を立ち上げるなど、取り組みを進めてきた。

 選出された地域は団体のホームページに掲載され、国際的な認知上向上につながることが期待される。

インバウンドベンチャーと地域課題を解決 10月24(火)・25(水)・31日(火)にマッチングイベント開催

2023年10月12日(木) 配信

観光庁はこのほど、インバウンドベンチャー企業とのマッチングイベントを開く

 観光庁はこのほど、観光現場における課題をICTの力で解決するインバウンドベンチャー企業とのマッチングイベントをオンラインで開く。全3回でそれぞれ異なるテーマで開催し、地域固有の課題に併せて行政やDMO、観光関連事業者が参加できるようにした。

 同イベントは、観光における課題を抱える地域と、インバウンドベンチャーとのマッチングを促し、企業の持つ「地域課題の解決」と同時に、「実証フィールドの提供」を行うことで、「0→1」の実証事例を創出することを目指す。

 マッチング成立後は、2023年12月~24年2月中旬までに実証事業実施にあたって、調査・実証事業の助成金や、コーチ派遣などの各種支援を受けることができる。

 DAY1は10月24日(火)午前10時~正午まで。テーマは、訪日外国人向けコンテンツ整備や、情報分析・マーケティングなど。

 DAY2は10月25日(水)午後3時~5時まで。テーマは、情報発信・予約対応や、多言語対応について。

 DAY3は10月31日(火)午前10時~正午まで。テーマは、予約・決済・通信環境の整備、二次交通の円滑な利用・周遊促進、混雑対応、災害などの非常時対応など。

 各回先着400人まで。

エールフランス航空が90周年 アニバーサリームービーなど公開

2023年10月12日(木) 配信

90周年記念ドレス

 エールフランス航空は10月7日に創立90周年を迎えたことを記念し、歴史を振り返る専用ウェブサイトを開設した。アニバーサリームービーを公開しているほか、オンラインショップではオリジナルグッズなどを販売している。

 1933年の創立以来、エールフランスは芸術や建築、航空技術などを取り入れ、フランスらしいサービスを提供してきた。この歩みを表現するアニバーサリームービーでは、コスチュームドレスを装ったモデルが巨大な格納庫や中距離機の最新鋭機材エアバス220の翼など、エールフランスの施設や機材を投影したセットやビジュアルとともに登場する。

 コスチュームドレスは、パリ・オペラ座バレエ団の衣装部を率いるグザヴィエ・ロンゼ氏がデザインを担当。5つのドレスでエールフランスの実績を具現化したという。

 オンラインショップ「Air France Shopping」では、新旧航空機の模型や90周年オリジナルグッズ、フランスのトップブランドをコラボレーションしたグッズを販売中だ。

 日本では10月31日(火)まで、90周年キャンペーンとして関東圏や関西圏でのテレビCM放映やデジタルチャネル広告などを展開する。

静岡の新作ビール、11月4日に伊豆箱根鉄道で飲み比べ(近畿日本ツーリスト)

2023年10月11日(水)配信

貸切列車で静岡クラフトビールの飲み比べが楽しめる

 近畿日本ツーリスト(瓜生修一社長、東京都新宿区)は11月4日(土)、静岡クラフトビール協同組合(片岡哲也代表理事、静岡県沼津市)、伊豆箱根鉄道(伍堂文康社長、静岡県三島市)と連携し、「Cheers!静岡クラフトビール×伊豆箱根鉄道貸切列車イベント」を企画・実施する。

 同企画は、伊豆箱根鉄道の三島~修善寺駅間を往復する貸切列車に乗車し、車内で地元静岡のクラフトビール醸造所10社の“今年の新作ビール”を、沿線の特産品を使用した「おつまみ弁当」と共に楽しめる。所要時間は約2時間30分。イベント参加と伊豆エリアの宿泊をセットにした旅行企画商品も販売する。

 さらに、今後の訪日外国人旅行客の誘致を見据え、当日はスマートボックス(三浦洋一社長、東京都港区)による多言語遠隔同時通訳が可能なアプリ「ドコツーAI」を導入。これにより、言葉の心配もなくイベントを楽しめるようにした。

 参加料金は税込で1人8000円(運賃・飲食代込)。乗車定員は予約先着順で110人、最少催行人員は50人とする。

 詳細と申込方法は、近畿日本ツーリストの申込専用サイトから。

”迷惑客”の宿泊拒否可能に 改正旅館業法、今年12月から施行へ

2023年10月11日(水) 配信

検討会のようす

 改正旅館業法の円滑な施行に向けた検討会(座長=玉井和博・立教大学観光研究所特任研究員)は10月10日(火)、今年6月に迷惑客の宿泊拒否を可能にする改正旅館業法が成立したことを受け、要件の具体例を示した指針案を取りまとめた。今年12月の施行に向け、今後パブリックコメントを経て、正式決定する。

 同案では「ほかの宿泊者に対するサービスの提供を著しく阻害する恐れのある要求について宿泊拒否の対象となる」とした。

 不当な割引や客室のアップグレード、契約にない送迎のほか、従事者への土下座や特定の者にのみ自身の応対をさせること、泥酔しほかの宿泊者に迷惑を及ぼす恐れがある宿泊者が、長時間にわたる介抱を繰り返し求めた場合などに、宿泊を拒否できると示した。

 一方、配慮を求める障害者などの宿泊拒否につながらないよう、「旅館は障害を理由として宿泊を拒むことはできない」と明記した。

 今回の指針案では、障害者が車イスで部屋に入れるようにベッドやテーブルなどの位置の移動を求めることや、車イス利用者がベッドに移動する際に介助を要求すること、発達障害のある人が待合スペースを含む空調や音響などの設定の変更を求める行為などは、宿泊拒否の対象外とした。

 このほか、来館時または宿泊中に1類、2類感染症の症状を呈している人については、宿泊施設が体温の確認など感染防止対策への協力を求め、みだりに客室から出ないことを求めることができるとまとめた。

 なお、昨年10~12月の国会で提出された当初の改正案では、宿泊施設は発熱などの症状がある客に感染対策を求め、正当な理由がなければ宿泊を断ることができるとしていた。しかし、ハンセン病の元患者などから「差別を助長する」などとして反対されたことから、宿泊を拒否できるとした箇所を「協力を求めることができる」と変更した。検討会では、協力に応じない場合でも、宿泊を断ることができないこととした。

 厚生労働省は同案の正式決定後、まずは都道府県に相談窓口の開設を促す。そのうえでホテル・旅館向けの窓口は、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)と日本司法支援センター(法テラス)が担う。利用客には消費生活センターなどが応じる。

シーナッツ、ジェイアール東海ツアーズが連携  「TL—リンカーン」を活用

2023年10月11日(水) 配信

「TL-リンカーン」トップ画面イメージ

 宿泊施設の予約・販売管理システム「TL─リンカーン」を提供するシーナッツ(後藤太郎社長、東京都港区)は、「EX旅先予約」「EX旅パック」を展開するジェイアール東海ツアーズ(杉浦雅也社長、東京都中央区)と連携を始めた。

 これにより、TL─リンカーンを導入している宿泊施設では、「共通在庫サービス」を使って、ジェイアール東海ツアーズに提供する部屋タイプやプランを作成することができる。

 既に共通在庫サービスの利用がある場合は、作成済みの部屋タイプやプランを流用し、手間なく販売チャネルを広げることが可能となる。

 また、同システムで管理されているほかのネット販売先と在庫・プランの共有を行うことで、残室・料金の一括調整を効率的に行うことができる。