東京會舘「Drape(ドレープ)」が日比谷玄関口にオープン 本格的なクラシカルフレンチを気軽に 榎本支配人「新しい食の舞台を創造していきたい」

2023年3月20日(月) 配信

ドレープの榎本貞樹支配人

 東京會舘(渡辺訓章社長、東京都千代田区)は3月16日(木)、東京・日比谷の玄関口に、本格的なクラシカルフレンチを気軽なスタイルで楽しめるレストラン「Drape(ドレープ)」をグランドオープンした。

 創業100年を迎えた東京會舘が数々の国公賓やVIPをもてなしてきた本格的なフランス料理の味わいはそのままに、コース料理やドレスコードにとらわれないビストロのように、アラカルトを中心とした現代的なスタイルへと再構築した。

 同店では、1人1品からでも、グループでシェアしながらでも、多様なスタイルに対応する。「ウフマヨ」や「パテ・ド・カンパーニュ」、「黒豚のオルロフ風」などクラシカルな料理に合わせて、ワインを中心にさまざまなドリンクもそろえている。

オープンキッチンのエンターテインメント性が特徴

 オープンキッチンの舞台から広がる開放的な食空間が特徴で、テーマは「劇場」。調理や接客の過程も、エンターテインメントとして楽しめる空間づくりにこだわった。

 榎本貞樹支配人は、「さまざまな文化・芸術が集まる日比谷で、新しい食の舞台を創造していきたい」と語る。

 営業時間は平日・土曜日が午前11時~午後10時、日曜日は午前11時~午後9時。席数は52席(127平方㍍)。

 所在地は、東京都千代田区有楽町1―5―2 東宝日比谷プロムナードビル2階。

アウトバウンドを19年水準に、本格回復への政策パッケージ策定(和田観光庁長官)

2023年3月20日(月)配信

観光庁の和田浩一長官は3月15日(水)に会見を開いた

 観光庁の和田浩一長官は3月15日(水)に開いた会見で、アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージを策定したことを発表した。アウトバウンドの本格的な再開を見据えて、イン・アウトを両輪として双方向の交流拡大をはかり、出国日本人数を2019年水準である2000万人への回復を目指す。和田長官は「アウトバウンドはインバウンドに比べて回復が遅れている。業界団体や各国・地域の政府観光局と連携し、一層積極的な取り組みを進めていきたい」と力を込めた。

 アウトバウンドの推進について、同庁は「日本人の国際感覚の向上や国際相互理解の増進による諸外国との友好関係の深化をはかるもの。このうえで、双方向の交流拡大を通じて航空ネットワークの拡大、そしてインバウンドのさらなる拡大にもつながる」との認識を示した。

 政策パッケージでは、①諸外国との連携体制の強化②戦略的かつ効果的な取り組みの推進③安全・安心な旅行環境の整備・青少年交流の促進――の3つの柱を掲げた。3つの方向性から取り組みを実施するものとして、具体策は日本旅行業協会(JATA)などの業界団体と協議を行ったうえで決めていく方針だ。 

 1つ目の諸外国との連携体制の強化では、重点国・地域をはじめ各国・地域との連携体制を構築し、アウトバウンド増加に向けた強力な枠組みを整備する。2国家・地域間での海外旅行者数の設定など覚書の締結を推進し、各国政府観光局との総合的・一体的な連携スキームの構築を行う。

 2つ目の戦略的かつ効果的な取り組みの推進では、アウトバウンド増加のポテンシャルが高い若者やシニア層を中心に、戦略的かつ効果的な取り組みを推進する。各国政府観光局や旅行会社、航空会社などと連携した特別キャンペーンの促進や、ツーリズムEXPOのさらなる活用、戦略的・効果的な取り組みのためのマーケティング調査を行うとした。

 3つ目の安全・安心な旅行環境の整備・青少年交流の促進では、現地情報の発信を通じた安全・安心な旅行環境の整備や、次世代を牽引する青少年交流の促進をはかる。ツアーセーフティーネットによる現地の治安や医療機関に関する情報などの安全情報の発信の強化、参加事業者の拡大や、海外教育旅行のさらなる普及や促進、重点国・地域への送客強化に取り組む。

 和田長官は「イン・アウトともに、25年までにコロナ禍前の水準を超えたい」考えを明かした。

2月の訪日客数148万人、コロナ前77%まで回復

 2023年2月の訪日外国人旅行者数は、前年同月と比べて約88倍となる147万5300人となった。コロナ禍前の19年同月比は57%まで、水際対策が続く中国を除くと77%まで回復した。

 インバウンドの回復動向について、和田長官は「訪日個人旅行を解禁した22年10月以降、19年と比べた毎月の訪日者数回復率は毎月増加し、堅調な回復が続いている」と話した。今後の見通しについては「3月に中国からの入国者に対する水際措置の変更や国際クルーズが再開され、さらなる訪日客の回復につながる」と期待を寄せた。

 一方、23年2月の出国日本人数は53万7700人。同年1月と比べると約1.21倍だったが、19年同月比では約33%と回復には至っていない現状を明かした。和田長官は「円安や燃料費の高騰、そして感染への不安などにより海外旅行への機運が醸成できていないことから3割強に留まっている」との見解を示した。

「観光再始動事業」、3月中の採択を見込む

 インバウンドの本格的な回復に向けた「観光再始動事業」については、1月31日(火)~2月27日(月)まで公募を受け付けた。文化や自然、食、スポーツなど多岐にわたる分野から約1000件の申請があったと述べ、有識者などによる審査委員会で審査を行ったうえで3月中に採択を決定する見込み。なお今後、2次募集の実施も行う予定としている。

 和田長官は「同事業を活用してインバウンドの回復、それから地方への誘客をさらに加速して、訪日外国人旅行消費額5兆円の早期達成に向けて取り組みたい」考えだ。

〈旬刊旅行新聞3月21日号コラム〉―― 城下町 時間旅行という別軸の旅も楽しめる

2023年3月20日(月) 配信

 3月、静岡市に出張する機会があった。下りの小田急線で小田原駅まで行き、小田原駅から静岡駅まで新幹線「こだま」号を利用した。こだまはコロナ禍前には大きな荷物を持った訪日外国人旅行者で満席だった記憶があったが、どのような状況になっているかも興味があった。

 

 結局、乗り合わせた車両は、大きな荷物を持った外国人旅行者のグループでほぼ満席状態。車内も旅行客の話し声が楽しげで活気があった。窓の外の風景も麗らかで、春の訪れとともに、本格的な旅行シーズンが到来したことを感じた。

 

 折しも、マスク着用が「個人の判断」に委ねられた翌日であった。外国人を含めてマスクを外した人は少なかったが、日ごとに増えていくのだろう。

 

 

 あちこち旅をしているなかで、国内の県庁所在地で、ちゃんと訪れていない唯一の都市が、静岡市だった。もちろん、車や新幹線などで通過したことは数知れず。神奈川県で生活しながら、隣県の中心都市を訪れていないというのが、我ながら面白いと感じ入った。

 

 10年ほど前から、「静岡市には行っていないな」と、薄々気づき始めていた。やがて「今度何かあったら、行かなきゃ」と意識は変わっていった。

 

 しかし、なかなかその「何かあったら」が来なかった。おそらくこれまで何十年も、同じように「何かあったら」が来なかったのだ。ということは、「自分の意志で旅行目的地として静岡市に向かわなければ永遠に行けない」と気づいた矢先に、静岡市への出張が決まった。世の中って不思議だ。

 

 

 私なりの一般論であるが、行政都市的な意味合いが強い県庁所在地は、観光するには少々退屈な都市が多い。

 

 街の中心部には県庁舎や市庁舎があり、警察署、消防署、裁判所、地方銀行本店など、しゃちこばった公的施設とセットで、芝生に噴水などを設けた四角い公園があったりして、「清く、正しく、美しく」的な標語が似合いそうな建物が並ぶ。それら折り目正しさが、訪れる者には若干の窮屈さと、凡庸さを垣間見せるパターンが多い。

 

 他方で各都道府県の2番手、3番手の都市は、建物も、そこに住む住民も相対的に肩の力が抜けた空気を漂わす。県庁所在地であれば、必死になって隠そうとする廃れた感じの建物や、妖しい空気もそのまま晒されていることが多く、退廃的な気分に浸りたい旅行者が、場末の飲み屋街などに入ると、妙に気分がマッチすることもある。

 

 

 さて、静岡市は想像以上に活気があった。どこまでも続く商店街は古き伝統と、新しさが混在し、散策が楽しかった。美味しい店も2軒ほど見つけた。

 

 現在、NHK大河ドラマ「どうする家康」放映中ということもあり、晩年の徳川家康が隠居し、江戸初期には大御所政治(駿府政権)の中心地だった、駿府城公園にはぜひ行ってみたいと思っていた。

 

 塔頂にドームをのせた国登録有形文化財の静岡市庁舎本館や、静岡県庁舎本館など趣深い建物を眺めながら駿府城公園に入った。市民憩いの場という雰囲気だったが、外国人旅行者の姿も多く、国際的にも徳川家康への関心の高さが伺えた。加えて、城がある(あった)都市は現在と過去の歴史が重層的に存在しており、時間旅行という別軸の旅も楽しめると感じた小旅行だった。

(編集長・増田 剛)

【特集 No.630】太田安曇野市長インタビュー 安曇野のブランド価値高めたい

2023年3月20日(月) 配信

 長野県安曇野市(太田寛市長)は、豊かな自然や田園風景を守りながら、「住みたい安曇野 住んでよかった安曇野」の実現に向けて、観光振興にも積極的に取り組んでいる。近年は移住者も増え、「滞在型観光地への転換」を目指している。「市民全体で安曇野のブランド価値を高めていきたい」と語る太田市長へのインタビューとともに、安曇野市との関わりが深い、トラベルキャスターで、NPO法人「ふるさとオンリーワンのまち」理事長を務める津田令子氏にメッセージをいただいた。

【聞き手=本紙社長・石井 貞德、構成=増田 剛】

滞在型観光地へ転換を

 ――安曇野市の特徴をお話しください。

 安曇野は5つの町村が合併し、2005年に誕生しました。人口は約9万7千人。少子高齢化の中で自然減はあるものの、大きくは減少していません。一方で、転出よりも転入の方が上回る社会増は毎年500人を超えています。長野県内77市町村で、最も社会増が多いのは安曇野市です。
 長野県の構造的な問題ですが、地元で通える大学のキャパシティが小さい。このため大学に進学される方の相当数は高校卒業後に県外に行ってしまいます。それを差し引いても年間500人程度、増加している状況です。

 ――社会増ということは移住される方が多いのですか。

 市の西部には、北アルプス連峰が聳え立つ、中部山岳国立公園を有しています。四季折々の自然美に加え、冬は雪の少ない気候、首都圏や名古屋からの交通利便性の良さなど、県内外からさまざまな理由によって、安曇野の自然を求めて移住されます。
 モノづくりやアート創作、さらにはゲストハウス経営や、山岳ガイドをされる方も多くいらっしゃいます。

 ――農業や産業はいかがですか。

 農業については、県内で耕作面積が最も多い水田が広がっています。雄大なアルプス連峰の絶景の手前に、水田や縦横に走る農業用水など「人の営み」が見えるところが、安曇野らしい景観の大きな特徴です。リンゴやブドウなどのブランド化にも取り組んでいます。
 製造業も県内で上位に位置し、年間5千億円規模の出荷額があり、市民の多くの方は製造業に従事しています。
 このようにバランスのとれた市なので、住みやすい街だと自負しています。

 ――市長が感じる安曇野の魅力とは。

 何と言っても山の美しさと、水がきれいなところです。安曇野市の水道水はすべて湧水を使っています。さまざまなアウトドアスポーツが楽しめます。
 文化的にも、安曇野のシンボルの1つである碌山美術館をはじめ、博物館や美術館がギャラリーなど小さいものを入れると、30を超えます。
 観光客は、コロナ禍前は年間延べ500万人が訪れていました。東京都心や名古屋から車で3時間程度という立地的な利便性の高さを感じていただいています。山小屋もたくさんありますので、夏は登山客も多く訪れます。
 また、安曇野はワサビが有名です。お蕎麦屋さんも観光で訪れたお客様がご利用されており、市内の消費額の中で、観光の占める割合はとても高いと認識しています。
 公民館活動も活発で、さまざまな文化や芸術活動も積極的に行われています。高齢者も定期的に公民館に集まり、文化芸術に親しむことで生きがいなどにもつながっています。
 「住みたい安曇野、住んでよかった安曇野」というキャッチフレーズも定着しているのかなと思います。以前は「あづみの」と読めない方も多くいらっしゃいましたが、全国的にも知名度も上がってきていることを実感しています。

 ――「安曇野」という響きがいいですね。 

 北海道には「富良野」、島根県には「津和野」、東京都には姉妹都市の「武蔵野」があります。野の前に2文字ある地名は語感や響きがとても良く感じます。
 また、近年は多くのガイドブックにも「安曇野・松本」の順番で名前がつけられております。松本市とは観光面での広域連携がこれまで以上に必要だと考えます。……

【全文は、本紙1897号または3月27日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

「街のデッサン(263)」ソーシャルキャピタルが社会力を再生させる、社会関係資本の存在意味

2023年3月19日(日) 配信

存在意味の創発を持続させる(八木橋百貨店)

 社会は複雑な人間同士のリアルな「関係」によって成り立っている。その複雑な関係こそが、部分の総和を超えた「創発」を生む。総体がソーシャルキャピタルだ。

 私が中学生だったころ、担任の先生の薦めで吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」を読んだ。下村湖人の「次郎物語」に感動している文学少年には、いきなりレベルの高い社会小説を押し付けられた感があったが、読み込んでいくうちに興味が持続し了読できた。分けても心に残ったのは、どういう訳か第1章の主人公・本田潤一少年が、コペル君というあだ名で呼ばれるきっかけにもなった、銀座のデパートメントストアの屋上で叔父さん(母親の弟で、大学を出たばかりに法学士)との共同体験であった。霧雨にけぶる7階からは銀座通りを見下ろすことができた。その通りには大勢の人々が行き交い、自動車や電車は渋滞し人々は多様に行動して、通りが海溝のように思え、満ちたり干たりして、それぞれの生き方を想起させる。

 コペル君はその風景から「人間て、まあ、水の分子みたいなものだねえ」と突然思い付く。その晩、家に帰った叔父さんはコペル君に、ものの見方について一文をしたためた。こうやってコペル君は、叔父さんや自己体験から「人間はどう生きる」かの世界観を学ぶことになる。それがこの本の筋立てであり、社会関係資本の大切さを物語った。

 私は今、東京の代々木で暮らしている。新宿と渋谷の何カ所もの百貨店に徒歩で買い物に行けるが、昨年から今年にかけて複数が終業に追い込まれた。昨年末に小田急百貨店が閉店し、今年1月には東急百貨店本店が店仕舞い。私の家内は小田急では洋品小物や文房具など、東急本店の地下食料品売り場で贈答品などがご贔屓だった。しかし、百貨店はもう百科は要らない、縮小が強いられる。

 この1月、所用で埼玉県熊谷市の近在を旅した。中心市街地で地方百貨店・八木橋に出会う。八木橋では目下ハンズフロアーを目論んでいるが、存続の鍵は市民の多様な関係性を生み出す社会関係資本による「創発の場」の発現である。

 実のところ私たちは、百貨店の本当の役割を見通すことができなかった。本質はコペル君が屋上から新しい社会の発見をしたような人間関係への目覚めだ。銀行やオフィスの屋上からは社会資本は生まれない。新型コロナ禍の蔓延で途絶えたリアルな人間の温もりに満ちた交流と社会関係の創造が、「〝創発〟百貨店」を舞台にすると予感するのは、私だけであろうか。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「提言!これからの日本観光」 着地発情報の充実を

2023年3月18日(土) 配信

 1950(昭和25)年、国宝京都鹿苑寺の「金閣」が焼失した。前年の49年には国宝の「法隆寺」金堂の失火事件もあり、相次ぐ国宝の被災は当時深刻な社会問題となった。この2つの火災は改めて、文化財保護の重要性を認識させられる事件でもあったが、「金閣」の被災後、京都市に異常な現象が起こったことを思い出す。

 それは「金閣」と同時代創建の慈照寺「銀閣」への参詣客や観光客が急増したことである。しかし、その人々がほとんどが京都市民だったのも驚きであった。修学旅行の立ち寄り先でもあり、京都観光の定番コースにも含まれている「金閣」は全国にわたり、多くの人が既に訪問経験を持っていたところである。

 しかし、京都市民はそれまで、あまり訪れることがなく、焼失で驚いて逆に「今のうちに見なければ」と考えて「銀閣」に殺到したのだという。実は筆者もその1人で近くの人と一緒に「銀閣」を初めて訪れた。

 考えてみると、京都市民にとって当時「金閣」は「いつも身近」にあるもので、普段とくに話題にもならないあまりにも日常的な存在であった。

 「金閣」が有名なことはよく知られていて、地元民でも一度は見たいとは思うものの「いつでも行ける」身近な存在だけに、訪れる動機もなく過ごしてきた人が多かったので、起こった現象だと思われた(ほかの観光地の多くでも地元の人が、観光「客」として訪れることは少ないことが多いようだ)。

 「観光」は情報によってその動向が左右される。地元の人が地元の「観光」に関心を持たないため、観光地居住の人からの正確な生の声での情報発信が少ない。このため、「観光」は主に東京など他地域にあるガイドブックの記者などが、発地の目で取材した情報に頼らざるを得ないことになる。観光地の住民からみると情報が地元発でないためか、地域の期待に反する観光客の動きが多いことが気になるのではないか。

 観光地の住民がその地域の「観光」の見どころなどを積極的に発信するため、観光客の目線に立って居住地の「光」を見つめ直してほしいと思う。そしてそこから発信された情報、すなわち着地の人が最も推奨できる「観光」先はどこで、また、どのようなところを観光客に見てもらいたいかを観光地(着地)の目線に立って発信する着地発の観光情報が不可欠だと思う。

 観光地発の情報が充実していれば、新しい観光対象(資源)も各地で開発されたであろうし、観光地同士の観光ネットワークによる広域観光も各地で推進されたのではないかと考えられる。

 地元の人が居住地の「観光」により強い関心を持つことができれば地元の住民が放火するなどという「金閣」での暴挙なども防ぎ得たのではないかとも思う。そして、観光地発の生の情報による地域の暮らしに密着した真の「観光」、も実現するのではないだろうかと思う。

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

FMチャオ! 熱海・湯河原「トラベルキャスター津田令子の土曜旅カフェ」  4月から新たな「再放送枠」決まる

2023年3月17日(金) 配信

津田令子さん

 FM放送「FMチャオ! 熱海・湯河原」で、毎月第1週土曜日午前9時30分から10時まで30分放送される「トラベルキャスター津田令子の土曜旅カフェ」が人気を博している。

 4月からは、好評のため、毎月第3週土曜日の同時間にも再放送されることが決まった。

 同番組は、「カフェでの旅トーク」をイメージして、トラベルキャスター・津田令子氏が語りかけるように、これまで旅した観光地やグルメ、想い出深い体験、そして、その土地でたくさんの笑顔を生んでいる“かけがえのない魅力的な人々”などを紹介している。

 津田氏は「NPO法人ふるさとオンリーワンのまち」の理事長も務める。安曇野市(長野県)や、館山市(千葉県)、御前崎市(静岡県)、飯島町(長野県)、嬬恋村(群馬県)など、独自の魅力を有する「ふるさとオンリーワンのまち」に認定された地域の観光担当者らをゲストに迎え、地域発の情報発信にも力を入れている。

 2020年4月からスタートした「旅行たび通信」のコーナーには、旬刊旅行新聞の増田剛編集長も出演。旅行業界の最新情報や流行など季節に合ったテーマを、津田氏と語り合う人気コーナーだ。

 津田氏は「番組を楽しみにしてくれているリスナーのために、これまで以上に楽しくて、『旅にいきたくなる』情報を伝えていきたい」と意気込みを語る。

東海予約センター協力会「創立60周年記念事業へ結束」誓う 4年ぶりに対面総会開く

2023年3月17日(金) 配信

結束を誓い合う

 旅行サービス手配業「東海予約センター」(大長征勝社長)の協力会(会長=山田琢・ホテルくさかべアルメリア常務、167会員)は3月14日(火)、静岡県静岡市内のホテルで、2022年度定期総会を開いた。コロナ禍により、リアルでの総会開催は4年ぶりとなった。

 今年度は創立60周年を迎えることから、記念事業などの実施に向けて会員が一丸となって観光復興につなげていくことを確認した。

山田琢会長があいさつ

 山田会長は冒頭、「コロナ禍が続いた3年間で、営業方針が変わった施設も多いなか、今年はさまざまな意味で大きな転機の年となる」とし、「東海予約センター60周年を控え、各施設が積極的にアイデアを出し合い、協力し飛躍へ頑張っていこう」と結束へ力を込めた。

大長征勝社長

 大長社長は「マスク着用が個人の判断に委ねられたが、正常な生活に戻るにはあと2、3カ月はかかると思う」との見方を示し、「この3年間、限りなく仕事がゼロに近い時期もあったが、長い間旅行を控えていたお客様のニーズにしっかりと応えていきたい」と語った。

 同日には東海予約センターレスト協力会(会長=高田直機・きじ亭社長、72会員)の総会も行われた。

パネルディスカッションも行われた

 総会後には、「ウイズコロナの時代、どうする、どうなる観光業」をテーマに会員施設が登壇し、どのように勝ち残っていくかなどを議論した。

アウトバウンド推進へ 19年水準(2000万人)に回復する政策パッケージ策定(観光庁)

2023年3月16日(木) 配信

観光庁はこのほどアウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージを策定した

 観光庁はこのほど、日本旅行業協会(JATA)や各国・地域の政府観光局などと連携し、アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージを策定した。出国日本人数を2019年水準である2000万人へ回復させることを目的に、集中的な取り組みを行う考え。

 政策パッケージでは、①諸外国との連携体制の強化②戦略的かつ効果的な取組の推進③安全・安心な旅行環境の整備・青少年交流の促進──の3つの柱を掲げた。

 諸外国との連携体制の強化では、アウトバウンド増加に向けた強力な枠組みを整備する。2国家・地域間での海外旅行者数の設定や、各所の締結の推進を行う。

 また、アウトバウンド増加のポテンシャルが高い若者やシニア層を中心に戦略的・効果的な取り組みを推進する。

 現地情報の発信を通じた安全安心な旅行環境の整備や、次世代を牽引する青少年交流の促進をはかる。

 同庁では、「アウトバウンドの推進は、日本人の国際感覚の向上や国際相互理解の増進による諸外国との友好関係の深化をはかるもの」という認識を示した。このうえで、双方向の交流拡大を通じて、航空ネットワークの拡大や、インバウンドのさらなる拡大につなげていく方針だ。

ビッグホリデー、自動応答チャットボット「MediaTalkGPT」実証実験 ChatGPTを活用

2023年3月16日(木) 配信

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 ビッグホリデー(岩崎安利社長、東京都文京区)はこのほど、メディアリンク(松本淳志社長、東京都港区)と共同で、Webサイト上でのユーザー体験向上を目的とした、GPT―3・5を搭載したチャットボット「MediaTalkGPT」の実証実験を始めた。

 ChatGPTは、OpenAI社が開発した大規模言語モデル(LLM)GPT―3・5で構築されており、これまでのAIチャットボットの認識・回答の精度を上回るのが特徴。

 これを活用し、ビッグホリデーのWebサイトのユーザーから寄せられる質問に対し、高い精度で回答を自動応答することで、ユーザー体験を向上させる考え。メディアリンクは「国内の旅行会社で初めての取り組み」とし、両社は旅行業界とカスタマーサポート業界において、新たな一歩を踏み出すことになると期待を寄せている。

 ビッグホリデーは、ChatGPTを活用した自動応答の実証実験に対して、「この技術の活用により、高い精度でユーザーを待たせずに問い合わせに回答できるようになり、スタッフの負荷を減らし、チーム全体の効率性向上につなげたい」考えだ。