〈観光最前線〉地下アイドルに会ってきた

2024年1月20日(土) 配信

坑道の頭上でノミのリズムを刻む「栄作」

 秋葉原ではなく、兵庫県のほぼ中央、朝来市にある「生野銀山」のはなし。

 「GINZAN BOYZ」のデビューは2017年。同時リリースされた楽曲「ギンギラ銀山パラダイス」の、チープかつゴージャスな「突き抜け感」が素晴らしい。

 メンバーは、坑道内外に置かれた60体のマネキン人形たち。18年にはセカンドシングル出演をかけた選抜選挙も行われ、「鑿(ノミ)セブン」が決定した。

 入口でもらったボーイズたちの自己紹介文は、「横穴界のスペシャリスト」(源太)など読みものとしても秀逸。いざ、地下880㍍の世界へ。

 途中、総選挙1位の「飛鳥くん」に声をあげ、穴を抜けたころには、「よさぶろう」のサイン入り生写真を購入するほどに。すっかり魅了されました。

【鈴木 克範】

ロケ対応に関する実践的な知識深める 今年度最後のロケツーリズム協議会開く 

2024年1月19日(金)配信

各担当者が実践事例を発表

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)は1月18日(木)、渋谷キューズ(東京都渋谷区)で会合を開いた。

 今年度最後となる今回は、グループワーキングが行われ、3グループに分かれ、ロケ対応に関する実践的な知識を深めた。

 翌19日からWeb上で「安心して相談できる協力的な地域、企業」であることを示す「LTCマーク」の認定テストが始まり、2月15日(木)に認定式が行われる。

 今年度から始まったグループワーキングは、現場ノウハウや撮影サポート環境の整備を学ぶ「ロケーションサービス」、ロケツーリズムの基礎を学ぶ「アドバンス」、ロケ実績の活用・拡散、地域内外へのPRを学ぶ「プロモーション」の3コースに分かれ展開された。

 ロケ地旅をする人のニーズと必要なツール、ロケ地実績のプロモーション方法を学んできた「プロモーションコース」では、千葉県館山市や旭市観光物産協会、岡山県フィルムコミッション協議会、長崎県島原市などロケ誘致担当者が、今年一年展開したロケ実績を活用したプロモーション事例を発表。併せて、マスコミへのアプローチの仕方と、「SNS発信」のポイントについても理解を深めた。

 講師を務めたロケーションジャパンの山田実希編集長は、「情報発信の仕組みを学ばれた各地域の担当者が、自分の地域で効果があるモノを取り入れ1年間実践されてきた成果が、自分の予想を上回る効果を生み出していたことが驚きでした。来年度も、各地域が情報や意見を共有し、実践できる場として継続していきたい」と今年度新たに始めた取り組みを振り返った。

H.I.S.ホテルHD、日本各地の名産品無料で提供 1月31日(水)まで変なホテル福岡で

2024年1月19日(金) 配信

青木松風庵(大阪府・岬町)のみるく饅頭「月化粧」や南風堂(沖縄県糸満市)の雪塩ちんすこうなどを提供する
 変なホテル福岡 博多(福岡県福岡市)の開業5周年を記念して、H.I.S.ホテルホールディングス(澤田秀雄社長、東京都港区)は1月31日(水)まで、同ホテルで日本各地の名産品を無料で提供する「変なホテル物産展」を開く。
 
 朝食ではコメダ珈琲店(愛知県名古屋市)監修の小倉あんを用意。さらに、昼間のティータイムには青木松風庵(大阪府・岬町)のみるく饅頭「月化粧」と南風堂(沖縄県糸満市)の雪塩ちんすこう、夜のバータイムには薩摩酒造のさつま白波(鹿児島県枕崎市)の新酒、春鹿(奈良県奈良市)の旨口四段仕込純米酒などを提供する。
 
 ラウンジの営業時間は、朝食が午前6時30分~10時、ティータイムは10時~午後6時、バータイムは6時~10時となる。また毎週末には、上記の各地の名物の詰め合わせをプレゼントする特別イベントも開催する。

「清流球磨川の観光復興と防災を語るフォーラム」(人吉温泉女将の会さくら会主催) さとう宗幸さんのコンサートも 2月18日(日)に開催

2024年1月19日(金) 配信

 

 熊本県・人吉温泉女将の会さくら会(会長=有村政代・清流山水花あゆの里女将)は2月18日(日)、人吉市カルチャーパレスで「清流球磨川の観光復興と防災を語るフォーラム」を開く。入場無料。

 2020年7月の九州南部豪雨による球磨川の氾濫で、人吉球磨地域は甚大な被害を受けたが、旅館・ホテルや観光施設は観光復興に向けて着実に「未来のまちづくり」に取り組んでいる。

 午後1時からのフォーラムでは、人吉市のイメージソング「球磨川」を作曲した歌手・さとう宗幸さんがチャリティーコンサートを行う。

 2時30分からは、「観光復興と防災を語るシンポジウム」を実施。人吉市長の松岡隼人氏、南阿蘇温泉「華もみじ」女将の湛しのぶ氏、佐賀県・武雄温泉「京都屋」女将の前田明子氏、人吉温泉「清流山水花あゆの里」女将の有村政代氏が登壇。災害と観光復興の報告を行うほか、国土交通省や熊本県、人吉市の防災担当者らによる討論会も予定している。

 コーディネーターは東京大学大学院客員教授の松尾一郎氏が務める。

 問い合わせ=人吉地区法人会 ☎0966(23)3636。

日本旅行、義援金1000万円を寄付 被災者支援と被災地の復旧・復興願う

2024年1月19日(金) 配信

日本旅行はこのほど、義援金1000万円を拠出した

 日本旅行(小谷野悦光社長)はこのほど、令和6年能登半島地震で被災した人の支援や被災地復旧・復興に役立てることを目的に、日本赤十字社を通じて1000万円の義援金を寄付した。

 同社は、「一日も早く地域に活気が取り戻せるよう、引き続き可能な支援を検討していく」とした。

2月9日(金)、高付加価値旅行商談会開く 4年ぶりに完全対面で(JNTO)

2024年1月19日(金) 配信

JNTOはこのほど、「Japan Luxury Showcase」を開く

日本政府観光局(JNTO)は2月5(月)~9日(金)、「Japan Luxury Showcase」を開く。欧米豪・中東地域の高付加価値旅行を取り扱う旅行会社35社を日本に招請し、全国の観光地の視察・体験と、国内の観光関連事業者との商談会を行う。

 2月9日(金)は全国のラグジュアリーホテルや旅館、旅行の手配会社(DMC)との商談会を開く予定。コロナ以来初の、完全対面方式で行われる。

 また、2月5(月)~8日(木)にかけて、

①金沢・福井「禅・哲学・匠の本質を知る旅」

②高山・富山「自然と共にある生活と城下町文化を守り育む旅」

③奈良・和歌山「世界遺産の巡礼道を通じ日本文化を感じる旅」

④せとうち「自然の豊かさとアートの世界を探究する旅」

⑤鳥取・島根「日本の古の文化や美意識に触れる旅」

⑥鹿児島・屋久島「人々の暮らし・文化と豊かな生態系を巡る旅」

⑦沖縄「継承される本質的な琉球文化を体験する旅」

⑧ゴールデンルート(東京─京都)「自然を愛でる日本の美意識と文化の多様性を感じる旅」

──など、8コースに分かれて各地の観光資源の視察・体験ツアーを行う。

自民党観議連、新会長に岩屋毅氏 細田前会長死去と能登地震で緊急総会

2024年1月19日(金) 配信

岩屋毅新会長

 自民党観光産業振興議員連盟は1月18日(木)、衆議院第二議員会館(東京都千代田区)で緊急総会を開いた。昨年11月10日死去した細田博之氏に代わる会長として岩屋毅会長代行の就任を正式に決めた。さらに、令和6年能登半島地震を受けて、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会と日本旅館協会、日本ホテル協会、全日本ホテル連盟から被害状況を聞き、要望書を受け取った。

 岩屋新会長は「観議連として、2次避難所の受入金額の増額に取り組んだ」と報告。会長に就任したことから、「まずは北陸の再建に全力を挙げる。そのうえで、日本の観光を高みへと引き上げるために、全力を尽くしたい」と語った。

 その後、全旅連の井上善博会長が令和6年能登半島地震で被災した宿泊観光産業の支援に向けた要望書を提出した。

(前列左3番目から)岩屋毅新会長、井上善博会長

 要望書では、被災施設に対し、コロナ禍で抱えた債務の返済猶予や無利子化する利子補給制度の創設などを求めた。被災したホテル・旅館は当面、営業を再開できないため、長期的な雇用維持に向けた支援も要望した。

 さらに、高付加価値化事業は今年度内の工事完了を条件としていることから、適用要件の緩和を要求。過去の災害では地震が収まった後も利用客数が大きく落ち込んだことを踏まえ、需要喚起策を講じることを求めた。

 これに対し、岩屋会長は、同地震がコロナ禍での借入の返済が始まるころに、発生したことから、「返済や税の納付の猶予措置のほか、高付加価値化事業の延期が必要だ」と話した。さらに、営業を再開できない被災施設の雇用維持に向けて「他館で一時的に雇用してもらうときの支援にも取り組みたい」とした。

 被災施設の建て替えについては、「政府として金融面での支援策を用意しなくてはいけない」と語った。また、「復旧の状況を鑑みながら、北陸新潟復興割を始めたい」と話した。

7月11日全館営業再開 保存修理工事から5年半ぶり 道後温泉本館

2024年1月19日(金)配信

道後温泉本館(2023年12月上旬撮影)

 2019年1月から営業しながら保存修理工事を行っていた愛媛県松山市の道後温泉本館は、7月11日に全館で営業を再開する。工事が順調に進み当初の予定より約半年前倒しでの営業再開となる。

 現在は1階の「霊の湯」で部分入浴の営業を行っているが、全館営業再開に向けた準備で6月18日(火)から7月10日(水)までの23日間は、部分入浴を含め臨時休館する。

 道後温泉本館は1994年に国の重要文化財に指定され、現役の公衆浴場として営業を続ける同温泉のシンボル。保存修理工事期間中は、本館建屋の大部分を覆うテントにラッピングを施したり、映像を投影したりするなど、期間中ならではの工夫を凝らしてきた。

 昨年末までに覆っていたテント膜や素屋根鉄骨部分が取り除かれ、久しぶりに本館の建物全体が姿を現した。

(2024.08.02更新)

【道後温泉本館、全館営業を再開! 保存修理工事を終えて5年半ぶりに】

【特集No.650】第49回「100選」表彰式開く 厳かに復興祈る言葉やエールも

2024年1月19日(金) 配信

 旅行新聞新社が主催する「第49回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「第44回プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」「第33回プロが選ぶ優良観光バス30選」「第7回プロが選ぶ水上観光船30選」に加え、「日本の小宿」「もてなしの達人」「優秀バスガイド」「優秀バスドライバー」の表彰式と祝賀パーティーが1月12日、東京・新宿の京王プラザホテルで開かれた。祝賀パーティーの実施は4年ぶりとなり、約270人が出席した。観光関係団体も多数出席し、注目度の高さを示した。

加賀屋、壇上に 「1位」授与

 表彰式の冒頭、旅行新聞新社の石井貞德社長は元日に起きた能登半島地震、羽田空港での航空機衝突事故による犠牲者に哀悼の意を表し、被災された観光関連事業者の一刻も早い復興を祈る言葉から式典を開始した。

 表彰事業に対しては「今回で49回目を迎えられた。これも当初よりご協力いただいている全国旅行業協会と日本旅行業協会、関係者各位の応援のおかげ」と感謝の意を表した。「昭和から平成、そして令和にわたる歴史ある事業として観光関連事業者を応援し、2023年にはコロナ禍からの5類移行により、観光業界が急速に回復に向けて動き始める年だった」と振り返った。

 コロナ禍を経ても、観光業界に甚大な影響を及ぼす災害や事故は「全国でいつ起きてもおかしくない」と言及。それでも、観光業界は「お客様に喜んでもらえるものを提供することを生業にしている」と述べた。出席された入選・受賞者に向けては、「お客様に喜んでもらうためにも、1人でも多くの笑顔を今年1年で提供していこう」と呼び掛けた。

 また、「今年は60年に一度の甲辰の年。天に昇る龍になぞらえて、観光業界も上向いていく1年になるように応援していきたい」と話した。

□ ■

 100選は、国土交通省と観光庁、全国旅行業協会(ANTA)、日本旅行業協会(JATA)後援のもと、観光業界で最も歴史あるイベントの1つとして定着した。

 後援団体を代表して、ANTAの駒井輝男副会長は「旅行業協会の会員の多くは、団体旅行を主としている。昨年は教育旅行が100%戻ってきているが、会員の中で取り扱っているのはそう多くない。地域密着の団体旅行がメインであり、団体旅行も復活に向かっているがコロナ前のような状況までの回復には至らなかった」と昨年を振り返った。今年は元の状況まで戻るために、「我われが積極的にお客様のもとへ出向き、現状を説明して誤解のないように伝え、また楽しい旅行をしていただくのが使命だと思っている。そのためには、本日出席の皆様のご協力が不可欠」と力を込めた。

 来賓を代表して、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の井上喜博会長は「今回の能登半島地震により、一時的な避難所として組合員の旅館ホテルで客室を提供している」と報告。完全な復興に向けて「災害から立ち直るためにも日本旅館協会と共に国に要望し、旅館やホテル業界のみならず、観光業界が観光立国の再始動、再加速に向かうように取り組んでいく」と述べた。

 日本旅館協会の大西雅之会長は「被災された皆様が立ち直れるように、業界の仲間として寄り添っていきたい」とあいさつ。「対策会議を開くなかで金融対策を急いでほしいという声が強い。被害の大きさに応じて、一括してエリア全体の支援を国に要望したい。まさにおもてなしの中核である旅館やホテルが甚大な被害に遭われたわけで、何としても立ち直れるようにさまざまな体制を整えていく」と強調した。

 選考審査委員を代表して、エム・ツー代表の三堀裕雄氏は初めに、「能登半島地震により多くの名湯が被災し、観光客のキャンセルが相次いでいるが、災害に負けず頑張ってほしい」とエールを贈った。

……

【全文は、本紙1928号または1月25日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞1月21日号コラム〉――第49回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」  表彰式に加賀屋 出席者からエールも 

2024年1月19日(金) 配信

 2024年1月1日に、「令和6年能登半島地震」が発生した。翌2日には支援物資を輸送中の海上保安庁の飛行機と日本航空(JAL)の旅客機が羽田空港で衝突するなど、年初早々、日本の先行きは不安に満ちたものとなった。

 

 能登半島の被災地の状況は日を追うごとに深刻さが増し、1月15日現在、約1万8000人が避難所に身を寄せているという。

 

 地震で犠牲になられた方々に哀悼の意を表し、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 

 

 地震発生後から懸命な救助活動が行われ、多くの命が救われた。その後、全国から水や食料、毛布やオムツなどの救援物資が被災地に送られた。義援金などの寄付活動も活発化している。

 

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(井上善博会長)、日本旅館協会(大西雅之会長)、全日本ホテル連盟(清水嗣能会長)、日本ホテル協会(定保英弥会長)など宿泊団体は会員などに呼び掛け、2次避難所として2万5000人の受け入れが可能な状況となっている。東日本大震災以降、自然災害が発生した際に、宿が被災者を受け入れる流れができており、今回の能登半島地震でもこれまで培ってきたノウハウが生かされることを願っている。

 

 

 1月12日には、旅行新聞新社が主催する第49回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」などの表彰式が、東京・新宿の京王プラザホテルで開かれた。当日は、後援団体の全国旅行業協会や日本旅行業協会をはじめ、主要な観光団体のトップが勢ぞろいし、受賞者を祝い、被災地域の復興を祈る言葉やエールが贈られた。

 

 表彰式では、第49回「旅館100選」総合1位の加賀屋(石川県・和倉温泉)の長谷川明子女将に表彰状を授与した。長谷川女将の胸には言葉にならないさまざまな感情が込み上げたのか、溢れる涙をぬぐいながら深々とお辞儀をされた。

 

 地震発災時、加賀屋はほぼ満室だったという。宿泊客を高台にある小学校に避難させ、翌日には金沢に無事送り届けた。

 

 また、避難所におにぎりや飲料水、売店のお菓子、そして布団や毛布を運び、被災者のためにできることを全力でやられた。エレベーターが停止していたために、従業員は20階まで階段で駆け上がり、宿泊客の荷物を探して届けるなど、宿泊客からの感謝の言葉を目にするたびに、目頭が熱くなった。

 

 「日本一の宿 加賀屋」という呼び名を耳にすることが多い。加賀屋に宿泊した皆がその理由を実感できないこともあるかもしれない。しかし、今回のような非常時や、何かトラブルに遭遇したときに、宿泊客は加賀屋が持つおもてなしの「底力」を、その身をもって体感するのではないだろうか。

 

 加賀屋グループの「加賀屋」「松乃碧」「あえの風」「虹と海」の4館は当面の間、休館を余儀なくされている。建物がどのくらい損傷しているかの調査にもかなりの時間が必要とのことで、今のところ先の見通しは立たない状況にある。表彰式後の祝賀会で長谷川女将にお声掛けすると、「ずっと迷っていましたが、表彰式に来て良かった」と話してくれた。

 

 

 能登半島を中心に、多くの旅館や観光施設が被災した。心が痛む。一刻も早い復興へ、本紙も取材活動を通じて支援していきたい。

(編集長・増田 剛)