地域観光新発見事業、公募は3月から 1月25日(木)にZoomで事業説明会も(観光庁)

2024年1月22日(月) 配信

観光庁は3月8日(金)から、「地域観光新発見事業」の公募を行う

 観光庁は3月8日(金)~4月17日(水)、「地域観光新発見事業」の公募を行う。同事業では、地域の観光資源を活用した地方誘客に資する観光コンテンツについて、マーケティングデータを生かした磨き上げから、販路開拓、情報発信までを支援する。

 補助対象は、地方公共団体やDMO、民間事業者など。

 補助額は、400万円までは定額となり、400万円を超える部分については補助率が2分の1となる。補助上限は1250万円。最低事業費は600万円としている。

 また、事業説明会を1月25日(木)午後1時から、Zoomで開く。事業概要や、支援の全体像などを説明する予定だ。

【山形県・蔵王温泉】おおみや旅館など3館新装 昨年12月、蔵王カンパニー

2024年1月22日(月) 配信

床に琉球畳が敷かれた落ち着いた空間(蔵王四季のホテルの洋室)

 山形県蔵王温泉の蔵王カンパニー(伊藤聖社長)は昨年12月、運営する3施設の客室をリニューアルオープンした。

 蔵王四季のホテルでは顧客ニーズを反映し、和室(14室)を洋室に改装した。琉球畳にデイベッドを備えた和モダンな空間にまとめ、より上質なもてなしをめざす。このほか、ラウンジのフリードリンクコーナーを拡充した。

  おおみや旅館では洋室(3室)を新装した。収納スペースを客室空間にしたことでゆとりをもたせたほか、ワークデスクを配し、リモートワーク需要にも応える。

おおみや旅館洋室(左)、蔵王国際ホテル(スイートルーム)

 蔵王国際ホテルは、東館の和室と和洋、計14室を改装し、スイートルーム8室がオープンした。シモンズ社製140センチのダブルベッド2台を配した寝室と、デイベッドやダイニングセットのあるリビングルームを独立させたことで、3人利用でもゆったりと過ごすことができる。

JTB、ベルトラと資本業務提携 海外アクティビティ推進で

2024年1月22日(月) 配信

JTBの拠点網や仕入・商品造成力と、ベルトラのデジタルマーケティング力などを連携

 JTB(山北栄二郎社長)とベルトラ(二木渉社長兼CEO)は1月17日(水)、日本人観光客向け海外アクティビティ事業の推進と拡大に向け、資本業務提携契約を結んだ。

 両社は、長年にわたって現地ツアーの販売やシステム連携でパートナーシップを構築。今回、JTBが持つ世界規模の拠点網や仕入・商品造成力と、ベルトラのデジタルマーケティング力などを生かし、一層、同事業の拡大を推進する。

 具体的には、JTB現地拠点の仕入・商品造成力とベルトラの知見を生かしたアクティビティ開発をはかる。両社の担当者が参画するプロジェクトを組成し、市場動向やトレンド、ベルトラが持つ豊富なレビューを分析。2月から両社による事業推進を開始し、まずは既存アクティビティの改善による販売強化をはかる。新たなアクティビティの開発は、既存アクティビティの改善と並行して進め、2025年に販売開始予定。さらに、宿泊付きアクティビティやテーマ性のあるアクティビティを拡充する。

 加えて、JTBのオプショナルツアー販売システムを、今後リニューアルするベルトラのシステムと一部連携する。デジタル化した簡易な予約フローにより、購買体験の質を向上させて、両社の販売効率向上を目指す。

 なお、ベルトラはJTBを割当先とする第三者割当増資を行い、普通株式89万9280株を割当てる。払込期日は2月5日(月)。1株につき556円で約5億円を調達する。

好みの海外旅行をセミオーダー ジャルパック「トラベルコーディネート」開始

2024年1月22日(月) 配信

旅のイメージ

 ジャルパック(平井登社長、東京都品川区)はこのほど、ウェブで好みの海外旅行をセミオーダーできる「トラベルコーディネート」の取り扱いを開始した。

 顧客からの「忙しい旅は苦手」「自分のペースで旅をしたい」「旅行中の安心サポートはしっかり受けたい」などの要望に応える。

 ジャルパックが設定した「モデルコース」をもとに、希望日を設定してウェブフォームから相談を申し込む。観光の追加や削除、減泊や増泊など自由にカスタマイズできるほか、航空座席もエコノミーからファーストクラスまで希望に沿って手配する。旅程ができると見積もりが提示されるという。

 旅行前から旅行中までの安心ポイントとして、体調不良などによるキャンセルに対応する「海外旅行キャンセル保険」や滞在中の病気やケガに対応する「日本語救急医療サポート保険」、観光や移動時のガイドやアシスタント手配などを盛り込んだ。

車いすとベビーカー貸出返却 九州の空港・駅で実証事業

2024年1月22日(月) 配信

2月1日からスタート

 九州の空港や駅で、車いすやベビーカーを貸出・返却できる「ワンストップレンタルサービス」が、2月1日からスタートする。

 九州運輸局が、障害のある人や高齢者、ベビーカーが必要な家族・グループ旅行を推進するため、3月6日までの実証事業を実施する。

 同事業は2022年11月1―20日まで、全国に先駆け初めて実施され、期間中に車いす27件、ベビーカー33件の計60件が利用された。

 県を跨ぐ広域利用も5件、外国人利用は4件を数えた。

 今回は、複数県にまたがる申し込みを、ワンストップで行うプラットホームを構築し、その効果や運用の持続可能性を検証する。

 貸出・返却場所は、福岡、宮崎、鹿児島などの空港や別府、熊本、長崎駅など10カ所。

 利用者は、専用QRコードからアクセスして申し込む。5カ国の多言語にも対応する。料金は1日・泊なしで500円―1100円。1月17日から受付を開始した。

Webサイトはこちら

雪ラボ 初の情報交換会開く スノーリゾートが発信

2024年1月22日(月) 配信

雪ラボ主催「スノーリゾート情報交換会」のようす
「雪ラボ」の竹川紀人代表

 2023年6月に設立された、ファミリースキー&スノーボード媒体「ハピスノ」を展開する「雪ラボ」(竹川紀人代表、埼玉県幸手市)が、初の「スノーリゾート情報交換会2023/24」を昨年12月4日に開いた。

 情報交換会は、スノーリゾート各社の情報発信をサポートすることを企図したもので「23/24シーズンのスノーリゾートのすべてがわかる」をコンセプトに、多くのスキー場やスノーリゾート関連企業が出席して今シーズンの最新情報を発信した。
 
 第1部の記者発表では、①雪ラボについて(雪ラボ)②今シーズンの雪の見通し(日本気象協会)③東急スノーリゾートの環境への取り組み(東急リゾーツ&ステイ)④ドラ割「ウィンターパス2024」について(東日本高速道路新潟支社)⑤ムラサキスポーツのキッズ市場への取り組み(ムラサキスポーツ)⑥ファミリースキー情報メディア「ハピスノ」について(雪ラボ)――の項目で発表が行われた。

 第2部では、情報交換会に参加したスノーリゾート広報担当者が紹介され、立食形式でランチを食べながら情報交換&懇親会や各スキー場のリフト券などが当たる抽選会が行われた。

熊野に春を呼ぶ奇祭 2月6日 「御燈祭り」

2024年1月22日(月) 配信

まるで火の滝が流れ落ちるかのよう

 和歌山県新宮市の「神倉神社」で毎年2月6日、聖地・熊野に春を呼ぶ火祭り「御燈(おとう)祭り」が行われる。熊野三山にかかわる諸事を記した「熊野年代記」に、575(敏達天皇4)年に始まったと記されている歴史ある神事で、「上り子」と呼ばれる男衆が、御神火を灯したたいまつを手に、538段の急峻な石段を駆け降りる奇祭。2016年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 神倉神社は、熊野三山の1つ、熊野速玉大社の摂社。「ゴトビキ岩」と呼ばれる巨岩をご神体として祀っており、熊野三山の神々が降臨した霊山とされている。

 祭り当日、白装束で腰に荒縄を巻き付けた勇ましい姿の上り子たちは、まず阿須賀神社、熊野速玉大社、妙心寺を巡拝(三社巡り)し、夕刻に神倉神社へ入山。日没後、宮司による祝詞などを終え、たいまつに火が灯ると、午後8時ごろ木戸が開かれ、山上を埋め尽くした上り子たちが、538段ある急峻な石段を一気に駆け降りていく。燃え盛るたいまつを手にした上り子たちが連なって下る様は、まるで火の滝が流れ落ちるかのようで壮観。下山後、たいまつの残り火は、それぞれの家に持ち帰り、ご神火として祀ることで、各家庭に神をお迎えする。

 上り子は、男性なら誰でも参加でき、例年、県内外から大勢の参加者が集まる。近年は、外国人の参加者も少なくない。新宮市観光協会では、白装束やたいまつなどの購入先を案内しているほか、希望者には当日、着付けの手伝いも行っている。

 問い合わせ=新宮市観光協会 ☎0735(22)2840。

「風の谷の庵」を一新 サウナ付きスイートなど

2024年1月22日(月) 配信

バレルサウナ付きスイートルーム

 「記念日の宿」をテーマに、愛知・三重・富山・愛媛・山梨で17の旅館を運営する「海栄RYOKANS」(渡邉玲緒社長)は1月13日、愛知県・蒲郡温泉にある「風の谷の庵」の全客室をリニューアルしグランドオープンした。

 同館は、三河湾スカイラインを登った380㍍の遠峰山頂上の森の中に佇む隠れ家として2005年に開業。全室に露天風呂を備え、料理人が客室で提供する「お座敷天麩羅」などが好評を得ている。

 今回、約3カ月にわたる改修工事により、メゾネットタイプの客室を、バレルサウナ付きのスイートルームにするなど、10室あった客室を全9室に改装した。

 さらに、新サービスとして、希望に応じて華道や茶道の体験サービスも提供する。

「観光人文学への遡航(43)」 ライドシェア導入に対する疑問①

2024年1月22日(月) 配信

 あまりにも拙速すぎやしないかと唖然とした。ライドシェアの議論である。

 

 本当は、先々月からポストコロナの観光キャリア教育と採用の現在地を、旅行業、宿泊業と見てきて、今月は航空業を見るつもりであった。しかし、十分な議論も無しにあまりにもあっという間に決まってきたライドシェアに関して、これは無関心ではいられない、むしろ、これはライドシェアだけの議論ではなく、日本の公共交通、観光関連産業、いや、それにとどまらず日本の今後のあり方を左右する大きな分岐点に立っていると感じる。であるにもかかわらず、政府は単なるデジタル化の一環のような扱いでいつの間にか既成事実を作って国民が知らないうちに導入しようとしている。

 

 この議論はもし引き返すことができるのならばここ数カ月が勝負なので、航空業の観光キャリア教育と採用の話題はちょっと延期して、急を要するこちらの議論を優先する。そして、論点は多岐にわたるため、今月1回では到底おさまらないため、今後数回はライドシェアへの疑問に関して述べていきたい。

 

 何度も言うが、これは単にライドシェアがタクシーの穴を埋めるための枠組みを作るという代物では決してない。日本人が主体的に生きられるか、未来永劫搾取され続ける存在となってしまうのか、その分岐点である。

 

 このコラムでは、ずっと人間の自由とは何かという議論をカントから神道を経て仏教へと範を求めて考究を深めてきた。人間の自由とは、そんな労働時間を自分で決められるといった表面的な自由ではない。そんなことで自由を得たと喜んではいけない。首根っこを得体の知れないものにつかまれ、公けの議論もできないまま、その得体の知れないものの意のままに枠組みが作り変えられる中に、一般市民が入れられることの恐ろしさをもっと知ってほしいと願って、この連載を続ける。

 

 振り返ってみれば、昨年8月、菅義偉前首相が「ライドシェアを解禁すべき」と主張し、河野太郎デジタル担当大臣も解禁を主張した。

 

 その後12月13日に、小泉進次郎衆議院議員ら有志の勉強会が提言を河野太郎デジタル行財政改革担当相に手渡したと思ったら、12月20日の「デジタル行財政改革会議」で、いきなりライドシェアを地域限定で今年4月に部分解禁することを決定したと報じられた。

 

 ほとんど議論もされないまま、あれよ、あれよという間に導入のための枠組みが決められていったが、これはあっという間にまとめたのではなく、かなり用意周到にこの日を迎えたのではないかと考えざるを得ない。

 

 引き返すのはまだ間に合う。市民一人ひとりが希望をもって生きられる世の中にできないのなら、観光立国なんかはもう御免だ。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

「津田令子のにっぽん風土記(105)」御前崎クエと灯台でウェルカム~ 静岡県御前崎市編 ~

2024年1月21日(日) 配信

御前崎灯台
御前崎市観光協会事務局次長 小野木邦治さん

 御前崎市観光協会事務局次長の小野木邦治さんから「御前崎クエの季節になりましたよ。ぜひ足を運んでくださいね」と連絡をいただいた。

 

 御前崎市は高級魚のクエがリーズナブルにいただけるこの時期、たくさんの方がそれを目当てに訪れる。静岡県温水利用研究センターによると、伊豆半島から浜名湖に至る静岡県沿岸の漁業振興、栽培漁業の振興をはかるため事業を推進しているという。

 

 主にマダイ、ヒラメ、トラフグ、アワビ、クルマエビ、ガザミ、ノコギリガザミの増養殖用種苗の量産と、クエの種苗生産技術の開発を進めている。

 

 御前崎クエは、冬の間だけ食べられる絶品の味だ。2年から2年半の養殖魚を地元の御前崎クエ料理組合の加盟店に出荷している。市内の各料理店でのクエを取り扱う期間は毎年11月から3月までの5カ月間のみ。このため、「御前崎クエ」は市内の御前崎クエ料理組合加盟店でないと食べられないというわけだ。

 

 小野木さんは、「クエの人気は日本特有のもので、味は魚の中で一番と言われています。ぜひ冬の御前崎でクエを味わっていただきたい」と話す。

 

 この地域は、冬はウィンドサーフィンで盛り上がる。昨年12月には、大きな大会が行われ、全国から大勢のウインドサーファーが訪れた。

 

 また御前埼灯台からは11月から3月まで、太陽が海から昇り、海に沈む珍しい景色が見られる。かつて三重県伊勢市で初めて開かれた、一般の人が上れる「参観灯台」を持つ市町村が集まる「灯台ワールドサミット」に御前崎市も参加し、そこで改めて灯台の重要性と活用法を考えたという。

 

 「灯台はまちのシンボル。御前埼灯台に上ると、水平線が丸いことが実感できますよ」と小野木さん。

 

 御前埼灯台は、白亜の塔形をしたレンガ造りの大型灯台だ。雨風にも屈せず1874年から海の安全を見守り続けている。歴史的・文化的価値が高いことから「Aランクの保存灯台」に指定されている。

 

 高さ17㍍の展望デッキに上がれば太平洋と駿河湾の大海原が広がり、その雄大なパノラマに感動し「また来たい」と願う人も多いのではないだろうか。

 

 「とくに恋人の聖地一帯をオレンジ色に包みながら太陽が沈んでいくようすは感動的です。やっぱり御前崎を代表するランドマーク、御前埼灯台も外せないですね」と、小野木さんは笑顔で語る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。