JTB、自宅で海外旅行気分を シンガポールのバーチャルツアー始める

2020年9月14日(月) 配信

第1弾は人気スポットを巡る(イメージ)

 JTB(山北栄二郎社長)は9月14日(月)、シンガポール政府観光局(マーカス・タン北アジア局長)と共同で、シンガポールバーチャルツアーを制作したと発表した。コロナ禍のなか、自宅で海外旅行気分を味わってもらおうと企画した。また、再び海外旅行が自由に行けるようになった際にシンガポールを訪れてほしいとの思いが込められている。

 ツアーコンセプトは「もっと夢中に出会う場所」。同国の観光スポットや名物料理、ホテル、新しい旅のスタイルなどを紹介する。コンテンツは、シンガポールの人気スポットのほか、女子人気スポットなど第1~第5弾まである。9月27日(日)~来年2月27日(土)まで、計10回実施する(偶数回は再放送)。所要時間はいずれも1時間。

 第1弾は、定番のマーライオン公園のほか、昨年オープンしたガーデンズ・バイ・ザ・ベイなどのスポットを巡る。主にシンガポールに行ったことがない初心者向けに仕上げた。

 第2弾は、日本で見られない多種多様な動物に接近。シンガポール動物園とリバーサファリを訪問し、子供も楽しめる内容となっている。統合型リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」、「ザ・リッツ・カールトンミレニアシンガポール」などのホテルも紹介する。

 さらに、第2弾以降に参加したお客には土産セットが自宅に届く。プラナカンコーヒー1箱とマーライオンクッキーなど、ツアー内容に合わせている。

 料金は、第1弾は無料、第2弾以降は1人20シンガポール㌦(約1600円相当)で、定員は各回50人となっている。申し込みは「マイバスアジア」のWebサイトで受け付けている。

【北海道】ウポポイー二風谷コタン間に直通バス 10月から

2020年9月14日(月)配信

バス車体にはアイヌ文様を取り入れたデザインを施す。

 札幌観光バス(福村泰司社長、札幌市清田区)は2020年10月1日(木)から、北海道の新千歳空港発着、白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」と平取(びらとり)町の二風谷(にぶたに)コタンとを結ぶ周遊バス「セタプクサ号」の運行を始める。両アイヌ文化拠点を結ぶ直通バスの運行は初めて。旅行代金は大人3千円。

 2018年の「北海道」命名150 年、今年7月の「ウポポイ」開業などを機に、アイヌ文化への関心が高まっている。平取町では生活に根付き生業となっているアイヌ文化を「体験して」学び、白老ではアイヌ文化を「見て」学ぶことにより、アイヌ文化への理解・交流を深める環境が整いつつある。一方、両施設を結ぶ直通の交通手段がないことが、2拠点を跨いでのアイヌ文化交流のハードルとなっていた。周遊バスの運行で、新千歳空港と白老を直通で繋ぎ、さらに平取も繋ぐことで、道内外の観光客を問わず、アイヌ文化を気軽に学ぶ環境づくりの一助となることを目指す。バスには添乗員の資格を持つバスガイドが同乗し、各地の見どころやポイントを案内する。

 バスの愛称「セタプクサ」はアイヌ語で「すずらん」の意味。平取町内に、住民によって大切に守られてきた北海道原種のすずらんの、日本一の群生地があることにちなんでいる。

セタプクサ号

 運行日:2020年10月1日(木)~11月5日(木)※ただし月曜日は運休
 運行スケジュール:1日1便運行
  新千歳空港         /午前10:00出発
  ウポポイ   午前11:00到着/午後 1:00出発
  二風谷コタン 午後 2:30到着/午後 4:30出発
  新千歳空港  午後 5:30到着
 ※事前予約で札幌駅(北口)でも乗車(午前8:40)、降車(午後6:30)が可能。
 旅行代金(各税込):
  札幌駅・新千歳空港→ウポポイ→二風谷コタン→新千歳空港・札幌駅 3千円
  札幌駅・新千歳空港→ウポポイ→二風谷コタン          2千円
  ウポポイ→二風谷コタン→新千歳空港・札幌駅         2千円
  ウポポイ→二風谷コタン             1千円
  二風谷コタン→新千歳空港・札幌駅      1千円

事前予約のみ利用可
 問い合わせ:札幌観光バス ツーリズム営業部 電話011-206-0225

2020年9月25日(金)、旅行代金について一部追記・削除を行いました。

 

訪日客の対応力高める 人材育成15地域を募集 観光庁

2020年9月14日(月) 配信

観光庁

 観光庁はこのほど、地域の観光人材のインバウンド対応能力を高め、観光サービスの質を向上させる目的で、「『みらいをつくる』観光共創イニシアティブ」に参加する地域・団体を募集する。15地域で実施される「現地プログラム」と、誰でも視聴できる「オンデマンドプログラム」で構成する。

 同プログラムは、観光業界を牽引する講師陣が、経営力の向上に資するオンデマンドコンテンツ活用の反復研修を行う。また、ありたい未来をビジョン化し、アクションを起こせる地域リーダー・実践「人財」を育てる。

 地域内でのビジョン共有と実践につなげることで、地域独自の観光を共創することを目指す。

 「オンデマンドプログラム」は10月中旬以降でのスタートを予定。

 このほど募集するのは、10月以降~来年2月まで行う「現地プログラム」で、全4回、6日間を予定している。

 応募の受付期間は、資料請求が10月8日(木)の午後5時まで。申請書提出が10月9日(金)の午後5時までとなる。どちらもメールにて受け付ける。

JTB、おせち料理で宿泊施設を応援 「新春おせちの鉄人」申込受付中

2020年9月14日(月) 配信

1人用のおせちも拡充

 JTB(山北栄二郎社長)は12月15日(火)まで、日本各地の旅館やホテル、料亭のおせち料理が自宅で味わえる、エースJTB「2021年新春おせちの鉄人」を売り出している。コロナ禍で影響を受けている宿泊施設や食事施設を、おせちやギフトで応援する。

 旅館やホテル特製のおせちのほか、料亭、レストランなど、定評のある施設の料理を厳選。さらに全国各地のお取り寄せグルメ商品も設定し、全159商品を展開している。昨年と比べて約1.5倍のギフト商品の設定数・在庫数を準備。発売時期も例年より1カ月以上早い8月下旬から開始し、期間を拡大している。

 エースJTB「2021年新春おせちの鉄人」専用に開発した商品には、「花蝶」(東京都中央区)の【音楽家の旅と宴】和洋二段重が2万3544円(送料・消費税込、以下同)、「四季彩一力」(福島県・磐梯熱海温泉)の新春おせち三段重の3万9600円などがある。

 また、今年度は1人用の個食おせちも拡充。京都府・京都「しょうざん」京松山おもてなし2段重の1万800円などを展開している。

 そのほか、石川県・和倉温泉の「加賀屋」和風三段重と酒肴3品付きが3万6720円など、有名旅館が提供するおせち料理もある。

 申し込みは、JTB店舗またはJTB商品取扱店、JTBショッピング(Webサイト)で受け付ける。いずれも数量限定。締切は12月15日(火)午後7時(一部商品は、12月10日(木)午後7時)で、配達は12月29日(火)~12月31日(木)となっている。

「ガイド白書2020」刊行、人材育成や品質の向上に

2020年9月14日(月)配信

ガイド白書2020イメージ

 インバウンドガイド協会(久保成人会長、東京都文京区)は9月9日(水)、海外のガイド制度について調査・編纂した「ガイド白書2020」を刊行した。調査対象は、旅行者数が多い日本とイギリス、フランス、スペイン、中国、台湾、アメリカ、タイの8カ国・地域。調査事業を通じ、日本国内のガイド人材育成やガイドサービスの品質向上への寄与をはかる。

 同協会はこれまで、地域観光の担い手であるガイドの人材育成やサービス品質の向上に努めてきた。そのうえで、ガイドのあるべき姿を再考する必要があると考え、「ガイド白書」と題してガイドに関するさまざまな調査を行うこととした。

 「ガイド白書」の第1章「調査概要」では調査の意義や調査範囲、第2章「各国のガイド制度詳細」に8カ国・地域の詳細な調査内容を掲載した。第3章「調査結果」では各国制度に見られる傾向、第4章「考察」では特徴的な制度・施策とその有効性について述べている。協会ウェブサイトでは、ガイド白書の内容を確認できるほか、PDF版や要点をまとめたダイジェスト版をダウンロードできる。

 なお、ガイド制度に関して8カ国・地域を対象に網羅的に行われた調査は、日本国内では初めて。今後も、協会は定期的なガイド白書の刊行を計画している。

箱根にある6つの美術館を何度でも 「ミュージアムフリーパス」発売

2020年9月14日(月) 配信

星の王子さまミュージアム

 小田急箱根ホールディングス(抱山洋之社長、神奈川県小田原市)はこのほど、神奈川県・箱根にある6つの美術館を何度でも利用できる「ミュージアムフリーパス」を売り出した。

 7月23日に箱根登山電車が全線運転再開したことを記念し企画。6000枚限定で、10月31日(土)まで発売する。

 対象となるのは①箱根ガラスの森美術館②ポーラ美術館③星の王子さまミュージアム④箱根ラリック美術館⑤彫刻の森美術館⑥成川美術館――の6施設。券は2日券と3日券を用意した。

 また、期間中にすべての美術館を楽しむと、コンプリート賞として箱根の乗り物イラストが描かれた特製マスキングテープがもらえる。

東京都内に八戸都市圏交流プラザ「8base」オープン  青森県八戸圏域8市町村の魅力を

2020年9月14日(月)配信

外観イメージ

 JR東日本有楽町-新橋駅間の高架下空間を活用したエリア「日比谷OKUROJI」(ヒビヤオクロジ)内に2020年9月10日(木)、交流型アンテナショップ・八戸都市圏交流プラザ「8base」(エイトベース)がオープンした。

 八戸圏域8市町村の特産品販売や旬の食材をふんだんに使用した創作郷土料理、地酒などが楽しめるほか、圏域の魅力を体感できる各種交流イベントを開催するなど、首都圏にいながら八戸圏域の魅力をより身近に味わうことができる拠点だ。年中無休で営業時間は午前11時~午後10時。

 8baseの「8」は、青森県八戸圏域の「八」を組み合わせるとともに、「八戸」をシンボル化したもの。また、数字の「8」を横にしたときに無限大の意味も兼ねることから、八戸都市圏の可能性は無限大であり、それを発信する拠点(=base)であることも意味する。

 八戸圏域を構成するのは、八戸市を核とした8つの市町村(八戸市、三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村、おいらせ町)。この地域は、江戸時代まで南部氏が治めていたことから「南部地方」とも呼ばれている。

 南部地方は、北三陸の海の幸や、豊富な果実、野菜、そしてバリエーション豊かな粉食文化、柔らかな響きの南部弁など、一般的な青森県のイメージとは違った多彩な魅力がある。そんな八戸圏域8市町村それぞれの魅力が一堂に会する8baseで、まだ知られていない青森の魅力を発信していく。

「旅館コンサルタント大坪敬史の繁盛旅館への道(58)」 Go Toトラベルを前向きにとらえよう

2020年9月13日(日) 配信

 宿側に明確なルールの提示がないまま、Go Toトラベルキャンペーンがスタートしました。  

 テレビでは、私も知らない観光系学校の学長が「今はGo Toはやるべきではない」と力説していました。「あなたは誰」と言いたくなる気持ちで、それだけ力説するのであれば、政策を「作る側」に回って事業を止める行動を取ればよいだけです。

 政府の施策に対しての批判なら誰にでもできます。テレビのワイドショーでしゃべっている人たちはこの程度だと思っておかないといけません。

 ただ、マスコミもこのような論調を公共電波で流すので、それに影響された消費者に、旅館などの「現場」は対応しなければならないことが一番問題です。

 実際、予約を受けている旅館の話では「あなたの旅館は、東京からのお客さんを泊めているの」と、いきなり攻める口調で電話がかかってくるようです。

 予約担当者は「旅館業として、特定のお客様の受入拒否はできませんので、東京からのお客様もご宿泊依頼がありましたら当館として拒否はいたしません」と回答しました。

 すると「あなたはそれで良いと思っているのか」と一方的に電話が切られる、という理不尽な行動をされると報告がありました。

 ほかにも、宿運営のインスタグラムやフェイスブックに「東京からの客はいるのか」とか、もはや大の大人のすることか? というようなイタイ事例が全国で発生しています。

 そもそも、Go Toはじめとする「政策」は、仕組みを「つくる人」、その組みに「縛られる人」、その仕組みを「利用する人」に分類することができると考えています。

 今回の場合、仕組みを「つくる人」である観光庁をはじめとした「官」の皆さん、その仕組みに「縛られる」仕組みがわかりにくい「今じゃない」など批判してる皆さん。そして仕組みを「利用する人」として、国からの補助を最大限活かしてお客様に来ていただこうと考え行動している皆さん、という分類になります。

 今この段階で、「Go Toトラベル」事業に対し意見しても、もう事業はスタートしてしまっています。それならば、その恩恵を最大限「利用しよう」と考えるのが宿泊・観光業の本懐です。(東京都の事業者の皆さんは対象外となってしまっているので、同じようには言えません)。

 実際、Go To真っただ中の夏休みで、その仕組みを活用し、過去最高の売り上げを記録したクライアント先もあります。

 しかし。この状況が今後も継続していくのかは分かりません。これだけ朝令暮改の「仕組み」なので、政府が「やっぱりGo To辞めました」とも言いかねません。

 その未来は誰にも分らないわけですが、分からといって、状況に流されるだけだと商売は面白くありません。混沌としているGo Toでも、本事業を通じて1人でも多くのお客様を獲得できることを願います。

コラムニスト紹介

大坪敬史氏

旅館コンサルタント 大坪 敬史 氏

大手旅行会社での実務業務を経て船井総合研究所入社。インターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増&即時業績向上ノウハウには定評があり、数多くの宿泊産業の業績向上に貢献。観光文化研究所を設立し代表取締役。

 

 

〈観光最前線〉観光客の少ない箱根

2020年9月12日(土) 配信

ロープウェイからの大涌谷の景色

 8月某日、箱根に旅行に出掛けた。コロナ禍の箱根は、人が少なく、いつもとは違う景色を楽しませてくれた。なかでも、貸切状態で乗ったロープウェイからの大涌谷の景色は格別だった。普段なら多くの人で隅々まで見られない上空からの谷底の景色は、それを的確に表現できる言葉を見つけるのが難しいと思うほどの美しさと、迫力を備えていた。最近は人が多く、ゆっくりできないからと、少し足が遠のいていた箱根。今回の旅では、おいしい蕎麦とプリンが味わえるお店や、素敵な眺望を楽しめる茶室など、新たなお気に入りスポットも多数発見できた。箱根はやはり魅力的なようだ。これで、手ごろな値段のお宿があれば、なおよいのに。にしても、今回の宿は、大失敗だった。宿選びのコツが知りたい。

【後藤 文昭】

「津田令子のにっぽん風土記(65)」絆を受け継ぎ居心地のよい店に~ 東京都・椎名町編 ~

2020年9月12日(土) 配信 

広々とした店内
「すし屋の戸塚」2代目店主  戸塚 滋一さん

 今年で創業31年を迎える「すし屋の戸塚」は、椎名町駅(東京都豊島区)から歩いて数分の長崎小学校前通り商店街明和会の中にある。

 
 この町は、著名な画家や詩人などが若いころを過ごした街として知られ、「池袋モンパルナス」と称されていた。

 
 モンパルナスとは、パリ14区、セーヌ川を挟んで反対側のモンマルトルとともに芸術家が集う地として有名な場所だ。ここ椎名町に「トキワ荘」があった。若き手塚治虫や藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら著名な漫画家が住んでいたのだ。

 
 今年7月7日に「トキワ荘マンガミュージアム」として、かつてのトキワ荘が復元され多くのファンで大いに盛り上がりを見せている。新旧織り交ぜた活気ある街だ。

 
 3年前に先代から受け継ぎ、店を切り盛りするのは生まれも育ちも椎名町という2代目・戸塚滋一さん。子供のころからご近所さんや、町会の方々との触れ合いや神社のお祭りのお手伝いなどを通して、「人とのつながりや絆を大切にする環境の下で育った」と振り返る。幼少時からの和を重んじた人との関わりを大事にしながら、「若い人でも気軽に入れる、あまり敷居の高くない店を」と心掛けているという。

 
 店を継ぐまでに銀座や六本木など4つの店舗で修業し、その丁寧な仕事ぶりは評判を呼び著名人の常連さんも多い。

 
 修業時代に最も影響を受けた東村山の商店街の一角にある「政寿し」の大将の教えである「どんな時でもお客様の聞き役になることに徹しなさい」という言葉を胸に刻み、日々の仕事に役立てている。かつて六本木にあった寿司屋の親方から教わったことも忘れたことはないと滋一さん。

 
 コロナ禍で「営業時間が午後6~10時に制限されたものの、毎朝5時前には起きて仕入れから戻り仕込みを終えると、あっという間に開店時間になってしまう」と話す。

 
 すべて1人で賄う八面六臂のすさまじい働きぶりだが、裏方を母親に手伝ってもらうこともあるという。

 
 そんな滋一さんは、休みの日にゴルフに行くことで「ON」と「OFF」を切り替える。「身体が資本なのでゴルフに行けば知らず知らずのうちに鍛えられますからね」と、満面の笑顔で応える。

 
 聞けば、明日の定休日に茨城まで仲間とゴルフに出掛けるとおっしゃる。それまでの仕事モード全開の厳しい表情が一気に緩んだ瞬間だ。

 

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。