CP応募数13万通、13年はFBの機能拡充、JATAもう1泊CP

吉川勝久委員長(左)
吉川勝久委員長(左)

 日本旅行業協会(JATA)の国内旅行推進委員会(吉川勝久委員長)は3月21日、「『もう一泊、もう一度』プレゼントキャンペーン2012」の抽選会を行った。「もう一度コース」「もう一泊コース」「家族旅行コース」「友人旅行コース」の合計応募総数は、前年度比19・7%増の13万1608通。13年度の同キャンペーンの継続も合わせて発表した。

 抽選を行った吉川委員長は「応募数も年々順調に増えており、4年間の総数は34万通にも達した」と報告。「宿泊数で計算すると12年度は19万9090人泊になり、国内観光の魅力を訴求するとともに、宿泊旅行拡大に寄与している」と語った。

 12年は若年層需要の掘り起こしのため、フェイスブックを導入。13年は新たに、ユーザーが国内旅行の風景や思い出の写真を投稿できるアプリ「日本のいいね!みんなの写真帳」の開発や、「旅を探す楽しさを演出」するなど、機能の充実をはかる。また、JATA会員旅行会社のサイトでの購入者は宿泊を証明する書類を準備し、サイトから応募できるようにした。13年は1泊で応募できる「もう一度コース」、2泊で応募1口となる「季節の彩りコース」、3泊で応募1口となる「もう1泊コース」の3コースを設定。応募期間は13年4月1日―14年2月28日。

訪日PRを抜本転換、3Cで「日本人」を切り口に(観光庁)

阿波踊りのメイン映像
阿波踊りのメイン映像

 観光庁はこのほど、ビジット・ジャパン事業10周年を機に海外プロモーションを抜本的に転換し、「訪日観光の3つの価値(3つのC)」を踏まえ、PR映像やウェブサイト、ガイドブックなどで「日本人」を切り口にPRするよう一新した。17言語で展開するメインPR映像では「DISCOVER the SPIRIT of JAPAN」をテーマに、リオのサンバカーニバルとも比較される「阿波踊り」を入り口に、楽しく情熱的な「日本人」を紹介する。

 12年8月から行われてきた、海外6カ国8人の外国人を含む11人の委員による「普遍的な日本の魅力の再構築・発信に関する検討会」では、新たな観光プロモーションの切り口として震災時に称賛を浴びた「日本人」に着目し、「訪日観光の3つの価値(3つのC)」を取りまとめた。3つのCでは、(1)高い美徳や規律、礼儀正しい気質、シャイだけれど親切で、「わびさび」や五感を超えた「暗黙知」など、日本人の神秘的で不思議な気質「日本人の気質(Character)」に触れられること(2)歴史や伝統を継承する「匠」による作品や、世界一「ハイテク」な作品、「自然」への畏怖や感謝をもとに自然と一体化することで生まれる作品、山海の素材の持ち味を引き出した「日本食」などの「日本人の作品(Creation)」に出会えること(3)四季や伝統が深く入り込み、現代と「融合」した生活や、「お客様は神様」が合言葉の完璧な「おもてなし」、都市から田舎まで全国どこでも「便利」「清潔」「安全」な生活など、日本人の普段の「生活」にあるちょっとしたこと「日本人の生活(Common Life)」を体験できること――をあげる。

 メインのPR映像は、日本語、英語、ハングル語、簡体字、繁体字、タイ語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語、イタリア語、スペイン語、アラビア語、マレー語、ベトナム語、インドネシア語、ヒンディー語の17言語で作製。そのほかにも新設のウェブサイトに合計で160本以上の動画を準備し、「知られざる日本」を発見してもらうことを狙う。

 井手憲文観光庁長官は3月21日の会見で、同サイトが3月15日の開設から19日までの5日間で、世界90カ国から1万8千アクセスあったことを報告し、「同サイトの注目度は高い」と語った。また、10年目を迎える訪日プロモーションについて「今までは日本の魅力発信に工夫が足りなかった。日本食がヘルシーでおいしいことや、電車の時間が正確なことなどは、当たり前すぎてあえて発信していなかった。BtoCで映像をうまく使っていきたい」と話した。

【特集No.336】ホテルナンカイ倉敷 居心地の良い空気づくり

2013年4月1日(月) 配信

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客様の強い支持を得て集客している旅館がある。なぜ支持されるのか、その理由を探っていく「いい旅館にしよう!」プロジェクトのシリーズ第11弾は、岡山県倉敷市水島でビジネスホテルを経営する田中安彦社長と、田中正子支配人が登場。工学博士で、「サービス産業生産性革新」を専門とする内藤耕氏との対談(1月29日)で、立地条件や客層など、さまざまな特殊要因があるなかで、ニーズに合ったビジネスホテルに変化していった過程を探った。

【増田 剛】

 田中(社長):この地は、もともと父が市役所を辞めて、まったくの素人なのに割烹旅館南海という料亭を経営していた場所です。水島地区は昭和30年代後半に埋め立てを行い、企業を誘致し大規模な工業地帯となりました。ちょうどそのころ、1957(昭和32)年に企業の接待として使われるような料理屋を開業し、のちに宿泊もできる施設へと改修しました。68年に割烹料理屋、78年には居酒屋もオープンしましたが、本元の割烹旅館南海は、接待として利用する法人需要の減少により1988年に廃業し、現在も経営している。2つの料理屋に集約しました。

 田中(支配人):割烹旅館南海は客単価は9千円―1万円と高めで、私は結婚してすぐのころ、着物を着て少し手伝っていました。

 内藤:割烹旅館を廃業したのち、土地の有効活用のために95年に客室数111室のビジネスホテル「ホテルナンカイ倉敷」としてオープンされました。

 田中(社長):私たちはホテル経営の経験がまったくない素人でした。開業前に研修も経験していません。でも今から考えると、先入観のない素人から始めて良かったと思います。当時私は37歳で、妻の支配人は35歳でした。

 田中(支配人):オープンした95年は阪神・淡路大震災が起こった年で、開業した1月9日の直後に地震が発生しました。ただ、オープン直後で稼働率も低かったので震災の影響は大きなものではありませんでした。

 田中(社長):1月、2月は予約がほとんど入りませんでしたが、「トレーニング期間」と前向きに捉えていました。4月以降ようやく稼働率が上がっていきました。

 内藤:開業当時は「こういうホテルにしたい」という理想やビジョンはあったのですか。

 田中(支配人):とにかく無我夢中で、来て下さった目の前のお客様に「喜んでいただきたい」という気持ちだけでした。若い経営者である私たちも、スタッフもほとんど未経験で、ホテルとしてかたちを成すのかどうかが心配でした。何かの理想を目指すというよりも、「お客様に安心してお休みいただける」ことだけを考えました。

 ――稼働率は4月から大きく上がっていったのですか。

 田中(社長):水島は特殊な地域で、コンビナートの定期修理が年に2―3カ月あります。毎年春と秋の定期修理の時期には、全国から技術系の方が来て1カ月くらい滞在されます。
 最初の1年はとにかくお客様によく怒られました。「ビジネスホテルなので、そこまでのサービスはできない」と断ったためにお客様とケンカになったこともありました。その積み重ねが今のホテルナンカイ倉敷のかたちになったと思います。

 内藤:具体的にはどのような要望があったのですか。

 田中(社長):「客室の冷蔵庫に氷を入れておいてくれ」と言われたり、部屋からレストランに降りて来たお客様に「自分の席が確保されていない」と怒鳴られたり。今はどのような要望も受け入れていますが、最初は無茶な要求を拒否していました。でも、次第に「それではいけない」と思い、お客様との関係の中で、現在のサービスのかたちに育てられたのだと思います。

 田中(支配人):長期滞在のお客様は生活の場をこちらに移される方もいます。長ければ1年間滞在されるお客様もいます。そうするとお客様と一緒に生活しているような感覚になります。朝は「お早うございます」、夜は「おやすみなさい」と声を掛けます。ビジネスホテルなのですが、家族的な下宿のような感覚ですね。お客様にとっては「もう一つの家」という感覚でしょうか。今は「居心地がいいね」という言葉をいただくことも増えてきました。

 内藤:工場から出迎えの人がホテルに立ち寄ると、その方たちにもお茶を出していますね。

 田中(社長):最初のころは「お金がかからず、継続できるサービスをしよう」とよく話していました。それがお茶出しとお見送りでした。

 田中(支配人):開業から継続しているのは、お客様が朝お出かけになるときにホテルの外まで出てお見送りをすることと、ロビーのソファーに座られたときに、こぶ茶や麦茶を出すことです。朝はコーヒーやジュースもお出ししています。

 田中(社長):私たちはまったくの素人でやっていたので、お客様を怒らせることが多々ありましたが、「とにかくお帰りのときには笑顔で帰ってもらおうね」と話していました。支配人がお客様に対して常に「何かありませんでしたか?」と声を掛けていました。

 田中(支配人):お客様が、何か不満があるのでしたら先に聞いてさしあげようという考えでいました。お客様も私たちに先に言われると、「ああ、気づいとったんか」と気持ちが和み、こちらがそれ以上のことをしてあげると逆に喜んで下さるということが多かったですね。そういう意味ではアンテナを常に高く張り巡らせています。お客様から、たまに「痒くないところまで手が届く」と言われることもあり、少々おせっかいな面があるのかもしれません。

 内藤:ずっと割烹をやられていたので、料理に関してはほかのビジネスホテルとの差別化は考えていましたか。

 田中(支配人):長期の出張のお客様は「晩ごはん」として召し上がる方が多いので、主婦の手料理、つまり“おふくろの味”で、きんぴらやおから、ひじき、煮物などの手作りの料理をお出ししています。メインが選べる定食など数種類の定食を用意しているほか、ビールとのセットメニューや居酒屋の一品料理などもお出ししています。

 内藤:ホテル側としては料理を提供するときに、どうしても「豪華なものを出した方がいいのではないか」と考えがちですが、家庭料理にした方がいいと考えられたのはどのような理由からですか。95年ごろは、ビジネスホテルで家庭料理という発想は一般的ではなかったのではないでしょうか。

 田中(社長):当時はビジネスホテルにレストランを入れるところが多かったのですが、大体宿泊客の1割程度しか利用しない。私たちのホテルでは、1泊のお客様の場合にはどこからかお誘いがあって、倉敷や水島の繁華街に食べに行くケースが多いですが、長期滞在のお客様にとってはホテルの周りには食堂など何もない環境ですので、だったら「いつも食べている家庭料理を安く提供しよう」と思いました。食事で利益を上げようとは考えてなく、私たちの食事を気に入ってくださったお客様に泊まっていただければいいという考え方です。

 田中(支配人):長期滞在のお客様は昼間働き、毎晩遅く疲れて戻られるので安くて親しみやすい料理の方がいいのではないかと思いました。出張続きだと、どうしても野菜不足になりがちで、ご本人も、ご家族の方も健康を気づかうなかでお惣菜などを求める声が多かったですね。品数や種類も少しずつ増えています。病気のお客様には、メニューにはないのですが、雑炊やお粥を客室に持っていってあげたりもしています。

 内藤:家庭料理をホテルで出すのは一番難しいですよね。ホテルで家庭料理を提供するとなると、どうしても肩に力が入ってしまいがちです。

 田中(社長):きんぴらをささがきにするのもすべて手作りで、家庭と違って量がものすごいですから、厨房スタッフも「お惣菜を作るのが一番大変だ」と言っていますね。

 田中(支配人):朝食に出すお惣菜もすぐになくなってしまいます。作るのはものすごく時間がかかりますが、なくなるのは一瞬です。

 田中(社長):おそらく水島という特殊な地域の客層だからこそ生き残れる独特のやり方を私たちは覚えてきただけで、これがどこか他の場所に出したからといって受け入れてもらえるかはわからないと思います。

 内藤:長期滞在が多いとか、技術系の職人が多いなど、たしかに特殊要因はありますね。しかし、どの宿にも特殊要因はあり、その「特殊要因に合った宿」にできるかどうかが勝負の分かれ目になるわけです。

 田中(社長):その意味では、私たちはたしかに水島工業地帯という特殊要因に対して精一杯柔軟に対応してきました。

 ――料理ではどのようなところに気をつかわれていますか。

 田中(支配人):たとえば、ナスがお皿に残っていたりしたら、「ナスがお嫌いでしたか?」とすぐにお聞きし、次回からは別のものに変えてお出しします。バイキングだと嫌いなものは手を付けなくてもいいですが、うちでは決まったものしかお出しできないので、嫌いなものがあれば違うものに変えてあげたいと思うのです。また、ご飯とお味噌汁はしっかりと召し上がっていただきたいので、おかわり自由にしています。
 若いスタッフもお客様をよく見ているので色々なことに気づいてくれます。フロントスタッフは全員が正社員で、お客様も、いつも同じスタッフがいる方が安心されます。

 内藤:スタッフとお客が会話し、交流することで喜んでもらえる一方、宿としてはお客様の情報が得られ、より深く理解できるメリットがありますね。

 田中(社長):そうですね。お客様と会話できる機会は大きなチャンスだと捉えています。冬の時期は朝、フロントガラスが凍った車にお湯を掛けると、仕事に急がれるお客様にすごく喜ばれます。そのときにも少し会話ができます。
 旅館などでは玄関前でお見送りをされることがありますが、日常の意識の強いビジネスホテルから職場に向かうタクシーや車に向かって、スタッフが笑顔で見えなくなるまでお見送りをすると本当に喜ばれ、感動されます。そして嫌いな食べ物を、好きな物に変えてもらえたらうれしいと感じていただけるのです。

 田中(支配人):「お仕着せ」は嫌いなんです。お客様が嫌いなものを一方的に出して、嫌いなものがそのまま残って戻って来るのは本当に申し訳ないと思うんです。ごはんの量もお客様に合わせたかたちでお出ししたいので、お客様の好みなどはレストランホールスタッフからすべて私やフロントスタッフに伝わり、すぐにデータベースとして、フロントにも調理場にも伝わるように情報を共有しています。
 長期滞在されるお客様の中には最後に奥様を呼んで宿泊され、周辺を観光して帰られることも多いですね。奥様から「主人がホテルの食事でお野菜もきっちりと取れる」と感謝されることもあります。最近はインターネットの関係で、家族連れのお客様も増えてきています。

 田中(社長):食事はできるだけ相席にはならないように心がけています。でも、大規模な定期修理のときは朝の7時ごろは社員食堂のように混み合います。朝食のときにはフロントのスタッフも全員で手伝います。

 内藤:カウンター横でシャンプーも貸出していますね。

 田中(支配人):最初は入浴剤などを置いていたのですが、お客様が喜ばれたので、シャンプーや他のアメニティをたくさん置くようになりました。最近の若い男性はおしゃれで、男性用ではなく、あえて女性用の化粧水(乳液)や洗顔フォームを持っていかれる方もいらっしゃいます。

 ――ホームページを作られたのは最近のことだと聞きました。

 田中(支配人):2008年12月からです。これもお客様から言われて始めました。それまでは電話で受けていました。

 内藤:ホームページを作る前はお客様はどうしてこのホテルを知ったのですか。

 田中(支配人):インターネットの口コミではなく、それこそ昔ながらの口コミです。広告宣伝もしていなかったので、お客様が同僚などに「良かったよ」と伝えてくださる宣伝マンになってくださっていたようです。「タクシーの運転手さんが『ここはいいよ』と言っていたから来た」というお客様もいました。

 内藤:広告宣伝に力を入れる施設もありますが、ホテルナンカイ倉敷では「来ていただけるお客様に全力を尽くすのがベスト」だという考え方ですね。

 田中(社長):うちのような小さなホテルが大手チェーンのように知名度を上げようと、どれだけ多くの広告宣伝費を使っても無理です。

 内藤:ハード面はどうですか。

 田中(支配人):施設自体を大がかりに変えることはできませんが、浴室は瞬時にシャワーの温度調整をできるようにしたり、部屋のコンセントの数を増やしたり、すぐ沸くポットを入れたり、こまごましたところでお客様が少しでも快適に過ごせるように改善していっています。お客様アンケートでは、客室の評価は「普通」が一番多いですね。ですから、そのほかの部分で満足してもらえるように、サービスと食事の部分を特化していきたいと思っています。 私たちが目指しているのは「なんかこのホテル居心地がいいね」と言われることです。お客様が「ここは空気がいいよね」と施設ではなく、空気を褒めてくださったことがとてもうれしかったです。

 田中(社長):どんな店でも、特別何かがあるわけでもなく、新しいわけでもないのに、なぜか居心地の良い空気の店ってありますよね。そういうホテルでありたいと思っています。

 内藤:どの施設でもそうですが、日々清掃をしていると、いつまでも清潔な状態を維持できる。ホテルにとって清潔であることは極めて重要だと思います。初めてここを訪れたときに、細かいところをきちっと清掃されているなという印象が強かったですね。何か特別すごいことをやっているのではなく、地道に当たり前のことを積み上げているところが、ホテルナンカイ倉敷のすごいところだなと思っています。

ピンクリボンのお宿ネットワーク ― 観光と医療をつなげよう

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)の鼎談企画を、3月31日付のタブロイド版「第24回全国女将サミット2013福島特集」で紹介している。同ネットワーク副会長の池山紀之氏と、乳房再建の第一人者でもある市立四日市病院形成外科部長の武石明精氏、総合病院土浦協同病院の乳がん看護認定看護師の関知子氏が医療現場から観た観光業界への期待や課題について語っている。本紙4月21日号で、同鼎談を拡大版として紹介する予定だ。

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」は昨年7月に発足して1年にも満たないが、初年度事業として、昨年12月に会員施設の旅館・ホテルの情報を紹介した冊子を10万部作成した。現時点で会員施設や、全国の主要550病院、冊子を要望する個人の方々などに約5万部が配布されている。

 武石先生は、乳房を再建される患者さんに手渡しで冊子を差し上げている。乳がん患者さんは、「医療に関すること」以外の質問を病院の医師に相談しづらいなか、武石先生は旅館の情報が載っている冊子を自ら手渡している。現在の医療の役割が患者さんの傷や病気を治すことだけでなく、以前のように温泉旅行に行ったり、スポーツができるようになるまでの心身のケアの必要性、つまり、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)を重視する医師の信念によるものだ。武石先生の病院では冊子は「あっという間になくなってしまう」という。ネットワークの事務局を務める旅行新聞新社に「冊子をどんどん送ってほしい」と要望された。

 乳がん看護認定看護師の関氏は「患者さんへの退院指導の際に冊子を渡すようになって以来『本当に自分は温泉に行ってもいいんだな』と笑顔になる患者さんが増えた」と話す。「もっと、お宿のネットワークが広がるといいですね」と医療現場からの声を伝えていただいた。

 課題もある。ネットワークに加盟する宿は、経営者だけでなく、スタッフ全員が意識を共有することが大切である。

 ピンクリボンのお宿ネットワークは、全国の医師や看護師、医療関連企業とのつながりが強み。旅館単館での講習会や、温泉地が一体となったセミナーも可能である。観光業界と医療の現場との情報共有をもっと深めよう。

【編集長・増田 剛】

【3/30&31】千葉の富津で「アースディ」イベント開催 

 東京で、そして世界でおしゃれな環境イベントとして広まりつつあるアースディ。

千葉県富津市の金谷地区では、その趣旨を『鋸山(のこぎりやま)の保全』というテーマ一本に絞り、地域住民や企業と共同で地元密着した、そして継続できる(鋸山バウム基金も始まりました)地に足の着いたアースディを目指しています。

鋸山のエコガイド&コンサートツアー、害獣のイノシシのふるまいなどのイベントのほか、また、地域の恩恵というつながりで、海山の食育ライブキッチンや地元素材を使ったバウムクーヘンの野焼きなど、食の体験イベントも盛りだくさん。出展ブースもあります。

【名称】EARTH DAY KANAYA 2013
【場所】ザ・フィッシュ(千葉県富津市金谷2288)駐車場
    その他 鋸山百尺観音前など
【日時・時間】3月30日(土)・31日(日)11時~15時

詳しくはホームページをご覧ください。
ウェブサイト:http://www.thefish.co.jp/topics/earthday/index.html

経営基盤の改善を、経営フォーラムに300人(JATA)

JATA菊間会長
JATA菊間会長

 日本旅行業協会(JATA)は2月26日、東京都内のホテルで「JATA経営フォーラム2013」を開き、会員約300人が出席した。あいさつに立った菊間潤吾会長は「経営改革をしていかなければ観光での経済活性化の中核的な立場を担うことはできない」と旅行業の経営基盤の改善を強調した。

 菊間会長は「昨年、東北復興支援プロジェクトを実施し、会員など1千人で東北を周ったが、現地で感じたのは観光に対する多大な期待。応えるべき我われ旅行業はもっとしっかりとしなければならないと再認識した」とし、収益性の低さなどの問題に業界あげて取り組む必要性を訴えた。

 

 また、来賓の井手憲文観光庁長官は今回のフォーラムのテーマ「グローバル視点で強くなる!~新たな価値創造に向けて~」に触れ、「まさに今の旅行産業にとって重要なキーワード。観光庁としても、観光産業を強くするという視点が欠けていたと反省している」と語った。

大塚陸毅氏
大塚陸毅氏

 フォーラムは、東日本旅客鉄道(JR東日本)相談役で日本経済団体連合会副会長・観光委員長の大塚陸毅氏が「観光は物見遊山か」と題して特別講演。また、2007年以来の旅行業経営分析を日本交通公社観光文化事業部の黒須宏志主任研究員が行った。その後、4つのテーマ別に分科会を開いた。

 そのなかで、大塚氏は「産・官・学」の3面から観光を取り巻く現状の問題点を指摘。「産」は低い収益性や弱い経営力、産業としての誇りの欠如をあげ、「学」はグローバル化・地域性追求への遅れをあげた。さらに、予算が少ないことなど国家戦略の遅れも問題視した。大塚氏は「まだ観光は『物見遊山』と認識されている。観光立国といわれ10年が経つが存在感が薄く、成長産業として認知されていない」とし、「産官学が連携し、観光の持つポテンシャルを最大限発揮する必要がある」と語った。

 最後に、旅行産業に必要なこととして「意識改革」「新しい価値・需要の創造」「人材の育成」の3点を示し、「働く人が自覚と誇りを持ってほしい。利益率が低くても高くても『この仕事は重要な国家戦略だ』という強い意識を持ち、産業自体が外向きになる必要がある」と呼び掛けた。

旅フェア募集開始、11月8―10日、池袋で(日観振協)

 日本観光振興協会はこのほど、11月8―10日に東京・池袋サンシャインシティで「旅フェア日本2013」を開くことを発表し、出展の募集を開始した。

 昨年から「旅のアミューズメントパーク」をコンセプトに、参加型・交流型のプログラムを盛り込んだ。多くの来場者に「地域」や「旅」により深い興味を持ってもらい、国内旅行を楽しむきっかけを見つけてもらうことを目指す。

 全国各地の観光情報を提供するほか、ご当地キャラクターやアイドルなどのPRも行う。サテライト会場には、ふるさとアンテナショップや鉄道駅などが参加し、地域ならではの特産品を紹介。

 出展者がテーマを選んで出展する「テーマエリア」も設定。13年のテーマは「東北・北陸」「伝統工芸」「スポーツ アクティブ」「スキー・スノーボード」「家族旅行 温泉」「食」の6つ。同じコンセプトブースの集合体で、来場者への効果的なプロモーションを狙う。

 来場者やメディアに人気の高い「体験型ブース」の出展は、事務局がWebサイトやフェイスブックで優先的に情報発信を行うなど、さまざまな優遇がある。

 出展の申し込みは、8月9日まで。1コマあたり2万円の割引がある早期出展の申し込みは5月31日まで。出展予定数に達した場合、出展申し込み締め切り以前でも申込を締め切る場合あり。

 問い合わせ=旅フェア日本2013運営事務局(JTBコミュニケーションズ内) 電話:03(5434)8296。

新石垣空港が開港、国内外の誘客促進へ 、東京直行便も

空港の外観
空港の外観

2000メートルの滑走路
2000メートルの滑走路

 沖縄県・石垣島(石垣市)に3月7日、新石垣空港(愛称=南(ぱい)ぬ島空港)が開港した。

 石垣市の中心部から約15キロ北東に離れた島東部に新設された新空港は、旧空港より500メートル長い2千メートルの滑走路を備え、中型ジェット機の就航が可能になった。国際線ターミナルも備え、“日本最南端の国際空港”として、国内外からの誘客に力を入れる。

初便就航セレモニー(ANA)
初便就航セレモニー(ANA)

 開港当日、午前6時30分から行われた開港セレモニーで、中山義隆市長は「八重山郡民30年あまりの夢が実現した。新空港は2千メートルの滑走路を備え、中型ジェット機が就航でき、本土からの直行便増便が期待できる。観光や農林水産業に与えるインパクトは大きい」と述べ、開港を宣言。

 午前8時過ぎには、新空港到着第1便となった日本トランスオーシャン航空(JTA)のジンベエジェットが那覇から到着。消防車両による放水シャワーで歓迎を受けると、ターミナル内の旅行客や関係者から大きな拍手が沸き起こった。

 JTA、全日本空輸(ANA)の初便就航セレモニーもそれぞれ行われた。

 JTAの佐藤学社長は「待望の新空港が開港した。JTAは沖縄の翼として46年目に入った。これからも地元の皆様とともに歩んでいく航空会社であり続けたい」と話し、ANAの内薗幸一執行役員は「現在、名古屋中部と関西空港で直行便を就航しているが、3月31日から東京羽田の直行便も加える。ボーイング767の中型機を投入し、コンテナ輸送も使えることから、石垣牛や海産物などが東京に直送できるようになる」と話した。

 夜には、市内の新栄公園で開港記念イベントを実施。地元出身のミュージシャン、BEGINときいやま商店、夏川りみさんが参加し、開港PRソング「おかえり南ぬ島」などを熱唱。島民らが歌に合わせて踊り、開港を祝った。

 翌日8日には、新石垣空港のPR大使に就任したお笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史さんが空港に登場。岡村さんは「番組ロケで訪れてから石垣島の大ファン。毎年のように来ている。テレビなどで石垣島をPRしていきたい」と意気込んだ。

LCC利用者7%、ピーチは満足度9割に(じゃらんリサーチ)

 じゃらんリサーチセンターはこのほど、国内線のLCC(ローコストキャリア)に関する調査を実施。これによると、直近1年間の飛行機利用者(旅行、帰省)のうち、LCC利用者は7%だった。

 利用者の出現率は、男女ともに20代の若年層は1割を超え、男性20代は15%、女性20代は10%だった。居住地別の利用率は、LCC就航の最初のエリアである「関西」、次いで「九州・沖縄」の順で高かった。

 LCC各社の評価は、「ピーチ・アビエーション」が満足度9割でトップ。3社中、最下位の「エアアジア・ジャパン」も満足度は7割で、全体的に評価が高かった。

 ターゲット層に重なる「若者向け」イメージは「ピーチ・アビエーション」が36%と最も高く、認知率は76%で、LCC各社のなかでは一歩抜きにでた評価となった。

 利用者の今後のLCC利用意向は96%に達し、非利用者でも63%と高かった。男性20代は利用意向が9割以上。「ピーチ・アビエーション」が就航を予定している東北では、「積極的に利用したい」が34%、利用意向は86%と他エリアよりも高い結果となった。

 LCC利用者に「LCCがなければ何の交通機関を利用していたか」の問いには「既存の航空会社」との回答が68・9%、新幹線が12・1%、旅行・帰省しなかったが9・1%だった。また、「利用していた航空会社からLCCに乗り換えるようになった」は71%で、既存航空会社との競合が起きている。

 LCC利用で「得をした」との意識は高く、「浮いたお金」の7割(交通費を除く)を旅行市場で使う意向が推測され、「現地滞在の買い物や食事で少し贅沢した」が41%だった。

1・6%減の1億598人泊、12年10月―12月の宿泊旅行(観光庁)

 観光庁はこのほど、宿泊旅行統計調査(2012年10月―12月)の2012年第4四半期の調査結果(暫定値)をまとめた。当期の延べ宿泊者数は前年同期比1・6%減の1億598万人泊となった。このうち外国人は同6・1%増の595万人泊だった。外国人延べ宿泊数は、28都道府県で前年同期比よりは回復したが、前々年同期比の水準までに回復したのは、15都道府県に留まった。

 国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数の1位は台湾で、同28・9%増の91万人泊。2位は韓国で、同25・7%増の75万人泊。3位は米国で同7・3%増の59万人泊となり、上位3カ国・地域で全体の4割を占めた。また、伸び率はタイが同54・1%増、マレーシアが同51・0%増と大幅に拡大した。一方で、中国は同52・4%減だった。

 全国平均の客室稼働率は54・9%で、旅館が35・2%、リゾートホテルが48・8%、ビジネスホテル68・8%、シティホテルが73・7%、会社・団体の宿泊所が27・7%となった。同一施設における1人あたりの平均宿泊数は同0・7%減の1・30泊だった。