NAAなど、空港ビールを地元産品セットで販売 地域と一体での発展狙う

2022年9月12日(金) 配信

成田空港スタッフ目利きフランクフルトセットのイメージ

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)とグループ会社のグリーンポート・エージェンシー(濱田達也社長)はこのほど、成田空港オリジナルクラフトビール「成田空港エール」と周辺地域の産品の詰め合わせを売り出した。地域と空港の一体となった発展につなげる狙い。

 販売数は各50組。ECサイト“NARITA AIRPORT to TABLE” で発売する。セットのうち、成田空港スタッフ目利き フランクフルトセットは、ソーセージ発祥の地という千葉県・横芝光町のフランクフルトをメインに、地元フレンチシェフが手掛けるスモークハニーナッツを楽しめるように組み合わせた。価格は3800円(税込)。

 「成田市人気レストラン監修” オリジナルプチコースセット」は空港にあるイタリアンレストラン「オリベート」が監修。千葉県産鯖と有機ポテトのテリーヌに加え、錦爽鶏もも肉オリーブオイル煮などが付く。5500円(税込)で販売する。

 成田空港エール満喫セットは、醸造する過程で発生する「モルト粕」を利用し、栄養豊富というグラノーラバーと合わせた。価格は1200円(税込)。

第100回記念全旅連全国大会へ―歴代会長がメッセージ(祝辞) 佐藤 信幸 氏(在任 2007~2015年)「国との災害協定を望む」

2022年9月12日(月) 配信

佐藤信幸氏

 「全旅連100回全国大会」の開催誠におめでとうございます。
 
 私は、1995~96年全旅連青年部部長を、2007~15年までの8年間、全旅連の会長を務めました。
 
 青年部時代は、「旅館総研」をテーマに、多くの皆様の協力を得て、全国各地で勉強会を開催し、バブル崩壊後のリセッションのなかで、どのように経営するか、業界の先行きに不安と夢を持ち、共に語らい、共に学び、多くの友を得ることができました。
 
 07年に全旅連の会長に就任し、NHK受信料問題や東日本大震災の被災者受け入れ・東京電力損害賠償、そして、耐震改修促進法の改正など、就任中には多くの課題がありましたが、皆様のご協力で一定の成果を上げることができました。ご協力に心から感謝します。
 
 そのなかで、とくに思うことは、大災害時の「被災者の受け入れ」についてです。
 
 東日本大震災のとき、報道では30万人以上の方々が避難し、1次避難所が不足していることを知りました。
 
 全旅連として何ができるかと思い、新潟県の野澤幸司理事長に相談すると、04年に発生した新潟県中越地震の際に、高齢者や障害者の2次避難所として旅館が使用されたことを知りました。
 
 震災の2日後には、報道でこれまでに無い人命の危機を感じ、“危急存亡の秋(とき)”と思い、全旅連会長として、被災者の受け入れを決意しました。
 
 そこで直ぐに、国土交通大臣と連絡を取り、全旅連として被災者を受け入れることを表明しました。
 
 その後、担当から連絡があり、具体的に内容を詰めることになりましたが、結果的には3週間以上掛かってしまいました。
 
 災害時は、初期対応が最も大切と言われています。そこで、現在、各県各市町村と各地の旅館・ホテルで災害協定を結んでいますが、市町村ごとに違いがあります。
 
 県を跨ぐ大災害の場合は、全国一律でないと調整が必要になると思いますので、国と全旅連が災害協定を締結し、一刻も早く被災者を受け入れる体制が重要だと思っています。
 
 幸い旅館・ホテルは、災害時にすぐにでも対応できる設備があります。迅速な対応ができるように、国と全旅連の災害協定を望みます。

出雲観光協会 聖地出雲の夕日観賞 オープントップバス運行へ

2022年9月12日(月)配信

海岸沿いを走るオープントップバス

 島根県出雲市の出雲観光協会は9月17、19、20、23、24、25日の6日間、屋根のないオープントップバスで日本遺産に認定されている夕日を観賞する「サンセットいずも号」を運行する。同バスを使ったツアー商品は出雲地区初という。

 日本遺産「日が沈む聖地出雲」の構成遺産である出雲日御碕(ひのみさき)灯台や日御碕神社、稲佐の浜をつなぐ海岸沿いの道を走り、開放的な雰囲気が楽しめる。日御碕神社ではガイドの案内で、国の重要文化財に指定される出雲日御碕灯台を散策する。

 夕日鑑賞は、JR田儀駅と「道の駅キララ」で行う。どちらも夕日の絶景スポット。

 ツアー料金は大人3500円、子供(小学生)2500円。最前列4席はスーパービューシートとして1千円追加となる。発着はJR出雲市駅で、午後1時に出発し、同7時ごろ帰着する。申し込みは同協会のホームページで受け付ける。

山代温泉観光協会 新会長に和田守弘氏 萬谷氏は常任相談役に

2022年9月12日(月)配信

和田守弘新会長(中央右)と萬谷正幸前会長(中央左)

 石川県加賀市の山代温泉観光協会(会長=萬谷正幸・よろずや観光会長)は7月27日、ゆのくに天祥で2022年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で和田守弘氏(たちばな四季亭社長)を新会長に選出した。19年間にわたって会長を務めた萬谷氏は常任相談役に就いた。

 アフターコロナや24年春の北陸新幹線福井・敦賀開業を控え、まちづくりの新たな舵取り役を担うことになった和田新会長は「北陸新幹線福井・敦賀開業は千載一遇のチャンス。新体制のもと、皆で温泉街の魅力を高めていき、観光客を受け入れる準備をしっかりと進めていきたい」と抱負を述べた。

 常任相談役に就いた萬谷氏は「新たな山代温泉観光協会を築いていってほしい」と新会長にエールを送った。

 ほかの主な役員は次の各氏。

 【副会長】新滝英樹(相談役兼務)▽須谷祐二▽永井隆幸(専務理事兼務)

和歌山県宣伝隊が来社 旬の話題PR

2022年9月12日(月)配信

各地のゆるキャラも応援に駆け付けPR

 「わかやま観光PRキャラバン隊」が8月4日、本紙関西支社を訪れ、来年の弘法大師誕生1250年を皮切りとした「ダイヤモンドイヤー」など、旬の話題をPRした。

 来社したのは、和歌山県観光振興課の井本ゆか主任と室井優佑主事、南紀白浜観光協会の長谷川孝幸主任、湯浅町観光協会の北村智啓さんと宮地孝之介さんの5人。

 和歌山県では、2023年に弘法大師誕生1250年、24年に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年、25年に大阪・関西万博と、観光にとって追い風となるビッグイベントが続くことから、今後3年間を「ダイヤモンドイヤー」と位置付け、さまざまなキャンペーンやイベントを強化。コロナ禍からの反転攻勢をかけていく。

 白浜温泉では10月1日、白良浜を会場に「南紀白浜ドリームランタン」を実施する。1千個のLEDランタンとカラフルに光るプログラミングバルーンが白良浜を美しく照らし出すナイトイベント。12月1日から翌1月31日までは、白良浜を色鮮やかなイルミネーションで灯す「白良浜シーサイドイルミネーション」も行う。

 湯浅町では8月17日から、「おでかふぇサイクリング」をスタート。コーヒー豆やミネラルウオーター、マグカップ、バーナー、ローテーブルなどが入ったコーヒーセットを持って、レンタサイクルで町内をサイクリング。お気に入りの場所を見つけたら、その場でコーヒーを入れてプチアウトドア気分を味わってもらおうというもの。

 一行は「自然、歴史、文化と、さまざまな魅力を兼ね備えた和歌山県へ、ぜひお越しを」とアピールした。

長崎県 西九州新幹線PR 大阪駅でイベント開く

2022年9月12日(月)配信

大石賢吾知事と長濱ねるさんが西九州新幹線をPR

 長崎県は8月19日、JR大阪駅「時空(とき)の広場」で「長崎県西九州新幹線開業1カ月前記念イベント」を開き、9月23日に開業する西九州新幹線や、長崎県の魅力をアピールした。

 会場では、同県の大石賢吾知事と、長崎県出身で西九州新幹線長崎県広報大使を務める女優でタレントの長濱ねるさんによるトークショーを実施。3人の関西ミシュランシェフを交えての長崎食談義なども行った。

 大石知事は「西九州新幹線の開業により、長崎―博多間が最速で30分短縮となり関西とも近くなる。県内には2つの世界遺産と4つの日本遺産がある。長崎駅や駅周辺など、街の様相も変わってきている。ぜひ多くの方に訪れてほしい」と来県を呼び掛けた。

 長濱さんは「長崎県は名所にあふれていて、グルメも豊富にあり、楽しめるところがたくさんある。大阪の人と長崎の人は共にあたたかい人柄が似ていて親和性があると思う。ぜひ、多くの大阪の人に、長崎を訪れてほしい」とアピールした。

 8月20日、21日には、JR大阪駅で長崎県の観光物産展が開かれ、各種ステージイベントや県内各自治体による物産販売が行われた。会場では、前日のイベントに登壇した3人のミシュランシェフが、それぞれに考案した長崎の食材を使ったテイクアウトグルメも限定販売された。

全旅協近畿地方支部 11年ぶり合同役員会 各県事業報告や講演実施

2022年9月12日(月)配信

あいさつする吉村実議長

 全国旅行業協会近畿地方支部長連絡会(吉村実議長)は8月2日、ザ・ガーデンオリエンタル大阪(大阪市都島区)で2022年度近畿各府県支部合同役員会を開いた。各府県支部が集まっての合同役員会開催は11年ぶり。

 各府県が、それぞれに取り組む事業などを報告したほか、民泊・農泊の予約サイト運営や、自治体と連携した地域振興サービスなどを手掛ける百戦錬磨の上山康博社長が基調講演を行った。

百戦錬磨の上山康博社長が講演

 上山社長は「小規模旅行会社の生き残り戦略」と題して講演。このなかで生き残るチャンスとして①地域性を生かす②団体を扱うノウハウの展開③異業種との連携④インバウンドの取り組み⑤公的予算の活用⑥SNSの活用――など、いくつかのポイントを挙げ、「これらは決して机上の空論ではない。皆さんの環境や強みを生かせば、新しいビジネスチャンスは必ずある。まずは、小さなことからでもチャレンジしていってほしい」と語った。

 各府県の発表では、滋賀県がコロナ禍で取り組む観光バスツアーの助成事業を紹介した。大阪府は営業対象を今後、個人・グループへ拡大していくため、会員向けにSNSの勉強会を開いたことなどを報告。和歌山県は、地元の温泉を広く知ってもらおうと、地元関係団体と連携して取り組む「わかやま12湯推進協議会」の活動を紹介するなどした。

 発表会後には、全国旅行業協会の駒井輝男副会長や、㈱全旅の中間幹夫社長などを来賓に迎えての合同懇親会が開かれた。

 冒頭のあいさつで吉村議長は「各府県の発表で、皆さんが今できること、やるべきことを見つめているのが分かり、近畿は大丈夫だと感じた。今後は、我われ自身が変化し対応していけるための体力を共に身につけていくことが大事になる。我われの先輩が作った『きんきは1つ』のキャッチフレーズの通り、そういった仲間づくりができる近畿になりたい」と抱負を述べた。

第100回記念全旅連全国大会へ―歴代会長がメッセージ(祝辞) 小原 健史 氏(在任 2003~2007年)「旅館業界の地位向上へ」

2022年9月11日(日) 配信

小原健史氏

 「全旅連第100回全国大会」の開催、誠におめでとうございます。100回という記念すべき全国大会を迎えるにあたって、全旅連本部、および地方の支部組織においてご苦労・ご尽力をいただきました方々に対し深甚なる敬意を表します。
 
 全旅連の活動を語るなかで、最大級の政治活動目標は「旅館業界の社会的な地位向上」で、とりわけ「旅館業を狙い打ちする税金の廃止」であったと言っても過言ではないと思われます。
 
 その税は戦前に「ソ連・満州国境で日本兵が敵と戦う最中に旅館や遊郭で飲食・宿泊をすることは悪いことだ!」との考えで懲罰的に適用された「遊興飲食税」で、都道府県税でした。
 
 その後「料理飲食等消費税」、そして「特別地方消費税」と姿・形を変えて、平成の時代になり消費税の導入時に「消費税と特消税の二重課税はおかしい特消税を撤廃せよ」との旗印を掲げ、全国の旅館業界が一斉に立ち上がりました。その結果、我われは70年間の永きにわたる過去最大級の政治的な闘争を経て、1996年に特別地方消費税の廃止を勝ち取りました。
 
 全旅連本部の活動は、旅館ホテル業界を取り巻く法制・税制を有利に導くことに外ならず、継続して「公的宿泊施設への規制強化」「NHK受信料」「耐震診断と工事」などの政治的な課題に取り組みました。
 
 また、バブル経済崩壊後の「不良債権の処理と旅館ホテルの事業再生」などの金融問題も看過できない問題でしたが、今また、新型コロナ感染症の数年にも及ぶ蔓延により旅行需要が大きく規制され、深刻な経営問題が発生しています。
 
 全旅連は100周年の記念大会を迎えましたが、敢えて述べれば「新型コロナ感染症」という過去最大級の営業的な災難に打ち勝つためにも、心新たにして組織の強化と、さまざまな事業の推進を成さねばなりません。
 
全旅連の限りない前進と繁栄をお祈り致します。

「観光革命」地球規模の構造的変化(250) ゴルバチョフ氏の功績

2022年9月11日(日) 配信

 旧ソ連大統領であったミハイル・ゴルバチョフ氏が8月30日に亡くなった(享年91歳)。1985年に旧ソ連トップの共産党書記長に就任し、ペレストロイカ(改革)やグラスノスチ(情報公開)を旗印に共産党の一党独裁体制の変革を大胆に試みた。帝政ロシア時代から続く支配体制の解体による政治・経済・社会の民主化をはかると共に、兵員削減や中距離核戦力廃棄や東欧諸国からのソ連軍の撤兵など軍国主義との決別にも踏み込んだ。

 「新思考外交」を推進し、アフガニスタンからのソ連軍の完全撤退、ベルリンの壁崩壊を容認すると共に、89年12月にはブッシュ(父)米国大統領と会談し、東西冷戦終結を宣言。90年3月に初代ソ連大統領に就任し、10月には東西ドイツ統一を実現すると共に、ノーベル平和賞を受賞した。

 91年4月には旧ソ連の最高首脳として初めて来日し、北方領土問題の存在を認めて、北方四島とのビザ無し交流に道筋をつけて日ソ関係の改善に貢献。しかし91年8月に保守派によるクーデターが発生し、12月に大統領辞任に追い込まれた。

 旧ソ連のトップとして在任した約7年間の内に、東西冷戦終結や東西ドイツ統一などを実現させ、国際秩序の一大変革に大きな役割を果たした点は高く評価されるべきである。ゴルバチョフ氏は東西冷戦を第3次世界大戦とみなし、しかも勝者のいない大戦だったと評した。ソ連を中心にした東側の社会主義諸国だけでなく、米国を中心にした西側の資本主義諸国もやがて行き詰まるであろうと予測していた。

 現代では中国やロシアなどの専制主義国と米国を中心とする自由主義国の対立が強まっており、新冷戦時代の様相を呈している。しかもウクライナ戦争に続いて、台湾有事が現実化しており、日本でも軍備増強が最重要課題になっている。コロナ禍の長期化で国際観光が大幅に縮小されているうえに、新冷戦が深刻化するならば、世界的に人的交流が停滞するために旅行業界の苦境が継続されることになる。

 ゴルバチョフ氏は東西冷戦終結を実現して、平和創出に貢献し、国際交流の活発化をはかることによって国際観光の隆盛化を後押しした。世界で唯一の被爆国である日本は軍事力強化ではなく、文化力や観光力の強化によって平和創出に貢献すべきである。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

〈観光最前線〉海の中で遊ぶペンギン

2022年9月10日(土) 配信

海で気ままに遊ぶペンギン

 久々に小樽で遊ぶということで、「おたる水族館」を目的地に選んでみた。「海獣公園」というエリアのプールが、海の入り江を仕切っただけの天然ものだときいて、前々から気になっていたのが理由。

 おたる水族館は建物自体とてもレトロで、派手さはないけれど、海の生きものとじっくり対話が楽しめる、素敵な場所だった。

海面をたたき続けるアザラシ

 小樽の海と一体となった景色の中にあるからか「海獣公園」に暮らすトドやアシカたちはいつもより野性味に溢れていて、少し恐かった。

海へ向かうペンギン

 そして、間違いなくこの水族館のMVPは、海まで遠足するペンギン。驚いたのは、海の中を泳いでいるペンギンが、見つけにくいこと。背中の黒が保護色になっているからだとか。海の中で遊ぶペンギン、めんこかったなぁ。