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「観光革命」地球規模の構造的変化(239) 世界競争力と日本の未来

2021年10月7日(木) 配信

 スイスのローザンヌに拠点を置く「国際経営開発研究所(IMD)」は世界最高峰の高等研究・教育機関として高い評価を得ている。1989年以降、毎年数多くの指標の詳細な分析に基づいて「世界競争力ランキング」を公表している。

 ランキングの指標は、4つの大分類と20の小分類から成る。①経済状況(国内経済、国際貿易、国際投資、雇用、物価)②政府効率性(財政、租税政策、制度的枠組、ビジネス法制、社会的枠組)③ビジネス効率性(生産性・効率性、労働市場、金融、経営プラクティス、取り組み・価値観)④インフラ(基礎インフラ、技術インフラ、科学インフラ、健康・環境、教育)。

 日本は同年から92年まで世界競争力ランキングの第1位を占めてきた。バブル景気が崩壊してから4位に下落、97年の金融不安(北海道拓殖銀行の破綻など)で競争力が17位に急落した。

 その後20位台で推移したが、2020年にはそれまででワーストの34位に激落。同年のアジア諸国のランキングと比べると、シンガポールは1位、香港5位、台湾11位、カタール14位、中国20位、韓国23位、マレーシア27位、タイ29位の後塵を拝している。要するに日本はさまざまな分野で国際競争力を失っており、厳しい現実認識に基づいて日本の未来を構想する必要が生じている。

 IMDの世界競争力ランキングが示している日本の弱点を列挙すると、次のようになる。「政府の効率性」では、財政赤字の是正、高齢化社会への財政対応、日銀による経済への影響の是正、海外からの投資に対する閉鎖性の打破などが必要。

 「ビジネスの効率性」では、意思決定の遅さ、柔軟性の欠如、起業家精神の弱さ、ビッグデータの活用不全、管理職の国際経験の乏しさなどが問題で、人的資本の整備、デジタル化を活用した意思決定や市場対応の迅速さ、外国のアイディアを受け入れる文化の開放性などが必要。「インフラ」では、研究開発によって蓄積された優れた知識資本を十全に活用できるマネジメント能力や語学能力を改善する教育制度の改革が必要。

 世界各国の競争力を冷静に分析したうえで、日本の将来ビジョンと周到な戦略を明確に構築し、世界に伍して日本を確実にリードできる優れた政治家の登場が必要不可欠だ。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

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