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【特集No.571】割烹旅館 清都 障害者が働きやすければ健常者も

2020年12月1日
編集部:増田 剛

2020年12月1日(火) 配信

 

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その人気の秘訣を探っていく対談シリーズ「いい旅館にしよう! Ⅲ」の7回目は、千葉県南房総市の「割烹旅館 清都」女将の清都みちる氏が登場。同館と連携する障害者福祉施設、就労継続支援B型事業所「愛’s」取締役の小宮庸宏氏を迎え、「障害者が働きやすければ、健常者も同様に働きやすくなる」ことなどを語り合った。
 なお、対談は2019年8月27日に行った。

【増田 剛】

 ――1996年12月に宿を創業された当時は、どのような旅館を作ろうと思ったのですか。

 清都:父の代までは不動産業を営んでいましたが、母の実家が館山市布良(めら)にあり、当初はそこに宿を建てる計画でした。しかし自然災害などが発生し、紆余曲折の末、現在の地(南房総市白浜町)に宿を構えました。
 当時の思い入れとしては、料理を楽しんでいただいて、昔の料亭のような「ええかっこうしいのできる宿」、つまり大切なお客様を連れて来て胸を張れるような宿にしたいと思っていました。
 リピーターのお客様も多くいらっしゃいます。首都圏が中心ですが、最近は関西のお客様も増えてきています。
 とにかく周りに何もない旅館ですから、料理とお風呂、そして「人しかない」と思いました。とくに大事にしているのがお客様との距離感です。
 料理は地元の食材を中心に、お客様の希望するものを提供するようにしました。既製品を使わず、バイキングなどでは出せない旬の食材と手作りの料理にこだわりました。

 内藤:お客が食事中に何かを要望されたときには対応されるのですか。
 飲食店ではお客が来店してから料理を作りますが、旅館は、事前に準備する宴会のやり方を、個人客にも流れてやってしまうことがあります。これではお客の要望よりも準備を優先させることになります。

 清都:できる限りはお客様の要望に対応しています。今朝も普通のお味噌汁を出しましたら、「伊勢エビの味噌汁が飲みたい」とおっしゃられたので、「少々お待ちください」と言って対応しました。料理を提供するなかで要望があれば変えていきます。

 内藤:「料理が美味しい」という評価は、お客の趣味の範疇なので、正解はありません。私は「より出来立てが美味しい」と美味しさを定義しています。

 清都:やはりその時期の旬の食材で、出来立てのものが美味しいと思います。可能な限り出来立てのものをお出しできるように努力しています。

 内藤:会話をしながら、そのなかでお客の要望を聞いていくやり方ですね。
 接客の基本的な姿勢などはありますか。

 清都:お客様の言葉を「できません」「ありません」など拒否しないことを心掛けています。できなくても、肯定的な言葉で対応しています。

 内藤:裏を返すと、提案して「できることで対応する」ということですね。

 清都:そうです。ご家庭で親戚が来たときにもてなすような感じで、当たり前の対応をしているだけです。旅館業とは、「耐えること」と「尽くすこと」だと思います。あまり難しく考えず、家庭生活と同じことかなと思います。
 それと、お客様と同じように大切にしているのは、従業員に気持ちよく働いていただくことです。経営者がいて、従業員がいて、始めて成り立つ世界です。これはタクシーで学びました。
 なかには横柄な運転手さんもいますが、タクシーがなければ私は移動手段がないので困る。乗せてくれるタクシーの運転手と、乗るお客さんの双方がいて成り立つ世界です。
 宿も働いてくれる従業員がいなければ、自分1人では何もできません。そういう風にお互いを思えばいいのではないかと考えています。

 内藤:当たり前のことですが、なかなかできない部分ですね。

□ ■

 ――ここで就労継続支援B型事業所「愛’s」管理者の小宮さんにも加わっていただき、障害者雇用についてお聞きしたいと思います。
 就労継続支援B型事業は「雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会を提供する」ことが目的。割烹旅館清都では、16年から「愛’s」と提携し、障害者雇用に取り組んでこられました。

 内藤:障害者と健常者の間に法律も線を引いていますが、どのような人でも「得意」「不得手」はあり、程度の差こそあれ、同じだと思います。
 生産性の観点から、できない人間に教えてできるようになってもらうことは、特殊ではなく健常者と同じではないかと思っています。
 家具メーカーに行ったときに、ユニバーサルデザイン(UD)の話を聞きました。「なるほどな」と思ったのは、我われは何となく「弱者保護」、つまり高齢者や障害者という観点でUDを捉えていますが、UDが進めば進むほど、健常者もますます使いやすくなる「ユーザビリティ」の問題なんだということです。
 作業プロセスやマニュアル、動線なども障害者が理解して働きやすくなれば、健常者にとっても同様にもっと働きやすくなるということです。…

【全文は、本紙1818号または12月7日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

 

 

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