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「提言!これからの日本観光」 “不要不急”

2020年5月25日
編集部:木下 裕斗

2020年5月25日(月) 配信

 

 「不要不急の外出は自粛してほしい」と国や自治体などが2月以降、国内各地で頻繁に呼び掛けた。筆者はこれを聞いて76年前の1944(昭和19)年春を思い出す。国や都道府県などが、太平洋戦争末期の戦局悪化による国鉄旅客列車削減のダイヤ改正の際に呼び掛けた「不要不急の旅行は自粛されたい」と、今回の文言である「不要不急の外出自粛」がほとんど同じだからである。「自粛」は「要請」であるが、かなり命令に近いことも似ている。

 戦時中の「不要不急」とは軍と公務以外の旅行を指し、定義が明確だった。今回は感染症蔓延を防ぐために移動の減少をはかるもので、「不要不急」の判断は自らするしかなく、戸惑うほかなかった。「不要不急」の移動には「観光」が含まれていることは間違いないと思う。戦時中は「観光」が軍・公務以外の移動であることは明らかだった。今回は観光イベントが、相次いで中止となり、一部観光地は立ち入りも禁止。大型観光施設もほとんどが閉鎖した。今回は移動による感染症の広がりを防ぐためで、移動を伴う「観光」の自粛はやむを得ないと考える。

 しかし、誤解してはならないのは、「観光」が「不要不急」だから自粛するのではないことである。戦時中は、「不要不急」の移動の代表例に「観光」が挙げられ、時刻表の表紙、街頭などには「観光旅行をやめよう」と掲示されたほどだった。観光施策も「不要不急」とされ、国の観光局も廃局した。そのため、戦後に至るまで「観光」は「暇な人の遊び」と誤解され、観光の復興が遅れたことを忘れてはならない。

 「観光」は人間の本能に根差す重要な文化経済行動であることは言うまでもない。国は観光立国施策の重要な柱に挙げ、国内外共に促進した。しかも、近年の訪日客の急増に対応すべく、全国約130万の観光事業所も受入体制を強化、拡充してきた矢先に今回の事態となった。来年には延期された東京五輪も迫っている。感染症終息後は、速やかにV字型の観光回復を実現し、観光産業の再活性化と共に、東京五輪と観光振興を成功させる動機としたい。

 また、内外客の受入態勢を再整備しなければならない。観光が一段落している今こそ、新しい日本観光の再出発となる観光復興を目指し、施策を練り、仕込みをするべき大切な時なのではなかろうか。

 今回の感染症蔓延防止のための自粛が、戦時中のように「観光」が「不要不急」だからと再び誤解されることがあってはならない。むしろ、現在こそ「観光」の文化経済行動であるとの真の意味を理解してもらう好機と捉え、その努力を怠ってはならないと思う。そして、窮状に陥っている中小の観光事業者を公的支援で何とか維持させ、明年に備えなければならない。

 このような努力がないと、東京五輪の成功と「観光」の復興は覚束ないと思う。観光復興と地域再生のため、今を地道な努力の時と考えたい。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 

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