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「味のある街」「岩谷堂羊羹」――回進堂(岩手県奥州市)

2020年5月6日(水) 配信 
 

回進堂の「岩谷堂羊羹」(新中型本煉)▽岩手県奥州市江刺愛宕字力石211

 作家は羊羹好きが多いというが、明治の文豪・夏目漱石が羊羹について珠玉の文章を遺している。

 
 「…菓子皿のなかを見ると、立派な羊羹が並んでいる。余は凡ての菓子のうちで尤も羊羹が好きだ。別段食いたくはないが、あの肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。(中略)今生まれたようにつやつやして、思わず手を出して撫でて見たくなる。…」(『草枕』新潮文庫より)
 
 羊羹についてこんな素晴らしい表現をされたら、いてもたってもいられなくなる。
 
 今回は、岩手の銘菓として全国に知られる岩手県奥州市江刺の回進堂の「岩谷堂羊羹」を紹介しよう。
 
 始まりは延宝年間(1637~1681年)と伝えられ、伊達藩・岩谷堂城城主の保護推奨により、城の名を付けることを許されたと記されている。その歴史のなかで、回進堂は羊羹専門の菓匠として誕生したという。
 
 美味しさの決め手は素材選び。小豆、寒天、砂糖と材料はいたってシンプル。小豆あんには主に地元農家と契約栽培でつくる紅南部小豆や、岩手大納言と北海道産小豆。白あんはいんげん豆(北海道産手亡)。寒天は、長時間の煉り上げに耐えうる厳選した国内産を使っている。
 
 波照間産の黒砂糖など純度が高く、純粋な甘味かつあくの少ない砂糖を使うというこだわりよう。
 
 漆黒を纏った美しい艶と、切り口の鮮やかさにうっとりしながら口に入れる。漱石だったら何と表現するだろうか。
 
 「美味しい。甘すぎず、硬すぎず、柔かすぎず」今までに食べたどの羊羹よりも羊羹らしいというのが感想だ。
 
 聞けばこの店の煉り羊羹は焦がすほどの高熱を加えながら、ひたすら煉りこんで仕上げる。選りすぐりの素材と磨きのかかった熟練の技とのマッチが素晴らしい。
 
 そうそう8月下旬までの期間限定ゼリーや、水羊羹の発売が行われるので、こちらも忘れずに。
 (トラベルキャスター)
 
 
 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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