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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(110)案内と商品におもてなしの言葉を添えて「言葉は商品価値も変える」

2020年3月7日(土) 配信 
   

 広島の講演で参加者に「広島のお土産を買って帰りたいのですが、何がいいでしょうか」と質問しました。すると、会場からは「もみじ饅頭」というたくさんの声が聞こえてきました。「もみじ饅頭」は広島の代表的な銘菓でしょうから、誰もが納得される回答だと思います。

 
 ただ、実際に駅で買い求めようとすると、売り場には多くのメーカーのもみじ饅頭が種類豊富に並び、多くの人はどれが良いのかと、迷ってしまうと思います。一体何種類のもみじ饅頭があって、その味はどのように違うのでしょうか。それを、講演会の参加者に続けて質問をしてみると、当然のことですが、皆さん首をかしげていました。
 
 よく聞くのは「お客様の好みはそれぞれ違いますからね」。確かにそうですが、お客様の質問に、こうした言葉で逃げてはならないと話しています。
 
 「Aは老舗メーカーのもので、多くの方に人気です」。「Bは比較的新しいメーカーですが、バリエーションが豊かで、若い方々に人気です」。「Cは生地がおいしくて、私がよくお土産に買い求めるものです」。
 
 このように、それぞれの特徴を伝えることで、お客様への応えに価値が生まれてくるのです。会場を出るときに、参加者の1人から「西川さん、今日の帰りに色々な種類のもみじ饅頭を買って、食べ比べをしてみます」と言われました。本当にうれしい言葉です。
 
 ネットや雑誌で違いを調べるのではなく、実際に食べ比べをして、自身の言葉で目の前のお客様に伝えることが、最も説得力のあるものになるのです。
 
 その言葉は「もの」であるお土産を、言葉を添えて渡すことで「こと」にもなるのです。「このもみじ饅頭は、〇〇なんだって」と、その土産の価値を高めるものとなるのです。
 
 佐賀県の武雄で講演したときのことです。武雄図書館に行き、講演前のひとときを、軽食を兼ねたコーヒー休憩にしようと、図書館の中にあるスターバックスに行き、目に止まったサンドウィッチを頼みました。
 
 「こちらでお食べになるのであれば、温めますが」と聞かれたので、お願いをしました。しばらくして、温められた商品を受け取るときのことです。スタッフが商品の載ったトレーを渡しながら、笑顔で「これおいしいですよ」と言葉を掛けてきました。
 
 素晴らしい言葉に出逢えて、本当にわくわくしました。おかげでより以上にそのサンドウィッチをおいしくいただくことができたのです。
 
 言葉のチカラとは、その商品の価値をも変えるのです。お客様の質問に応えられる「言葉」を、接客の武器を持てるようにしましょう。
 
 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

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